「途中の行にデータを追加したいのに、上書きされてしまう…」
「表の途中にスペースを入れたいけど、やり方が分からない」
そんなときに知っておくと便利なのが、Excel(エクセル)の**行の追加(挿入)**機能です。
この記事では、1行ずつの追加方法から、複数行を一括で挿入する方法、さらにショートカットや応用テクニックまでわかりやすく解説します。
作業スピードを上げたい方は、ぜひ参考にしてください!
行追加が必要になる場面

データ管理での活用
- 売上表に新商品の行を追加
- 顧客リストに新規顧客を挿入
- 予算表に新項目を追加
- 会議録に新議題を挿入
表の整理での活用
- カテゴリ間にスペースを作成
- 小計行の挿入
- 見出し行の追加
- データの分類整理
基本:Excelで行を1つ追加する方法
右クリックメニューを使う方法
手順
- 追加したい位置の行番号を右クリック
- [挿入]をクリック
これで、指定した行の上に新しい空白行が1つ追加されます。
実例
5行目の上に1行追加したい場合:
- 5行目の行番号を右クリック
- [挿入]を選択
- 新しい行が5行目として挿入され、元の5行目は6行目になる
セル内からの操作
セルを選択した状態からも行を追加できます:
- 挿入したい位置のセルを右クリック
- [挿入]を選択
- 「行全体」を選択
- [OK]をクリック
メニューバーからの操作
- 挿入したい位置の行を選択
- 「ホーム」タブ → 「挿入」ボタンの▼をクリック
- 「シートの行を挿入」を選択
複数行をまとめて追加する方法
大量のデータを追加する場合や、一度に複数の項目を挿入したい場合に便利です。
基本手順
- 追加したい行数と同じだけの行をまとめて選択
- 右クリック → [挿入]
具体例
3行を一度に追加したい場合:
- 5行目から7行目までを選択(3行分)
- 右クリック → [挿入]
- 選択した行数(3行)と同じ数の空白行が上に挿入される
行選択のテクニック
連続した行の選択
- 最初の行番号をクリック
- Shiftキーを押しながら最後の行番号をクリック
離れた行の複数選択
- 最初の行番号をクリック
- Ctrlキーを押しながら他の行番号をクリック
ショートカットで素早く行を挿入
作業効率を大幅に向上させるショートカットキーです。
Windows版
基本ショートカット
Shift + Ctrl + "+"
(プラス)
※ 行番号を選択してから押すと、その行の上に追加されます
操作手順
- 挿入したい位置の行番号をクリック
Shift + Ctrl + "+"
を押す- 挿入ダイアログが表示される場合は「行全体」を選択
Mac版
基本ショートカット
Ctrl + I
または Command + Shift + K
(Excelのバージョンによる)
操作手順
- 挿入したい位置の行を選択
- ショートカットキーを押す
ショートカット活用のコツ
連続作業での効率化
- 行を選択
- ショートカットで挿入
- 矢印キーで次の位置に移動
- 繰り返し
テンキーでの操作
- テンキーの
+
キーでも動作 - 片手での操作が可能
よくある応用パターン

行を定期的に追加して罫線を維持したい
書式を保持した行挿入
罫線やセルの書式を保ったまま行を追加するには:
- 書式をコピーしたい行を選択
- 右クリック → [挿入]
- 書式が自動的に適用される
より確実な方法
- 元の行をコピー(Ctrl+C)
- 挿入したい位置で右クリック
- 「挿入したセルの書式設定」→「上のセルと同じ書式を設定」
テーブル内で行を追加したい
Excelテーブル機能使用時
Excelのテーブル機能(Ctrl + T)を使っている場合:
方法1: 最下行の右端セルでTabキーを押す
- 新しい行が自動追加される
- 書式や数式が自動適用される
方法2: テーブル内で右クリック → 「挿入」→「上に行を挿入」
テーブル機能のメリット
- 書式の自動適用
- 数式の自動拡張
- フィルター範囲の自動更新
- グラフ範囲の自動調整
条件付き書式がある表での行追加
注意点
条件付き書式が設定されている表では、行追加時に書式が正しく適用されない場合があります。
対処法
- 行追加後に条件付き書式の範囲を確認
- 必要に応じて範囲を拡張
- テーブル機能の使用を検討
行追加で起こりがちな問題と解決法
数式の参照がずれる問題
問題の例
=SUM(A1:A10) // 10行目に行を追加すると参照範囲がずれる
解決策
絶対参照の使用
=SUM($A$1:$A$10) // 範囲を固定
動的範囲の使用
=SUM(A:A) // 列全体を参照
テーブル機能の活用
=SUM(テーブル1[売上]) // テーブル名での参照
セル結合が崩れる問題
問題の発生
結合セルがある行に新しい行を挿入すると、結合が解除される場合があります。
予防策
- 行追加前に結合セルの位置を確認
- 可能な限り結合セルを避ける
- テーブル機能での管理
復旧方法
- 結合が解除された範囲を選択
- 「ホーム」タブ → 「セルを結合して中央揃え」
グラフの範囲が更新されない
問題
行を追加してもグラフのデータ範囲に反映されない。
解決策
動的範囲の設定
- 名前の定義を使用
- OFFSET関数での動的範囲作成
- テーブル機能でのグラフ作成
よくある疑問Q&A
下に行を追加したいときは?
基本的に「行の挿入」は上方向に追加されます。
最下行への追加方法
- 単純に次の空白行に入力
- 表の最下行を選択 → 右クリック → 挿入
- テーブル機能での自動拡張
行を追加したら数式がずれた
原因
相対参照により、参照範囲が自動調整される。
対策
- テーブル形式に変換(Ctrl + T)
- 構造化参照の使用
- 絶対参照の活用
書式設定が引き継がれない
確認ポイント
- 挿入オプションの設定
- 既存の書式の状態
- 条件付き書式の範囲
解決方法
- 書式のコピー&ペースト
- 書式ペイントの使用
- テーブル機能の活用
効率的な行管理のベストプラクティス

データ入力の準備
事前の設計
- 必要な行数の見積もり
- カテゴリ分けの計画
- 書式設定の統一
テンプレート化
- よく使う形式をテンプレート保存
- 標準的な行追加パターンの準備
大量データの効率的管理
バッチ処理
- 必要な行数を一括追加
- データの一括入力
- 書式の一括適用
自動化の検討
- マクロでの行追加自動化
- VBAスクリプトの活用
まとめ
Excelの行追加は、次の方法を使い分けることで効率化できます:
基本的な操作
- 右クリック → 挿入
- 複数選択でまとめて追加
- ショートカットで時短
効率化のポイント
- 目的に応じた方法の選択
- ショートカットキーの活用
- テーブル機能の積極的利用
- 書式設定の事前準備
注意すべき点
- 数式参照の確認
- 書式設定の継承
- グラフ範囲の更新
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