Webサイトを見ていたら、突然「エラー503 バックエンドの取得に失敗しました」という表示が出てきて困っていませんか?
このエラーは、あなたのパソコンやスマホに問題があるのではなく、ウェブサイト側のサーバーで起きている問題です。今回は、このエラーの意味から原因、そして具体的な解決方法まで詳しく説明していきます。
エラー503「バックエンドの取得に失敗しました」って何?

まずは、このエラーメッセージが何を意味しているのか理解していきましょう。
エラー503の基本的な意味
503エラーは、HTTPステータスコード(ウェブサイトとブラウザが交わすメッセージの一種)の1つで、「Service Unavailable(サービスが利用できません)」という意味です。
簡単に言うと、「今、このウェブサイトは一時的に使えない状態です」というサーバーからのメッセージなんです。
「バックエンドの取得に失敗」の意味
ここで出てくる「バックエンド」という言葉は、ウェブサイトの裏側で動いているシステムのことを指します。
例えば、レストランで考えてみましょう。
- フロントエンド(前側) = お客さんが見える店内や接客スタッフ
- バックエンド(後ろ側) = 厨房で料理を作るシェフや食材保管庫
ウェブサイトも同じように、私たちが見ているページの裏側で、データベースやアプリケーションサーバーが情報を処理しています。
「バックエンドの取得に失敗しました」というのは、この裏側のシステムから必要な情報を取ってこられなかった状態を表しています。
Varnishキャッシュとの関係
このエラーは、特にVarnish(ヴァーニッシュ)というキャッシュシステムを使っているウェブサイトでよく発生します。
キャッシュとは、よく使うデータを一時的に保存しておいて、次に同じデータが必要になったときに素早く表示できるようにする仕組みです。
Varnishは、ウェブサイトを高速化するために使われるキャッシュサーバーの一種で、このVarnishがバックエンドサーバー(実際にデータを保管しているサーバー)から情報を取得できなくなると、この503エラーが表示されます。
なぜこのエラーが起きるの?主な原因7つ
エラー503「バックエンドの取得に失敗しました」が発生する原因はいくつかあります。一つずつ見ていきましょう。
1. サーバーの過負荷状態
最も一般的な原因がこれです。
ウェブサイトに同時に大勢の人がアクセスすると、サーバーが処理しきれなくなってパンク状態になります。人気サイトでセールが始まった時や、話題のニュースサイトにアクセスが集中した時などに起こりやすい現象です。
電車の改札に大勢の人が一度に押し寄せると、処理が追いつかなくなる状況と似ています。
2. サーバー応答のタイムアウト
バックエンドサーバーが情報を処理するのに時間がかかりすぎると、Varnishが「もう待てない!」と判断してエラーを返すことがあります。
これをタイムアウトと呼びます。通常、サーバーには「○秒以内に返事をしてね」という時間制限が設定されていて、この時間を超えると503エラーが発生します。
3. バックエンドサーバーのダウンタイム
バックエンドサーバー自体が停止している、またはメンテナンス中の場合も、このエラーが表示されます。
サーバーは定期的にメンテナンスが必要で、その間はサービスが一時的に利用できなくなることがあります。
4. ネットワーク接続の問題
サーバー同士をつなぐネットワークに問題が起きている場合もあります。
具体的には以下のような問題です:
- DNS(ドメインネームシステム)の障害 – インターネット上の住所録のような役割をするシステムの不具合
- ファイアウォールによる通信ブロック – セキュリティ設定が厳しすぎて必要な通信まで止めてしまっている状態
- 通信経路の遮断 – サーバー間の通信ルートに問題が発生している状態
5. 設定ファイルの問題
Varnishの設定ファイルに間違いがあると、正しくバックエンドサーバーと通信できなくなります。
特に以下のような設定ミスが原因になることが多いです:
- バックエンドサーバーのIPアドレスやポート番号が間違っている
- タイムアウト時間が短すぎる
- ヘッダーサイズの制限値が小さすぎる
6. キャッシュタグの長さ超過
大規模なECサイト(特にMagentoやWordPressなど)で、商品数が多い場合に起こりやすい問題です。
Varnishには「http_resp_hdr_len」という設定があり、デフォルトは8192バイトです。商品が400個以上あるサイトでは、この制限を超えてしまい、エラーが発生することがあります。
7. セキュリティツールの干渉
広告ブロッカーやセキュリティソフトが、ウェブサイトの一部のコンテンツをブロックしてしまうことで、リクエストが溜まってエラーになる場合もあります。
ユーザー側でできる対処法5選
ウェブサイトを見ている側(ユーザー側)ができる対処法を紹介します。
対処法1:ページを更新(リフレッシュ)する
一番最初に試すべき方法です。
多くの場合、単純にページを更新するだけで解決することがあります。
更新方法:
- キーボードのF5キーを押す
- Ctrl + F5キー(Windows)またはCommand + Rキー(Mac)を押す
- ブラウザの更新ボタンをクリックする
2〜3回試してみて、それでもダメなら次の方法に進みましょう。
対処法2:開いているタブを閉じる
ブラウザで複数のタブを開きすぎていると、キャッシュメモリが圧迫されてエラーが起きることがあります。
使っていないタブは閉じて、必要なページだけを残すようにしてみてください。
対処法3:別のブラウザで試す
今使っているブラウザに問題がある可能性も考えられます。
- Google Chromeを使っているなら→Firefox、Microsoft Edge、Safariなどを試す
- 別のブラウザで正常に表示されれば、元のブラウザの設定やキャッシュに問題がある可能性が高いです
対処法4:ルーターを再起動する
インターネット接続自体に問題がある場合は、Wi-Fiルーターの再起動が効果的です。
手順:
- ブラウザを閉じる
- パソコンやスマホを再起動する
- Wi-Fiルーターの電源を切る
- 30秒ほど待つ
- ルーターの電源を入れる
- 接続が安定したらブラウザを開いて再度アクセスする
対処法5:時間をおいて再度アクセスする
サーバー側の一時的な問題であれば、少し時間をおくことで自然に解決することもあります。
特に人気サイトでアクセス集中が原因の場合は、数分〜数時間後に再度試してみると良いでしょう。
ウェブサイト管理者向けの解決方法
ここからは、ウェブサイトを運営している側の人向けの技術的な解決方法です。
解決法1:サーバーログを確認する
まず最初に、何が起きているのかログファイルを確認します。
ログとは、サーバーが記録している活動履歴のようなものです。
Varnishのログを確認するコマンド:
varnishlog -g request -q "RespStatus == 503"
このコマンドで、503エラーが発生した具体的な理由を特定できます。
バックエンドサーバーの健全性を確認:
varnishlog -g raw -i backend_health
解決法2:タイムアウト設定を調整する
バックエンドサーバーの応答が遅い場合は、タイムアウト時間を延ばす必要があります。
Varnishの設定ファイル(default.vcl)を編集:
backend default {
.host = "127.0.0.1";
.port = "8080";
.first_byte_timeout = 300s; # 最初のバイトを待つ時間
.between_bytes_timeout = 60s; # バイト間の待機時間
.connect_timeout = 10s; # 接続タイムアウト
}
デフォルト設定よりも大きな値に変更することで、エラーが解消されることがあります。
解決法3:ヘッダーサイズ制限を増やす
商品数が多いECサイトでは、ヘッダーサイズの制限を増やす必要があります。
設定変更の例:
http_resp_hdr_len = 65536
デフォルトの8192バイトから、65536バイト(約64KB)に増やすことで、大量の商品データにも対応できます。
ヘッダーサイズが大きい場合は、以下も調整します:
http_resp_size = 98304
解決法4:サーバーサービスを再起動する
設定を変更したら、必ず関連サービスを再起動して変更を反映させます。
再起動コマンド例:
# Apache の再起動
sudo systemctl restart apache2
# Nginx の再起動
sudo systemctl restart nginx
# Varnish の再起動
sudo systemctl restart varnish
解決法5:サーバーリソースを増強する
根本的な解決策として、サーバーのスペックアップも検討しましょう。
具体的な対策:
- メモリ(RAM)の増設
- CPU性能の向上
- ロードバランサーの導入(複数のサーバーで負荷を分散)
- CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の活用
アクセス数が増えてきたら、サーバーのスケールアップやスケールアウトが必要になります。
解決法6:バックエンドサーバーの接続確認
Varnish設定ファイルで、バックエンドサーバーの情報が正しいか確認します。
チェックポイント:
- IPアドレスが正しいか
- ポート番号が正しいか
- ホスト名の設定が正しいか
- ヘルスチェック用のファイル(health_check.php)のパスが正しいか
解決法7:ネットワーク設定の見直し
ファイアウォールやネットワーク設定を確認します。
確認項目:
- ファイアウォールが必要な通信をブロックしていないか
- DNS設定が正しいか
- パケットロス(データの損失)が発生していないか
必要に応じて、ネットワーク監視ツールを使って通信状況を把握しましょう。
予防策:エラーを起こさないために

503エラーを未然に防ぐための対策も重要です。
1. 定期的なサーバー監視
監視ツールの導入:
- New Relic
- Nagios
- Zabbix
- Datadog
これらのツールで、サーバーのCPU使用率、メモリ使用率、ネットワークトラフィックなどをリアルタイムで監視できます。
異常が検知されたら、すぐにアラート通知が来るように設定しておきましょう。
2. 適切なキャッシュ戦略
キャッシュを効果的に使うことで、バックエンドサーバーへの負荷を大幅に減らせます。
キャッシュ最適化のポイント:
- 静的コンテンツ(画像、CSS、JavaScriptファイル)は長期間キャッシュする
- 動的コンテンツは適切なキャッシュ時間を設定する
- キャッシュの無効化(パージ)の仕組みを整える
3. データベースクエリの最適化
バックエンドでのデータベース処理が遅いと、タイムアウトの原因になります。
最適化方法:
- 不要なクエリを削減する
- インデックスを適切に設定する
- スロークエリログを分析して改善する
4. 画像とアセットの最適化
ウェブサイトの表示を速くすることで、サーバーへの負荷も減らせます。
具体的な対策:
- 画像を圧縮する(WebP形式の利用など)
- 不要なJavaScriptやCSSを削除する
- コードを圧縮(minify)する
- CDNを活用する
5. 負荷テストの実施
アクセス集中を想定して、事前に負荷テストを行いましょう。
負荷テストツール:
- Apache JMeter
- Locust
- Gatling
これらのツールで、「同時に何人のユーザーまで対応できるか」をテストし、ボトルネック(問題の箇所)を特定できます。
6. オートスケーリングの導入
クラウドサービス(AWS、Google Cloud、Azureなど)を使っている場合は、オートスケーリング機能を活用しましょう。
アクセス数に応じて自動的にサーバーリソースを増減させることで、急激なアクセス増にも対応できます。
WordPressサイト特有の対策
WordPressを使っているサイトでは、追加の対策が必要です。
プラグインの互換性確認
WordPressのバージョンアップ後に503エラーが出る場合は、プラグインの互換性問題が考えられます。
対処手順:
- 全てのプラグインを一時的に無効化する
- サイトが正常に動作するか確認する
- プラグインを1つずつ有効化して、原因を特定する
- 問題のあるプラグインを更新、または代替品に変更する
キャッシュプラグインの設定見直し
WP Super CacheやW3 Total CacheなどのキャッシュプラグインとVarnishの設定が競合している可能性があります。
プラグイン側のキャッシュ設定を調整するか、サーバーレベルのキャッシュ(Varnish)のみを使用するように変更しましょう。
メンテナンスモードファイルの確認
WordPressでは、プラグインやテーマのインストール時に「.maintenance」というファイルが生成されます。
このファイルが残っていると、サイトがメンテナンスモードのままになってしまいます。
確認方法:
FTPやファイルマネージャーで、WordPressのルートディレクトリに「.maintenance」ファイルがないか確認し、あれば削除してください。
まとめ:エラー503に遭遇したら冷静に対処しよう
エラー503「バックエンドの取得に失敗しました」は、サーバー側で起きている問題です。
ユーザー側でできること:
- ページを更新する(F5キー)
- 不要なタブを閉じる
- 別のブラウザで試す
- ルーターを再起動する
- 時間をおいて再度アクセスする
ウェブサイト管理者が行うべきこと:
- ログファイルで原因を特定する
- タイムアウト設定を調整する
- ヘッダーサイズ制限を増やす
- サーバーリソースを増強する
- 定期的な監視と負荷テストを実施する
このエラーは一時的なものが多いですが、頻繁に発生する場合は根本的な対策が必要です。
ウェブサイトの規模やアクセス数に合わせて、適切なサーバー環境とキャッシュ設定を整えることが重要になります。定期的なメンテナンスと監視を行い、快適なウェブ体験を提供できるようにしましょう。
エラーは必ず解決できます。この記事の手順を1つずつ試して、問題を解消してくださいね!


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