DAEMON Tools(デーモンツール)は、CD・DVD・Blu-rayなどの光学ディスクのイメージファイルを、仮想ドライブにマウントして使用できるソフトウェアです。
物理的なディスクを挿入することなく、パソコン上でディスクの内容を読み込めるため、ゲームやソフトウェアのインストール、データのバックアップなど、さまざまな用途で利用されています。
無料版のLiteから、プロフェッショナル向けのUltraまで、複数のエディションが用意されており、個人利用から業務利用まで幅広く対応しています。
この記事では、DAEMON Toolsの基本機能、エディションの違い、使い方、注意点について詳しく解説します。
DAEMON Toolsとは
DAEMON Toolsは、Disc Soft Ltd.が開発する仮想ドライブソフトウェアです。
ISOやMDF、MDSなど、さまざまな形式のディスクイメージファイルを、仮想的なCD・DVD・Blu-rayドライブにマウントして使用できます。
仮想ドライブとは
仮想ドライブとは、物理的には存在しないCD・DVD・Blu-rayドライブを、ソフトウェア上で作成する機能です。
あらかじめ光学ディスクの内容をディスクイメージファイルとして取り込んでおき、それを仮想ドライブにマウントすることで、実際のディスクを挿入したときと同じようにデータを読み込めます。
仮想ドライブを使用する利点は以下の通りです。
- ディスクの物理的な劣化を防げる
- ディスクの入れ替えが不要になる
- 読み込み速度がハードディスクやSSDの速度に依存するため、高速になる場合がある
- 光学ドライブを搭載していないノートパソコンでもディスクの内容を利用できる
DAEMON Toolsの歴史
DAEMON Toolsは2000年代初頭からの長い歴史を持つソフトウェアです。
2005年11月14日にバージョン4.00が発表されましたが、この際にアドウェアが同梱されたため、一時的に窓の杜のソフトライブラリから削除されました。
その後、バージョン4.30でアドウェアが削除され、機能限定版の「DAEMON Tools Lite」と、3ペイン型のGUIやイメージ作成機能を搭載した上位版の「DAEMON Tools Pro」に分かれました。
アドウェアの削除により、現在では窓の杜のソフトライブラリに再収録されています。
2008年8月8日には、「DAEMON Tools Lite」の公式日本語版の配布が開始されました。
DAEMON Toolsのエディション
DAEMON Toolsには、用途や機能に応じて複数のエディションが用意されています。
DAEMON Tools Lite
DAEMON Tools Liteは、無料で利用できる基本エディションです。
個人利用かつ非商用利用に限り、広告表示付きで無料で使用できます。
主な機能は以下の通りです。
- 最大4つの仮想ドライブ(DT + SCSI + HDD)をエミュレート可能
- ISO、MDF、MDS、MDX、NRG、CCD、BIN、CUEなど多数のイメージファイル形式に対応
- 光学ディスクからイメージファイルを作成可能
- ローカルネットワーク内でのファイル転送機能(Catch!)
無料版では、一部の高度な機能(ディスクバーナー、ブータブルUSB、イメージエディタなど)は使用できません。
これらの機能は、個別購入またはパッケージ購入で追加できます。
DAEMON Tools Pro
DAEMON Tools Proは、プロフェッショナル向けのエディションです。
クラシックなインターフェースを採用しており、古くからのユーザーに親しまれています。
Liteにはない以下の機能が含まれます。
- 強力なイメージエディタ
- DT、SCSI、IDEデバイスのエミュレート
- VHDやTrueCryptで保護されたボリュームの操作
- イメージファイルの書き込み・変換機能
DAEMON Tools Ultra
DAEMON Tools Ultraは、最も多機能なエディションです。
すべての機能が統合されており、プロフェッショナルな用途にも対応しています。
Ultra限定の機能は以下の通りです。
- 高度なエミュレーション機能
- 書き込み可能な仮想デバイス
- ブータブルUSBの作成
- 拡張されたiSCSIイニシエーター機能
- RAMディスク機能
DAEMON Tools for Mac
Mac OSユーザー向けのエディションです。
データおよびオーディオイメージファイルの作成とマウント、ファイル共有、RAMディスクなどの機能が利用できます。
対応している主なファイル形式
DAEMON Toolsは、以下のような多数のディスクイメージファイル形式に対応しています。
- ISO:最も一般的なディスクイメージ形式
- MDF/MDS:Alcohol 120%などで作成されるイメージ形式
- MDX:DAEMON Tools独自の圧縮イメージ形式
- NRG:Nero Burning ROMで作成されるイメージ形式
- CCD/IMG:CloneCDで作成されるイメージ形式
- BIN/CUE:CDイメージとキューシート
- APE/FLAC/WV/WAV(CUEシート付属のものに限る)
- VHD:仮想ハードディスクイメージ
- ZIP/RAR/7Z:圧縮アーカイブ形式
この他にも、DAA、ISZ、CDI、B5T、B6T、BWT、UIF、WIM、TC、HC、VMDK、VDI、iSCSIなど、多数の形式に対応しています。
DAEMON Tools Liteの基本的な使い方
ここでは、無料版のDAEMON Tools Liteの基本的な使い方を紹介します。
ダウンロードとインストール
- DAEMON Tools公式サイトにアクセスします。
- 「広告付きの無料版」をダウンロードします。
- ダウンロードしたインストーラーを実行します。
- ライセンスタイプの選択画面で「無料ライセンス」を選択します。
- インストール中に追加プログラム(Avast Antivirusなど)のインストールを勧める画面が表示された場合は、チェックを外して進めます。
- インストール完了後、「を起動する」をクリックしてDAEMON Tools Liteを起動します。
イメージファイルのマウント方法
イメージファイルをマウントする方法は複数あります。
方法1:イメージファイルから直接マウント
イメージファイルがDAEMON Toolsに関連付けされている場合は、イメージファイルのアイコンをダブルクリックするだけでマウントできます。
方法2:メイン画面からマウント
- DAEMON Tools Liteのメイン画面で、左側の「イメージ」アイコンをクリックします。
- 画面上部の「+」ボタンをクリックします。
- マウントしたいイメージファイルを選択します。
- 選択したイメージファイルが仮想ドライブにマウントされます。
方法3:タスクトレイアイコンから操作
- タスクトレイのDAEMON Toolsアイコンを右クリックします。
- 「仮想デバイス」を選択します。
- イメージのマウント先とするドライブを選択します。
- 「マウント」を選択します。
イメージファイルのアンマウント方法
マウントしたイメージファイルを解除するには、以下の方法があります。
- タスクトレイのDAEMON Toolsアイコンを右クリックします。
- 「仮想デバイス」を選択します。
- アンマウントしたいドライブを選択します。
- 「アンマウント」を選択します。
または、エクスプローラーで仮想ドライブを右クリックし、「取り出し」を選択することでもアンマウントできます。
光学ディスクからイメージファイルを作成する方法
DAEMON Tools Liteでは、実際の光学ディスクからイメージファイルを作成することもできます。
- メイン画面で「新規イメージ」をクリックします。
- イメージを作成したい光学ドライブを選択します。
- 保存先とファイル形式(ISO、MDS+MDF、MDX、APE+CUEなど)を選択します。
- 「スタート」ボタンをクリックしてイメージ作成を開始します。
設定のカスタマイズ
DAEMON Tools Liteの設定画面では、さまざまなオプションをカスタマイズできます。
一般設定
メイン画面右上の「設定」をクリックすると、オプション画面が表示されます。
設定は以下のカテゴリーに分類されています。
全般
- トレイエージェントを使用する:システムトレイにアイコンを表示し、そこから操作できるようにする機能です(デフォルトで有効)
- 自動実行:パソコン起動時にDAEMON Toolsも自動的に起動する機能です(デフォルトで有効)
使用する必要がないときでも起動されるため、リソース節約のために「オフ」にすることをお勧めします。
統合
エクスプローラーの右クリックメニューにDAEMON Toolsの機能を追加するかどうかを設定できます。
確認
各種操作時に確認メッセージを表示するかどうかを設定できます。
カスタムフォルダ
イメージファイルの保存場所などを指定できます。
Catch!
ローカルネットワーク内でファイル転送を行う機能です。
この機能を有効にするには、「ローカルネットワーク経由で共有できる」にチェックを入れます。
ただし、この機能は有料版(DAEMON Tools Lite Personal)へのアップグレードが必要です。
接続
ネットワーク接続に関する設定を行えます。
DAEMON Toolsの注意点
DAEMON Toolsを使用する際には、以下の点に注意が必要です。
著作権への配慮
DAEMON Tools自体は合法的なソフトウェアですが、使用方法によっては著作権法に違反する可能性があります。
自分が所有していないディスクのイメージファイルをマウントして使用することは、著作権侵害にあたります。
DAEMON Toolsは、自分で作成したイメージファイル、または合法的に入手したイメージファイルのみに使用してください。
ゲームとの競合問題
一部のゲームソフトは、不正コピー対策として仮想ドライブソフトの使用を検出し、起動を拒否する場合があります。
このような場合は、DAEMON Toolsを一時的に停止またはアンインストールする必要があります。
DAEMON Toolsを停止する方法は以下の通りです。
- Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
- 「services.msc」と入力してEnterキーを押します。
- サービス一覧から「Disc Soft Lite Bus Service」を探します。
- 右クリックして「停止」を選択します。
- スタートアップの種類を「無効」に設定します。
無料版の広告表示
DAEMON Tools Liteの無料版では、広告が表示されます。
広告を非表示にするには、有料版(DAEMON Tools Lite Personal)へのアップグレードが必要です。
インストール時の追加ソフトウェア
無料版のインストール時に、Avast Antivirusなどの追加ソフトウェアのインストールを勧められる場合があります。
必要ない場合は、チェックを外してインストールを進めてください。
対応OS
2025年11月24日にリリースされたバージョン以降、DAEMON Tools LiteはWindows 10以降(64ビット版)のみに対応しています。
Windows 7やWindows 8.1などの古いOSでは使用できません。
DAEMON Toolsの代替ソフトウェア
DAEMON Toolsが自分の環境に合わない場合、以下のような代替ソフトウェアも検討できます。
- Virtual CloneDrive(無料):シンプルな仮想ドライブソフト
- WinCDEmu(無料、オープンソース):軽量でシンプルな仮想ドライブソフト
- PowerISO(有料):ディスクイメージの作成・編集・マウントが可能
- MagicISO(有料):ISO形式を中心としたイメージファイル管理ソフト
これらのソフトウェアは、それぞれ異なる特徴や機能を持っているため、自分の用途に合ったものを選択してください。
まとめ
DAEMON Toolsは、ディスクイメージファイルを仮想ドライブにマウントして使用できる便利なソフトウェアです。
無料版のLiteでも基本的な機能は十分に利用でき、光学ドライブを持たないノートパソコンでもディスクの内容を活用できます。
ただし、著作権への配慮や、一部のゲームとの競合問題など、使用時には注意が必要です。
自分の用途に合ったエディションを選択し、適切に使用することで、ディスク管理の効率を大幅に向上させることができます。
参考情報
この記事は以下の情報源を参考に作成しています。
- DAEMON Tools公式サイト
- DAEMON Tools Lite製品ページ
- DAEMON Tools Liteリリースノート
- Wikipedia – DAEMON Tools(日本語版)
- Wikipedia – Daemon Tools(英語版)
- 日本語化工房 – DAEMON Tools Lite 日本語版公式配布ページ
- 窓の杜 – 仮想ドライブ作成ソフト「DAEMON Tools」に公式日本語版が登場
※この記事は2025年2月時点の情報に基づいています。


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