「会議で売上データを発表することになったけど、数字の羅列では伝わりにくい…」
「Excel初心者だけど、見やすいグラフを作りたい!」
こんな悩みを持っていませんか?
実は、Excelでプロ並みの棒グラフを作るのは、思っている以上に簡単です。正しい手順さえ知っていれば、5分程度で印象的なグラフが完成します。
この記事では、Excel初心者の方でも迷わずに棒グラフを作成できるよう、実際の画面操作に沿って詳しく解説します。さらに、「普通のグラフ」を「プロっぽいグラフ」に変える簡単なコツもお教えします。
棒グラフが活躍する場面を知ろう

なぜ棒グラフが重要なのか
人間の脳は、数字の羅列よりも視覚的な情報を瞬時に理解できます。同じデータでも、表とグラフでは伝わる印象が全く違います。
数字だけの場合
A店: 85万円
B店: 120万円
C店: 95万円
D店: 140万円
棒グラフの場合
視覚的に一目で「D店が最も良好」「A店が改善必要」ということが分かります。
棒グラフが最適なデータの種類
比較に最適
- 店舗別売上: どの店舗が好調かひと目で分かる
- 月別実績: 季節変動や成長トレンドを把握
- 商品別販売数: 人気商品ランキングを視覚化
- 部署別予算: 各部署の規模感を比較
実際のビジネス活用例
営業会議での活用
従来: 「A支店85万、B支店120万、C支店95万...」
改善後: 棒グラフで一瞬で業績順位が把握可能
予算説明での活用
従来: 複雑な数字の説明で聞き手が混乱
改善後: 視覚的に予算配分を理解してもらえる
【基本編】5分で完成!棒グラフ作成手順
Step1:データを準備する
理想的なデータ構成
棒グラフに適したデータの配置方法:
A列 B列
1 項目名 数値名
2 商品A 120
3 商品B 85
4 商品C 150
5 商品D 95
データ準備のポイント
1行目は見出しに
- 左列:カテゴリ名(商品名、店舗名など)
- 右列:数値の説明(売上、個数など)
数値は右列に
- Excelが自動で数値として認識
- 計算やグラフ化がスムーズ
実際の入力例
売上管理表
A1: 店舗名 B1: 売上(万円)
A2: 新宿店 B2: 120
A3: 渋谷店 B3: 85
A4: 池袋店 B4: 150
A5: 上野店 B5: 95
Step2:データを選択する
選択範囲の決め方
基本的な選択方法
- A1セル(左上)をクリック
- マウスを押したままB5セル(右下)まで移動
- 全データ範囲が青く反転すればOK
キーボードショートカット
Ctrl + A
:データ範囲を自動選択Shift + 矢印キー
:範囲を拡張選択
選択時の注意点
含めるもの
- 見出し行(1行目)は必ず含める
- すべてのデータ行
含めないもの
- 空白行
- 計算式だけの行
- 関係ないデータ
Step3:グラフを挿入する
リボンからの操作
手順
- 上部メニューバーの**「挿入」**タブをクリック
- **「グラフ」**グループを確認
- **「縦棒グラフ」**アイコンをクリック
- 最初に表示される**「集合縦棒」**を選択
グラフの種類を理解する
集合縦棒グラフ
- 最もシンプルで使いやすい
- 単一データ系列の比較に最適
- 初心者におすすめ
積み上げ縦棒グラフ
- 合計値とその内訳を同時表示
- 複数要素の構成比を見たい場合
100%積み上げ縦棒グラフ
- 構成比率に焦点を当てた表示
- 割合の比較に特化
Step4:基本グラフの完成確認
作成直後のグラフには以下が表示されます:
- 棒グラフ本体:データに基づく棒
- 横軸:項目名(商品名、店舗名など)
- 縦軸:数値とスケール
- グラフタイトル:「グラフ タイトル」(変更が必要)
【カスタマイズ編】プロっぽく見せるコツ

グラフタイトルの設定
タイトル変更の手順
方法1:直接編集
- 「グラフ タイトル」の文字をクリック
- 文字が選択状態になる
- 新しいタイトルを入力
例:「2024年度 支店別売上実績」
方法2:書式設定から
- タイトルを右クリック
- 「グラフタイトルの書式設定」を選択
- フォント、サイズ、色を詳細設定
効果的なタイトルの作り方
良いタイトルの例
○「2024年Q1 商品別売上高」
○「支店別月間目標達成率」
○「部門別予算配分状況」
避けるべきタイトル
×「グラフ」
×「データ」
×「売上」(抽象的すぎる)
色とデザインの調整
グラフスタイルの変更
操作手順
- グラフをクリックして選択
- 右側に表示される**「グラフのデザイン」**タブをクリック
- **「グラフのスタイル」**から好みのデザインを選択
色の個別カスタマイズ
棒の色を変更する
- 変更したい棒をダブルクリック
- 「データ系列の書式設定」パネルが開く
- **「塗りつぶし」**で色を選択
おすすめ色の使い方
重要なデータ: 赤色やオレンジ色で強調
好調なデータ: 緑色や青色でポジティブ印象
標準データ: グレーや薄い色で控えめに
データラベルの追加
数値を棒の上に表示
設定方法
- グラフを選択
- 右上の**「+」マーク**(グラフ要素)をクリック
- **「データ ラベル」**にチェックを入れる
ラベルの位置調整
表示位置の選択肢
- 内側軸寄り:棒の中、軸に近い位置
- 内側端:棒の中、上端近く
- 外側端:棒の外、上端(最も見やすい)
位置変更の手順
- データラベルをクリック
- 右クリック→「データラベルの書式設定」
- **「ラベルの位置」**で調整
軸の調整
縦軸の範囲設定
自動調整を手動に変更
- 縦軸(数値軸)を右クリック
- **「軸の書式設定」**を選択
- **「軸のオプション」**で以下を設定:
- 最小値:0(通常は0から開始)
- 最大値:データに応じて調整
- 主単位:目盛間隔
実用的な軸設定例
売上データの場合
データ範囲:85万〜150万円
設定例:最小値 0、最大値 200、主単位 50
結果:0, 50, 100, 150, 200の目盛で見やすい
【実践編】業務で使える棒グラフ活用法
比較分析用棒グラフ
前年同月比グラフ
データ構成
A列: 月 B列: 今年 C列: 前年
1月 120 100
2月 135 110
3月 150 125
作成手順
- A1:C4を選択
- 挿入→縦棒グラフ→「集合縦棒」
- 自動で2つの系列が並んで表示
目標達成率グラフ
データ構成
A列: 部署 B列: 実績 C列: 目標
営業部 120 100
企画部 85 90
開発部 150 140
効果的な表示方法
- 目標を上回った部分:緑色
- 目標未達成の部分:赤色
- 条件付き書式との組み合わせ
プレゼンテーション用グラフ
インパクトのあるデザイン
大きな数字を強調
- フォントサイズを大きく(18pt以上)
- 重要なデータの色を変更
- データラベルを太字に設定
ストーリーを伝える構成
タイトル:「Q3売上目標を大幅達成」
サブタイトル:「全支店で前年同期比20%向上」
グラフ:視覚的な根拠として配置
レポート用グラフ
定期報告書での活用
月次報告書テンプレート
- 概況グラフ:当月実績
- 推移グラフ:過去12ヶ月の動向
- 比較グラフ:前年同月比
- 分析グラフ:要因分析
自動更新の設定
データ範囲を「テーブル」として設定
→ データ追加時にグラフが自動拡張
→ 毎月の作業時間を大幅短縮
【応用編】一歩先行く棒グラフテクニック

複数系列の棒グラフ
3つ以上のデータ比較
データ例
商品A 商品B 商品C
Q1 120 85 150
Q2 135 90 165
Q3 150 105 180
Q4 140 95 170
作成のコツ
- 色分けで系列を区別
- 凡例の位置を調整(上部または右側)
- データラベルは重要な系列のみ表示
条件付き棒グラフ
データに応じた自動色分け
VBAを使わない簡単な方法
- 補助列で条件判定
- 条件ごとに別の系列として設定
- 不要な系列は透明に設定
例:目標達成状況
=IF(B2>=C2,B2,"") # 達成
=IF(B2<C2,B2,"") # 未達成
データの動的更新
OFFSET関数を使った自動拡張
名前の定義での設定
データ範囲 = OFFSET($A$1,0,0,COUNTA($A:$A),2)
メリット
- データ追加時の手動調整不要
- 常に最新データでグラフ更新
- 複数のグラフで同じ名前を参照可能
よくある問題と解決方法
Q1. グラフが思った通りに表示されない
症状:縦軸と横軸が逆になっている
原因 Excelがデータの並びを誤認識
解決方法
- グラフを選択
- **「グラフのデザイン」**タブ
- **「行/列の切り替え」**をクリック
症状:一部のデータが表示されない
原因 選択範囲にデータが含まれていない
解決方法
- グラフを右クリック
- 「データの選択」
- データ範囲を正しく設定
Q2. 数値が大きすぎて見づらい
単位の調整
軸の表示単位変更
- 縦軸を右クリック
- 「軸の書式設定」
- **「表示単位」**で「千」「万」「百万」を選択
例
元の表示:1,200,000
設定後:1.2(百万円単位)
Q3. 棒が細すぎる/太すぎる
棒の幅調整
手順
- 棒グラフの棒をクリック
- 右クリック→「データ系列の書式設定」
- 「系列のオプション」
- **「要素の間隔」**で調整(狭く→太い棒、広く→細い棒)
Q4. 印刷すると色が薄くなる
印刷用の色設定
対策
- 濃い色の使用
- パターン(斜線、点など)の併用
- 印刷プレビューでの事前確認
推奨色:
- 青:RGB(0,70,140)
- 赤:RGB(170,0,0)
- 緑:RGB(0,100,0)
効率化のための便利機能
テンプレート化
よく使うグラフ形式の保存
カスタムテンプレートの作成
- 理想的な棒グラフを作成
- グラフを選択→右クリック
- 「テンプレートとして保存」
- 名前を付けて保存
テンプレートの活用
- 新しいグラフ作成時に「テンプレート」から選択
- 会社の標準フォーマットとして活用
- 作業時間の大幅短縮
ショートカットキー
作業効率UP
F11:選択データから即座にグラフ作成
Alt+F1:埋め込みグラフの作成
Ctrl+1:書式設定ダイアログを開く
Shift+F10:右クリックメニュー表示
他のアプリケーションとの連携
PowerPointへの貼り付け
高品質での貼り付け
- Excelでグラフをコピー(Ctrl+C)
- PowerPoint で**「形式を選択して貼り付け」**
- **「図(拡張メタファイル)」**を選択
メリット
- 画質の劣化なし
- サイズ変更時も美しさを維持
- プレゼンテーションでの見栄えが向上
まとめ:棒グラフマスターへの道
今日学んだ重要ポイント
基本手順の確実な習得
- データ準備:見出し付きの整理されたデータ
- 範囲選択:見出しを含む全データ範囲
- グラフ挿入:挿入タブ→縦棒グラフ
- カスタマイズ:タイトル、色、ラベルの調整
プロレベルの仕上げ
- 意味のあるタイトル設定
- 効果的な色使い
- データラベルでの数値表示
- 軸の適切な調整
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