「SNSを見てしまって仕事が進まない」
「子どもに見せたくないサイトがある」
「特定のサイトにアクセスできないようにしたい」
Chromeには標準でサイトブロック機能が一部ありますが、完全にブロックするには工夫が必要です。
この記事では、Chromeで特定のWebサイトをブロックする方法を、初心者向けから上級者向けまで詳しく解説していきます。集中力アップや子どもの安全のために、ぜひ活用してください。
サイトをブロックする理由

なぜ特定のサイトへのアクセスをブロックしたいのでしょうか?
理由1:生産性を高める
時間を奪うサイトを制限:
- SNS(Twitter、Facebook、Instagram)
- 動画サイト(YouTube、Netflix)
- ニュースサイト
- ゲームサイト
仕事や勉強中に、ついつい見てしまうサイトをブロックすることで、集中力が上がります。
理由2:子どもの安全を守る
有害なコンテンツから保護:
- アダルトサイト
- 暴力的なコンテンツ
- ギャンブルサイト
- 詐欺サイト
子どもが使うパソコンで、年齢に不適切なサイトをブロックします。
理由3:セキュリティ対策
危険なサイトをブロック:
- フィッシング詐欺サイト
- マルウェア配布サイト
- 怪しい広告サイト
セキュリティリスクを減らすために、危険と分かっているサイトをブロックします。
理由4:社内ポリシーの実施
業務に不要なサイトを制限:
- 会社のPCで私的利用を防ぐ
- 情報漏洩のリスクを減らす
- ネットワーク帯域を確保
企業や組織で、業務に関係ないサイトへのアクセスを制限します。
ブロック方法の種類と選び方
サイトをブロックする方法は、いくつかあります。
方法1:Chrome標準機能(通知のブロック)
できること:
- サイトからの通知をブロック
- 位置情報、カメラ、マイクなどのアクセスを制限
できないこと:
- サイト自体へのアクセスをブロック
向いている人:
- 通知が邪魔なだけの場合
- 完全ブロックは必要ない場合
方法2:拡張機能を使う
できること:
- 特定のサイトを完全にブロック
- 時間帯や曜日で制限
- パスワード保護
向いている人:
- 自分の誘惑に負けやすい人
- 柔軟な設定をしたい人
- 簡単に設定したい人
方法3:hostsファイルを編集
できること:
- サイトを完全にブロック(全ブラウザ対応)
- パスワードなしでは解除できない(知識が必要)
向いている人:
- パソコンに詳しい人
- 確実にブロックしたい人
- 子どもが設定を変更できないようにしたい人
方法4:ルーターやDNSでブロック
できること:
- 家全体のネットワークでブロック
- すべてのデバイスに適用
向いている人:
- 家族全員に適用したい人
- スマホやタブレットも含めたい人
- 複数デバイスを管理したい人
Chrome標準機能でできること
まずは、Chromeに備わっている機能を確認しましょう。
サイトの通知をブロック
サイトからのポップアップ通知を止める方法です。
手順:
1. Chromeの設定を開く
右上の「︙」→「設定」をクリックします。
2. プライバシーとセキュリティへ進む
左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」を選択します。
3. サイトの設定を開く
「サイトの設定」をクリックします。
4. 通知を選択
「通知」をクリックします。
5. ブロックするサイトを追加
「追加」ボタンをクリックして、ブロックしたいサイトのURLを入力します。
入力例:
https://example.com[*.]example.com(サブドメインも含む)
これで、そのサイトからの通知がブロックされます。
サイトのポップアップをブロック
手順:
chrome://settings/contentにアクセス- 「ポップアップとリダイレクト」をクリック
- 「サイトにポップアップの送信やリダイレクトの使用を許可しない」をオン
- 特定のサイトをブロックリストに追加
その他の権限をブロック
同じ設定画面で、以下もブロックできます:
- カメラ
- マイク
- 位置情報
- Cookie
- 画像
- JavaScript
重要な注意:
これらの設定は、サイトへのアクセス自体をブロックするものではありません。
サイトは開けるけど、特定の機能だけを制限します。
拡張機能でサイトをブロック
サイト自体にアクセスできないようにするには、拡張機能が便利です。
おすすめ拡張機能
BlockSite:
特徴:
- 直感的な操作
- スケジュール機能
- パスワード保護
- リダイレクト機能
使い方:
- Chrome ウェブストアで「BlockSite」を検索
- 「Chrome に追加」をクリック
- アイコンをクリックして設定画面を開く
- ブロックしたいサイトのURLを追加
StayFocusd:
特徴:
- 1日の閲覧時間を制限
- 特定の時間帯のみブロック
- 「Nuclear Option」で強制ブロック
向いている人:
- 完全にブロックするのではなく、時間制限したい人
- 自己管理を強化したい人
Website Blocker:
特徴:
- シンプルで使いやすい
- ブロックリストを簡単に管理
- 無料で基本機能が使える
BlockSiteの詳しい設定方法
人気のある BlockSite を例に、詳しく説明します。
手順:
1. 拡張機能をインストール
Chrome ウェブストアで「BlockSite」を検索し、インストールします。
2. 初期設定
インストール後、自動的に設定画面が開きます。
3. ブロックリストに追加
「Block Sites」タブで、ブロックしたいサイトを追加します。
追加方法1:URLを入力
- 「Add a page」をクリック
- URLを入力(例:
www.youtube.com) - 「Add Page」をクリック
追加方法2:今見ているサイトを追加
- ブロックしたいサイトを開く
- BlockSiteのアイコンをクリック
- 「Block this site」をクリック
4. スケジュール設定
「Schedule」タブで、ブロックする時間帯を設定できます。
例:
- 平日の9時〜18時:仕事中にSNSをブロック
- 毎日22時〜7時:就寝時間にYouTubeをブロック
5. パスワード保護
「Work Mode」をオンにすると、パスワードなしではブロック解除できなくなります。
設定方法:
- 「Work Mode」タブを開く
- パスワードを設定
- 「Enable Work Mode」をオン
6. リダイレクト先の設定
ブロックされたサイトにアクセスしようとしたとき、代わりに表示するページを設定できます。
例:
- モチベーション画像
- To-Doリスト
- 励ましのメッセージ
hostsファイルでブロック(上級者向け)

パソコンの設定ファイルを編集して、完全にブロックする方法です。
hostsファイルとは?
hostsファイルは、ドメイン名とIPアドレスの対応を記録するファイルです。
このファイルを編集することで、特定のサイトへのアクセスを遮断できます。
メリット:
- 全ブラウザで有効(Chrome以外も)
- 拡張機能に依存しない
- 確実にブロックできる
デメリット:
- 設定に知識が必要
- 間違えるとネット接続に影響
- バックアップが重要
Windowsでhostsファイルを編集
手順:
1. メモ帳を管理者として実行
- スタートメニューで「メモ帳」と検索
- 「メモ帳」を右クリック
- 「管理者として実行」を選択
2. hostsファイルを開く
メモ帳のメニューで「ファイル」→「開く」
以下のパスを入力:
C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts
ファイルの種類を「すべてのファイル」に変更してから開きます。
3. ブロック設定を追加
ファイルの最後に、以下の形式で追加します:
127.0.0.1 www.example.com
127.0.0.1 example.com
例(YouTubeをブロック):
127.0.0.1 www.youtube.com
127.0.0.1 youtube.com
127.0.0.1 m.youtube.com
重要:
127.0.0.1は自分のパソコンを指すIPアドレス- wwwあり/なし、両方追加する
- モバイル版(m.)も追加
4. ファイルを保存
「ファイル」→「上書き保存」をクリックします。
5. DNSキャッシュをクリア
コマンドプロンプトを管理者として実行し、以下を入力:
ipconfig /flushdns
6. ブラウザを再起動
Chromeを完全に終了してから、もう一度開きます。
7. 確認
ブロックしたサイトにアクセスしてみます。
「このサイトにアクセスできません」と表示されれば成功です。
Macでhostsファイルを編集
手順:
1. ターミナルを開く
「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」
2. hostsファイルを編集
以下のコマンドを入力:
sudo nano /etc/hosts
管理者パスワードを求められたら入力します。
3. ブロック設定を追加
ファイルの最後に、Windowsと同じ形式で追加:
127.0.0.1 www.youtube.com
127.0.0.1 youtube.com
4. ファイルを保存
Control + O(オー)を押して保存Enterキーで確認Control + Xで終了
5. DNSキャッシュをクリア
以下のコマンドを実行:
sudo dscacheutil -flushcache; sudo killall -HUP mDNSResponder
6. 確認
ブラウザでブロックしたサイトにアクセスして確認します。
ルーター設定でブロック
家全体のネットワークでサイトをブロックする方法です。
ルーターでのブロックのメリット
すべてのデバイスに適用:
- パソコン
- スマホ
- タブレット
- ゲーム機
家のWi-Fiに接続する全デバイスで、ブロックが有効になります。
子どもが設定を変更できない:
デバイス側では解除できないため、確実にブロックできます。
ルーター設定の基本手順
注意:ルーターのメーカーやモデルによって、設定方法が異なります。
一般的な手順:
1. ルーター管理画面にアクセス
ブラウザで以下のようなアドレスを入力:
192.168.1.1192.168.0.1192.168.11.1
ルーターの底面に書かれているIPアドレスを確認してください。
2. ログイン
ユーザー名とパスワードを入力します。
初期設定の例:
- ユーザー名:
admin - パスワード:
adminまたはpassword
変更している場合は、設定したものを入力します。
3. ペアレンタルコントロールまたはアクセス制限を探す
メニューから以下のような項目を探します:
- ペアレンタルコントロール
- アクセス制限
- URL フィルター
- Webフィルター
4. ブロックするサイトを追加
ドメイン名またはURLを入力します。
例:
youtube.com*.youtube.com(すべてのサブドメイン)
5. 設定を保存
「保存」または「適用」ボタンをクリックします。
6. ルーターを再起動
必要に応じてルーターを再起動します。
主要ルーターの設定例
バッファロー:
「詳細設定」→「セキュリティ」→「URLフィルタリング」
NEC(Aterm):
「詳細設定」→「その他の設定」→「こども安心ネットタイマー」
TP-Link:
「Parental Control」または「Access Control」
DNSフィルタリングサービスを使う
DNSレベルでサイトをブロックする方法です。
DNSフィルタリングとは?
DNS(ドメイン・ネーム・システム)の設定を変更して、有害サイトへのアクセスをブロックするサービスです。
メリット:
- ルーター設定より簡単
- すべてのデバイスに適用可能
- カテゴリー別にブロック
おすすめDNSサービス
OpenDNS(Cisco Umbrella):
特徴:
- 無料プランあり
- カテゴリー別フィルタリング
- カスタムブロックリスト
設定方法:
- OpenDNSのアカウントを作成
- ルーターのDNS設定を変更
- Webダッシュボードでフィルタ設定
CleanBrowsing:
特徴:
- 3つのフィルターレベル
- 家族向けフィルター
- アダルトコンテンツブロック
Cloudflare 1.1.1.1 for Families:
特徴:
- 無料
- マルウェアブロック
- アダルトコンテンツブロック
設定方法(例:Cloudflare):
Windows:
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」
- 使用中の接続を選択
- 「IP設定」→「編集」
- DNSサーバーを変更:
- マルウェアブロック:
1.1.1.2/1.0.0.2 - マルウェア+アダルトブロック:
1.1.1.3/1.0.0.3
Mac:
- 「システム環境設定」→「ネットワーク」
- 使用中の接続を選択
- 「詳細」→「DNS」タブ
- 「+」をクリックしてDNSサーバーを追加
ブロックを解除する方法
ブロックしたサイトに再びアクセスしたい場合の方法です。
拡張機能の場合
手順:
- 拡張機能のアイコンをクリック
- ブロックリストを開く
- 削除したいサイトの横にある「×」をクリック
パスワード保護している場合:
パスワードを入力してから解除します。
hostsファイルの場合
手順:
- hostsファイルをメモ帳で開く(管理者権限)
- ブロック設定の行を削除、または行頭に
#を追加してコメントアウト
コメントアウトの例:
# 127.0.0.1 www.youtube.com
# 127.0.0.1 youtube.com
- ファイルを保存
- DNSキャッシュをクリア
- ブラウザを再起動
ルーター設定の場合
手順:
- ルーター管理画面にログイン
- アクセス制限の設定画面を開く
- ブロックリストから削除
- 設定を保存
子ども向けのペアレンタルコントロール
子どもが安全にインターネットを使うための設定です。
Windows 10/11のファミリー機能
手順:
1. Microsoftファミリーアカウントを設定
account.microsoft.com/family にアクセスします。
2. 子どものアカウントを追加
「家族のメンバーを追加」→子どものメールアドレスを入力
3. コンテンツフィルターを有効化
子どものアカウントで「コンテンツの制限」→「不適切な Web サイトをブロックする」をオン
4. カスタムリストを作成
許可するサイト、ブロックするサイトを個別に設定できます。
Macのスクリーンタイム
手順:
1. システム環境設定を開く
「システム環境設定」→「スクリーンタイム」
2. ファミリー共有を設定
子どものApple IDを追加します。
3. コンテンツとプライバシーを設定
「コンテンツとプライバシー」→「コンテンツ制限」→「Web コンテンツ」
4. 制限レベルを選択
- 無制限のアクセス
- アダルトWebサイトを制限
- 許可されたWebサイトのみ
トラブルシューティング
ブロックがうまく機能しない場合の対処法です。
トラブル1:ブロックしたのにアクセスできる
原因と対処法:
1. キャッシュが残っている
ブラウザのキャッシュをクリアします。
Ctrl + Shift + Deleteで削除画面を開き、「キャッシュされた画像とファイル」を削除します。
2. HTTPSとHTTPの両方をブロックしていない
https://example.com と http://example.com の両方をブロックリストに追加します。
3. サブドメインをブロックしていない
m.youtube.com や www.youtube.com など、すべてのバリエーションを追加します。
ワイルドカード(*.youtube.com)を使うと便利です。
トラブル2:拡張機能が動作しない
対処法:
1. 拡張機能を再インストール
一度削除してから、もう一度インストールします。
2. シークレットモードでの動作を許可
chrome://extensions/ で該当の拡張機能を探し、「シークレット モードでの実行を許可する」をオンにします。
3. 他の拡張機能との競合を確認
他の拡張機能を一時的にオフにして、動作を確認します。
トラブル3:hostsファイルが保存できない
対処法:
1. 管理者権限で実行しているか確認
メモ帳を必ず「管理者として実行」で開きます。
2. ファイルが読み取り専用になっていないか確認
hostsファイルを右クリック →「プロパティ」→「読み取り専用」のチェックを外す
3. ウイルス対策ソフトが保護している
セキュリティソフトの設定で、hostsファイルの保護を一時的にオフにします。
よくある質問(FAQ)
Q1:ブロックした人が簡単に解除できませんか?
A:方法によります。
拡張機能は比較的簡単に解除できますが、パスワード保護を設定すれば難しくなります。
hostsファイルやルーター設定は、知識がないと解除できません。
Q2:スマホのChromeでもブロックできますか?
A:スマホ版Chromeには拡張機能がありません。
ルーター設定やDNSフィルタリングを使うか、スマホ専用のアプリ(ScreenTimeなど)を使用してください。
Q3:会社のPCでブロックされているサイトを見る方法は?
A:会社の規則に従ってください。
業務上必要な場合は、IT部門に相談して許可を得るべきです。
無断で回避すると、規則違反になる可能性があります。
Q4:VPNを使えばブロックを回避できますか?
A:多くの場合、可能です。
ただし、VPNを使ってブロックを回避することは、設定した目的を無効にします。
自己管理が目的なら、VPNも制限することを検討してください。
Q5:ブロックリストはどこまで詳細に設定すべきですか?
A:目的によります。
生産性向上なら、よく訪問するサイトだけでOKです。
子どもの保護なら、カテゴリーフィルタリング(DNSサービス)が効率的です。
Q6:一時的にブロックを解除できますか?
A:拡張機能なら簡単です。
BlockSiteなどは、「休憩モード」で一時的に無効化できます。
hostsファイルの場合は、該当行をコメントアウト(#を追加)すれば一時的に無効化できます。
まとめ:目的に合った方法でサイトをブロックしよう
Chromeでサイトをブロックする方法について、重要なポイントをまとめます。
ブロックする理由:
- 生産性を高める(SNS、動画サイトを制限)
- 子どもの安全を守る(有害コンテンツをブロック)
- セキュリティ対策(危険なサイトを遮断)
- 社内ポリシーの実施(業務に不要なサイトを制限)
ブロック方法の選び方:
- 簡単に始めたい → 拡張機能(BlockSite、StayFocusd)
- 確実にブロックしたい → hostsファイル編集
- 家全体で適用したい → ルーター設定またはDNSフィルタリング
- 子どもを守りたい → ペアレンタルコントロール+DNSフィルタリング
Chrome標準機能:
- 通知やポップアップのブロックのみ
- サイトへのアクセス自体はブロックできない
拡張機能:
- BlockSite、StayFocusd、Website Blocker
- スケジュール機能、パスワード保護あり
- 手軽で柔軟な設定が可能
hostsファイル:
- 全ブラウザで有効
- 確実にブロック
- 設定に知識が必要
ルーター設定:
- すべてのデバイスに適用
- 家族全員に有効
- 設定がやや複雑
DNSフィルタリング:
- OpenDNS、CleanBrowsing、Cloudflare
- カテゴリー別フィルタリング
- すべてのデバイスに適用可能
解除方法:
- 拡張機能:リストから削除
- hostsファイル:該当行を削除またはコメントアウト
- ルーター:管理画面から削除
トラブル対処:
- キャッシュをクリア
- HTTPSとHTTPの両方をブロック
- サブドメインもブロック
- 管理者権限で実行
サイトブロックは、自己管理を強化したり、家族を守ったりするための有効な手段です。
目的に応じて、適切な方法を選んでください。
自分の誘惑に勝ちたいなら拡張機能、子どもを守りたいならルーター設定やDNSフィルタリングがおすすめです。
ブロックすることで、時間を有効に使えるようになったり、安心してインターネットを利用できるようになります。
この記事を参考に、あなたに最適な方法で快適なブラウジング環境を作ってくださいね!

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