この記事では、Excel(エクセル)で棒グラフを作成する方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
基本的な作り方から見栄えの良いカスタマイズまで、ステップごとに詳しく説明していきます。
棒グラフとは

棒グラフは、データの大きさを棒の長さで視覚的に表現するグラフです。
売上データや人数の比較など、様々な場面で活用できる最も基本的なグラフの一つです。
棒グラフが適している場面
- 売上や利益の比較(商品別、月別など)
- アンケート結果の集計(年代別、性別など)
- 成績や評価の比較
- 在庫数や生産量の表示
事前準備:データの入力
グラフを作成する前に、まずExcelにデータを正しく入力しましょう。
データ入力の例
以下のようなデータを使って説明します:
商品名 | 売上(万円) |
---|---|
A商品 | 120 |
B商品 | 180 |
C商品 | 95 |
D商品 | 140 |
データ入力時のポイント
見出し行を設定する
- 1行目には項目名(商品名、売上など)を入力
- 見出しがあることで、グラフの軸ラベルが自動で設定される
データは連続したセルに入力
- 空白行を挟まずに、連続してデータを配置
- 空白があるとグラフが正しく作成されない場合がある
数値データは右揃え
- 数値は自動で右揃えになるが、文字列として入力されていないか確認
- 文字列だとグラフに反映されない
基本的な棒グラフの作成手順
ステップ1:データ範囲の選択
- セルA1からB5までをドラッグして選択
- 項目名(商品名)と数値(売上)の両方を含める
- 見出し行も忘れずに選択する
- 選択範囲の確認
- 選択したセルが青色でハイライトされることを確認
- 見出し行と数値データがすべて含まれているかチェック
ステップ2:グラフの挿入
- 「挿入」タブをクリック
- Excelの上部にあるメニューバーで「挿入」を選択
- 「グラフ」グループを探す
- 「挿入」タブ内にある「グラフ」セクションを見つける
- 「縦棒グラフ」をクリック
- 棒グラフのアイコンをクリック
- 下向きの矢印をクリックすると詳細な種類が表示される
- グラフの種類を選択
- 「集合縦棒」:最も基本的な棒グラフ
- 「積み上げ縦棒」:複数のデータを重ねて表示
- 「100%積み上げ縦棒」:割合で表示
ステップ3:グラフの確認
選択したデータに基づいて、棒グラフが自動的に作成されます。この時点で以下を確認しましょう:
- 棒の数が正しい:データの項目数と一致している
- 横軸のラベル:商品名が正しく表示されている
- 縦軸の数値:売上データが反映されている
グラフのカスタマイズ方法

基本的なグラフができたら、見栄えを良くするためにカスタマイズしていきましょう。
タイトルの変更
操作方法
- グラフのタイトル部分をクリック
- 文字を選択して新しいタイトルを入力
- 例:「商品別売上実績」「月別販売数量」など
タイトル作成のコツ
- 何のデータかすぐにわかるタイトルにする
- 期間や単位も含めると親切(例:「2024年上半期売上実績(万円)」)
軸ラベルの追加
縦軸ラベルの追加
- グラフを選択した状態で「グラフ要素」ボタン(+マーク)をクリック
- 「軸ラベル」にチェックを入れる
- 「第1縦軸」を選択
- 表示されたラベルをクリックして「売上(万円)」などに変更
横軸ラベルの追加
- 同様に「軸ラベル」から「第1横軸」を選択
- 「商品名」などの適切なラベルを入力
色の変更
棒の色を変更する方法
- 単色で変更する場合
- 棒をクリックして全体を選択
- 右クリックして「データ系列の書式設定」を選択
- 「塗りつぶし」で好みの色を選択
- 棒ごとに異なる色にする場合
- 変更したい棒を個別にダブルクリック
- 右クリックして「データ要素の書式設定」を選択
- 個別に色を変更
色選択のポイント
- 見やすい色を選ぶ(薄すぎる色は避ける)
- 印刷することを考慮して、白黒でも区別できる色にする
- 企業カラーがある場合はそれに合わせる
データラベルの表示
設定方法
- グラフを選択
- 「グラフ要素」ボタン(+マーク)をクリック
- 「データラベル」にチェックを入れる
表示位置の調整
- 「データラベル」の右側の矢印をクリック
- 「データラベルの上」「データラベルの内側」などから選択
- 棒が短い場合は「外側」がおすすめ
目盛りの調整
縦軸の目盛りを変更する方法
- 縦軸の数値部分をクリック
- 右クリックして「軸の書式設定」を選択
- 「軸のオプション」で最小値・最大値・間隔を調整
調整のコツ
- 最小値を0にして比較しやすくする
- 最大値はデータの最大値より少し大きめに設定
- 間隔は見やすい単位(10、50、100など)に設定
横棒グラフの作成方法

縦棒グラフではなく横棒グラフを作りたい場合の手順です。
新規作成する場合
- データを選択
- 「挿入」タブから「横棒グラフ」を選択
- 「集合横棒」などの種類を選択
縦棒グラフから変更する場合
- 既存のグラフを選択
- 「グラフのデザイン」タブをクリック
- 「グラフの種類の変更」をクリック
- 「横棒」カテゴリーから好みの種類を選択
横棒グラフが適している場面
- 項目名が長い場合(横軸に長い文字を表示する必要がない)
- 項目数が多い場合(縦方向にスペースが取れる)
- 順位を表示したい場合(上から順番に並べやすい)
複数系列の棒グラフ
複数のデータを比較したい場合の作成方法です。
データの準備例
商品名 | 1月売上 | 2月売上 | 3月売上 |
---|---|---|---|
A商品 | 120 | 140 | 160 |
B商品 | 180 | 170 | 190 |
C商品 | 95 | 110 | 105 |
作成手順
- すべてのデータ範囲を選択(A1からD4まで)
- 「挿入」→「縦棒グラフ」→「集合縦棒」を選択
- 自動的に系列ごとに色分けされたグラフが作成される
系列の名前変更
- グラフを選択
- 「グラフのデザイン」タブ→「データの選択」をクリック
- 「凡例項目(系列)」で名前を変更
グラフの種類別使い分け
集合縦棒グラフ
特徴:各項目のデータを並べて比較
適用場面:
- 商品別の月別売上比較
- 部門別の前年同月比較
- 地域別の売上実績
積み上げ縦棒グラフ
特徴:複数のデータを重ねて全体と内訳を表示
適用場面:
- 売上の商品別構成比
- 費用の項目別内訳
- 人員の部署別配置
100%積み上げ縦棒グラフ
特徴:全体を100%として割合で表示
適用場面:
- マーケットシェアの変化
- アンケート結果の割合比較
- 予算配分の比較
よくあるトラブルと解決方法

グラフが正しく表示されない
原因と対処法
- データに空白がある
- 空白セルを削除するか、「0」を入力
- 数値が文字列として入力されている
- セルを選択して「数値」形式に変更
- 緑の三角マークが出ている場合は「数値に変換」を選択
- データ範囲の選択間違い
- 見出し行も含めて正しく範囲選択し直す
グラフのサイズ調整
サイズ変更の方法
- グラフの枠をクリックして選択
- 四隅のハンドル(小さな四角)をドラッグ
- Shiftキーを押しながらドラッグで縦横比を保持
グラフの移動とコピー
移動方法
- グラフの枠をクリックしてドラッグ
コピー方法
- グラフを選択してCtrl + C
- 貼り付け先でCtrl + V
別シートに移動
- グラフを右クリック
- 「グラフの移動」を選択
- 移動先のシートを指定
より見栄えの良いグラフにするコツ
デザインテーマの活用
- グラフを選択
- 「グラフのデザイン」タブをクリック
- 「グラフスタイル」から好みのデザインを選択
3D効果の追加
- グラフを選択
- 「挿入」→「3-D縦棒」を選択
- 注意:3D効果は見た目重視の場合のみ使用(数値の読み取りが困難になる場合がある)
グリッドラインの調整
- グラフを選択
- 「グラフ要素」(+マーク)→「目盛線」
- 「第1横軸目盛線」「第1縦軸目盛線」のチェックで表示/非表示を切り替え
よくある質問

データが追加されたときにグラフも自動で更新されますか?
基本的には自動更新されませんが、以下の方法で対応できます:
方法1:データ範囲を手動で変更
- グラフを選択
- 「グラフのデザイン」→「データの選択」
- データ範囲を拡張
方法2:テーブル機能を使用
- データをテーブルに変換(Ctrl + T)
- テーブルからグラフを作成
- データを追加すると自動でグラフに反映
エラーバーを追加することはできますか?
はい、可能です:
- グラフを選択
- 「グラフ要素」(+マーク)→「誤差範囲」をチェック
- 標準偏差や固定値などを設定
グラフを画像として保存したい場合は?
方法1:コピー&ペースト
- グラフを選択してCtrl + C
- 画像編集ソフトやWordなどにCtrl + V
方法2:図として保存
- グラフを右クリック
- 「図として保存」を選択
- ファイル形式(PNG、JPEGなど)を選択
まとめ
Excelでの棒グラフ作成は、正しいデータ準備とステップに従った操作で誰でも簡単に作ることができます。
重要なポイント
- データは見出し行を含めて連続で選択
- グラフの種類は目的に応じて選択
- タイトルや軸ラベルで情報を明確に
- 色やデザインで見やすさを向上
作成手順のおさらい
- データを正しく入力
- 範囲を選択(見出し行も含む)
- 「挿入」→「縦棒グラフ」→グラフの種類選択
- タイトル、軸ラベル、色などをカスタマイズ
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