「CentOS 8のサポートが終了して、代わりになるLinuxを探している」
「AlmaLinuxを試してみたいけど、パソコンにインストールするのは不安」
「手軽にLinuxの環境を作って勉強したい」
こんな悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか。
CentOS 8の終了後、「RHEL互換OS」として注目されているのが AlmaLinux です。
安定性の高いサーバー用途に最適なLinuxディストリビューションですが、まずは試してみたい…という方におすすめなのが Dockerでのインストール です。
Dockerを使えば、パソコンに直接インストールせずに AlmaLinux の環境を素早く作って、不要になったら簡単に削除できます。
この記事では、DockerでAlmaLinuxコンテナをインストール・起動する手順を、初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説します。
AlmaLinuxって何?

AlmaLinux(アルマリナックス)は、CentOSの代替として登場した、RHEL(Red Hat Enterprise Linux)と100%バイナリ互換の無料Linuxディストリビューションです。
AlmaLinuxの特徴:
- 無償で商用利用もOK
- 安定性が高く、企業やサーバー運用にも適している
- CentOSからの移行先として人気
- RHEL系の知識がそのまま活用できる
- 長期サポートで安心
Dockerを使えば、この環境を手軽にお試しできます。「まずは触ってみたい」という方には最適な方法です。
前提:Dockerがインストールされていること
まずは、お使いのパソコンにDockerがインストールされている必要があります。
インストールが必要なもの:
- Windows: Docker Desktop for Windows
- macOS: Docker Desktop for Mac
- Linux:
docker
パッケージ
Dockerがインストールされているか確認
以下のコマンドをターミナル(コマンドプロンプト)で実行してください:
docker --version
バージョン情報が表示されれば、Dockerは正しくインストールされています。表示されない場合は、まずDockerのインストールから始めましょう。
Docker Desktop をお使いの場合は、Dockerが起動していることも確認してください。
【手順】DockerでAlmaLinuxをインストールする方法

ステップ1:AlmaLinuxイメージを取得する
まず、AlmaLinuxの「イメージ」をダウンロードします。イメージとは、コンテナを作るための「設計図」のようなものです。
docker pull almalinux:latest
特定のバージョンを指定したい場合:
docker pull almalinux:8
このコマンドを実行すると、インターネットからAlmaLinuxのイメージがダウンロードされます。初回は少し時間がかかりますが、2回目以降は早くなります。
イメージの取得を確認
以下のコマンドで、正しくダウンロードできたか確認しましょう:
docker images
一覧に「almalinux」が表示されれば成功です。
ステップ2:コンテナを起動する
ダウンロードしたイメージを使って、実際にAlmaLinuxのコンテナを起動します。
docker run -it --name alma-container almalinux /bin/bash
各オプションの意味:
-it
:対話モードで起動(ターミナルで操作できるようになる)--name alma-container
:コンテナに「alma-container」という名前を付けるalmalinux
:使用するイメージ名/bin/bash
:シェル(コマンドライン)でログイン
このコマンドを実行すると、AlmaLinuxのターミナルが立ち上がります。
プロンプトが変わって、AlmaLinuxの中に入ったことが分かります。
ステップ3:基本パッケージをインストール(初期セットアップ)
AlmaLinuxが起動したら、まず基本的なソフトウェアをインストールしましょう。
dnf update -y
dnf install -y vim net-tools curl
各コマンドの説明:
dnf update -y
:システムを最新の状態にアップデートdnf install -y vim net-tools curl
:よく使うツールをインストールvim
:テキストエディターnet-tools
:ネットワーク関連のコマンドcurl
:ファイルのダウンロードツール
これで、AlmaLinuxの基本的な環境が整いました!
よく使うDockerコマンドまとめ
AlmaLinuxコンテナを使う上で、よく使うDockerコマンドをまとめました。
操作 | コマンド | 使う場面 |
---|---|---|
コンテナの停止 | docker stop alma-container | 作業を一時中断したい時 |
コンテナの再起動 | docker start -ai alma-container | 停止したコンテナを再開したい時 |
コンテナの削除 | docker rm alma-container | コンテナが不要になった時 |
イメージの削除 | docker rmi almalinux | イメージも完全に削除したい時 |
起動中のコンテナ一覧 | docker ps | どのコンテナが動いているか確認 |
すべてのコンテナ一覧 | docker ps -a | 停止中も含めて全コンテナを確認 |
覚えておくポイント:
- コンテナを停止しても、データは保持されます
- コンテナを削除すると、中のデータも消えます
- イメージを削除すると、再度ダウンロードが必要になります
よくある質問

Q1. GUI環境(デスクトップ画面)は使えますか?
A. Docker上のAlmaLinuxは基本的にCLI(コマンドライン)環境です。マウスで操作するデスクトップ画面が必要な場合は、VirtualBoxやVMwareなどの仮想マシンソフトを検討しましょう。ただし、学習やサーバー用途であれば、コマンドラインだけでも十分活用できます。
Q2. ホストとファイル共有できますか?
A. はい、可能です。-v
オプションでボリュームマウントができます:
docker run -it -v ~/shared:/mnt/shared --name alma-container almalinux /bin/bash
これで、ホストの「~/shared」フォルダとコンテナの「/mnt/shared」フォルダが同期されます。
Q3. Docker Composeで複数のサービスを構築できますか?
A. はい、できます。AlmaLinuxをベースにしたWebサーバーやデータベース環境の構築にも対応しています。例えば、AlmaLinux + Apache + MariaDB のような構成も可能です。
Q4. コンテナの中でインストールしたソフトは保持されますか?
A. コンテナを停止して再起動する分には保持されますが、コンテナを削除すると消えてしまいます。
永続的に保持したい場合は、Docker ボリュームを使うか、カスタムイメージを作成しましょう。
Q5. エラーが出てコンテナが起動しない
A. 以下を確認してみてください:
- Dockerが起動しているか
- イメージが正しくダウンロードされているか(
docker images
で確認) - コンテナ名が重複していないか(
docker ps -a
で確認)
まとめ
Dockerを使えば、AlmaLinuxの環境を数分で簡単に構築・テストできます。
CentOSの代替やRHEL互換環境を試したい方にとって、非常に有効な方法です。
この記事の重要なポイント:
docker pull almalinux
で簡単にイメージ取得docker run
で即座にAlmaLinuxのシェルが使えるdnf
で必要なパッケージを追加可能- サーバー検証や学習用に最適
- 不要になったら簡単に削除できるので安心
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