そもそもDockerでLinuxを使えるの?

はい、Dockerは元々Linuxコンテナ技術をベースにしているため、様々なLinuxディストリビューションを簡単に実行できます。
MacやWindowsでもDockerを使えば、OSを再起動したり、デュアルブートを設定したりすることなく、瞬時にLinux環境を利用できます。
Dockerの大きな利点は、Linuxコンテナが軽量で、起動が非常に速いこと。
仮想マシンと違って数秒で立ち上がり、必要がなくなれば簡単に破棄できます。
事前準備:Dockerのインストール

まだDockerをインストールしていない場合は、公式サイトからDocker Desktopをダウンロードしてインストールしましょう:
- Windows: Docker Desktop for Windows
- Mac: Docker Desktop for Mac
インストール後、ターミナル(コマンドプロンプトやPowerShell)で以下のコマンドを実行し、Dockerが正しく動作していることを確認します:
docker --version
ステップ①:Linuxイメージを起動する
では早速、Ubuntuを例にLinuxコンテナを起動してみましょう:
docker run -it ubuntu
このコマンドの意味は:
docker run
: 新しいコンテナを作成して実行-it
: 対話モード(Interactive + Terminal)でコンソールを開くubuntu
: 使用するイメージ名(公式Ubuntuイメージ)
初回実行時は、Ubuntuイメージがダウンロードされます。その後、自動的にUbuntuのシェル環境が起動し、次のようなプロンプトが表示されます:
root@a1b2c3d4e5f6:/#
これで、あなたは今、Ubuntuの環境にログインしています!
ステップ②:Linuxとして操作する

コンテナ内では、通常のLinuxコマンドが使えます:
# システム情報を確認
cat /etc/os-release
# パッケージリストを更新
apt update
# ソフトウェアをインストール
apt install -y curl nano
# ディレクトリ一覧を表示
ls -la
# 現在のユーザーを確認
whoami
これらのコマンドは、実際のUbuntuマシンで実行しているのと同じように動作します。
ステップ③:コンテナから抜ける方法
作業が終わったら、以下のいずれかの方法でコンテナから抜けられます:
# コンテナを停止して抜ける
exit
# または
# コンテナを起動したまま抜ける(デタッチ)
Ctrl+P, Ctrl+Q(連続して押す)
exit
を使うとコンテナは停止しますが、Ctrl+P, Ctrl+Q
を使うとコンテナは裏で実行され続けます。
よく使われるLinuxディストリビューション

ディストリビューション | 起動コマンド | 特徴 | イメージサイズ |
---|---|---|---|
Ubuntu | docker run -it ubuntu | 初心者向け、情報が豊富 | 約80MB |
Debian | docker run -it debian | Ubuntuの元、安定性重視 | 約120MB |
Alpine Linux | docker run -it alpine | 超軽量、セキュリティ重視 | 約5MB |
Rocky Linux | docker run -it rockylinux | CentOS後継、企業向け | 約200MB |
Fedora | docker run -it fedora | 先進的な機能、最新技術 | 約160MB |
Alpine Linuxは特に軽量で、必要最小限のコンポーネントだけを含むため、コンテナとしての利用に最適です。
便利なTips|名前をつけてコンテナを管理する
コンテナに名前をつけておくと、後で再接続するのに便利です:
# 名前付きでコンテナを起動
docker run -it --name my-ubuntu ubuntu
# 後で再開する(既に存在するコンテナを起動し接続)
docker start -ai my-ubuntu
コンテナ一覧を確認するには:
# 実行中のコンテナを表示
docker ps
# すべてのコンテナ(停止中も含む)を表示
docker ps -a
応用:ホストとファイルを共有する

ホストマシンとコンテナ間でファイルを共有するには、ボリュームマウントを使います:
docker run -it -v $(pwd):/workspace ubuntu
このコマンドは、現在のディレクトリをコンテナ内の/workspace
ディレクトリにマウントします。これにより、ホスト側で編集したファイルをLinux環境ですぐに利用できます。
注意点|永続化と保存について
Dockerコンテナは基本的に一時的(ステートレス)な環境です。コンテナを削除すると、その中で行った変更は失われます。変更を保存するには:
- コンテナの状態を保存:
docker commit my-ubuntu my-custom-ubuntu
- ボリュームを使用:
docker run -it -v linux-data:/data ubuntu
- Dockerfileで環境を記述:
FROM ubuntu RUN apt update && apt install -y curl nano git
まとめ|DockerならLinuxが秒で使える!
Dockerを使うことで、以下のようなメリットがあります:
- 高速:数秒でLinux環境が起動
- 簡単:インストール不要で複数のディストリビューションを試せる
- 安全:ホストシステムに影響を与えず、気軽に実験できる
- 軽量:仮想マシンより少ないリソースで動作
- 再現性:同じ環境を何度でも正確に再現できる
Linux学習を始めたい方、開発環境を素早く構築したい方、異なるディストリビューションをテストしたい方にとって、Dockerは最適なツールと言えるでしょう。
まずは docker run -it ubuntu
から始めて、Linuxの世界を探索してみましょう!
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