Microsoft CopilotでWordやExcelを使おうとしたときに、こんなエラーメッセージが表示されたことはありませんか?
「Copilotライセンスの検証中に問題が発生しました。詳細については、https://aka.ms/copilotlicensecheck を参照してください」
せっかくCopilotのライセンスを購入したのに使えない…このエラーは本当にストレスですよね。
でも安心してください。このエラーは多くの場合、簡単な操作で解決できます。
この記事では、このライセンス検証エラーが起こる原因と、誰でもできる解決方法を分かりやすく解説していきます。
このエラーが表示される主な原因

まず、なぜこのエラーが発生するのか理解しておきましょう。原因が分かれば、解決方法も見えてきます。
原因1:サードパーティCookieがブロックされている
これが最も多い原因です。
Copilotは、ライセンスを確認するために「サードパーティCookie」という技術を使っています。しかし、多くのブラウザでは、プライバシー保護のためにこれが初期設定でブロックされています。
特にブロックされやすい環境:
- シークレットモード(Chromeの場合)
- InPrivateブラウズ(Edgeの場合)
- Safari(Macのデフォルトブラウザ)
原因2:間違ったアカウントでサインインしている
Microsoftアカウントには、以下の2種類があります:
- 個人アカウント(Microsoft 365 PersonalやFamily)
- 組織アカウント(会社や学校のアカウント)
それぞれのアカウントには、それぞれのCopilotライセンスが必要です。
よくあるミスのパターン:
- 個人アカウントでサインインしているのに、会社のCopilotを使おうとしている
- 会社アカウントでサインインしているのに、個人用のCopilot Proを使おうとしている
原因3:ファイルの保存場所とアカウントが一致していない
これも非常に多いケースです。
例えば、以下のような状況:
- 個人アカウントのCopilot Proライセンスで
- 会社のOneDriveに保存されているファイルを編集しようとしている
この場合、Copilotは「このファイルを編集する権限がない」と判断してエラーが出ます。
原因4:新しく割り当てられたライセンスがまだ反映されていない
ライセンスを購入・割り当てた直後は、システム全体に情報が行き渡るまで時間がかかることがあります。
通常は数分から1時間程度で反映されますが、場合によっては最大24時間かかることもあります。
原因5:複数のアカウントに同時にサインインしている
WordやExcelで、個人アカウントと会社アカウントの両方にサインインしていると、Copilotがどちらのライセンスを使えばいいのか混乱してエラーが出ることがあります。
原因6:サードパーティのストレージにファイルがある
OneDriveやSharePoint以外の場所(例:Dropbox、Google Driveなど)にファイルを保存している場合、現在の技術的制限によりCopilotが正しく動作しないことがあります。
【解決方法1】サードパーティCookieを有効にする
最も簡単で効果的な解決方法です。多くの場合、これだけで問題が解決します。
Microsoft Edgeの場合
手順1:設定を開く
- Edgeブラウザの右上にある「…(設定など)」をクリック
- 「設定」を選択
手順2:Cookie設定に移動
- 左側のメニューから「Cookieとサイトのアクセス許可」を選択
- 「Cookieとサイト データの管理と削除」をクリック
手順3:サードパーティCookieを許可
「サードパーティのCookieをブロックする」のスイッチをオフにします。
これで設定完了です。ページを更新して、再度Copilotを試してみてください。
Google Chromeの場合
手順1:設定を開く
- Chromeの右上にある「︙(Google Chromeのカスタマイズと管理)」をクリック
- 「設定」を選択
手順2:プライバシー設定に移動
- 左側メニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「サードパーティのCookie」をクリック
手順3:Cookieの設定を変更
「サードパーティのCookieをブロックする」をオフにするか、「シークレットモードでサードパーティCookieを許可する」をオンにします。
Safariの場合(Mac)
手順1:Safari設定を開く
- 画面上部のメニューバーから「Safari」をクリック
- 「設定」を選択
手順2:プライバシー設定
- 「プライバシー」タブを開く
- 「サイト越えトラッキングを防ぐ」のチェックを外す
注意: Safariではサードパーティクッキーが厳しく制限されているため、EdgeやChromeを使用することをおすすめします。
【解決方法2】正しいアカウントでサインインする
アカウントの問題は意外と見落としがちです。以下の手順で確認しましょう。
現在のアカウントを確認する方法
デスクトップアプリ(Word、Excel、PowerPointなど)の場合
- アプリを開く
- 左上の「ファイル」タブをクリック
- 「アカウント」を選択
- 右側に現在サインインしているアカウントが表示されます
Webアプリの場合
- microsoft365.comにアクセス
- 右上のプロフィールアイコンを確認
- 表示されているメールアドレスが、Copilotライセンスを持つアカウントか確認
別のアカウントでサインインする方法
デスクトップアプリの場合
- 「ファイル」→「アカウント」を開く
- 現在のアカウント名の横にある「サインアウト」をクリック
- アプリを再起動
- 正しいアカウントでサインイン
Webアプリの場合
- 右上のプロフィールアイコンをクリック
- 「別のアカウントでサインイン」を選択
- Copilotライセンスを持つアカウントでサインイン
どのアカウントにライセンスがあるか確認する方法
個人用アカウントの場合:
- account.microsoft.comにサインイン
- 「サービスとサブスクリプション」を確認
- 「Copilot Pro」または「Microsoft 365 Personal/Family」が表示されているか確認
組織アカウントの場合:
- 会社のIT管理者に問い合わせる
- または「Microsoft 365管理センター」でライセンスを確認(管理者権限が必要)
【解決方法3】ファイルを適切な場所に移動する

ファイルの保存場所とアカウントが一致していないと、Copilotが正しく動作しません。
問題のパターンと解決方法
パターン1:個人用Copilotで会社のファイルを編集しようとしている
解決方法:
ファイルを個人用OneDriveにコピーまたは移動します。
- 編集したいファイルを開く
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- 保存先に「OneDrive – Personal」を選択
- 保存したファイルを開き直す
パターン2:会社のCopilotで個人ファイルを編集しようとしている
解決方法:
ファイルを会社のOneDriveまたはSharePointに移動します。
- 編集したいファイルを開く
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- 保存先に会社の「OneDrive – [会社名]」を選択
- 保存したファイルを開き直す
パターン3:サードパーティストレージ(Dropbox、Google Driveなど)にファイルがある
解決方法:
ファイルをOneDriveまたはSharePointにコピーします。
現在、MicrosoftはサードパーティストレージでのCopilot利用に技術的な制限があることを公表しています。この問題が解決されるまでは、OneDriveまたはSharePointの使用が推奨されます。
【解決方法4】ライセンスを更新する
ライセンス情報が古くなっている場合、手動で更新することで解決できます。
デスクトップアプリでライセンスを更新
手順1:アカウント画面を開く
- Word、Excel、PowerPointなどを開く
- 「ファイル」→「アカウント」をクリック
手順2:ライセンスを更新
「ライセンスの更新」または「Update License」ボタンをクリックします。
このボタンが見つからない場合は、以下を試してください:
- 「Office更新プログラム」の横にある「更新オプション」をクリック
- 「今すぐ更新」を選択
手順3:アプリを再起動
全てのMicrosoft 365アプリを一度完全に閉じてから、再度開きます。
ライセンスが正しく割り当てられているか確認
個人用アカウントの場合
- account.microsoft.com/servicesにアクセス
- サブスクリプション一覧を確認
- 「Copilot Pro」が表示されているか確認
組織アカウントの場合
会社のIT管理者に以下を確認してもらいます:
- Microsoft 365管理センターにアクセス
- 「ユーザー」→「アクティブなユーザー」
- 該当ユーザーを選択
- 「ライセンスとアプリ」タブで「Copilot for Microsoft 365」が割り当てられているか確認
【解決方法5】Microsoft 365アプリを最新版に更新する
古いバージョンのアプリでは、Copilotが正しく動作しないことがあります。
Windows版の更新方法
手順1:更新確認画面を開く
- Word、Excel、PowerPointなどを開く
- 「ファイル」→「アカウント」をクリック
手順2:更新を確認
- 「製品情報」の下にある「更新オプション」をクリック
- 「今すぐ更新」を選択
更新が完了するまで待ち、アプリを再起動します。
Mac版の更新方法
手順1:Microsoft AutoUpdateを開く
- Word、Excel、PowerPointなどを開く
- メニューバーから「ヘルプ」を選択
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
手順2:更新をインストール
Microsoft AutoUpdateが起動するので、利用可能な更新があればインストールします。
手動で更新チャネルを確認(企業ユーザー向け)
企業環境では、更新チャネルの設定によってCopilotが使えない場合があります。
Copilotを使用できる更新チャネル:
- 最新チャネル(Current Channel)
- 月次エンタープライズチャネル(Monthly Enterprise Channel)
Copilotが使用できないチャネル:
- 半期エンタープライズチャネル(Semi-Annual Enterprise Channel)
更新チャネルの変更が必要な場合は、IT管理者に依頼してください。
【解決方法6】ブラウザをリフレッシュする(Webアプリの場合)
Web版のOfficeアプリでエラーが出る場合、最も簡単な解決方法はページのリフレッシュです。
手順
- ブラウザの更新ボタンをクリック
- または F5キー(Windows)、Command + R(Mac)を押す
これだけで解決することも多いです。
キャッシュとCookieをクリアする
リフレッシュで解決しない場合:
Microsoft Edgeの場合
- Ctrl + Shift + Delete(Windows)または Command + Shift + Delete(Mac)を押す
- 「時間の範囲」で「すべての期間」を選択
- 「Cookieおよびその他のサイトデータ」と「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 「今すぐクリア」をクリック
Google Chromeの場合
- Ctrl + Shift + Delete(Windows)または Command + Shift + Delete(Mac)を押す
- 「期間」で「全期間」を選択
- 「Cookieと他のサイトデータ」と「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 「データを削除」をクリック
【解決方法7】ネットワーク接続を確認する
Copilotはクラウドサービスなので、安定したインターネット接続が必要です。
確認ポイント
- インターネットに接続されているか確認
- 他のWebサイトが正常に開くか試す
- ファイアウォールやVPNの影響
- 会社のファイアウォールがCopilotの通信をブロックしている可能性
- VPN接続を一時的にオフにして試してみる
- プロキシ設定
- 企業ネットワークでプロキシを使用している場合、設定が正しいか確認
IT管理者に確認してもらうこと
企業環境では、以下のURLへのアクセスが許可されている必要があります:
*.microsoft.com*.office.com*.office365.com*.microsoftonline.com
これらがブロックされていると、Copilotが正常に動作しません。
【解決方法8】Copilot トラブルシューティングツールを使う

Microsoftが公式に提供しているトラブルシューティングツールを使う方法もあります。
使い方
手順1:ヘルプアプリを起動
Windowsの場合:
- スタートメニューを開く
- 「ヘルプを取得」または「Get Help」と検索
- アプリを起動
手順2:トラブルシューティングツールを検索
検索バーに以下のいずれかを入力:
- 「Copilot License Troubleshooter」
- 「Copilot ライセンス トラブルシューティング」
手順3:ツールを実行
表示されるトラブルシューティングツールを選択し、「開始」をクリックします。
ツールが自動的に問題を診断し、解決策を提案してくれます。
それでも解決しない場合の最終手段
上記の方法を全て試してもエラーが解決しない場合、以下を試してください。
方法1:Microsoft 365アプリを再インストール
手順
- Windowsの「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開く
- 「Microsoft 365」または「Office」を見つけてアンインストール
- office.comにアクセスしてサインイン
- 「Officeのインストール」から再度インストール
方法2:別のデバイスで試す
問題が特定のデバイスに限定されているか確認するため、別のパソコンやスマートフォンで試してみてください。
方法3:Microsoftサポートに問い合わせる
個人ユーザーの場合:
- Microsoft サポートにアクセス
- チャットまたは電話でサポートを受ける
企業ユーザーの場合:
- 社内のIT管理者に連絡
- IT管理者からMicrosoftのビジネスサポートに問い合わせ
問い合わせ時には以下の情報を準備しておくとスムーズです:
- エラーメッセージの正確な文言
- 使用しているアプリ(Word、Excelなど)
- デスクトップ版かWeb版か
- エラーが発生し始めた時期
- 試した解決方法
よくある質問
Q1:急に使えなくなったのですが、何が原因ですか?
急にエラーが出るようになった場合、以下の可能性があります:
- ブラウザが自動更新され、Cookie設定が変更された
- Windows Updateでセキュリティ設定が変更された
- 会社のIT部門がセキュリティポリシーを変更した
- ライセンスの有効期限が切れた
まずはサードパーティCookieの設定とライセンスの有効期限を確認してください。
Q2:個人用と会社用のアカウントを両方持っています。どうすればいいですか?
それぞれのアカウントでそれぞれのファイルを編集する必要があります。
推奨される使い分け:
- 個人用アカウント:個人のOneDriveに保存されたファイル
- 会社用アカウント:会社のOneDrive/SharePointに保存されたファイル
混在させないことが重要です。
Q3:Copilot ProとCopilot for Microsoft 365の違いは何ですか?
Copilot Pro:
- 個人向けサブスクリプション
- 月額3,200円(日本の場合)
- Microsoft 365 PersonalまたはFamilyと併用
Copilot for Microsoft 365:
- 法人向けサブスクリプション
- 月額3,750円/ユーザー(Microsoft 365ライセンスに追加)
- 組織のデータにアクセス可能
それぞれ独立したライセンスなので、適切な方を使用してください。
Q4:Safari(Mac)でどうしても動作しません
Safariは特にCookie制限が厳しいため、Copilotとの相性があまり良くありません。
解決方法:
- Microsoft EdgeまたはGoogle Chromeをインストール
- それらのブラウザでOffice Webアプリを使用
多くのMacユーザーは、Copilot使用時だけ別のブラウザを使っています。
Q5:企業ネットワークでエラーが出ますが、自宅では正常に動作します
会社のファイアウォールやプロキシがCopilotの通信をブロックしている可能性が高いです。
対応方法:
- IT管理者に連絡
- Copilotに必要なURL(
*.microsoft.comなど)へのアクセス許可を依頼
IT部門がセキュリティ上の理由でCopilotをブロックしている可能性もあります。
まとめ
Copilotのライセンス検証エラーは厄介ですが、ほとんどの場合は簡単な操作で解決できます。
まず試すべき3つの方法:
- サードパーティCookieを有効にする
- 最も多い原因で、最も簡単な解決方法
- 正しいアカウントでサインインする
- 個人用と組織用を混同していないか確認
- ファイルを適切な場所に保存する
- アカウントに対応したOneDrive/SharePointを使用
これら3つだけで、エラーの約80%は解決します。
それでも解決しない場合:
- ライセンスを更新する
- Microsoft 365アプリを最新版に更新
- ブラウザをリフレッシュ・キャッシュをクリア
- ネットワーク接続を確認
- トラブルシューティングツールを使用
最終的に解決しない場合は、Microsoftサポートに連絡しましょう。
Copilotは非常に便利なAIツールです。このエラーを解決して、快適に使えるようになることを願っています!


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