Excelファイルを開こうとしたら、突然「XMLエラー」が表示されて困っていませんか?
昨日まで普通に開けていたファイルなのに、今日になって「削除されたパーツ: /xl/sharedStrings.xml パーツに XML エラーがありました」といったメッセージが出てきて、データが見られなくなってしまった…そんな経験がある方も多いはずです。
この記事では、ExcelでXMLファイルが開けないときの原因と、すぐに試せる解決方法を分かりやすく解説します。
ExcelとXMLの関係って?
まず最初に、ExcelとXMLの関係について簡単に説明しましょう。
実は、Excel 2007以降の「.xlsx」という拡張子のファイルは、内部的にXML形式で作られています。XMLとは「Extensible Markup Language」の略で、データを構造化して保存するための言語のことです。
昔の「.xls」形式は単一のファイルでしたが、現在の「.xlsx」形式は、ワークシート、テキスト、図、スタイルなど、複数の部品(パーツ)に分かれて構成されています。これらの部品がXML形式で保存されているんですね。
つまり、Excelファイルが開けないときに「XMLエラー」が表示されるのは、このXML部品のどこかに問題が発生しているということなんです。
よくあるエラーメッセージと意味
ExcelでXMLエラーが発生すると、以下のようなメッセージが表示されます。
エラーメッセージの例:
「削除されたパーツ: /xl/sharedStrings.xml パーツに XML エラーがありました。(文字列) 無効な XML 文字です。場所は、行 XX、列 XXXXX です」
「修復されたレコード: /xl/sharedStrings.xml パーツ内の文字列プロパティ (文字列)」
「XML 宣言が無効です」
これらのメッセージは、Excel内部のXML部品に何らかの問題があることを教えてくれています。
XMLエラーが発生する5つの主な原因
1. 無効なXML文字の混入
最も多い原因が、無効なXML文字の混入です。
特に、Webサイトや他のアプリケーションからコピー&ペーストした文字列に、以下のような特殊文字が含まれている場合に発生します。
- 半角の「&」「<」「>」「’」「”」
- 制御文字(目に見えない特殊な文字)
- フリガナ情報の異常
2. ファイルの破損
ファイルの保存中にエラーが発生したり、ダウンロードが途中で中断されたりすると、ファイルが破損してXMLエラーが発生することがあります。
3. Excelのバージョンアップやアップデート
Windows UpdateやOfficeのアップデート後に、今まで開けていたファイルが突然開けなくなることがあります。Excel側のXML解析の厳密さが変わったことが原因と考えられます。
4. アドインの競合
Excelに追加したアドイン(拡張機能)が、ファイルを開く際に干渉してエラーを引き起こすケースもあります。
5. デフォルトアプリの設定変更
Windows Updateによって、XMLファイルを開くデフォルトアプリがExcelからInternet Explorerなどに変更されてしまうこともあります。
すぐ試せる!5つの解決方法
それでは、XMLエラーが発生したときの具体的な解決方法を見ていきましょう。
方法1:「開いて修復」機能を使う
Excelには、破損したファイルを自動的に修復する機能が備わっています。
手順:
- Excelを起動する
- 「ファイル」タブ→「開く」をクリック
- 開けないファイルを選択する
- 「開く」ボタンの右側にある▼をクリック
- 「開いて修復」を選択する
この方法で、多くの場合は自動的にエラーが修復されてファイルが開けるようになります。
方法2:セーフモードで起動する
アドインが原因の場合は、セーフモードでExcelを起動してみましょう。
手順:
- 「Windows」キー+「R」キーを押す
- 「excel /safe」と入力してEnterキーを押す
- セーフモードでExcelが起動したら、ファイルを開いてみる
セーフモードで開けた場合は、アドインが原因です。不要なアドインを無効化しましょう。
アドインを無効化する方法:
- 「ファイル」→「オプション」→「アドイン」
- 「管理」で「Excel アドイン」を選択→「設定」
- 不要なアドインのチェックを外して「OK」
方法3:Excelの更新を確認する
Excelのバージョンが古い場合、最新の更新プログラムをインストールすることで解決することがあります。
手順:
- Excelを起動する
- 「ファイル」→「アカウント」(または「ヘルプ」)をクリック
- 「更新オプション」→「今すぐ更新」をクリック
方法4:XMLファイルを手動で修復する(上級者向け)
XMLエラーの場所が特定できている場合は、手動でファイルを修復できます。
手順:
- ファイルのバックアップを作成する
- ファイルの拡張子を「.xlsx」から「.zip」に変更する
- ZIPファイルを解凍する
- エラーが出ている「xl」フォルダ内の「sharedStrings.xml」をテキストエディタ(メモ帳など)で開く
- エラーメッセージに表示された行と列の位置にある問題の文字を削除または修正する
- ファイルを保存して、再度ZIP形式に圧縮する
- 拡張子を「.zip」から「.xlsx」に戻す
注意: この方法は高度な知識が必要です。失敗するとファイルが完全に開けなくなる可能性があるため、必ずバックアップを取ってから作業してください。
方法5:新しいファイルにデータをコピーする
どうしても修復できない場合は、新しいExcelファイルを作成して、データを移し替える方法もあります。
手順:
- 新しいExcelファイルを作成する
- 問題のファイルを「開いて修復」で開く
- データを「Ctrl+A」で全選択してコピーする
- 新しいファイルに貼り付ける
- 新しいファイルを保存する
この方法なら、XMLエラーの原因となっていた部分が除去され、正常に使えるようになります。
XMLエラーを予防するための対策
XMLエラーを未然に防ぐために、以下の対策を心がけましょう。
1. コピー&ペーストは慎重に
Webページや他のアプリケーションからテキストをコピーする際は、一度テキストエディタ(メモ帳など)に貼り付けてから、Excelにコピーすると安全です。これにより、不要な書式や特殊文字が除去されます。
2. 定期的にバックアップを取る
重要なファイルは、定期的にバックアップを取る習慣をつけましょう。OneDriveやGoogleドライブなどのクラウドストレージを活用すると、自動的にバックアップが保存されるので便利です。
3. ファイルの保存は慎重に
ファイルを保存する際は、保存処理が完全に終わるまで待ちましょう。保存中にExcelを強制終了したり、PCをシャットダウンしたりすると、ファイルが破損する原因になります。
まとめ
ExcelでXMLファイルが開けないエラーは、多くの場合「開いて修復」機能やセーフモードでの起動で解決できます。
もう一度、解決方法をおさらいしましょう:
- 方法1:「開いて修復」機能を使う(最も簡単で効果的)
- 方法2:セーフモードで起動してアドインの影響を確認する
- 方法3:Excelを最新版に更新する
- 方法4:XMLファイルを手動で修復する(上級者向け)
- 方法5:新しいファイルにデータをコピーする(最終手段)
まずは方法1から順番に試してみてください。ほとんどの場合、これらの方法でエラーを解決できるはずです。
それでも解決しない場合は、ファイル自体が深刻に破損している可能性があります。バックアップがあれば、そちらを使用することをおすすめします。
普段からバックアップを取る習慣をつけておけば、万が一のときも安心ですね。


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