お仕事や個人のプロジェクトで、「データベースを作ってみたい」と思ったことはありませんか?
でも、「専門知識がないから無理そう」「むずかしそう」と感じて、なかなか始められない人も多いと思います。
この記事では、初心者の方でも安心して取り組める「新しいデータベースの作り方」を、やさしく説明します。むずかしい専門用語は使わず、実際に使える方法をお教えしますね。
データベースって何?

データベースとは、情報をきちんと整理して保存・管理する仕組みのことです。
身近な例で言うと、Excelのような表の形でデータを扱う「リレーショナルデータベース」が一番よく使われています。
よく使われるソフト
- MySQL(マイエスキューエル):世界中で使われている無料のソフト
- PostgreSQL(ポストグレエスキューエル):高機能で安定性が高い無料ソフト
- SQLite(エスキューエルライト):軽くて使いやすい無料ソフト
実際にどんなことに使うの?
データベースは、こんな場面で活躍します:
- 商品の在庫管理
- お客さんの情報保存
- 予約システムの構築
- 学校の成績管理
- 家計簿アプリ
- ネットショップの注文管理
まとめ
データベースは、情報をきちんと管理するためには欠かせないものです。次は、実際にデータベースを作るための準備について説明しますね。
作る前に準備すること

なぜ準備が大切なの?
データベースを作る前に、まず目的をはっきりさせることがとても大切です。
以下のことを考えてみましょう:
- どんな情報を保存したいのか?
- だれが使うのか?
- どんな操作が必要か?
これらを整理することで、使いやすいデータベースが作れます。
実際の例で考えてみよう
小さな飲食店が予約情報を記録したい場合を考えてみましょう。
必要な情報:
- 予約日
- 予約時間
- お客さんの名前
- 人数
- 電話番号
- 特別な要望(アレルギーなど)
使う人:
- 店長
- スタッフ
必要な操作:
- 新しい予約を追加する
- 予約を確認する
- 予約をキャンセルする
- 空いている時間を確認する
設計のコツ
- シンプルに始める:最初は必要最小限の機能だけ
- 拡張しやすくする:後から機能を追加できるように
- 使う人の立場で考える:実際に操作する人が使いやすいか
まとめ
準備がしっかりできれば、実際の作成作業がスムーズに進みます。次の章では、データベース作成の具体的な手順を見ていきましょう。
新しいデータベースを作る手順

今回使うソフト
今回は、無料で使える「MySQL」を例に説明します。
MySQLは世界中で使われていて、情報もたくさんあるので初心者の方におすすめです。
手順1:MySQLをインストールする
- 公式サイトにアクセス:mysql.comにアクセス
- ダウンロード:「MySQL Community Server」を無料ダウンロード
- インストール:ダウンロードしたファイルを実行してインストール
手順2:MySQL Workbenchを使う
MySQL Workbenchは、MySQLを簡単に操作できるツールです。
- 起動:MySQL Workbenchを起動
- 接続設定:「MySQL Connections」の「+」ボタンをクリック
- 情報入力:
- Connection Name:わかりやすい名前(例:「ローカル接続」)
- Hostname:127.0.0.1
- Port:3306
- Username:root
手順3:データベース(スキーマ)を作成
- 接続:設定した接続をダブルクリックしてログイン
- スキーマ作成:左側の「Schemas」を右クリック→「Create Schema」
- 名前入力:データベースの名前を入力(例:「shop_reservation」)
- 作成完了:「Apply」ボタンをクリック
手順4:テーブルを作成
データベースができたら、その中にテーブル(表)を作ります。
-- お客さん情報のテーブル
CREATE TABLE customers (
id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
name VARCHAR(100) NOT NULL,
phone VARCHAR(15),
email VARCHAR(100)
);
-- 予約情報のテーブル
CREATE TABLE reservations (
id INT AUTO_INCREMENT PRIMARY KEY,
customer_id INT,
reservation_date DATE,
reservation_time TIME,
party_size INT,
special_requests TEXT
);
実際の例
「shop_reservation」というデータベースを作って、その中に以下のテーブルを作成します:
- customers:お客さんの基本情報
- reservations:予約の詳細情報
- tables:テーブル情報(座席数など)
まとめ
これで基本的なデータベースの作成は完了です。次は、作ったデータベースをどのように活用していくかについて紹介しますね。
作ったデータベースの活用方法
できるようになること
データベースが完成すると、以下のことができるようになります:
基本操作:
- データの入力(新しい情報を追加)
- データの検索(必要な情報を探す)
- データの更新(既存の情報を変更)
- データの削除(不要な情報を削除)
- データの集計(合計や平均を計算)
システムとの連携
Webサイトとの連携例:
- お客さんがWebサイトの予約フォームに入力
- 入力された情報が自動でデータベースに保存
- 店側は管理画面で予約状況を確認
- 確認メールが自動で送信
スマホアプリとの連携例:
- 店舗スタッフがスマホアプリで予約状況を確認
- 外出先からでもリアルタイムで情報をチェック
- プッシュ通知で新しい予約をお知らせ
レポート作成
データベースに蓄積されたデータから、便利なレポートを作ることができます:
- 月次売上レポート:月ごとの売上推移
- 人気時間帯分析:どの時間帯が一番忙しいか
- リピーター分析:何回も来店するお客さんの傾向
- キャンセル率分析:キャンセルが多い曜日や時間
バックアップと復元
大切なデータを守るために:
- 定期的なバックアップ
- 障害時の復元
- データの移行
まとめ
このように、データベースはとても多彩な活用ができます。最後に、トラブルを防ぐための注意点を確認しましょう。
データベース作成時の注意点

よくあるミス
データベースを作るときに、初心者の方がよくやってしまうミスがあります:
1. 情報の重複 同じ情報を何度も入力してしまう設計
2. 正規化不足 関連する情報をきちんと分けて管理していない
3. セキュリティ対策不備 パスワードや個人情報の保護が不十分
具体的な例
悪い例: お客さんの情報と予約情報を1つのテーブルにまとめてしまう
名前 | 電話番号 | 予約日 | 時間 | 人数 |
---|---|---|---|---|
田中さん | 090-1234-5678 | 2025-06-10 | 18:00 | 4 |
田中さん | 090-1234-5678 | 2025-06-15 | 19:00 | 2 |
この場合、田中さんの情報が重複してしまいます。
良い例: お客さん情報と予約情報を分ける
お客さんテーブル:
ID | 名前 | 電話番号 |
---|---|---|
1 | 田中さん | 090-1234-5678 |
予約テーブル:
ID | お客さんID | 予約日 | 時間 | 人数 |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | 2025-06-10 | 18:00 | 4 |
2 | 1 | 2025-06-15 | 19:00 | 2 |
セキュリティ対策
パスワード管理:
- 簡単なパスワードは使わない
- 定期的にパスワードを変更
- データベース専用のユーザーアカウントを作成
アクセス制限:
- 必要最小限の権限のみ付与
- 不要なアクセスは制限
- ログイン履歴の確認
データ保護:
- 個人情報の暗号化
- 定期的なバックアップ
- 障害対策の準備
設計のポイント
- 将来の拡張を考える:後から機能を追加しやすい設計
- パフォーマンスを意識:大量のデータでも高速に動作
- メンテナンスしやすく:他の人でも理解できる構造
まとめ
トラブルを防ぐには、最初の設計段階でしっかりと構造を考えることが大切です。また、運用開始後も定期的なメンテナンスを心がけましょう。
全体のまとめ
データベースの作成は、きちんとした準備と正しい手順を踏めば、決してむずかしいものではありません。
この記事で学んだこと
- データベースの基本:情報を整理して管理する仕組み
- 準備の大切さ:目的を明確にしてから作り始める
- 具体的な作成手順:MySQLを使った実践的な方法
- 活用方法:作った後の使い方と連携方法
- 注意点:よくあるミスとその対策
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