Arch Linuxって聞いたことありますか?
「シンプルで美しい」「最小構成から自分で環境を組み立てられる」ということで、Linux上級者の間でとても人気があるディストリビューションなんです。
でも、正直なところ…
- 「ちょっと試してみたいだけなんだけど、インストールが大変そう…」
- 「パソコンにそのままインストールするのは怖い」
- 「気軽に触ってみる方法はないかな?」
こんな風に思ったことはありませんか?
そんなあなたにおすすめなのが、Dockerを使ってArch Linuxを簡単に試す方法です!
本体へのインストールは不要。たった数コマンドで、軽量なArch環境があっという間に完成しちゃいます。
この記事では、DockerでArch Linuxを最速で起動する方法を、初心者の方にも分かりやすく説明していきます。
「Docker?なんだか難しそう…」と思っている方でも大丈夫ですよ!
まずはDockerを準備しよう

Arch Linuxを試す前に、Dockerが必要です。まだインストールしていない方は、まずはこちらから。
Dockerのインストール
- Docker公式サイトにアクセス
- 自分のOSに合ったバージョンをダウンロード
- インストール手順に従ってセットアップ
動作確認してみよう
docker --version
このコマンドで、Dockerのバージョンが表示されればOKです!
Dockerって何?
簡単に言うと、軽量な仮想環境を作れるツールです。パソコンの中に、もう一つ別のLinux環境を簡単に作ることができるんです。しかも、とても軽くて高速!
次は、いよいよArch Linuxのイメージを取得してみましょう。
Arch LinuxのDockerイメージを取得しよう
Dockerには「イメージ」という概念があります。
これは、OSやアプリケーションがパッケージ化されたもので、Arch Linux公式の軽量イメージがDocker Hubで公開されています。
イメージをダウンロード
docker pull archlinux
このコマンドの意味
docker pull
:イメージをダウンロードするarchlinux
:公式のArch Linuxイメージ名
どのくらいの時間がかかるの?
ネットワーク環境にもよりますが、サイズが200MB前後と軽量なので、数分程度でダウンロードできます。
すごいところ:
通常のArch Linuxインストールなら何時間もかかるところが、たった1コマンドでダウンロード完了!
docker pull archlinux
で簡単にイメージ取得完了!
次は、実際にArch Linuxを起動してみましょう。
Arch Linuxコンテナを起動してみよう

いよいよ、Arch Linuxを起動してみます!
起動コマンド
docker run -it --rm archlinux /bin/bash
このコマンドの詳しい説明
オプション | 何をしてくれるの? |
---|---|
-it | 対話モード(キーボードで操作できる) |
--rm | 終了後にコンテナを自動削除(お掃除機能) |
archlinux | 使用するDockerイメージ名 |
/bin/bash | 起動後に実行するシェル(コマンド入力画面) |
起動成功のサイン
コマンドを実行すると、プロンプトが以下のように変わります:
[root@コンテナID /]#
これが表示されたら、完全なArch Linuxの最小システム環境に入ることができています!
数秒で本格的なArch Linux環境が立ち上がる。
これがDockerの魅力です!
docker run
でArch Linux起動完了!
本物のLinux環境がもう手に入りました。
次は、実際に中で操作してみましょう。
コンテナ内での基本操作をマスターしよう
Arch Linuxが起動できたので、今度は中で実際に操作してみましょう。
パッケージマネージャー(pacman)を使ってみよう
Arch Linuxでは、pacman
というパッケージマネージャーを使います。
まずはシステムを最新化:
pacman -Syu
必要なツールをインストール:
# テキストエディタのvimをインストール
pacman -S vim
# gitもインストール
pacman -S git
# 開発ツール一式をインストール
pacman -S base-devel
基本的なLinuxコマンドを試してみよう
# 現在の場所を確認
pwd
# ファイル一覧を表示
ls -la
# 新しいディレクトリを作成
mkdir test
# ディレクトリに移動
cd test
# 簡単なファイルを作成
echo "Hello Arch Linux!" > hello.txt
# ファイルの内容を確認
cat hello.txt
システム情報を確認してみよう
# OSの情報を確認
uname -a
# CPUの情報を確認
cat /proc/cpuinfo
# メモリの使用状況を確認
free -h
pacmanのすごいところ:
- インストールが高速
- 依存関係を自動で解決
- パッケージの情報が豊富
pacmanでパッケージ管理、基本コマンドでファイル操作。
本格的なLinux体験ができています!
次は、データを保存する方法を覚えましょう。
データを永続化したい場合の方法

「せっかく設定したのに、コンテナを終了したら消えちゃった…」ということを防ぐ方法です。
ボリュームを使ってデータを保存
docker run -it -v arch-data:/root archlinux /bin/bash
このコマンドの意味:
-v arch-data:/root
:arch-data
という名前のボリュームを/root
にマウント- これで、
/root
ディレクトリの内容が永続的に保存されます
ホストのフォルダーをマウント
# Windowsの場合
docker run -it -v C:\arch-work:/work archlinux /bin/bash
# macOS/Linuxの場合
docker run -it -v ~/arch-work:/work archlinux /bin/bash
これで、ホストのフォルダーとコンテナ内のフォルダーを共有できます。
Dockerfileで独自イメージを作成
よく使う設定がある場合は、Dockerfileを作ってカスタムイメージを作ることもできます。
FROM archlinux
RUN pacman -Syu --noconfirm
RUN pacman -S --noconfirm vim git base-devel
WORKDIR /workspace
使い分けのコツ:
- 一時的な検証:
--rm
でお手軽に - 継続的な開発:ボリュームで永続化
- チーム共有:Dockerfileでカスタムイメージ
用途に応じてデータ保存方法を選択。
長期利用なら永続化は必須です!
次は、どんな場面で便利かをご紹介します。
Docker上のArch Linuxはどんな時に便利?
実際に、この環境がどんな場面で役立つかをご紹介します。
パッケージのビルドや検証環境として
- 新しいソフトウェアを安全にテスト
- 設定ファイルの動作確認
- スクリプトの動作テスト
軽量なLinuxテスト環境として
- Linuxコマンドの練習
- シェルスクリプトの開発
- サーバー設定の練習
実機インストール前のシミュレーション用
- Arch Linuxの操作感を体験
- pacmanの使い方を覚える
- 設定手順の確認
実際の活用例
# 開発環境のセットアップ例
docker run -it -v ~/projects:/workspace archlinux /bin/bash
# コンテナ内で
pacman -Syu
pacman -S nodejs npm python git
cd /workspace
# プロジェクトの開発開始!
Docker環境の利点:
- 安全性:メインシステムに影響なし
- 再現性:同じ環境を何度でも作成可能
- 軽量性:仮想マシンより高速
- 共有性:チームメンバーと環境を共有
開発・テスト・学習など、様々な場面で大活躍!では、今回学んだことをまとめてみましょう。
まとめ:Dockerなら、Arch Linuxを数分で体験できる!
Arch Linuxは「軽量かつシンプルな設計」が魅力ですが、従来のインストール方法はちょっと複雑でした。
でも、Dockerを使えば、面倒な手順なしに、すぐにArch環境を立ち上げることができるんです!
今回学んだポイントをおさらい
docker pull archlinux
で簡単にイメージ取得docker run -it archlinux
ですぐに操作可能pacman
で自由に環境をカスタマイズ- ボリュームやDockerfileで永続化も対応可能
- 開発・テスト・学習に幅広く活用できる
終了方法:
コンテナから出たい時は、exit
と入力するか、Ctrl + D
を押してください。
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