「.dmgってファイルをダウンロードしたけど、開けない…」
「Windowsなんだけど、このファイル何?」
「Macのアプリをインストールしようとしたら、変なファイルが出てきた」
そんな経験、ありませんか?
DMGファイルは、Macユーザーにとっては日常的なものですが、Windowsユーザーにとっては謎のファイル。
でも実は、とても便利な仕組みが詰まったファイル形式なんです。
この記事では、DMGファイルの基本から、Mac・Windows・Linuxでの開き方、さらには自分で作る方法まで、分かりやすく解説します!
DMGファイルって何?仕組みを理解しよう

一言で説明すると
DMGファイルは、「デジタル版のCD/DVD」 のようなものです。
もっと身近な例で言うと:
現実世界:
- USBメモリ = 物理的な保存装置
- その中身 = ファイルやフォルダ
デジタル世界:
- DMGファイル = 仮想的なUSBメモリ
- マウント = パソコンに挿すこと
- アンマウント = パソコンから抜くこと
つまり、ファイルの中に仮想的なドライブが入っているイメージです!
なぜDMGファイルが使われるの?
Macでアプリを配布する時の標準形式だから
Windowsだと:
- .exe(実行ファイル)
- .msi(インストーラー)
Macだと:
- .dmg(ディスクイメージ)
- .pkg(パッケージファイル)
DMGのメリット:
- 簡単配布:1つのファイルにまとめられる
- 圧縮機能:ファイルサイズを小さくできる
- 暗号化可能:パスワード保護できる
- 検証機能:ファイルが改ざんされていないか確認できる
- 美しいインストール画面:背景画像やレイアウトをカスタマイズ可能
Macでの開き方(基本編)
標準的な開き方
Macなら超簡単!
手順:
- DMGファイルをダブルクリック
- 自動的にマウント(デスクトップにドライブアイコンが出現)
- 開いたウィンドウからアプリをApplicationsフォルダにドラッグ
- 完了後、ドライブアイコンを右クリック→「取り出す」
たったこれだけ!
よくあるインストール画面の見方
┌─────────────────────────────┐
│ [アプリアイコン] │
│ ↓ │
│ [Applications] │
│ │
│ ドラッグしてインストール │
└─────────────────────────────┘
矢印に従って、アプリをApplicationsフォルダにドラッグするだけです。
コマンドラインでの操作(上級者向け)
# マウント
hdiutil mount アプリ名.dmg
# 中身を確認
ls /Volumes/マウントされた名前/
# アプリをコピー
cp -R /Volumes/マウントされた名前/アプリ.app /Applications/
# アンマウント
hdiutil unmount /Volumes/マウントされた名前/
自動化したい時に便利です!
WindowsでDMGファイルを開く方法
方法1:7-Zipを使う(無料・簡単)
手順:
- 7-Zipをダウンロード
- 公式サイトから無料ダウンロード
- インストール完了
- DMGファイルを解凍
- DMGファイルを右クリック
- 「7-Zip」→「ここに展開」
- 中身のファイルが取り出される
注意点:
- Macアプリ(.app)は実行できません
- ファイルの中身を見るだけなら可能
方法2:HFSExplorerを使う(Mac形式対応)
MacのHFS+ファイルシステムも読める!
手順:
- HFSExplorerをインストール
- 「File」→「Load file system from file」
- DMGファイルを選択
- 中身をWindowsに抽出
方法3:TransMacを使う(有料・高機能)
特徴:
- DMGファイルの作成も可能
- MacのUSBメモリも読み書きできる
- 15日間の無料試用期間あり
方法4:仮想マシンでMacOSを動かす
技術的には可能ですが…
- ライセンス的にグレーゾーン
- 設定が複雑
- おすすめしません
PowerISOやDMG2IMGなどの変換ツール
DMG→ISO変換:
dmg2img source.dmg destination.iso
ISOに変換すれば、Windowsでも扱いやすくなります。
LinuxでDMGファイルを開く
基本的な手順
# 必要なツールをインストール
sudo apt-get install p7zip-full
# DMGファイルを解凍
7z x ファイル名.dmg
# または、マウント方式
sudo mount -t hfsplus ファイル名.dmg /mnt/dmg
DMG2IMGを使った変換
# インストール
sudo apt-get install dmg2img
# 変換
dmg2img input.dmg output.img
# マウント
sudo mount -o loop output.img /mnt/img
DMGファイルを自分で作る方法

Macでの作成方法
ディスクユーティリティを使う:
- アプリケーション→ユーティリティ→ディスクユーティリティ
- ファイル→新規イメージ→フォルダからイメージを作成
- 設定を選択:
- 暗号化:なし/128bit/256bit
- イメージフォーマット:読み取り専用/圧縮/読み書き可能
- 保存
コマンドラインで作成:
# 基本的な作成
hdiutil create -volname "ボリューム名" -srcfolder フォルダパス -ov 出力.dmg
# 暗号化付き
hdiutil create -encryption AES-256 -volname "秘密" -srcfolder フォルダ 暗号化.dmg
# 圧縮版
hdiutil create -format UDZO -volname "アプリ" -srcfolder フォルダ 圧縮.dmg
きれいなインストーラーDMGを作る
プロ仕様の見た目にする方法:
- 背景画像を用意(通常600x400px程度)
- create-dmgツールを使用:
# Homebrewでインストール
brew install create-dmg
# 実行
create-dmg \
--volname "MyApp" \
--background "background.png" \
--window-size 600 400 \
--icon "MyApp.app" 200 200 \
--app-drop-link 400 200 \
"MyApp.dmg" \
"source-folder/"
- 手動でカスタマイズ:
- DMGをマウント
- Finderで表示オプションを調整
- アイコンの位置を調整
- 読み取り専用で保存し直す
トラブルシューティング
問題1:「壊れている」というエラー
原因と解決法:
- ダウンロードが不完全
- 再ダウンロード
- 別のブラウザで試す
- セキュリティ設定(Gatekeeper)
システム環境設定 → セキュリティとプライバシー → 「ダウンロードしたアプリケーションの実行許可」 → App Storeと確認済みの開発元からのアプリを許可
- コマンドで属性を削除:
xattr -cr ファイル名.dmg
問題2:マウントできない
解決法:
# ディスクユーティリティで修復
diskutil repairDisk /Volumes/ボリューム名
# 強制マウント
hdiutil attach -noverify -mountpoint /tmp/mount ファイル.dmg
問題3:容量不足エラー
原因: DMGは展開時に一時的に2倍の容量が必要
解決法:
- 不要なファイルを削除
- 別のドライブにマウント
/tmp
の容量を確保
問題4:パスワードを忘れた
残念ながら…
- 暗号化DMGのパスワード回復は基本的に不可能
- バックアップから復元するしかない
- 予防:パスワード管理ツールの使用
DMGファイルのセキュリティ
署名と公証(Notarization)
macOS 10.15以降の要件:
- 開発者による署名が必要
- Appleによる公証が推奨
確認方法:
# 署名の確認
codesign -dv --verbose=4 アプリ.app
# 公証の確認
spctl -a -vvv -t install アプリ.app
マルウェア対策
安全なダウンロードのために:
- 公式サイトから直接ダウンロード
- HTTPSを確認
- ハッシュ値を照合:
# SHA256の確認shasum -a 256 ダウンロード.dmg
- 初回起動時は右クリック→開く
暗号化DMGの作成と管理
機密データの保護:
# AES-256暗号化DMGの作成
hdiutil create -size 100m -encryption AES-256 \
-volname "機密" -fs HFS+ 機密.dmg
# パスワード変更
hdiutil chpass 機密.dmg
実践的な活用例
用途1:アプリの配布
開発者向け:
- アプリをビルド
- DMGでパッケージング
- Code Signing(署名)
- Notarization(公証)
- 配布
用途2:バックアップメディア
Time Machine以外の選択肢:
# 増分バックアップDMG
hdiutil create -size 10g -type SPARSE \
-volname "Backup" backup.sparseimage
# 定期的に圧縮
hdiutil compact backup.sparseimage
用途3:ポータブル作業環境
USBメモリ代わりに:
- 必要なツールをDMGにまとめる
- クラウドで共有
- どのMacでも同じ環境
用途4:セキュアなファイル共有
暗号化DMGで安全に:
- 機密ファイルを暗号化DMGに
- DMGファイルは普通に送信
- パスワードは別経路で共有
- 受信者が復号
DMG vs 他の形式
比較表
形式 | DMG | ZIP | ISO | PKG |
---|---|---|---|---|
圧縮 | ◎ | ○ | △ | ○ |
暗号化 | ◎ | ○ | × | △ |
Mac互換 | ◎ | ○ | △ | ◎ |
Win互換 | △ | ◎ | ◎ | × |
インストーラー | ○ | × | △ | ◎ |
使い分けの基準
DMGを選ぶべき時:
- Macアプリの配布
- きれいなインストール画面が必要
- 暗号化が必要
- Mac専用でOK
他の形式を選ぶべき時:
- クロスプラットフォーム → ZIP
- Windows向け → EXE/MSI
- Linux向け → tar.gz
- 自動インストール → PKG(Mac)
まとめ:DMGファイルを使いこなそう
DMGファイルは、Macの世界では欠かせない存在。
理解して使いこなせば、とても便利なツールになります。
押さえておくべきポイント:
- DMGは「仮想ディスク」のイメージファイル
- Macなら簡単に開ける、Windowsでも工夫すれば開ける
- アプリ配布の標準形式
- 暗号化やカスタマイズが可能
- セキュリティには十分注意
今すぐできること:
- Macユーザー:DMGの作成方法を覚える
- Windowsユーザー:7-Zipをインストール
- 開発者:きれいなインストーラーDMGを作る
- 全員:安全なダウンロードを心がける
DMGファイルは、単なるファイル形式以上の可能性を秘めています。
この記事で学んだ知識を活かして、DMGファイルと上手に付き合っていきましょう!
コメント