Excel(エクセル)でリストやタスク表を作っているとき、こんなことを思ったことはありませんか?
- 「この作業は終わったけど、履歴として残しておきたい」
- 「間違いだったけど、いきなり消すのは不安」
- 「完了したタスクを分かりやすく示したい」
- 「データを残しつつ、使用済みであることを表示したい」
そんなときに役立つのが取り消し線です。
取り消し線を使うと:
- 内容はそのまま残しつつ
- 「これはもう完了・不要ですよ」と一目で分かる
- データの履歴を保持できる
- 誤って削除するリスクを避けられる
この記事では:
- Excelで取り消し線を引く基本操作
- ショートカットキーで一瞬で引く方法
- 条件付き書式で自動的に取り消し線を付ける方法
- よくあるトラブルと解決方法
まで、初心者にも分かりやすく紹介します。これを使いこなせば、タスク管理や在庫管理がぐっとラクになりますよ!
Excelで取り消し線を引く基本のやり方

書式設定から取り消し線を引く方法
最も基本的な取り消し線の引き方を説明します。この方法は確実で、初心者にもおすすめです。
手順
- セルを選択:取り消し線を引きたいセルを選択
- 右クリックメニュー:右クリック → 「セルの書式設定」を選ぶ
- フォント設定:「フォント」タブの中にある「取り消し線」にチェック
- 確定:「OK」を押す
これで、選択したセルの文字に線が引かれます。
セルの一部だけに取り消し線を引く方法
セル内の特定の文字だけに取り消し線を引きたい場合
- セルをダブルクリックして編集モードに入る
- 取り消し線を引きたい文字をドラッグして選択
- 右クリック → 「セルの書式設定」→「フォント」→「取り消し線」
タスク完了管理での活用例
やることリストでの使い方
- A列:タスク内容
- B列:期限
- C列:担当者
完了したタスクに取り消し線を引くことで:
- 「これはもう完了」「次はこれ」と一目で分かる
- 作業の進捗が視覚的に把握できる
- 完了したタスクを削除せずに履歴として保持
プロジェクト管理での応用
- マイルストーンの達成状況を表示
- チェックリストの完了項目を明示
- 作業ミスや見落としの防止
取り消し線は右クリックから簡単に設定できますが、何度も使うならショートカットが断然便利です。
Excelで取り消し線を引くショートカット

一瞬で引ける便利キー
取り消し線には専用ショートカットがあります。覚えてしまえば、作業効率が格段にアップします。
OS | ショートカット |
---|---|
Windows | Ctrl + 5 |
Mac | Command + Shift + X |
選択したセルまたは文字に対して、一瞬で取り消し線を付けたり外したりできます。
ショートカットの覚え方
Windows:Ctrl + 5
- 「5」は取り消し線のような形に見える
- テンキーでも文字列の「5」でも同じ効果
Mac:Command + Shift + X
- 「X」は「削除」を意味する記号として覚える
- 「Strikethrough」の「X」と関連付ける
会議メモでサクサク管理の例
議事録作成での活用
- 会議の議題をExcelでリスト化
- 終わった項目に
Ctrl + 5
を押して取り消し線 - 進行状況が一目で分かる
- 会議後の議事録として保存
チェックリストでの効率化
- 項目を確認するたびに
Ctrl + 5
- マウス操作不要で片手で完結
- 連続作業でのストレス軽減
複数セルに一括で取り消し線を引く
範囲選択しての一括操作
- 取り消し線を引きたい複数のセルを選択
- ドラッグで連続範囲を選択
Ctrl
を押しながらクリックで飛び飛びの選択
Ctrl + 5
を押す- 選択したすべてのセルに取り消し線が適用
ショートカットを覚えれば、取り消し線を付ける操作が驚くほど早くなります。
条件付き書式で自動的に取り消し線をつける
チェックボックスや文字で自動化
「完了」と入力した行に自動で取り消し線を付けたい場合は、条件付き書式が便利です。手動で付け忘れる心配もありません。
基本的な設定手順
手順1:範囲選択
- 自動で取り消し線を引きたい範囲を選択
- 通常はデータが入力されている列全体
手順2:条件付き書式の設定
- 「ホーム」タブ → 「条件付き書式」→「新しいルール」
- 「数式を使用して書式設定するセルを決定」を選択
手順3:数式の入力 例:B列のステータスが「完了」の場合
=$B2="完了"
手順4:書式の設定
- 「書式」ボタンをクリック
- 「フォント」タブ → 「取り消し線」にチェック
- 必要に応じて文字色も変更(グレーなど)
- 「OK」を押して完了
実践的な活用例
在庫管理での使い方
- A列:商品名
- B列:ステータス(「在庫あり」「販売済」「廃棄」)
- B列に「販売済」と入力したら、自動的に商品名に取り消し線
設定例
=$B2="販売済"
ToDoリストでの活用
- A列:タスク内容
- B列:完了チェック(「完了」「未完了」)
- 完了したタスクは自動で取り消し線+グレー文字
プロジェクト管理での応用
- 複数の条件を組み合わせた設定
- 日付による自動的な取り消し線
- 担当者別の色分けと取り消し線の組み合わせ
複数条件での設定
複数の完了パターンに対応
=OR($B2="完了", $B2="済", $B2="終了")
日付による自動取り消し線
=$C2<TODAY()
(C列の期限が今日より前の場合に取り消し線)
よくあるトラブルと解決方法

取り消し線が表示されない場合
原因1:セルの書式が正しく設定されていない
- 解決方法:セルの書式設定を再確認
- フォントタブで取り消し線のチェックを確認
原因2:条件付き書式の数式が間違っている
- 解決方法:数式を再確認
- 参照セルが正しいかチェック
- 絶対参照($)の使い方を確認
原因3:フォント色と線の色が同じで見えない
- 解決方法:コントラストを上げる
- 線の色を変更するか、フォント色を調整
取り消し線が解除できない場合
通常の取り消し線の場合
- 同じショートカット(Ctrl + 5)をもう一度押す
- または書式設定で取り消し線のチェックを外す
条件付き書式の場合
- 条件付き書式のルールを削除または編集
- 「ホーム」→「条件付き書式」→「ルールのクリア」
印刷時に取り消し線が表示されない
印刷設定の確認
- ページ設定で「白黒印刷」がオンになっていないか確認
- プリンターの設定で色が正しく設定されているか確認
パフォーマンスの問題
大量データでの条件付き書式
- 範囲を必要最小限に限定
- 複雑な数式は避けてシンプルな条件にする
- 定期的に不要な条件付き書式を削除
応用テクニック:さらに便利な使い方
取り消し線と色の組み合わせ
視認性を高める設定
- 取り消し線 + グレー文字
- 取り消し線 + 薄い背景色
- 完了度合いによる色分け
VBAでの自動化
取り消し線をVBAで制御する基本例:
' セルA1に取り消し線を追加
Range("A1").Font.Strikethrough = True
' セルA1の取り消し線を削除
Range("A1").Font.Strikethrough = False
' 条件に応じて取り消し線を切り替え
If Range("B1").Value = "完了" Then
Range("A1").Font.Strikethrough = True
Else
Range("A1").Font.Strikethrough = False
End If
チェックボックスとの連携
フォームコントロールのチェックボックスと連携して:
- チェックが入ったら自動で取り消し線
- より直感的な操作感を実現
- ユーザーフレンドリーなインターフェース
データの分析との組み合わせ
完了率の自動計算
=COUNTIF(A:A,"完了")/COUNTA(A:A)
残タスクの自動抽出
- フィルタ機能と組み合わせ
- 取り消し線のないデータのみ表示
- 進捗管理の効率化
まとめ:取り消し線でExcelをもっと分かりやすく管理!
Excelの取り消し線活用のポイント:
- 右クリックの「セルの書式設定」:基本的で確実な方法
- ショートカット:Windows
Ctrl + 5
、MacCommand + Shift + X
で瞬間操作 - 条件付き書式:自動化で付け忘れを防止
- トラブル対処:表示されない場合は設定を再確認
効果的な活用場面
タスク管理
- ToDoリストの完了項目を視覚化
- プロジェクトの進捗管理
- チェックリストの確認状況表示
データ管理
- 在庫の販売済み商品を明示
- 顧客リストの連絡済み項目
- 古いデータの無効化表示
文書管理
- 修正前の内容を履歴として保持
- 変更点の明確化
- 版管理での削除予定項目
今日から始める3ステップ
- 基本操作をマスター:右クリック → セルの書式設定 → 取り消し線
- ショートカットを覚える:Ctrl + 5(Windows)で効率化
- 条件付き書式を設定:「完了」入力で自動取り消し線
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