Chromeでウェブサイトを開いたら、日本語が意味不明な記号に変わっていた…そんな経験はありませんか?
これは「文字化け」と呼ばれる現象で、誰にでも起こりうるトラブルです。でも安心してください。原因さえ分かれば、ほとんどの場合は簡単に直せます。
この記事では、Chromeで文字化けが発生する具体的な原因と、その解決方法を分かりやすく解説していきます。
文字化けってどうして起こるの?基本的な仕組み

まず、文字化けがなぜ起こるのか、その基本的な仕組みを理解しておきましょう。
文字コードというものが関係しています。文字コードとは、私たち人間が読む「文字」と、パソコンが理解する「数値」を結びつける対応表のようなものです。
たとえば「あ」という文字を表示するとき、パソコンは内部で特定の数値として処理しています。この数値と文字を正しく対応させるルールが文字コードなんです。
パソコンと人間の会話を繋ぐ翻訳者
少し例え話をしましょう。
パソコンは英語しか話せない外国人、私たちは日本語しか話せない日本人だと想像してください。両者の間には「翻訳者」が必要ですよね。
文字コードは、まさにこの翻訳者の役割を果たしています。翻訳者が使う辞書が間違っていたり、別の言語の辞書を使ってしまったりすると、会話がめちゃくちゃになってしまいます。
文字化けは、この「翻訳の失敗」によって起こる現象なんです。
Chromeで文字化けが起こる7つの主な原因
それでは、具体的にどんな原因で文字化けが発生するのか見ていきましょう。
1. 文字コードの不一致(最も多い原因)
これが文字化けの最大の原因です。
ウェブサイト側が使っている文字コードと、Chromeが解釈している文字コードが一致していないとき、文字化けが発生します。
現在の主流はUTF-8という文字コードですが、古いサイトではShift_JISやEUC-JPという文字コードを使っていることがあります。Chromeがこれらを誤って判別すると、正しく表示できなくなるわけです。
2. ウェブサイト側の設定ミス
ウェブサイトを作る際、制作者は「このページはUTF-8で作りました」という情報を埋め込む必要があります。
この情報が間違っていたり、記載されていなかったりすると、Chromeが正しい文字コードを判断できず、文字化けにつながります。
3. ブラウザキャッシュの問題
Chromeは一度見たウェブサイトの情報を「キャッシュ」として一時保存します。これは次回の表示を速くするための機能です。
しかし、このキャッシュが古かったり壊れていたりすると、正常に表示できなくなることがあります。
4. 破損したフォントファイル
意外かもしれませんが、パソコンにインストールされているフォント(書体)自体に問題があることも。
特定のフォントが破損していたり、フォント自体の文字コード設定が間違っていたりすると、Chromeがそのフォントを使おうとしたときに文字化けが起こります。
5. 拡張機能による干渉
Chromeには便利な拡張機能がたくさんありますが、これらが文字の表示に悪影響を与えることがあります。
特に、テキストを加工する系の拡張機能や、広告ブロッカーなどが原因になるケースが報告されています。
6. ハードウェアアクセラレーションの影響
ハードウェアアクセラレーションとは、パソコンのグラフィック処理をCPUではなくGPU(グラフィックカード)に任せて高速化する機能です。
便利な機能なんですが、環境によってはこれが文字の表示に問題を起こすことがあります。
7. Chromeのバージョンが古い
古いバージョンのChromeには、文字表示に関するバグが含まれていることがあります。
また、最新のウェブ技術に対応していないため、新しく作られたサイトで文字化けが起こることも。
すぐに試せる!文字化けの解決方法
ここからは、実際に文字化けを直す方法を解説していきます。簡単なものから順に試してみてください。
方法1:ページを再読み込みしてみる
最初に試すべき、最も簡単な方法です。
単純な読み込みエラーが原因のこともあるので、まずは画面を更新してみましょう。
操作手順:
- キーボードの「F5」キーを押す
- または「Ctrl + R」キー(Macは「Command + R」)を押す
これで直れば、一時的なトラブルだったということです。
方法2:ハードリフレッシュを試す
普通の再読み込みで直らない場合は、キャッシュを無視して完全に読み直す「ハードリフレッシュ」を試しましょう。
操作手順:
- Windows:「Ctrl + Shift + R」キーを同時に押す
- Mac:「Command + Shift + R」キーを同時に押す
これでキャッシュを無視して、サーバーから最新の情報を取得できます。
方法3:文字コードを手動で変更する(拡張機能を使用)
Chrome 55以降、標準機能からエンコード(文字コード)変更機能が削除されました。そのため、拡張機能を使う必要があります。
手順1:拡張機能をインストール
- Chrome ウェブストアにアクセス
- 検索窓に「Set Character Encoding」または「Charset」と入力
- 好きな拡張機能を選んで「Chromeに追加」をクリック
手順2:文字コードを変更
- 文字化けしているページで右クリック
- 「テキストエンコーディング」を選択
- 以下の順番で試してみる:
- Unicode (UTF-8)
- 日本語 (Shift_JIS)
- 日本語 (EUC-JP)
いずれかを選ぶと、文字化けが解消されるはずです。
方法4:ブラウザキャッシュをクリアする
キャッシュが原因の可能性がある場合は、以下の手順で削除しましょう。
操作手順:
- Chromeの右上にある「︙」(3点リーダー)をクリック
- 「その他のツール」→「閲覧履歴を消去」を選択
- 「キャッシュされた画像とファイル」にチェック
- 「データを削除」をクリック
その後、ページを再読み込みしてください。
方法5:別のブラウザで確認する
Chrome以外のブラウザ(Firefox、Edge、Safariなど)で同じページを開いてみましょう。
他のブラウザで正常に表示される場合:
Chrome側に問題がある可能性が高いです。拡張機能やフォントをチェックしましょう。
他のブラウザでも文字化けする場合:
ウェブサイト側の問題です。サイト管理者に連絡するか、時間をおいてから再度アクセスしてみてください。
方法6:拡張機能を無効化する
拡張機能が原因かもしれない場合は、以下の方法で確認できます。
操作手順:
- Chromeのアドレスバーに「chrome://extensions/」と入力
- すべての拡張機能をオフにする
- 問題のページを再読み込み
- 直った場合は、拡張機能を1つずつオンにして原因を特定
原因となっている拡張機能が見つかったら、削除するか代替品を探しましょう。
方法7:フォント設定を確認する
破損したフォントが原因の可能性がある場合:
操作手順:
- アドレスバーに「chrome://settings/fonts」と入力
- フォント設定を確認
- 標準フォントを「メイリオ」や「游ゴシック」など、信頼できるフォントに変更
Windows の場合、システムフォントの再インストールも効果的です。
方法8:ハードウェアアクセラレーションを無効化
操作手順:
- アドレスバーに「chrome://settings/」と入力
- 左メニューから「システム」を選択
- 「ハードウェア アクセラレーションが使用可能な場合は使用する」をオフ
- Chromeを再起動
この設定を変更すると動作が少し重くなる可能性がありますが、文字化けが解消されることがあります。
方法9:Chromeを最新版にアップデート
操作手順:
- Chromeの右上「︙」メニューをクリック
- 「ヘルプ」→「Google Chrome について」を選択
- 自動的に更新が開始されます
- 更新後、Chromeを再起動
最新版には多くのバグ修正が含まれています。
方法10:Chromeをリセットする(最終手段)
どうしても解決しない場合は、Chrome設定を初期化しましょう。
注意:ブックマークやパスワードは保存されますが、拡張機能や設定はリセットされます。
操作手順:
- アドレスバーに「chrome://settings/reset」と入力
- 「設定を元の既定値に戻します」をクリック
- 「設定のリセット」をクリック
これでChromeが工場出荷状態に戻ります。
スマホ版Chromeの文字化け対処法
スマホやタブレットのChromeでは、PC版のような拡張機能が使えません。そのため、対処法も限られます。
スマホでの基本的な対処法
- ページを再読み込み
画面を下に引っ張って更新してみましょう。 - Chromeアプリを再起動
アプリを完全に終了してから、もう一度開きます。 - 別のブラウザを試す
Safari(iPhone)やFirefox、Microsoft Edgeなど別のブラウザアプリで開いてみます。 - キャッシュをクリア
- 設定→Chrome→ストレージ→「データを削除」
スマホ版Chromeは拡張機能が使えないため、どうしても文字化けが直らない場合は、PCで見るか、別のブラウザを使うのが現実的な解決策になります。
文字化けを予防するには?
トラブルを未然に防ぐための予防策も覚えておきましょう。
定期的なメンテナンスが大切
- Chromeを常に最新版に保つ
自動更新を有効にしておきましょう。 - 定期的にキャッシュをクリア
月に1回程度、ブラウザキャッシュを削除する習慣をつけると良いでしょう。 - 不要な拡張機能は削除
使っていない拡張機能は思い切って削除しましょう。トラブルの原因になります。 - 信頼できるフォントを使用
怪しいサイトからダウンロードしたフォントは避け、公式なものを使いましょう。
よくある質問

Q1: 特定のサイトだけ文字化けします
A: そのサイト自体に問題がある可能性が高いです。サイト管理者側の設定ミスかもしれません。文字コード変更拡張機能を使って対処するか、サイト側の修正を待ちましょう。
Q2: 文字化けしたままブックマークしてしまいました
A: ブックマーク自体は問題ありません。ブックマークから開いたページが文字化けする場合は、ここで紹介した方法で解決できます。
Q3: Gmailやメールが文字化けします
A: メールの文字化けは、送信側と受信側の文字コード設定の問題です。Chromeのエンコード拡張機能で対処できますが、送信者に文字コード設定を確認してもらうのが根本的な解決策です。
Q4: PDFファイルが文字化けします
A: PDFの文字化けはChromeの問題ではなく、PDF自体やPDFビューアの問題である可能性が高いです。Adobe Acrobat Readerなど専用ソフトで開いてみましょう。
Q5: 文字化けした文字をコピーすると正常に見えます
A: これはフォントの問題です。表示には問題のあるフォントが使われているものの、データ自体は正常ということです。フォント設定を変更することで解決します。
まとめ
Chromeの文字化けは、主に文字コードの不一致によって起こる現象です。
大半のケースは、以下の対処法で解決できます:
- ページの再読み込み・ハードリフレッシュ
- 文字コード変更拡張機能のインストールと使用
- ブラウザキャッシュのクリア
- 拡張機能の確認と無効化
- Chromeのアップデート
まずは簡単な方法から試して、それでも直らない場合は順番に他の方法を試してみてください。
ほとんどの文字化けは、落ち着いて対処すれば解決できるトラブルです。この記事で紹介した方法を参考に、快適なブラウジング環境を取り戻しましょう!

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