「Chromeでゲストモードを使いたいのに、メニューに表示されない」「プロフィールアイコンをクリックしてもゲストがない」そんな悩みを抱えていませんか?
この記事では、Chromeのゲストモードが表示されない原因と、状況に応じた解決方法を詳しく解説していきます。
Chromeのゲストモードとは?

まず、ゲストモードの基本について確認しておきましょう。
ゲストモードの特徴
ゲストモードは、Chromeで一時的にブラウジングするための機能です。以下のような特徴があります。
ゲストモードでできること:
- 閲覧履歴を残さずにWebサイトを見られる
- 他のユーザーのプロフィール情報を見たり変更したりできない
- ゲストモードを終了すると、閲覧データが自動的に削除される
- ブックマークや拡張機能は利用できない
こんな時に便利:
- 友人や家族のパソコンを一時的に借りる時
- 自分のパソコンを他の人に貸す時
- 図書館やカフェなどの公共のパソコンを使う時
- 一時的に別のGoogleアカウントでログインしたい時
シークレットモードとの違い
ゲストモードとシークレットモードは似ていますが、重要な違いがあります。
| 項目 | ゲストモード | シークレットモード |
|---|---|---|
| ブックマーク | 表示されない | 表示される |
| 拡張機能 | 使えない | 設定で有効にできる |
| 保存されたパスワード | 使えない | 使える |
| 他のプロフィールからの完全分離 | ◯ | × |
| モバイルでの利用 | 不可 | 可能 |
つまり、ゲストモードの方がより「クリーンな」状態でブラウジングできるんです。
ゲストモードが表示されない主な原因
ゲストモードが表示されない原因は、主に以下の5つです。
原因1:組織によって管理されている
最も多い原因がこれです。企業や学校のパソコンでは、IT管理者がセキュリティポリシーでゲストモードを無効化していることがあります。
確認方法:
Chromeのメニュー(右上の︙)を開いた時に、「組織によって管理されています」と表示されている場合は、この原因である可能性が高いです。
原因2:レジストリ設定で無効化されている
Windowsのレジストリで、ゲストモードが無効に設定されている場合があります。
これは意図的に設定された場合もあれば、何らかのソフトウェアが自動的に設定した場合もあります。
原因3:監視対象ユーザーが登録されている
Chromeに監視対象ユーザー(保護者による管理機能)が登録されていて、通常のプロフィールがすべてロックされている場合、ゲストモードは使用できません。
原因4:モバイルデバイスを使っている
スマートフォンやタブレットでは、そもそもゲストモードは利用できません。
モバイル版Chromeでは、代わりにシークレットモードを使用する必要があります。
原因5:Chromebookを使っている
Chromebookでは、ゲストモードの表示方法が通常のChromeとは異なります。管理者による設定で無効化されている可能性もあります。
解決方法1:自分のパソコンの場合【レジストリで有効化】
自分のパソコンで、管理されていない環境の場合は、レジストリを編集してゲストモードを有効化できます。
方法A:コマンドプロンプトで有効化する【推奨】
最も簡単で確実な方法です。
手順:
ステップ1:コマンドプロンプトを管理者として開く
Windowsキー + Sを押して検索ボックスを開くcmdと入力- 「コマンドプロンプト」を右クリック
- 「管理者として実行」をクリック
- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリック
ステップ2:コマンドを実行する
以下のコマンドをコピーして、コマンドプロンプトに貼り付けてEnterを押します。
REG DELETE HKLM\SOFTWARE\Policies\Google\Chrome /v BrowserGuestModeEnabled /f
このコマンドは、ゲストモードを無効化している設定を削除します。
ステップ3:Chromeを再起動する
- Chromeを完全に終了する(タスクバーのアイコンを右クリック→すべてのウィンドウを閉じる)
- パソコンを再起動する
- Chromeを再度開く
ステップ4:確認する
Chromeの右上にあるプロフィールアイコンをクリックして、「ゲスト」や「ゲストウィンドウを開く」が表示されているか確認してください。
方法B:レジストリエディタで有効化する
コマンドプロンプトがうまくいかない場合は、レジストリエディタを使います。
注意:レジストリの操作は慎重に行ってください。間違った操作をするとWindowsが起動しなくなる可能性があります。
手順:
ステップ1:レジストリエディタを開く
Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開くregeditと入力してEnterを押す- ユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」をクリック
ステップ2:該当するキーに移動
レジストリエディタのアドレスバーに以下をコピー&ペーストしてEnterを押します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Google\Chrome
ステップ3:設定を確認・削除する
右側のウィンドウでBrowserGuestModeEnabledという項目を探します。
- 項目が存在しない場合:ゲストモードは有効です。別の原因を確認してください。
- 項目が存在して値が「0」の場合:ゲストモードが無効化されています。
ゲストモードを有効にするには:
BrowserGuestModeEnabledを右クリック- 「削除」を選択
- 確認メッセージで「はい」をクリック
ステップ4:パソコンを再起動
レジストリエディタを閉じて、パソコンを再起動します。
方法C:Macの場合
Macでゲストモードを有効化する場合は、ターミナルを使用します。
手順:
ステップ1:ターミナルを開く
Shift + Command + Uを同時に押す- 「ユーティリティ」フォルダが開く
- 「ターミナル」をダブルクリック
ステップ2:コマンドを実行
以下のコマンドをコピーして、ターミナルに貼り付けてEnterを押します。
defaults delete com.google.Chrome BrowserGuestModeEnabled
または、明示的に有効化する場合は:
defaults write com.google.Chrome BrowserGuestModeEnabled -bool true
ステップ3:Chromeを再起動
Chromeを完全に終了してから再度開きます。
解決方法2:会社や学校のパソコンの場合

企業や学校で管理されているパソコンでは、個人でゲストモードを有効化することはできません。
確認すべきこと
「組織によって管理されています」が表示されている場合:
- Chromeのメニュー(︙)を開く
- 「組織によって管理されています」が表示されている
- これをクリックすると、どんなポリシーが適用されているか確認できる
対処方法
選択肢1:IT管理者に相談する
正当な理由があれば、IT管理者がゲストモードを有効化してくれる可能性があります。
相談する際のポイント:
- なぜゲストモードが必要なのか明確に説明する
- 業務上の必要性を示す
- セキュリティ上の懸念があれば、どう対処するか提案する
選択肢2:シークレットモードを使う
ゲストモードほど完全ではありませんが、シークレットモードでも閲覧履歴を残さずにブラウジングできます。
シークレットモードの開き方:
Ctrl + Shift + N(Windows/Linux)Command + Shift + N(Mac)
選択肢3:別のブラウザを使う
会社のポリシーで許可されている場合は、別のブラウザを使用するのも選択肢です。
- Microsoft Edge
- Mozilla Firefox
- Brave
これらのブラウザには、プライベートブラウジングモードがあります。
解決方法3:モバイルデバイスの場合
スマートフォンやタブレットでは、ゲストモードは利用できません。
代替方法:シークレットモードを使う
モバイル版Chromeでは、シークレットモードを使用してください。
Androidの場合:
- Chromeアプリを開く
- 右上の︙(メニュー)をタップ
- 「新しいシークレットタブ」をタップ
iPhoneの場合:
- Chromeアプリを開く
- 右下の︙(メニュー)をタップ
- 「新しいシークレットタブ」をタップ
シークレットモードでは、以下の情報は保存されません:
- 閲覧履歴
- Cookie
- サイトデータ
- フォームに入力した情報
ただし、ブックマークや保存したパスワードは引き続き利用できます。
ゲストモードの使い方
ゲストモードが表示されるようになったら、以下の手順で使用します。
ゲストモードを開く方法
ステップ1:プロフィールアイコンをクリック
Chromeの右上にあるプロフィールアイコン(自分の写真やイニシャル)をクリックします。
ステップ2:「ゲスト」を選択
表示されたメニューから「ゲスト」または「ゲストウィンドウを開く」をクリックします。
ステップ3:新しいウィンドウが開く
ゲストモード専用の新しいウィンドウが開きます。右上に「ゲスト」と表示されていることを確認してください。
ゲストモードを終了する方法
方法1:ウィンドウを閉じる
ゲストモードのウィンドウを通常通り×ボタンで閉じるだけです。
方法2:メニューから終了
- ゲストモードのウィンドウで右上の「ゲスト」アイコンをクリック
- 「ゲストセッションを終了」または「ゲストを閉じる」をクリック
終了すると、以下の情報が自動的に削除されます:
- 閲覧履歴
- Cookie
- サイトデータ
- 検索履歴
- ダウンロード履歴(ファイル自体は残ります)
よくある質問と解決方法
Q: ゲストモードを有効化したのに表示されない
A: 以下を確認してください。
- Chromeを完全に再起動しましたか?
- すべてのChromeウィンドウを閉じる
- タスクマネージャーでChromeのプロセスが残っていないか確認
- パソコンを再起動する
- レジストリの変更が正しく適用されましたか?
- レジストリエディタで再度確認
BrowserGuestModeEnabledが削除されているか、値が「1」になっているか確認
- 別のポリシーで制限されていませんか?
chrome://policyにアクセス- 「ポリシーを再読み込み」をクリック
- ゲストモード関連のポリシーがないか確認
Q: 「組織によって管理されています」を消したい
A: これはゲストモードとは別の問題です。
管理ポリシーを削除するには、以下のレジストリキーをすべて削除する必要があります。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Google\Chrome
HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Google\Chrome
ただし、会社や学校のパソコンの場合は、これらを削除してもグループポリシーで自動的に再設定される可能性があります。
Q: ゲストモードでダウンロードしたファイルはどうなる?
A: ダウンロードしたファイル自体は残ります。
ゲストモードを終了しても、ダウンロードフォルダにファイルは保存されたままです。ただし、ダウンロード履歴は削除されます。
セキュリティを重視する場合は、ゲストモード終了後に手動でファイルを削除してください。
Q: ゲストモードで拡張機能は使える?
A: いいえ、ゲストモードでは拡張機能は使用できません。
拡張機能を使いたい場合は、シークレットモードを使用してください。シークレットモードでは、拡張機能の設定で「シークレットモードでの実行を許可する」をオンにすれば使用できます。
Q: ゲストモードとシークレットモード、どちらを使うべき?
A: 状況によって使い分けましょう。
ゲストモードを使うべき場合:
- 他人のパソコンを借りる時
- 自分のパソコンを他人に貸す時
- 完全にクリーンな状態でブラウジングしたい時
シークレットモードを使うべき場合:
- 自分のパソコンで履歴を残したくない時
- 拡張機能を使いたい時
- ブックマークや保存したパスワードにアクセスしたい時
- モバイルデバイスで使用する時
Q: ゲストモードが勝手に無効化される
A: 以下の原因が考えられます。
- ウイルス対策ソフトやセキュリティソフト
- 一部のセキュリティソフトが自動的にゲストモードを無効化することがある
- ソフトの設定を確認する
- グループポリシーの自動適用
- 企業ネットワークに接続した際に、自動的にポリシーが適用される
- IT部門に確認する
- 他のソフトウェアの干渉
- ペアレンタルコントロールソフト
- システム管理ツール
- 最近インストールしたソフトを確認
Q: レジストリの変更が反映されない
A: 以下を試してください。
- 管理者権限で実行しているか確認
- コマンドプロンプトやレジストリエディタを「管理者として実行」で開く
- 正しいパスを指定しているか確認
- 64ビット版Windowsの場合、
Wow6432Node配下にもキーがある可能性 - 両方を確認する
- Chromeが完全に終了しているか確認
- タスクマネージャーで全てのChromeプロセスを終了
- パソコンを再起動
- Chromeを再インストール
- 設定をバックアップ
- Chromeをアンインストール
- 最新版をインストール
ゲストモードが使えない環境での代替案

どうしてもゲストモードが使えない場合の代替案を紹介します。
代替案1:一時的なプロフィールを作成
新しいChromeプロフィールを作成して、使用後に削除する方法です。
手順:
- Chromeの右上のプロフィールアイコンをクリック
- 「追加」をクリック
- 「アカウントなしで続行」を選択
- プロフィール名を入力(例:「一時使用」)
- 使用後、プロフィールを削除
プロフィールの削除方法:
chrome://settings/peopleにアクセス- 削除したいプロフィールの横の︙をクリック
- 「削除」を選択
代替案2:ポータブル版Chromeを使用
USBメモリなどにインストール不要のChromeを入れて使用する方法です。
メリット:
- パソコンに痕跡を残さない
- 持ち運びができる
- 管理者権限不要
デメリット:
- 公式のポータブル版は存在しない
- サードパーティ版を使用する必要がある
- セキュリティリスクが若干ある
代替案3:別のブラウザを使用
他のブラウザのプライベートモードを使用する方法です。
Microsoft Edge:
Ctrl + Shift + NでInPrivateウィンドウを開く
Mozilla Firefox:
Ctrl + Shift + Pでプライベートウィンドウを開く
Brave:
Ctrl + Shift + Nでプライベートウィンドウを開く
安全にゲストモードを使うための注意点
ゲストモードを使用する際の注意点をまとめます。
1. 完全なプライバシーは保証されない
ゲストモードでも、以下の情報は記録される可能性があります:
- アクセスしたWebサイトのサーバーログ
- 使用したネットワークの管理者が見る情報
- ISP(インターネットサービスプロバイダ)の記録
2. ダウンロードファイルは残る
ゲストモードでダウンロードしたファイルは、パソコンに残り続けます。
必要に応じて手動で削除してください。
3. 公共のパソコンでの使用は慎重に
図書館やカフェのパソコンでは、以下に注意してください:
- 重要なアカウントにログインしない
- クレジットカード情報を入力しない
- パスワードを保存しない
- 使用後は必ずログアウトする
4. ゲストモード終了を忘れずに
ゲストモードのウィンドウを開きっぱなしにしないように注意してください。
使い終わったら必ず終了しましょう。
まとめ:状況に応じた解決方法の選び方
Chromeのゲストモードが表示されない問題の解決方法を、状況別にまとめます。
自分のパソコン(Windows)の場合:
→ コマンドプロンプトまたはレジストリエディタで有効化
- 最も確実で簡単
- 管理者権限があれば実行可能
自分のパソコン(Mac)の場合:
→ ターミナルでコマンド実行
- 1つのコマンドで完了
- 再起動だけで反映
会社・学校のパソコンの場合:
→ IT管理者に相談 or シークレットモードを使用
- 個人での変更は推奨されない
- 正当な理由があれば有効化してもらえる可能性
モバイルデバイスの場合:
→ シークレットモードを使用
- ゲストモードは存在しない
- シークレットモードで代用
どうしても使えない場合:
→ 一時プロフィール作成 or 別ブラウザ使用
- 代替手段でも十分な場合が多い
- 状況に応じて最適な方法を選択
ゲストモードは便利な機能ですが、完全なプライバシーを保証するものではありません。
重要な情報を扱う際は、信頼できるデバイスのみを使用し、必要な対策を講じてくださいね。
この記事が、あなたのゲストモード問題の解決に役立てば嬉しいです!

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