CMOSクリアとは?パソコンのBIOS設定をリセットする方法と注意点を解説

プログラミング・IT

パソコンが突然起動しなくなったとき、「CMOSクリアを試してみてください」とアドバイスされることがありますよね。

でも、CMOSクリアって何をするものなのでしょうか?この記事では、CMOSクリアの意味から実際の手順、注意点まで分かりやすく解説していきます。

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CMOSクリアの基礎知識

CMOSとは

CMOSは「Complementary Metal-Oxide-Semiconductor」の略称です。難しい名前ですが、簡単に言えば、パソコンのマザーボード上にある小さなメモリのことなんですね。

このCMOSには、BIOS(バイオス)の設定情報が保存されています。たとえば、システムの日付や時刻、起動するドライブの優先順位、CPUの動作設定などです。

BIOSとCMOSの関係

BIOSは、パソコンが起動するときに最初に動くプログラムです。キーボードやハードディスクなど、パソコンの基本的な機能を制御する役割を担っているんですよ。

CMOSは、このBIOSの設定値を記憶しておく場所というわけです。

電源が切れても設定を保持できる理由

パソコンの電源を切っても設定が消えないのは、マザーボード上のボタン電池(CMOS電池)が常にCMOSに電力を供給しているからなんです。この電池は一般的にCR2032というコイン型の電池が使われています。

CMOSクリアとは何か

CMOSクリアとは、CMOS内に保存されているBIOS設定情報を消去して、工場出荷時の初期状態に戻す操作のことです。

「BIOS設定の初期化」や「BIOS設定のリセット」とも呼ばれます。

BIOSの初期化との違い

「BIOSの初期化」と聞くと、BIOS本体のプログラムを初期状態に戻すことを指す場合があります。これはCMOSクリアとは異なる操作なので、混同しないように注意が必要ですね。

CMOSクリアは設定だけを消すのに対し、BIOSの初期化(リカバリ)はBIOS本体のバージョンも元に戻すことになります。

CMOSクリアが必要な場面

パソコンが起動しない

BIOS設定が原因でパソコンが起動しなくなることがあります。

具体的な例

  • オーバークロック設定を間違えて、システムが不安定になった
  • BIOS設定を変更した後、画面が表示されなくなった
  • BIOSアップデート後に起動しなくなった

このような場合、CMOSクリアで設定を初期状態に戻すと、問題が解決することが多いんです。

BIOSパスワードを忘れた

BIOSにパスワードを設定していて、そのパスワードを忘れてしまった場合も、CMOSクリアで解除できます。

ただし、ノートパソコンの場合は別の場所にパスワード情報が保存されていることもあり、CMOSクリアだけでは解除できないケースもあるんですよ。

ハードウェアを交換した後の不具合

CPUやメモリなど、ハードウェアを交換した後に起動しなくなった場合、CMOSクリアで改善することがあります。

古い設定情報と新しいハードウェアの間に不整合が生じている可能性があるためです。

日付や時刻が狂う

パソコンを起動するたびに日付や時刻が初期値(1999年や2000年など)に戻ってしまう場合、CMOS電池が消耗している可能性があります。

この場合は、CMOSクリアよりも電池交換が必要になりますね。

CMOSクリアの方法

CMOSクリアには、いくつかの方法があります。マザーボードの種類によって使える方法が異なるので、自分のパソコンに合った方法を選びましょう。

方法1:BIOS設定画面から初期化

最も簡単で安全な方法です。

手順

  1. パソコンを起動し、BIOS設定画面を開く(起動時にDeleteキーやF2キーを連打)
  2. 「Load Setup Defaults」「Load Optimized Defaults」「Reset to Default」などのメニューを探す
  3. そのメニューを選択して実行
  4. 設定を保存して終了

この方法は、BIOS設定画面に入れる場合に限られます。パソコンが全く起動しない場合は、他の方法を試す必要があるんです。

方法2:CMOSクリアボタンを使う

最近のマザーボードには、CMOSクリア専用のボタンが付いていることがあります。

ボタンの位置

  • マザーボード背面のI/Oパネル(USBポートなどがある部分)
  • マザーボード上(ケースを開けた内部)

手順

  1. パソコンをシャットダウン
  2. 電源ケーブルをコンセントから抜く
  3. CMOSクリアボタンを2〜10秒程度押し続ける
  4. 電源ケーブルを接続し直して起動

ボタンは「CLR_CMOS」「CLEAR CMOS」などと表記されていることが多いですよ。

方法3:ジャンパーピンをショートさせる

マザーボード上のジャンパーピンを使う方法です。

注意が必要な作業

この方法はパソコンケースを開ける必要があるため、静電気に注意しながら作業しましょう。

手順

  1. パソコンをシャットダウンし、電源ケーブルを抜く
  2. ケースを開ける
  3. 「CLRTC」「CLR_CMOS」などと書かれた2本のピンを探す
  4. ドライバーの金属部分などで2本のピンを同時に触れてショートさせる(3〜10秒程度)
  5. ケースを閉じて電源ケーブルを接続
  6. パソコンを起動

3ピンタイプの場合

3本のピンがある場合は、マザーボードのマニュアルを確認してください。通常は、ジャンパーキャップ(小さなプラスチック製のキャップ)を別の位置に移動させる操作になります。

方法4:CMOS電池を外す

ジャンパーピンやボタンがない場合は、CMOS電池を取り外す方法があります。

手順

  1. パソコンをシャットダウンし、電源ケーブルを抜く
  2. ノートパソコンの場合は、バッテリーも取り外す(可能であれば)
  3. ケースを開けてCMOS電池を探す
  4. 電池を慎重に取り外す(金属製のクリップで固定されている場合が多い)
  5. 1〜5分程度待つ(長めに待つほど確実)
  6. 電池を元に戻す(+面を上にして装着)
  7. ケースを閉じて電源ケーブルを接続
  8. パソコンを起動

電池の見つけ方

CMOS電池は、マザーボード上のPCI Expressスロット付近にあることが多いです。銀色のコイン型電池なので、比較的見つけやすいでしょう。

方法5:電源ボタン長押し(一部のDellパソコン)

2020年4月以降に製造されたDell製デスクトップパソコンの一部には、簡単な方法があります。

手順

  1. パソコンをシャットダウン
  2. 電源ケーブルを抜く
  3. 電源ボタンを30秒間押し続ける
  4. 電源ケーブルを接続し直して起動

この方法はすべてのパソコンで使えるわけではないので、まずはマニュアルを確認してくださいね。

CMOSクリア後の対応

成功の確認方法

CMOSクリアが成功すると、次回起動時に以下のようなメッセージが表示されます。

  • 「Please enter Setup to recover BIOS setting」
  • 「CMOS Date/time Not Set」
  • 「Press F1 to Run SETUP」

また、BIOS設定画面で日付と時刻が初期値(1999年1月1日や2000年1月1日など)に戻っていることも確認できます。

BIOS設定のやり直し

CMOSクリア後は、必要な設定を再度行う必要があります。

必ず設定すべき項目

  1. 日付と時刻の修正
  2. 起動ドライブの優先順位
  3. CPU設定(オーバークロックしていた場合は、まずは標準設定で)

「Load Optimized Defaults」の実行

多くの場合、BIOS画面で「Load Optimized Defaults」を選択するのがおすすめです。これにより、安定動作が見込める標準的な設定が自動で適用されるんですよ。

うまくいかない場合

CMOSクリアを実行しても問題が解決しない場合は、以下を確認してください。

クリアが完了していない可能性

  • 日付や時刻が初期値に戻っていない場合は、クリアが失敗しています
  • ジャンパーピンの場合は、ショートする時間を長めに(30秒〜1分)してみる
  • 電池を外す方法の場合は、放置時間を長く(30分〜1時間)してみましょう

ハードウェアの故障

CMOSクリアで改善しない場合、ハードウェアそのものに問題がある可能性があります。

  • 電源ユニットの故障
  • マザーボードの経年劣化
  • メモリやCPUの不具合
  • パーツ同士の相性問題

CMOSクリアの注意点

静電気対策

マザーボードは静電気に弱いパーツです。作業前に必ず静電気を逃がしましょう。

対策方法

  • 金属製のドアノブやパソコンケースに触れて静電気を放電
  • 静電気防止手袋を使用
  • 冬場や乾燥した環境では特に注意

ジャンパーキャップの戻し忘れに注意

3ピンタイプのジャンパーでCMOSクリアを行った場合、ジャンパーキャップを元の位置に戻し忘れると、起動が繰り返されたり、最悪の場合マザーボードが破損したりする可能性があります。

作業後は必ず元の位置に戻すことを確認してくださいね。

電池の向きに注意

CMOS電池を外した場合、取り付ける際は必ず+面(文字が書いてある面)を上にします。

逆向きに装着すると、設定が保存されないだけでなく、マザーボードを破損させる恐れもあるんです。

バックアップ設定の記録

CMOSクリアを実行する前に、現在のBIOS設定をメモしておくか、スマートフォンで画面を撮影しておくと良いでしょう。

後で設定を元に戻す際に役立ちます。

Windowsやデータには影響しない

CMOSクリアは、BIOS設定だけを初期化する操作です。

Windowsなどのオペレーティングシステムや、ハードディスク内のデータには一切影響しません。この点は安心して作業できますね。

ノートパソコンでの制約

ノートパソコンの場合、以下のような制約があることが多いです。

  • CMOS電池が取り外しにくい場所にある
  • 専用の工具が必要
  • BIOSパスワードがCMOS以外の場所に保存されている(CMOSクリアでは解除できない)

ノートパソコンの場合は、メーカーのサポートに相談することをおすすめします。

よくある質問

CMOSクリアで消えるものは?

BIOS設定情報のみが消えます。具体的には以下の通りです。

  • 日付と時刻
  • 起動ドライブの優先順位
  • CPU動作周波数の設定
  • メモリ設定
  • BIOSパスワード
  • その他BIOS関連の設定

消えないもの

  • Windows等のOS
  • アプリケーション
  • 個人データやファイル
  • ハードディスク内の情報全般

どのくらいの頻度で行うべき?

CMOSクリアは、必要なときだけ行う作業です。

定期的に行う必要はまったくありません。問題が発生したときのトラブルシューティング手段として覚えておくと良いでしょう。

CMOS電池の寿命は?

CMOS電池は通常3〜5年程度持ちます。

パソコンを起動するたびに日付が初期値に戻る場合は、電池の交換時期です。CR2032という一般的な電池なので、家電量販店などで購入できますよ。

CMOSクリアは自己責任?

CMOSクリア自体は一般的なトラブルシューティング手順ですが、パソコンのケースを開けたり、内部に触れたりする作業は自己責任となります。

不安な場合は、パソコンショップやメーカーサポートに相談するのが安全です。

まとめ:CMOSクリアは慎重に、でも恐れずに

CMOSクリアは、マザーボード上のCMOSに保存されているBIOS設定情報を消去して初期状態に戻す操作です。

パソコンが起動しない、BIOS設定を間違えた、BIOSパスワードを忘れたなどの場合に有効なトラブルシューティング手段なんですね。

方法は複数あり、BIOS画面から初期化、CMOSクリアボタン、ジャンパーピン、CMOS電池の取り外しなどがあります。自分のパソコンに合った方法を選びましょう。

実行後は、日付・時刻の設定や起動ドライブの優先順位など、必要な設定を再度行う必要があります。「Load Optimized Defaults」で標準設定を読み込むのがおすすめです。

作業の際は静電気対策を忘れずに、ジャンパーキャップや電池の向きにも注意が必要ですよ。WindowsやデータファイルはCMOSクリアの影響を受けないので、その点は安心してください。

パソコンが起動しなくなったときの対処法として、CMOSクリアを知っておくと心強いですね。ただし、不安な場合は無理せず専門家に相談することも大切です。

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