「会議の議事録作成に時間がかかりすぎる…」
「録音した音声を文字にしたいけど、どうすればいい?」
「Copilotで音声を文字起こしできるって本当?」
会議やインタビューの音声を文字にする作業、大変ですよね。
実は、Microsoft Copilotには音声を自動で文字起こしする機能があります。Teams会議ならリアルタイムで文字起こし、録音ファイルもWordで簡単に文字化できます。さらに、文字起こし後の要約や議事録作成も自動化可能です。
この記事では、Copilotの音声文字起こし機能を初心者の方にもわかりやすく徹底解説します!
Copilotの音声文字起こし機能とは

まずは、Copilotでできることを理解しましょう。
3つの音声機能がある
Copilotには、音声に関する機能が3つあります。
1. Teams会議の文字起こし
リアルタイムで会議の内容を文字化します。
- 会議中に自動で文字起こし
- 話者の識別(誰が話したか)
- タイムスタンプ付き
- 会議後も確認可能
2. Wordのトランスクリプト機能
録音ファイルをアップロードして文字起こしします。
- mp3、mp4、wav、m4aに対応
- 音声ファイルをアップロードするだけ
- 話者の自動識別
- タイムスタンプ付き
3. Copilot Voice(音声入力)
Copilotと音声で会話できます。
- リアルタイム音声認識
- 自然な会話形式
- 音声での質問・指示
- テキスト変換
できること・できないこと
✓ できること
- Teams会議のリアルタイム文字起こし
- 録音ファイル(mp3など)の文字起こし
- 文字起こし後の要約・議事録作成
- 音声での質問・指示(Copilot Voice)
- 複数の話者の識別
- タイムスタンプ付き記録
✗ できないこと(注意)
- Copilot単体での音声ファイル文字起こし(TeamsまたはWordが必要)
- Zoom会議の直接文字起こし
- 動画ファイル(映像)からのテキスト抽出
- 100%完璧な精度での文字起こし
必要なライセンスと環境
Copilotの文字起こし機能を使うための準備です。
必要なライセンス
個人向け
- Microsoft 365 Personal / Family
- Copilot Pro(月額3,200円)
法人向け
- Copilot for Microsoft 365(月額3,750円/ユーザー)
注意点
無料版のCopilotでは、音声ファイルの文字起こし機能は使えません。
対応環境
Teams会議の文字起こし
- Microsoft Teams(デスクトップ版またはWeb版)
- Copilot for Microsoft 365ライセンス
- 会議の主催者または参加者
Wordのトランスクリプト機能
- Microsoft Word(Web版またはデスクトップ版)
- Microsoft 365サブスクリプション
- インターネット接続
月間の制限
Copilotライセンス保有者
月30,000分まで文字起こし可能です。
- 1日あたり約1,000分
- 会議10時間相当/日
通常の業務使用なら十分な容量です。
【方法1】Teams会議で文字起こしする
最もよく使われる方法です。
事前準備
ステップ1:会議を予定する
通常通りTeams会議を予定します。
ステップ2:会議オプションを確認
会議の招待から「会議のオプション」を開き:
- 「レコーディングと文字起こし」を確認
- 「Copilot」が有効になっているか確認
会議中の文字起こし方法
方法A:Copilotアイコンから開始(推奨)
- 会議に参加
- 画面上部の「Copilot」アイコンをクリック
- 「文字起こしの開始」を選択
- 自動的に文字起こしが開始されます
方法B:文字起こしボタンから
- 会議コントロールの「…」(その他)をクリック
- 「文字起こしの開始」を選択
- 言語を選択(日本語)
- 開始
方法C:レコーディングから
レコーディングを開始すると、自動的に文字起こしも開始されます。
文字起こしの確認方法
会議中
- 画面右側にリアルタイムで表示
- 話者名とタイムスタンプ付き
- スクロールして過去の発言も確認可能
会議後
- Teams会議のチャットを開く
- 「要約」タブをクリック
- 文字起こし全文を確認できます
Copilotで要約・議事録作成
会議中にCopilotを使う
会議進行中でも、Copilotに質問できます:
- 「これまでの決定事項をまとめて」
- 「今日のアクションアイテムは?」
- 「◯◯さんの意見を要約して」
会議後にCopilotを使う
- 会議チャットの「要約」タブを開く
- Copilotに質問:
- 「会議の要点をまとめて」
- 「議事録を作成して」
- 「次のステップは?」
3つの利用モード
During and after the meeting(会議中と会議後)
- 文字起こしを保存
- 会議後もCopilot使用可能
- 推奨設定
Only during the meeting(会議中のみ)
- 一時的な文字起こし
- 会議終了後はデータ削除
- 機密会議向け
Off(オフ)
- Copilotと文字起こしを無効
- レコーディングも無効
【方法2】Wordで録音ファイルを文字起こし

既存の音声ファイルを文字起こしします。
対応ファイル形式
以下の形式に対応しています:
- mp3:最も一般的な音声形式
- mp4:ビデオファイルからも音声を抽出
- wav:高音質、精度が高い
- m4a:iPhoneなどで録音した音声
Web版Wordでの手順
ステップ1:Word Onlineを開く
- ブラウザで microsoft365.com にアクセス
- サインイン
- 「Word」アプリを開く
- 新しいドキュメントを作成
ステップ2:トランスクリプトを開く
- 「ホーム」タブをクリック
- 「ディクテーション」の横にある「▼」をクリック
- 「トランスクリプト」を選択
ステップ3:音声ファイルをアップロード
- 右側に作業ウィンドウが表示される
- 「音声をアップロード」をクリック
- 「ファイルを選択」をクリック
- 音声ファイルを選択
- アップロード開始
ステップ4:文字起こし待機
処理時間:
- 5分の音声:約2〜3分
- 30分の音声:約10〜15分
- 60分の音声:約20〜30分
進行状況が表示されます。
ステップ5:文字起こし結果を確認
完了すると:
- 話者ごとに区切られた文字起こし
- タイムスタンプ付き
- 再生ボタンで該当箇所を確認可能
ステップ6:ドキュメントに追加
- 「ドキュメントに追加」をクリック
- 表示形式を選択:
- 話者とタイムスタンプ(推奨)
- テキストのみ
- 話者のみ
- Word文書に挿入されます
デスクトップ版Wordでの手順
現在の対応状況
iOS版(iPhone/iPad)では一部対応していますが、Windows/Mac版では限定的です。
推奨
Web版Wordの使用をおすすめします。
Copilotで文字起こし結果を活用する
文字起こし後の便利な使い方です。
要約を作成
手順
- 文字起こしをWord文書に追加
- Alt + I で Copilotを開く
- 「このドキュメントを要約して」と入力
- 要約が生成されます
カスタム要約
より詳細な指示も可能:
以下の形式で議事録を作成してください:
【日時・参加者】
【議題】
【決定事項】
【アクションアイテム(担当者・期限)】
【次回会議予定】
ノイズ除去
文字起こしには「ええ」「まあ」などのフィラーが含まれます。
Copilotで除去
下記の文章から「ええ」「まあ」「あの」といった
フィラーを取り除いて、読みやすくしてください。
[文字起こし本文を貼り付け]
結果
すっきりと読みやすい文章に変換されます。
構造化
箇条書きに変換
以下の文字起こしを、
テーマごとに箇条書きでまとめてください。
表形式に変換
以下の議論を表にまとめてください。
列:意見、賛成理由、反対理由
翻訳
外国語の音声も文字起こし+翻訳できます。
以下の英語の文字起こしを日本語に翻訳し、
要約してください。
【方法3】Copilot Voiceで音声入力
リアルタイムで音声を認識します。
対応プラットフォーム
- Web版Copilot(copilot.microsoft.com)
- Copilot for Windows
- Copilot for macOS
- Copilot モバイルアプリ(iOS/Android)
使い方
ステップ1:Copilot Voiceを起動
- Copilotを開く
- マイクアイコンをクリック
- 初回はマイクアクセスを許可
ステップ2:音声で会話
音声であいさつが再生されたら、そのまま話しかけます。
例
- 「今日の予定を教えて」
- 「メールの下書きを作成して」
- 「このファイルを要約して」
ステップ3:終了
会話を終えるには、「×」アイコンをクリックします。
テキスト変換
会話終了後:
- テキストの文字起こしが表示される
- コピー&ペースト可能
- 他のアプリで利用できます
対応言語
日本語を含む多言語に対応:
- 日本語
- 英語
- 中国語
- その他多数
文字起こしの精度について
完璧ではないことを理解しましょう。
精度に影響する要素
音質
- ✓ クリアな音声:精度高い(90%以上)
- △ 雑音あり:精度低下(70〜80%)
- ✗ 非常に聞き取りにくい:50%以下
話し方
- ✓ はっきりした発音:精度高い
- △ 早口・ぼそぼそ:精度低下
- ✗ 方言・訛り:誤認識増加
専門用語
- △ 一般的な業界用語:ある程度認識
- ✗ 固有名詞・専門用語:誤認識多い
複数人の会話
- ✓ 話者が明確:話者識別可能
- △ 重なり合い:識別困難
- ✗ 多人数の雑談:精度大幅低下
実際の精度目安
Teamsでの検証例
- 通常の会議:85〜90%
- 1対1の面談:90〜95%
- 多人数の議論:70〜85%
推奨される使い方
- 文字起こしはたたき台として使う
- 重要な部分は必ず確認する
- 固有名詞は手動で修正する
他の文字起こしサービスとの比較
Copilot以外の選択肢も知っておきましょう。
Notta
特徴
- 専用の文字起こしサービス
- 高精度(90%以上)
- 多言語対応
- リアルタイム翻訳
料金
- 無料プラン:月120分
- プレミアム:月2,200円〜
Copilotとの違い
- 専用サービスとして洗練されたUI
- Microsoft 365との統合はない
Otter.ai
特徴
- 英語に特化
- 会議の要約機能
- スピーカー識別
料金
- 無料プラン:月600分
- Pro:月1,200円〜
Copilotとの違い
- 英語メイン(日本語は限定的)
- スタンドアロンサービス
Teamsの標準機能
特徴
- Copilotなしでも文字起こし可能
- Microsoft 365に含まれる
- 基本的な文字起こし
Copilotとの違い
- 要約・議事録の自動生成なし
- 質問に答える機能なし
どれを選ぶべき?
Copilotがおすすめの人
✓ Microsoft 365をすでに使っている
✓ Teams会議が多い
✓ セキュリティ重視の法人
✓ 文字起こし後の要約・分析も必要
他サービスがおすすめの人
✓ Microsoft 365を使っていない
✓ Zoom会議がメイン
✓ 個人利用・低コスト重視
✓ 文字起こしのみで十分
よくあるトラブルと解決法
うまくいかない場合の対処方法です。
トラブル1:Copilotボタンが表示されない
原因
- Copilot for Microsoft 365ライセンスがない
- 会議でCopilotが無効になっている
- 管理者が機能を制限している
解決法
ライセンス確認
- Microsoft 365管理センターにアクセス
- ライセンスを確認
- Copilot for Microsoft 365があるか確認
会議設定確認
会議主催者が「Copilot」をオフにしている可能性があります。
トラブル2:文字起こしが開始されない
原因
- マイクがミュートになっている
- マイクへのアクセス許可がない
- 音声が認識されていない
解決法
- マイクのミュートを解除
- ブラウザのマイク許可を確認
- デバイスのマイク設定を確認
トラブル3:音声ファイルがアップロードできない
原因
- 対応していないファイル形式
- ファイルサイズが大きすぎる
- インターネット接続の問題
解決法
ファイル形式確認
対応形式:mp3、mp4、wav、m4a
非対応の場合:
- オンライン変換ツールを使用
- mp3またはm4aに変換
ファイルサイズ
推奨:300MB以下
大きすぎる場合:
- 音声編集ソフトで圧縮
- ビットレートを下げる
トラブル4:文字起こしの精度が低い
原因
- 音質が悪い
- 複数人が同時に話している
- 専門用語が多い
解決法
音質改善
- 静かな場所で録音
- 高品質なマイクを使用
- 録音レベルを適切に設定
話し方の工夫
- はっきり発音
- 適度な速度で話す
- 一人ずつ話す
事後修正
文字起こし後に手動で修正します。
トラブル5:会議後にCopilotが使えない
原因
「Only during the meeting」設定になっている。
解決法
会議主催者に以下を依頼:
- 会議オプションを開く
- Copilot設定を「During and after the meeting」に変更
- 文字起こしを保存
実践的な活用例

具体的な使い方をご紹介します。
活用例1:営業会議の議事録作成
シーン
週次の営業会議(参加者5名、60分)
手順
- Teams会議でCopilotを起動
- 会議を通常通り実施
- 会議後、Copilotに指示:
以下の形式で議事録を作成してください:
【日時】
【参加者】
【今週の成果】
【課題と対策】
【来週のアクションアイテム(担当者・期限)】
結果
5分程度で議事録の下書きが完成。細かい修正のみで完了。
活用例2:インタビューの文字起こし
シーン
1時間のインタビュー録音(mp3ファイル)
手順
- Word Onlineを開く
- トランスクリプト機能でmp3をアップロード
- 15分待つ
- 文字起こし完了
- Copilotで要約:
以下のインタビューの要点を、
5つのポイントにまとめてください。
結果
手作業なら数時間かかる作業が、20分で完了。
活用例3:講義・セミナーのメモ作成
シーン
90分のオンラインセミナー
手順
- Teams会議に参加
- Copilotで文字起こし開始
- セミナー終了後、Copilotに指示:
重要なポイントを箇条書きで10個まとめてください。
また、実践すべきアクションを3つ提案してください。
結果
セミナー内容が整理され、復習に最適なメモが完成。
活用例4:カスタマーサポートの記録
シーン
顧客との電話対応(30分)
手順
- 通話を録音(ボイスレコーダーアプリ)
- mp3で保存
- Wordのトランスクリプトで文字起こし
- Copilotで要約:
以下の顧客対応記録を要約してください:
・顧客の問題
・提供した解決策
・フォローアップが必要な事項
結果
正確な対応記録が残り、チーム共有も簡単に。
よくある質問(FAQ)
Q1:無料で使える?
A: いいえ、有料ライセンスが必要です。
必要なライセンス
- Microsoft 365サブスクリプション
- Copilot for Microsoft 365(法人)
- Copilot Pro(個人)
無料版のCopilotでは、音声ファイルの文字起こし機能は使えません。
Q2:Zoom会議も文字起こしできる?
A: 直接はできません。
代替方法
- Zoom会議を録画
- 音声ファイル(mp3)として保存
- Wordのトランスクリプト機能で文字起こし
ただし、リアルタイムではありません。
Q3:何分まで文字起こしできる?
A: 月30,000分までです(Copilotライセンス保有者)。
制限
- 1日あたり約1,000分
- 1ファイルの制限:特に明記なし(推奨は60分以内)
Q4:日本語以外も対応している?
A: はい、多言語対応です。
主な対応言語
- 日本語
- 英語
- 中国語
- 韓国語
- フランス語
- ドイツ語
- スペイン語
- その他多数
Q5:精度は100%?
A: いいえ、完璧ではありません。
実際の精度
- クリアな音声:85〜95%
- 通常の会議:80〜90%
- 雑音あり:60〜80%
重要な内容は必ず確認・修正が必要です。
Q6:話者は自動で識別される?
A: はい、自動識別されます。
識別方法
- 「話者1」「話者2」のように表示
- Teams会議では参加者名で識別
ただし、音声が似ている場合は誤識別もあります。
Q7:録画なしで文字起こしだけできる?
A: はい、できます。
Teams会議では:
- 録画せずに文字起こしのみ実行可能
- 「文字起こしの開始」のみ選択
Q8:文字起こし結果をExportできる?
A: はい、可能です。
Export方法
Teamsの場合
- 会議の「要約」タブを開く
- 文字起こし全文をコピー
- Word、Excelなどに貼り付け
Wordの場合
- 「ドキュメントに追加」をクリック
- Word文書として保存
- PDFやその他の形式でExport
Q9:過去の会議も文字起こしできる?
A: 録音・録画がある場合は可能です。
手順
- Teams会議の録画をダウンロード
- 音声ファイル(mp4またはmp3)として保存
- Wordのトランスクリプトでアップロード
ただし、録音していない会議は文字起こしできません。
Q10:セキュリティは大丈夫?
A: Microsoft 365のセキュリティ基準に準拠しています。
保護内容
- データはMicrosoft 365環境内で処理
- 外部サービスにデータは送信されない
- 企業のコンプライアンス基準に対応
- 管理者による制御可能
まとめ:Copilotで文字起こしを効率化しよう
Copilotの音声文字起こし、使えそうですか?
この記事のポイント
🎙️ 3つの音声機能
Teams会議のリアルタイム文字起こし、Wordでの録音ファイル文字起こし、Copilot Voice
📋 2つの主な使い方
Teams会議中の自動文字起こし+要約、Wordで音声ファイル(mp3等)をアップロード
💰 必要なライセンス
Copilot for Microsoft 365(法人:月3,750円/ユーザー)、Copilot Pro(個人:月3,200円)
⏱️ 月間制限
30,000分まで(1日約1,000分、通常利用なら十分)
🎯 精度
85〜95%(クリアな音声)、重要部分は必ず確認が必要
✨ 活用方法
文字起こし後、Copilotで要約・議事録作成、ノイズ除去、構造化、翻訳
⚠️ 注意点
完璧ではない(過信禁物)、固有名詞・専門用語は誤認識あり、たたき台として使う
今すぐできる3つのこと
- 次のTeams会議でCopilotを試す(5分)
- 過去の録音ファイルをWordで文字起こし(15分)
- 文字起こし結果をCopilotで要約(3分)
たった30分で、会議の議事録作成時間が劇的に短縮されます。
おすすめの使い方
- Teams会議:リアルタイム文字起こし+会議後の要約
- インタビュー・講演:録音ファイルをWordでアップロード
- 日常メモ:Copilot Voiceで音声入力
Copilotの音声文字起こし機能を活用して、もっと生産的な働き方を実現しましょう!


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