Excel(エクセル)でデータを管理しているとき、こんなことを思ったことはありませんか?
- 「この項目は終わったから、取り消し線を引いておきたいな」
- 「でも、いちいちリボンから選ぶのは面倒くさい…」
- 「もっと効率的に作業を進めたい」
- 「ToDoリストの完了チェックをもっと早くしたい」
実はExcelには、取り消し線(打ち消し線)をサッと入れられるショートカットキーがあります。
このショートカットを知っているだけで、仕事や作業のスピードがぐっと上がります。
この記事では:
- Excelで取り消し線をショートカットで入れる具体的な方法
- Windows・Mac・スマホ版それぞれの操作方法
- 意外と知られていない取り消し線の活用シーン
- セルの一部だけに取り消し線を入れる方法
- トラブル時の解決方法
- より効率的な活用テクニック
を初心者にもわかるように詳しく解説します。
Excelの取り消し線とは?
取り消し線の役割と意味
「取り消し線」とは、文字の上に横線を引いてその項目が終わった・不要になったことを示すために使う書式です。データを削除せずに「完了状態」を表現できる便利な機能です。
視覚的な例
通常の表示
買い物リスト:牛乳、卵、パン、りんご
取り消し線を使った表示
買い物リスト:牛乳、卵、パン、りんご
(実際には「牛乳」と「卵」に横線が引かれている状態)
取り消し線を使うメリット
メリット | 詳細 |
---|---|
履歴の保持 | データを削除せずに完了状態を記録 |
視覚的な分かりやすさ | 一目で完了・未完了が判別可能 |
復元の簡単さ | 必要に応じて取り消し線を解除するだけ |
進捗の可視化 | プロジェクトや作業の進行状況を明確に表示 |
よくある活用シーン
仕事での活用
- ToDoリストの完了チェック
- 会議の議題で終わった項目を明示
- 修正前の数値を見える形で残す
- プロジェクトの完了したタスクを表示
プライベートでの活用
- 買い物リストの購入済みアイテム
- 旅行の準備チェックリスト
- 家事の完了項目
- 読書リストの読了済み書籍
学習での活用
- 勉強計画の完了した項目
- 試験対策の終わった範囲
- 課題の提出済みリスト
Excelで取り消し線を引くショートカット
Windowsでのショートカット
取り消し線をショートカットキーで入れる最も簡単な方法です。
基本のショートカット
Ctrl + 5
詳しい操作手順
- 取り消し線を入れたいセル(または複数セル)を選択
- Ctrlキーを押しながら5キーを押す
- 選択したセルの文字に取り消し線が即座に適用される
取り消し線の解除
- 同じセルを選択して再度
Ctrl + 5
を押す - トグル(切り替え)式なので、オン・オフが簡単
複数セルへの一括適用
- 範囲選択(ドラッグまたはShift + 矢印キー)
Ctrl + 5
で選択した全セルに一括適用- 大量のデータでも一度に処理可能
Macでのショートカット
Macの場合は、Excelのバージョンによって操作方法が異なります。
標準的なショートカット
Command + Shift + X
代替方法(バージョンによる)
Control + Shift + X
メニューからの操作(確実な方法)
- 対象セルを選択
- 「書式」メニューをクリック
- 「セル」を選択
- 「フォント」タブで「取り消し線」にチェック
- 「OK」をクリック
スマートフォン版Excelでの操作
iPhone・iPad版Excel
- セルを選択
- 画面下部の「ホーム」タブをタップ
- フォント設定アイコン(A)をタップ
- 「取り消し線」オプションを選択
Android版Excel
- セルを選択
- 「ホーム」タブをタップ
- フォントオプションを展開
- 「取り消し線」をタップして有効化
セル内の一部だけに取り消し線を入れる方法
部分的な取り消し線の設定手順
セル全体ではなく、文字列の一部だけに取り消し線を入れたい場合の方法です。
基本手順
- 編集モードに入る
- セルをダブルクリック
- または F2 キーを押す
- 対象文字を選択
- マウスで文字列をドラッグ
- またはShift + 矢印キーで範囲選択
- 書式設定ダイアログを開く
Ctrl + 1
(Windows)Command + 1
(Mac)
- 取り消し線を設定
- 「フォント」タブを選択
- 「取り消し線」にチェックを入れる
- 「OK」をクリック
実践例:会議議事録での活用
例:会議の議題管理
議題:
1. 予算承認の件 ← 完了
2. 新商品企画について
3. 人事異動の検討 ← 完了
この場合、完了した議題の後ろに「← 完了」と入力し、その部分だけに取り消し線を適用することで、議題自体は残しつつ完了状態を明示できます。
高度な活用テクニック
条件付き書式との組み合わせ
特定の条件を満たした場合に自動で取り消し線を適用する方法です。
例:完了フラグによる自動取り消し線
設定手順
- データ範囲を選択
- 「ホーム」→「条件付き書式」→「新しいルール」
- 「数式を使用して書式設定するセルを決定」を選択
- 数式に条件を入力:
=$C2="完了"
- 「書式」ボタンをクリック
- 「フォント」タブで「取り消し線」を設定
- 「OK」で完了
これで、C列に「完了」と入力すると自動で該当行に取り消し線が適用されます。
VBAを使った自動化
より高度な自動化を求める場合のVBAコード例:
Sub ToggleStrikethrough()
If Selection.Font.Strikethrough = True Then
Selection.Font.Strikethrough = False
Else
Selection.Font.Strikethrough = True
End If
End Sub
このマクロをショートカットキーに割り当てることで、カスタムショートカットを作成できます。
他の書式との組み合わせ
効果的な組み合わせ例
取り消し線 + 文字色変更
Ctrl + 5
で取り消し線適用Ctrl + 1
で書式設定ダイアログ- フォント色をグレーに変更
取り消し線 + セルの背景色
- 完了項目を薄いグレー背景にして取り消し線
- 視覚的により分かりやすい表現
よくあるトラブルと解決方法
ショートカットが効かない場合
問題1:Ctrl + 5 が反応しない
原因と解決方法
- NumLock がオンになっている:NumLockをオフにする
- 他のソフトがショートカットを使用:一時的に他のソフトを終了
- Excelのバージョンが古い:アップデートを確認
問題2:テンキーの5では効かない
解決方法
- 文字列の「5」キーを使用する
- テンキーではなく、メイン キーボードの5を使用
Mac での問題
問題:Command + Shift + X が効かない
解決方法
- Excelのバージョンを確認
Control + Shift + X
を試す- システム環境設定でショートカットの競合を確認
- メニューからの手動操作に切り替え
部分的な取り消し線がうまくいかない
問題:セル内の一部だけに取り消し線を入れられない
解決方法
- 必ずセルの編集モード(F2またはダブルクリック)に入る
- 文字列を正確に選択する
Ctrl + 1
で書式設定ダイアログを確実に開く
効率的なデータ管理の実例
例1:プロジェクト管理シート
タスク | 担当者 | 期限 | 状態 |
---|---|---|---|
田中 | 2024/12/15 | 完了 | |
基本設計 | 佐藤 | 2024/12/25 | 進行中 |
山田 | 2024/12/20 | 完了 |
活用ポイント
- 完了したタスクは取り消し線で明示
- 進捗状況が一目で分かる
- 完了したタスクの情報も保持
例2:在庫管理表
商品名 | 在庫数 | 注文要否 |
---|---|---|
0 | 発注済み | |
商品B | 15 | – |
2 | 発注済み |
活用ポイント
- 発注済み商品は取り消し線で管理
- 在庫切れと発注済みの区別が明確
- 履歴として発注情報を保持
例3:学習進捗管理
科目 | 単元 | 学習状況 |
---|---|---|
~~二次関数~~ | 完了 | |
英語 | 現在完了形 | 学習中 |
~~古文基礎~~ | 完了 |
活用ポイント
- 完了した学習内容を視覚的に管理
- 学習計画の進捗が把握しやすい
- 復習が必要な項目も一目で分かる
まとめ:取り消し線ショートカットで作業効率大幅アップ
Excelで取り消し線を効率的に使うためのポイント:
- 基本ショートカット:Windows
Ctrl + 5
、MacCommand + Shift + X
- 部分適用:F2で編集モード → 文字選択 →
Ctrl + 1
で書式設定 - 自動化:条件付き書式やVBAとの組み合わせで更なる効率化
- トラブル対処:NumLockやバージョンの確認で大抵の問題は解決
今すぐ実践できる活用法
初心者レベル
- ToDoリストで完了項目に取り消し線
- 買い物リストで購入済みアイテムを管理
- 基本ショートカット
Ctrl + 5
をマスター
中級者レベル
- 条件付き書式で自動取り消し線を設定
- 部分的な取り消し線で詳細な状態管理
- 他の書式との組み合わせで視認性向上
上級者レベル
- VBAマクロでカスタムショートカット作成
- 複数シートにわたる一括管理システム
- データベースとの連携による自動化
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