【初心者必見】Excelの比較演算子一覧と使い方まとめ

Excel

比較演算子とは、2つの値を比べるための記号のことです。

Excelでは「等しい」「大きい」「小さい」「含まれる」などの条件を指定する際に使います。

比較演算子が使われる場面

  • IF関数の条件式
  • 条件付き書式(色やフォントの自動変更)
  • フィルター機能(データの絞り込み)
  • 論理関数(AND、ORなど)
  • データの集計(SUMIF、COUNTIFなど)

日常での例

現実世界の比較:

  • 「気温が30度以上なら暑い」
  • 「点数が60点未満なら不合格」
  • 「価格が1000円と等しい商品を探す」

Excelでの比較:

  • セルA1が80以上なら「合格」
  • セルB1が50未満なら「要注意」
  • セルC1が「東京」と等しいなら処理実行
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Excelの主な比較演算子一覧

基本的な比較演算子

演算子意味使用例結果
=等しい=A1=100A1が100ならTRUE
<>等しくない=A1<>100A1が100以外ならTRUE
>より大きい=A1>100A1が101以上ならTRUE
<より小さい=A1<100A1が99以下ならTRUE
>=以上=A1>=100A1が100以上ならTRUE
<=以下=A1<=100A1が100以下ならTRUE

各演算子の詳細説明

= (等しい)

=A1=100

例:

  • A1が100 → TRUE
  • A1が99 → FALSE
  • A1が101 → FALSE

<> (等しくない)

=A1<>100

例:

  • A1が100 → FALSE
  • A1が99 → TRUE
  • A1が101 → TRUE

> (より大きい)

=A1>100

例:

  • A1が101 → TRUE
  • A1が100 → FALSE(100は含まない)
  • A1が99 → FALSE

< (より小さい)

=A1<100

例:

  • A1が99 → TRUE
  • A1が100 → FALSE(100は含まない)
  • A1が101 → FALSE

>= (以上)

=A1>=100

例:

  • A1が101 → TRUE
  • A1が100 → TRUE(100を含む)
  • A1が99 → FALSE

<= (以下)

=A1<=100

例:

  • A1が99 → TRUE
  • A1が100 → TRUE(100を含む)
  • A1が101 → FALSE

IF関数と組み合わせた基本的な使い方

基本構文

=IF(条件式, 条件が真の場合, 条件が偽の場合)

例1:点数による合格判定

データ例:

A1: 85(点数)
=IF(A1>=80, "合格", "不合格")

結果: 合格

例2:年齢による区分

データ例:

A1: 25(年齢)
=IF(A1>=20, "成人", "未成年")

結果: 成人

例3:売上による評価

データ例:

A1: 1200000(売上)
=IF(A1>=1000000, "目標達成", "目標未達成")

結果: 目標達成

例4:在庫による警告

データ例:

A1: 5(在庫数)
=IF(A1<=10, "発注必要", "在庫充分")

結果: 発注必要

複数条件の組み合わせ(AND/OR)

AND関数との組み合わせ

すべての条件を満たす場合のみTRUE

例1:点数と出席率による判定

データ例:

A1: 85(点数)
B1: 95(出席率%)
=IF(AND(A1>=80, B1>=90), "合格", "不合格")

解説:

  • 点数が80以上かつ出席率が90%以上
  • 両方の条件を満たすので「合格」

例2:商品の発注判定

データ例:

A1: 5(現在庫)
B1: 10(最小在庫)
C1: 100(売上予測)
=IF(AND(A1<=B1, C1>=50), "緊急発注", "通常")

解説:

  • 現在庫が最小在庫以下かつ売上予測が50以上
  • 両方の条件を満たすので「緊急発注」

OR関数との組み合わせ

いずれかの条件を満たせばTRUE

例1:優遇対象の判定

データ例:

A1: 70(点数)
B1: 95(出席率%)
=IF(OR(A1>=80, B1>=90), "優遇対象", "対象外")

解説:

  • 点数が80以上または出席率が90%以上
  • 出席率が条件を満たすので「優遇対象」

例2:割引対象の判定

データ例:

A1: 8000(購入金額)
B1: "VIP"(会員種別)
=IF(OR(A1>=10000, B1="VIP"), "割引適用", "通常価格")

解説:

  • 購入金額が10000以上またはVIP会員
  • VIP会員なので「割引適用」

複雑な条件の組み合わせ

例:営業成績の総合評価

データ例:

A1: "営業部"(部署)
B1: 120(売上達成率%)
C1: 15(契約件数)
=IF(AND(A1="営業部", OR(B1>=110, C1>=10)), "優秀", "普通")

解説:

  • 営業部かつ(売上達成率110%以上または契約件数10件以上)
  • すべての条件を満たすので「優秀」

文字列の比較

基本的な文字列比較

=A1="東京"

例:

  • A1が「東京」 → TRUE
  • A1が「大阪」 → FALSE

大文字・小文字の扱い

Excelの文字列比較は大文字・小文字を区別しません

=A1="TOKYO"

例:

  • A1が「tokyo」 → TRUE
  • A1が「Tokyo」 → TRUE
  • A1が「TOKYO」 → TRUE

部分一致の確認

FIND関数との組み合わせ

=IF(ISERROR(FIND("営業", A1)), "営業以外", "営業関連")

LEFT/RIGHT関数との組み合わせ

=IF(LEFT(A1, 2)="東京", "東京エリア", "その他エリア")

実用例:地域判定

データ例:

A1: "東京都新宿区"
=IF(OR(A1="東京", A1="大阪", A1="名古屋"), "主要都市", "その他")

より柔軟な判定:

=IF(OR(LEFT(A1,2)="東京", LEFT(A1,2)="大阪", LEFT(A1,2)="名古屋"), "主要都市", "その他")

日付の比較

基本的な日付比較

=A1>=DATE(2024,1,1)

解説:

  • A1の日付が2024年1月1日以降ならTRUE

今日との比較

=A1>TODAY()

解説:

  • A1の日付が今日より後ならTRUE

実用例

期限管理

データ例:

A1: 2024/12/31(期限日)
=IF(A1<TODAY(), "期限切れ", IF(A1<=TODAY()+7, "期限間近", "余裕あり"))

解説:

  1. 期限日が今日より前 → 「期限切れ」
  2. 期限日が1週間以内 → 「期限間近」
  3. それ以外 → 「余裕あり」

年齢計算との組み合わせ

データ例:

A1: 1990/5/15(生年月日)
=IF(DATEDIF(A1, TODAY(), "Y")>=20, "成人", "未成年")

営業日の判定

=IF(AND(WEEKDAY(A1)<>1, WEEKDAY(A1)<>7), "営業日", "休日")

解説:

  • 日曜日(1)と土曜日(7)以外なら「営業日」

条件付き書式での活用

基本的な設定方法

例:点数が50未満を赤くする

手順:

  1. 対象セル範囲を選択
  2. ホーム → 条件付き書式 → 新しいルール
  3. 「数式を使用して書式設定するセルを決定」を選択
  4. 数式に以下を入力:
=A1<50
  1. 書式で背景色を赤に設定
  2. OK をクリック

複数条件での色分け

成績による3段階色分け

優秀(緑):80点以上

=A1>=80

普通(黄):60点以上80点未満

=AND(A1>=60, A1<80)

要注意(赤):60点未満

=A1<60

売上目標達成状況の色分け

目標超過(青):120%以上

=A1>=1.2

目標達成(緑):100%以上120%未満

=AND(A1>=1, A1<1.2)

目標未達成(赤):100%未満

=A1<1

日付による条件付き書式

期限管理の色分け

期限切れ(赤):

=A1<TODAY()

期限間近(黄):1週間以内

=AND(A1>=TODAY(), A1<=TODAY()+7)

余裕あり(緑):1週間以上

=A1>TODAY()+7

フィルター機能での活用

オートフィルターでの比較

数値フィルター

  1. データ範囲を選択
  2. データ → フィルター
  3. 列ヘッダーの▼をクリック
  4. 「数値フィルター」を選択

利用可能な条件:

  • 指定の値に等しい
  • 指定の値に等しくない
  • 指定の値より大きい
  • 指定の値より小さい
  • 指定の値以上
  • 指定の値以下
  • 範囲指定

テキストフィルター

利用可能な条件:

  • 指定の値に等しい
  • 指定の値に等しくない
  • 指定の値で始まる
  • 指定の値で終わる
  • 指定の値を含む
  • 指定の値を含まない

高度なフィルター

カスタム条件の設定

# 売上が100万以上かつ地域が東京
=AND(C1>=1000000, A1="東京")

実用的な活用例

活用例1:従業員管理

データ:

A列: 氏名    B列: 年齢    C列: 部署    D列: 勤続年数

昇進対象者の判定

=IF(AND(B1>=30, D1>=5, C1="営業部"), "昇進対象", "対象外")

研修受講対象者

=IF(OR(B1<=25, D1<=2), "研修必須", "研修任意")

活用例2:商品管理

データ:

A列: 商品名    B列: 価格    C列: 在庫数    D列: カテゴリ

値下げ対象商品

=IF(AND(B1>=5000, C1>=50), "値下げ対象", "対象外")

発注必要商品

=IF(OR(C1<=10, AND(D1="人気商品", C1<=20)), "発注必要", "在庫充分")

活用例3:売上分析

データ:

A列: 日付    B列: 売上    C列: 担当者    D列: 地域

売上好調日の判定

=IF(B1>=AVERAGE($B:$B)*1.2, "好調", "通常")

地域別優秀担当者

=IF(AND(D1="東京", B1>=500000), "東京エリア優秀", "")

エラーと対処法

よくあるエラー

エラー1:文字列と数値の比較

# 問題のあるコード
=IF(A1>100, "高い", "安い")
# A1が"150"(文字列)の場合、正しく判定されない

対処法:

=IF(VALUE(A1)>100, "高い", "安い")

エラー2:空白セルの扱い

# 問題のあるコード
=IF(A1>=80, "合格", "不合格")
# A1が空白の場合、"合格"になってしまう

対処法:

=IF(A1="", "未入力", IF(A1>=80, "合格", "不合格"))

エラー3:日付形式の不一致

# 問題のあるコード
=A1>DATE(2024,1,1)
# A1が文字列の日付の場合、正しく比較されない

対処法:

=DATEVALUE(A1)>DATE(2024,1,1)

デバッグのコツ

段階的な確認

# 1. 条件式単体の確認
=A1>=80

# 2. IF文の確認
=IF(A1>=80, "合格", "不合格")

# 3. 複雑な条件の確認
=IF(AND(A1>=80, B1>=90), "合格", "不合格")

効率的な使い方

関数との組み合わせパターン

SUMIF/COUNTIFでの活用

# 80点以上の人数
=COUNTIF(A:A, ">=80")

# 営業部の売上合計
=SUMIF(C:C, "営業部", B:B)

# 1000円以上の商品数
=COUNTIF(B:B, ">=1000")

VLOOKUP/INDEXでの活用

# 条件に合うデータの検索
=IF(VLOOKUP(A1, データ範囲, 2, FALSE)>100, "該当", "非該当")

複数条件での集計

SUMIFS/COUNTIFSの活用

# 営業部かつ売上100万以上の合計
=SUMIFS(売上列, 部署列, "営業部", 売上列, ">=1000000")

# 東京地区かつ売上50万以上の件数
=COUNTIFS(地域列, "東京", 売上列, ">=500000")

まとめ:比較演算子の使い方ポイント

基本的な使い分け

目的使用例注意点
等しいかどうか=A1=100文字列は大文字小文字を区別しない
等しくないか=A1<>100空白との比較に注意
大小比較=A1>80, =A1<50数値でのみ有効
範囲指定=A1>=80, =A1<=50境界値を含むかに注意
複数条件AND(...), OR(...)論理関数と組み合わせ
文字列比較=A1="東京"部分一致はFIND等を併用
日付比較=A1>=TODAY()日付形式に注意

学習の進め方

初心者向け

  1. 基本的な比較演算子の理解
  2. IF関数との組み合わせ
  3. 条件付き書式での活用

中級者向け

  1. AND/ORでの複数条件
  2. 文字列・日付の比較
  3. SUMIF/COUNTIFでの集計

上級者向け

  1. 複雑な条件式の構築
  2. エラーハンドリング
  3. パフォーマンス最適化

よく使う組み合わせパターン

  • IF + 比較演算子:基本的な条件分岐
  • AND/OR + 比較演算子:複数条件の判定
  • 条件付き書式 + 比較演算子:視覚的な強調
  • SUMIF/COUNTIF + 比較演算子:条件付き集計

おわりに

Excelの比較演算子は、IF関数の条件やデータ判定の基礎として非常に重要です。

シンプルな記号ですが、使いこなすことで複雑なロジックや自動化された判断処理が可能になります。

比較演算子をマスターすることで:

  • データの自動分類が可能になる
  • 条件に応じた書式設定ができる
  • 効率的なデータ分析が実現する
  • ミスの少ない判定処理を構築できる

特に重要なのは、単純な比較だけでなく、AND/ORとの組み合わせや文字列・日付との比較など、実務で必要となる複雑な条件処理を理解することです。

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