「Excel(エクセル)のファイルを開いたときに、『このブックにはリンクが含まれています。更新しますか?』と毎回出てきてうんざり…」
こんな経験はありませんか?
これは、別のExcelファイルへの**リンク(外部参照)**が残っているために起こるメッセージです。
このメッセージが出る原因と、リンクを解除する方法、そして解除するときの注意点をわかりやすく解説します。リンクエラーの対処法や、データ整理のコツも合わせて紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてください。
そもそもExcelのリンク(外部参照)とは?

リンクの仕組み
Excelでは、他のファイルのデータを参照できる便利な仕組みがあります。これを「外部参照」や「リンク」と呼びます。
例えば、こんな数式があります:
='C:\Users\Documents\[売上データ.xlsx]Sheet1'!$B$2
この数式は、別のファイル「売上データ.xlsx」のSheet1シートにあるB2セルを参照している状態です。
なぜリンクが作られるのか
リンクは以下のような場面で作られます:
- 別のファイルのデータをコピー&ペーストしたとき
- 集計用のファイルで複数のデータファイルを参照するとき
- グラフやピボットテーブルで外部データを使用するとき
リンクのメリットとデメリット
メリット:
- 元データが更新されると自動で最新情報に変わる
- 複数のファイルをまとめて管理できる
- データの重複を避けられる
デメリット:
- 元ファイルが移動・削除されるとエラーになる
- 毎回「更新しますか?」のメッセージが出る
- ファイルサイズが大きくなる場合がある
- 動作が重くなることがある
Excelのリンクを解除する方法
基本的な解除方法
「リンクの編集」から解除
- 「データ」タブをクリック
- Excel上部のリボンにある「データ」タブを選択します
- 「リンクの編集」をクリック
- 「データ」タブの「クエリと接続」グループにある「リンクの編集」ボタンを押します
- リンクを選択して解除
- リストに外部ファイルが表示されるので、解除したいファイルを選択
- 「リンクの解除」ボタンをクリック
- 確認メッセージに「OK」
- 「リンクを解除しますか?」のメッセージが出るので「OK」をクリック
これで、その数式は現在の値に置き換わり、元のファイルへの依存がなくなります。
複数のリンクを一括解除
複数のリンクがある場合は、以下の手順で効率的に解除できます:
- 「リンクの編集」画面で「Ctrl + A」を押してすべてのリンクを選択
- 「リンクの解除」をクリック
- 確認メッセージに「OK」
エラーが出る場合の対処法
「リンクの編集」が見つからない場合や、エラーが出る場合は以下を確認してください:
確認ポイント
- ファイルが保護されていないか
- 読み取り専用ファイルではリンク解除できません
- 他のユーザーがファイルを開いていないか
- 共有ファイルの場合は他のユーザーが閉じるまで待ちます
- Excelのバージョンが古すぎないか
- 古いバージョンでは機能が制限される場合があります
数式の中のリンクを見つける方法

リンクを解除する前に、どこに外部参照が残っているのか探すことをオススメします。
検索機能を使った探し方
基本的な検索方法
- 「Ctrl + F」で検索画面を開く
- 「[」(角括弧)を検索
- 外部参照は必ず
[ファイル名]
の形になるため
- 外部参照は必ず
- 「すべて検索」をクリック
- リンクを含むセルの場所がすべて表示されます
より詳細な検索
- 「.xl」を検索:Excelファイルへのリンクだけを見つけられます
- 「]」を検索:閉じ括弧で終わるリンクを見つけられます
名前の管理からリンクを探す
- 「数式」タブ → 「名前の管理」
- 外部参照を含む名前を確認
- 不要な名前を削除
名前の管理では、セル範囲に付けられた名前の中にリンクが含まれている場合があります。
リンク解除の注意点とリスク
解除前に必ず確認すべきこと
データの重要性
- 元データが必要かどうか
- リンクを解除すると、元ファイルの更新が反映されなくなります
- バックアップの有無
- 万が一に備えて、解除前にファイルのコピーを作っておきましょう
影響範囲の確認
- グラフやピボットテーブルへの影響
- リンクを解除すると、グラフのデータソースも変更されます
- 他のシートへの影響
- 複数のシートでリンクを使用している場合があります
解除後に起こりうる問題
数式エラー
リンクを解除すると、以下のような問題が起こる可能性があります:
- #REF!エラー:参照先が見つからない
- #NAME?エラー:名前が認識されない
- 計算結果の変更:動的な計算が静的な値に変わる
データの整合性
- 古いデータのまま固定される
- 手動でのデータ更新が必要になる
- リアルタイムでの連携ができなくなる
リンク解除後にやっておくといいこと

必須の作業
ファイルの保存
- 上書き保存:「Ctrl + S」で保存
- 名前を付けて保存:安全のため新しいファイル名で保存することをオススメ
動作確認
- 数式の結果が正しいか
- グラフが正常に表示されるか
- 印刷プレビューで確認
推奨の作業
データの整理
- 不要なシートの削除
- 使わない名前の削除
- ファイルサイズの確認
元ファイルの管理
- 元ファイルのバックアップ
- フォルダの整理
- ファイル名の統一
トラブルシューティング

よくある問題と解決法
「リンクの編集」が見つからない
原因:
- リンクが存在しない
- 権限がない
- ファイルが破損している
解決法:
- 「ファイル」→「情報」→「リンクの編集」を確認
- 管理者権限で実行
- ファイルの修復を試す
リンクを解除してもメッセージが出る
原因:
- 隠れたリンクが残っている
- 名前にリンクが含まれている
- アドインがリンクを作成している
解決法:
- 「名前の管理」でリンクを含む名前を削除
- 全シートを確認してリンクを探す
- アドインを一時的に無効化
解除後にエラーが大量発生
原因:
- 重要なリンクを解除してしまった
- 連鎖的に他の数式が影響を受けた
解決法:
- 「Ctrl + Z」で元に戻す
- バックアップファイルから復元
- 必要なリンクのみ再作成
まとめ
Excelのリンク解除は、**「データ」→「リンクの編集」→「リンクの解除」**で簡単にできます。
重要なポイント
- 一度切ると元に戻せないので、事前の確認が大切
- バックアップを取ってから作業することをオススメ
- 検索機能を使ってリンクの場所を把握しておく
- 解除後は必ずファイルを保存する
こんなときは解除を検討
- 毎回更新メッセージが出てうんざりしている
- 元ファイルが移動・削除されてエラーになっている
- ファイルの動作が重くなっている
- データを固定値として保存したい
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