Google Chromeを使っていて、「このウィンドウをいつも同じ位置に表示したい」「特定のサイズで固定したい」「常に最前面に表示させたい」と思ったことはありませんか?
毎回ウィンドウのサイズを調整したり、位置を戻したりするのは、意外と面倒ですよね。特に複数のウィンドウを使い分けている人にとっては、作業効率に関わる重要なポイントです。
この記事では、Chromeのウィンドウを固定する様々な方法を、目的別に詳しく解説します。位置の固定、サイズの固定、最前面表示、タブのピン留めまで、あなたの求める「固定」が見つかるはずですよ!
「固定」の種類を理解しよう

「ウィンドウを固定したい」といっても、実は複数の意味があります。
固定したい内容は?
1. ウィンドウの位置を固定
画面上の特定の場所に常に表示したい。
2. ウィンドウのサイズを固定
幅や高さを決まったサイズにしたい。
3. 常に最前面に表示
他のウィンドウに隠れず、常に一番手前に表示したい。
4. タブをピン留め
特定のタブを閉じにくくして、常に表示したい。
5. ウィンドウの分割配置
複数のウィンドウを決まった配置で使いたい。
まず、あなたがどの「固定」を求めているのかを確認しましょう。
方法1:ウィンドウの位置とサイズを記憶させる
Chromeは、終了時のウィンドウ状態を記憶する機能があります。
Chromeの標準機能を活用
基本的な仕組み:
Chromeは通常、最後に閉じた時のウィンドウ位置とサイズを記憶し、次回起動時に復元します。
設定方法:
- ウィンドウを好みの位置・サイズに調整
- ドラッグで位置を移動
- 角をドラッグしてサイズを変更
- 「前回開いていたページを開く」設定を有効化
- Chromeの設定を開く(
⋮→「設定」) - 「起動時」セクションを探す
- 「前回開いていたページを開く」を選択
- この状態でChromeを終了
- 次回起動時、同じ位置・サイズで開きます
注意点
デメリット:
- 完全な「固定」ではない(手動で変更可能)
- 複数のウィンドウがある場合、すべて復元される
- ディスプレイ構成が変わると崩れることがある
こんな人におすすめ:
- シンプルな使い方で十分な人
- 追加ツールを入れたくない人
方法2:OS標準機能でウィンドウを固定配置
WindowsやMacのOS機能を使って、ウィンドウを固定配置できます。
Windows 10/11のスナップ機能
Windowsには、ウィンドウを画面の特定位置に配置する「スナップ」機能があります。
基本的な使い方:
画面半分に固定:
Windows + ←:左半分Windows + →:右半分Windows + ↑:最大化Windows + ↓:最小化
画面1/4に固定(Windows 11):
- ウィンドウのタイトルバーを画面の角にドラッグ
- または、最大化ボタンにカーソルを合わせる
- レイアウト選択が表示されるので選ぶ
FancyZones(PowerToys)で詳細配置:
Microsoftの無料ツール「PowerToys」を使うと、より柔軟な配置ができます。
- PowerToys公式サイトからダウンロード
- インストール後、FancyZonesを有効化
Windows + Shift + 数字でゾーンにウィンドウを配置
Macのウィンドウ管理
Split View(分割表示):
- 最大化ボタン(緑のボタン)を長押し
- 「ウィンドウを画面左側にタイル表示」を選択
- もう一つのウィンドウを右側に配置
Rectangle(無料アプリ):
Macで細かくウィンドウを配置するなら、Rectangleアプリが便利です。
- Rectangle公式サイトからダウンロード
- インストール後、ショートカットキーで配置
Ctrl + Option + ←:左半分Ctrl + Option + →:右半分Ctrl + Option + ↑:上半分- など
Magnet(有料アプリ):
App Storeで購入できる、より高機能なウィンドウ管理アプリ。
方法3:Chromeを常に最前面に表示
他のウィンドウに隠れずに、常に一番手前に表示する方法です。
Windowsの場合
DeskPins(無料ツール):
- DeskPins公式サイトからダウンロード
- インストール後、タスクトレイにピンのアイコンが表示される
- ピンアイコンをクリック→Chromeウィンドウをクリック
- Chromeが最前面に固定される
- 解除する時は、もう一度ピンをクリック
AutoHotkey(スクリプト):
プログラミング知識がある方向けです。
; Ctrl+Space で最前面トグル
^Space::
WinGet, ExStyle, ExStyle, A
if (ExStyle & 0x8) ; WS_EX_TOPMOST
WinSet, AlwaysOnTop, Off, A
else
WinSet, AlwaysOnTop, On, A
return
Macの場合
Afloat(無料アプリ):
- Afloatをダウンロード・インストール
- ウィンドウメニューに「Keep Afloat」が追加される
- Chromeを選択した状態で「Keep Afloat」を選択
- 常に最前面に表示される
注意:
macOSのバージョンによっては動作しない場合があります。
Chrome拡張機能では不可能
残念ながら、Chrome拡張機能では他のアプリケーションより前面に表示することはできません。これはセキュリティ上の制限です。
拡張機能でできるのは、Chrome内でのタブ管理やポップアップ表示までです。
方法4:タブをピン留めして固定
ウィンドウではなく、タブを固定する方法です。
タブのピン留め機能
よく使うタブを「ピン留め」すると、タブバーの左端に小さく固定され、誤って閉じにくくなります。
ピン留めの方法:
- 固定したいタブを右クリック
- 「ピン留め」を選択
または:
- タブを左端までドラッグ
ピン留めの効果:
- タブが小さくなり、ファビコンのみ表示
- 左端に固定される
Ctrl + Wで閉じにくい(再度押せば閉じる)- Chromeを再起動しても残る
解除方法:
- ピン留めされたタブを右クリック→「ピン留めを外す」
タブグループ機能
複数のタブをグループ化して整理できます。
グループの作り方:
- タブを右クリック→「新しいグループに追加」
- グループに名前と色を付ける
- 他のタブもドラッグしてグループに追加
グループを固定:
グループ自体は「ピン留め」できませんが、整理された状態を維持できます。
方法5:拡張機能でウィンドウサイズを固定

Chrome拡張機能を使って、ウィンドウサイズを管理する方法です。
Window Resizer(無料拡張機能)
ウィンドウサイズをプリセットから選択できます。
使い方:
- Chrome ウェブストアで「Window Resizer」を検索
- 拡張機能を追加
- ツールバーのアイコンをクリック
- プリセットサイズ(例:1920×1080)を選択
- ウィンドウが指定サイズに変更される
カスタムサイズの設定:
- 拡張機能のオプションを開く
- 「Add Preset」でカスタムサイズを追加
- 幅×高さを指定して保存
メリット:
- ワンクリックでサイズ変更
- 複数のプリセットを保存可能
- Webデザイナーやテスターに便利
Tab Resize(無料拡張機能)
複数のウィンドウを分割配置できます。
使い方:
- 「Tab Resize」拡張機能を追加
- 複数のタブを開く
- ツールバーのアイコンをクリック
- レイアウト(2分割、3分割など)を選択
- タブが別ウィンドウとして分割配置される
便利な使い方:
- 左右2分割で資料を見ながら作業
- 上下2分割で動画を見ながらメモ
- 4分割で複数のサイトを同時監視
方法6:マルチディスプレイでの固定
複数のモニターを使っている場合の固定方法です。
ディスプレイごとにウィンドウを配置
Windowsの場合:
- Chromeウィンドウを目的のディスプレイに移動
Windows + Shift + ←/→で別ディスプレイに移動- スナップ機能で位置を固定
Macの場合:
- ウィンドウをドラッグして別ディスプレイに移動
- Mission Controlでディスプレイごとにデスクトップを管理
DisplayFusion(Windows、有料)
高度なマルチディスプレイ管理ができます。
機能:
- ディスプレイごとにウィンドウ配置を記憶
- プロファイル機能で配置を切り替え
- ホットキーで瞬時に移動
方法7:プロファイル別にウィンドウを使い分け
Chromeのプロファイル機能を活用した固定方法です。
プロファイルごとに設定
メリット:
仕事用、プライベート用など、用途ごとにウィンドウの位置・サイズを分けられます。
設定方法:
- 新しいプロファイルを作成
- Chromeの右上のアイコンをクリック
- 「追加」→「アカウントなしで続行」
- プロファイル名を設定
- プロファイルごとにウィンドウを配置
- 「仕事用」プロファイル:左側に配置
- 「プライベート」プロファイル:右側に配置
- それぞれの配置を記憶
- 各プロファイルでウィンドウを配置して終了
- 次回起動時、それぞれ記憶された位置で開く
ショートカットで起動:
プロファイルごとにショートカットを作成すると便利です。
Windows:
"C:\Program Files\Google\Chrome\Application\chrome.exe" --profile-directory="Profile 1"
Mac:
open -na "Google Chrome" --args --profile-directory="Profile 1"
シーン別の活用例
実際の使用シーンに合わせた設定例を紹介します。
シーン1:動画を見ながら作業
設定:
- 左側:作業用Chromeウィンドウ(通常サイズ)
- 右上:YouTubeなどの動画(小さいウィンドウ、最前面表示)
実現方法:
- Windowsスナップで左半分に作業用ウィンドウ
- 動画ウィンドウをピクチャーインピクチャーモードに
- 動画上で右クリック→「ピクチャー イン ピクチャー」
- 小窓が最前面に表示される
シーン2:コーディング作業
設定:
- 左側:エディタ
- 右半分の上:ブラウザでプレビュー
- 右半分の下:リファレンスサイト
実現方法:
- PowerToys(Windows)やRectangle(Mac)で3分割レイアウト
- Tab Resize拡張機能で右側を上下2分割
シーン3:複数サイトの監視
設定:
- 画面を4分割して、それぞれ異なるサイトを表示
実現方法:
- 4つのタブを開く
- Tab Resize拡張機能で「2×2」レイアウトを選択
- 各ウィンドウが自動的に配置される
シーン4:リモートワーク
設定:
- メインディスプレイ:Zoomなどのビデオ会議(常に最前面)
- サブディスプレイ:資料や作業用ブラウザ
実現方法:
- DeskPins(Windows)でZoomウィンドウを最前面固定
- サブディスプレイにChromeを配置
- DisplayFusionでプロファイル保存
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法です。
問題1:ウィンドウ位置が記憶されない
原因:
- 「前回開いていたページを開く」設定が無効
- シークレットモードを使っている
- 拡張機能が干渉している
解決策:
- Chrome設定で「前回開いていたページを開く」を有効化
- 通常モードで使用(シークレットは記憶されない)
- 拡張機能を一時無効化してテスト
問題2:マルチディスプレイで位置がおかしい
原因:
ディスプレイの接続順序や解像度が変わった。
解決策:
- すべてのディスプレイを接続した状態でウィンドウを配置
- Windows設定→ディスプレイで「この配置を記憶する」
- ディスプレイ構成が変わったら再設定
問題3:最前面固定が効かない
原因:
- ツールが正しく動作していない
- Chromeのバージョンが新しすぎる/古すぎる
解決策:
- ツール(DeskPinsなど)を最新版に更新
- Chromeを再起動
- 管理者権限でツールを実行
問題4:拡張機能が動作しない
原因:
- 拡張機能の権限が不足
- Chromeが最新版でない
解決策:
- 拡張機能の権限設定を確認
- Chromeを最新版にアップデート
- 拡張機能を再インストール
よくある質問(FAQ)
Q1: ウィンドウを完全に固定して、動かせないようにできますか?
A: Chrome単体では難しいですが、サードパーティツール(WindowsならAutoHotkey、MacならHammerspoon)を使えば、ウィンドウの移動・サイズ変更を制限できます。ただし、実用的には推奨されません。
Q2: 会社のPCでも拡張機能は使えますか?
A: 企業のセキュリティポリシーによっては、拡張機能のインストールが制限されている場合があります。IT部門に確認してください。OS標準機能(Windowsスナップなど)は通常使用できます。
Q3: スマホ版Chromeでもウィンドウを固定できますか?
A: スマートフォンやタブレット版Chromeは、ウィンドウの概念が異なるため、PC版と同じような固定はできません。ただし、タブのピン留めやマルチウィンドウ表示(iPadなど)は可能です。
Q4: ウィンドウを固定すると動作が重くなりますか?
A: OS標準機能やシンプルなツールを使う分には、ほとんど影響ありません。ただし、複数の重い拡張機能を入れすぎると、Chromeの起動や動作が遅くなる可能性があります。
Q5: 特定のサイトだけ決まったサイズで開けますか?
A: Chromeの標準機能ではできませんが、「Window Resizer」拡張機能と組み合わせて、サイトごとに異なるサイズで開くように設定できます。ただし、完全な自動化は難しいです。
Q6: ウィンドウを固定した状態を他のPCでも再現できますか?
A: Chrome同期機能では、ウィンドウの位置・サイズは同期されません。ただし、プロファイル設定や拡張機能は同期されるので、各PCで同じように設定すれば、似た環境を作れます。
まとめ:Chromeウィンドウの固定方法
Chromeウィンドウを固定する様々な方法をまとめます。
目的別の最適な方法:
ウィンドウ位置・サイズの記憶:
- Chrome標準機能(「前回開いていたページを開く」)
- 追加ツール不要で最もシンプル
画面分割・配置固定:
- Windows:スナップ機能、PowerToys
- Mac:Split View、Rectangle
- OS標準機能で十分実用的
常に最前面表示:
- Windows:DeskPins、AutoHotkey
- Mac:Afloat
- サードパーティツールが必要
ウィンドウサイズ管理:
- Window Resizer拡張機能
- Tab Resize拡張機能
- ワンクリックで複数サイズを切り替え
タブの固定:
- タブのピン留め機能
- タブグループ機能
- Chrome標準機能で可能
プロファイル活用:
- 用途別にウィンドウ配置を分ける
- 仕事とプライベートで設定を変える
おすすめの組み合わせ:
初心者向け:
- Chrome標準のタブピン留め
- OS標準のスナップ機能
- 追加ツール不要で手軽
中級者向け:
- Window Resizer拡張機能
- PowerToys(Windows)またはRectangle(Mac)
- より柔軟な配置が可能
上級者向け:
- AutoHotkey(Windows)またはHammerspoon(Mac)
- プロファイル別設定
- 完全カスタマイズ可能
注意点:
- 完全な「固定」は難しい場合がある
- ディスプレイ構成が変わると再設定が必要
- 拡張機能の入れすぎは動作を重くする
- セキュリティポリシーで制限される場合がある
Chromeのウィンドウ固定は、作業効率を大きく向上させる技です。あなたの作業スタイルに合った方法を見つけて、快適なブラウジング環境を作りましょう!
まずはOS標準機能から試して、必要に応じて拡張機能やツールを追加していくのがおすすめですよ。
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