「パソコンを買うときCPUとGPUって書いてあるけど、何が違うの?」 「ゲーミングPCにはGPUが大事って聞くけど、なぜ?」 「動画編集にはどっちが重要なの?」
パソコンの心臓部であるCPUとGPU。名前は似ているけれど、実は全く異なる役割を持っています。
この記事では、CPUとGPUの違いを小学生でも分かるレベルから、購入時の選び方まで、すべてを分かりやすく解説します。
読み終わる頃には、あなたも自信を持ってパソコンを選べるようになりますよ!
CPUとGPUを簡単に理解しよう

一言で言うと何が違う?
【超シンプルな説明】
CPU | GPU | |
---|---|---|
例えるなら | 優秀な事務員1人 | 単純作業が得意な作業員1000人 |
得意なこと | 複雑な判断・順番に処理 | 単純な計算を大量に同時処理 |
苦手なこと | 大量の同じ作業 | 複雑な判断 |
日常での例 | 料理のレシピを考える | 大量の皿洗い |
つまり、CPUは頭脳派、GPUは力仕事派なんです!
身近な例で理解する
【レストランに例えると】
CPU = シェフ(料理長)
- レシピを考える
- 味見して調整
- 指示を出す
- 1つ1つ丁寧に仕事
GPU = 調理補助スタッフ軍団
- 野菜を切る(全員で)
- 皿を並べる(同時進行)
- 単純作業を高速処理
- みんなで同じ作業
両方いないとレストランは成り立ちません。パソコンも同じです!
CPU(Central Processing Unit)の詳細解説
CPUの基本的な役割
【CPUが担当する仕事】
処理内容 | 具体例 | 重要度 |
---|---|---|
OS の制御 | Windows/Mac の動作 | ★★★★★ |
アプリの実行 | Word、Excel、ブラウザ | ★★★★★ |
計算処理 | 表計算、データ処理 | ★★★★☆ |
命令の管理 | すべての指示を統括 | ★★★★★ |
入出力制御 | キーボード、マウス操作 | ★★★★☆ |
CPUはパソコンの司令塔として、すべての処理を管理しています。
CPUの性能を決める要素
【スペックの見方】
例:Intel Core i7-13700K
AMD Ryzen 7 7700X
【性能指標の解説】
指標 | 意味 | 数値例 | 影響 |
---|---|---|---|
コア数 | 処理装置の数 | 4〜24コア | 多いほど同時処理可能 |
スレッド数 | 同時処理可能な作業 | 8〜48スレッド | マルチタスク性能 |
クロック周波数 | 処理速度 | 3.0〜5.5GHz | 高いほど高速 |
キャッシュ | 一時記憶容量 | 8〜96MB | 多いほど効率的 |
TDP | 消費電力 | 65〜125W | 低いほど省エネ |
主要CPUメーカーと特徴
【Intel vs AMD 比較】
項目 | Intel | AMD |
---|---|---|
シェア | 約60% | 約40% |
特徴 | 安定性重視 | コスパ重視 |
得意分野 | ゲーム、クリエイティブ | マルチタスク、配信 |
価格 | やや高め | リーズナブル |
最新世代 | 第14世代 Core | Ryzen 7000番台 |
【CPU の世代と性能目安】
ローエンド(軽作業向け)
├─ Intel Core i3 / AMD Ryzen 3
├─ 価格:1〜2万円
└─ 用途:ネット、Office
ミドルレンジ(一般向け)
├─ Intel Core i5 / AMD Ryzen 5
├─ 価格:3〜5万円
└─ 用途:軽いゲーム、動画視聴
ハイエンド(高性能)
├─ Intel Core i7 / AMD Ryzen 7
├─ 価格:5〜8万円
└─ 用途:ゲーム、動画編集
エンスージアスト(最高峰)
├─ Intel Core i9 / AMD Ryzen 9
├─ 価格:8万円以上
└─ 用途:プロ向け、4K編集
GPU(Graphics Processing Unit)の詳細解説
GPUの基本的な役割
【GPUが担当する仕事】
処理内容 | 具体例 | CPU比較 |
---|---|---|
画面描画 | モニター表示全般 | CPU の100倍速い |
3Dグラフィック | ゲーム、CAD | 専門処理 |
動画処理 | エンコード、デコード | 10倍以上高速 |
AI処理 | 機械学習、画像生成 | 圧倒的に得意 |
マイニング | 暗号通貨計算 | GPUでないと不可能 |
GPUは並列処理のスペシャリストです!
GPU の種類と違い
【内蔵GPU vs 外付けGPU】
タイプ | 内蔵GPU(iGPU) | 外付けGPU(dGPU) |
---|---|---|
搭載場所 | CPU内部 | 独立したカード |
性能 | 低〜中 | 中〜最高 |
消費電力 | 15〜45W | 75〜450W |
価格 | CPU込み | 1〜30万円 |
用途 | 一般作業 | ゲーム、クリエイティブ |
【GPU メーカー比較】
NVIDIA | AMD | Intel | |
---|---|---|---|
グラボシェア | 約80% | 約20% | 参入したて |
最新シリーズ | RTX 4000番台 | RX 7000番台 | Arc A700番台 |
特徴 | AI、レイトレ最強 | コスパ良好 | 価格破壊狙い |
得意分野 | ゲーム全般 | 高解像度 | 動画編集 |
GPU性能の見方
【性能クラス別ガイド】
エントリー(入門向け)
├─ GTX 1650 / RX 6400
├─ 価格:2〜3万円
├─ 性能:フルHD低設定
└─ 用途:軽いゲーム
ミドルレンジ(中級者向け)
├─ RTX 4060 / RX 7600
├─ 価格:4〜6万円
├─ 性能:フルHD高設定
└─ 用途:人気ゲーム快適
ハイエンド(上級者向け)
├─ RTX 4070 Ti / RX 7900 XT
├─ 価格:10〜15万円
├─ 性能:4K中設定
└─ 用途:最新ゲーム最高画質
ウルトラハイエンド(プロ向け)
├─ RTX 4090 / RX 7900 XTX
├─ 価格:20万円以上
├─ 性能:4K最高設定
└─ 用途:プロゲーマー、AI開発
CPUとGPUの使い分け完全ガイド
用途別の重要度比較
【作業別CPU・GPU重要度】
用途 | CPU重要度 | GPU重要度 | 理由 |
---|---|---|---|
ネット閲覧 | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | 基本的にCPU処理 |
Office作業 | ★★★★☆ | ★☆☆☆☆ | 計算はCPU依存 |
プログラミング | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | コンパイルはCPU |
画像編集 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | 両方重要 |
動画編集 | ★★★★☆ | ★★★★★ | エンコードはGPU |
3Dモデリング | ★★★☆☆ | ★★★★★ | レンダリングはGPU |
ゲーム | ★★★☆☆ | ★★★★★ | 描画性能が最重要 |
配信 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | 両方バランス良く |
AI開発 | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | GPU必須 |
ゲーム用途での選び方
【ゲームジャンル別推奨スペック】
FPS/TPS(Apex、Valorant等)
最重要:GPU(高フレームレート)
推奨:RTX 4060以上
CPU:Core i5/Ryzen 5で十分
理由:144fps以上が勝敗を分ける
MMORPG(FF14、原神等)
最重要:バランス型
推奨:RTX 4060 + Core i5
メモリ:16GB以上
理由:大規模戦闘でCPUも重要
シミュレーション(Cities Skylines等)
最重要:CPU(計算処理)
推奨:Core i7/Ryzen 7以上
GPU:RTX 3050でもOK
理由:都市計算はCPU依存
クリエイティブ用途での選び方
【作業内容別の最適構成】
動画編集(4K)
優先順位:
1. GPU(VRAM 12GB以上)
2. メモリ(32GB以上)
3. CPU(8コア以上)
推奨:RTX 4070 + Ryzen 7
写真編集(RAW現像)
優先順位:
1. CPU(高クロック)
2. メモリ(16GB以上)
3. GPU(中級でOK)
推奨:Core i7 + RTX 4060
3DCG制作
優先順位:
1. GPU(VRAM最重要)
2. CPU(コア数重視)
3. メモリ(64GB推奨)
推奨:RTX 4080 + Ryzen 9
技術的な違いを詳しく解説

アーキテクチャの違い
【処理方式の比較】
CPU:直列処理(シリアル処理)
処理の流れ:
タスクA → 完了 → タスクB → 完了 → タスクC
・複雑な判断可能
・順番が重要な処理に最適
・1つ1つ確実に処理
GPU:並列処理(パラレル処理)
処理の流れ:
タスクA ─┐
タスクB ─┼→ 同時処理 → 完了
タスクC ─┘
・単純作業を大量処理
・画像の各ピクセル処理に最適
・数千のコアで同時実行
メモリシステムの違い
【メモリ構成比較】
CPU | GPU | |
---|---|---|
メモリタイプ | DDR4/DDR5 | GDDR6/GDDR6X |
容量 | 8〜128GB | 4〜24GB |
帯域幅 | 50〜100GB/s | 400〜1000GB/s |
用途 | 汎用 | グラフィック特化 |
拡張性 | 追加可能 | 固定 |
最新トレンドと将来性
2024年の最新動向
【注目の新技術】
AI処理の統合
NVIDIA:DLSS 3(AI画質向上)
AMD:FSR 3(オープンソース版)
Intel:XeSS(新規参入)
効果:低スペックでも高画質
レイトレーシング
リアルな光の反射を再現
RTX 4000番台で大幅進化
ゲームの没入感が劇的向上
APU(CPU+GPU統合型)
AMD:Ryzen APU
Intel:Core Ultra
メリット:省スペース、低消費電力
用途:ノートPC、小型PC
予算別おすすめ構成
用途別ベストバイ構成
【5万円:エントリー構成】
CPU:Ryzen 5 5600G(内蔵GPU付き)
GPU:なし(内蔵で対応)
用途:Office、ネット、軽いゲーム
【10万円:ミドル構成】
CPU:Core i5-13400F
GPU:RTX 4060
用途:フルHDゲーム、動画編集入門
【20万円:ハイエンド構成】
CPU:Ryzen 7 7700X
GPU:RTX 4070 Ti
用途:4Kゲーム、本格的クリエイティブ
【30万円以上:プロ構成】
CPU:Core i9-13900K
GPU:RTX 4090
用途:プロゲーマー、AI開発、8K編集
よくある質問(FAQ)
Q1:CPUとGPU、どちらを優先すべき?
A:用途によります
用途 | 優先 |
---|---|
ゲーム | GPU |
配信 | バランス |
動画編集 | GPU |
プログラミング | CPU |
AI/機械学習 | GPU |
Q2:内蔵GPUで十分な人は?
A:以下の用途なら十分です
- ネットサーフィン
- Office作業
- 動画視聴(YouTube等)
- 2Dゲーム
- 簡単な画像編集
Q3:ボトルネックって何?
A:片方の性能が足を引っ張ること
例:
- 高性能GPU + 低性能CPU = CPUボトルネック
- 高性能CPU + 低性能GPU = GPUボトルネック
理想はバランスの取れた構成です!
アップグレードのタイミング
買い替え時期の判断基準
【CPU 買い替えサイン】
- 起動に3分以上かかる
- アプリの切り替えが遅い
- 動画のエンコードが異常に長い
- 5年以上使用している
【GPU 買い替えサイン】
- 最新ゲームが動かない
- 設定を最低にしても30fps以下
- 動画編集でプレビューがカクつく
- VRAM不足エラーが出る
まとめ:CPUとGPU、両方大切な相棒!
CPUとGPUの違いについて、基本から応用まで詳しく解説してきました。
✨ 重要ポイント
🧠 CPUは頭脳
- 複雑な処理が得意
- すべての司令塔
- 順番に確実に処理
🎨 GPUは職人集団
- 単純作業を大量同時処理
- 映像処理のスペシャリスト
- ゲーム・クリエイティブに必須
⚖️ バランスが大切
- 用途に応じて配分
- ボトルネックを避ける
- 将来も考慮した構成
💡 選び方のコツ
- まず用途を明確に
- 予算内で最適バランス
- 将来のアップグレードも視野に
CPUとGPUは、それぞれ得意分野が違う大切なパートナーです。
あなたの用途に合わせて、最適な組み合わせを選んでください。
この記事を参考に、理想のパソコン構成を見つけてくださいね!
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