Chromeでウェブサイトを開こうとしたら、突然「お使いの時計が進んでいます」というエラーメッセージが表示された…こんな経験はありませんか?
このエラーは、パソコンやスマホの時刻設定に問題があるときに表示されます。一見すると「時計が進んでいる」だけの単純な問題に見えますが、実はセキュリティに関わる重要なエラーなんです。
放置すると、特定のサイトにアクセスできなくなったり、オンライン決済ができなくなったりする可能性があります。
この記事では、「時計が進んでいます」エラーが表示される原因から、Windows・Mac・スマホそれぞれの具体的な解決方法まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。手順通りに進めれば、必ず問題を解決できますよ!
「時計が進んでいます」エラーとは?

まず、このエラーがなぜ表示されるのかを理解しましょう。
エラーメッセージの正体
正式には「NET::ERR_CERT_DATE_INVALID」というエラーです。
画面には以下のようなメッセージが表示されます:
- 「お使いの時計が進んでいます」
- 「時計が遅れています」
- 「この接続ではプライバシーが保護されません」
これらは全て同じ原因から発生するエラーなんです。
なぜ時計のズレが問題になるのか
インターネット上の安全な通信には「SSL証明書」というものが使われています。
SSL証明書とは
ウェブサイトが本物であることを証明する、いわばインターネット上の身分証明書のようなものです。
この証明書には「有効期限」が設定されていて:
- 発行された日時
- 期限が切れる日時
これらの情報が含まれています。
時刻がずれていると何が起こる?
あなたのデバイスの時計が正確でないと、Chromeは正しく証明書を確認できません。
例えば:
- 実際は2025年11月なのに、デバイスが2024年と認識している
- 証明書の有効期限を正しく判定できない
- 「このサイトは安全ではない」と判断してアクセスをブロック
セキュリティを守るための仕組みが、逆にエラーを引き起こしているわけですね。
エラーが表示される主な原因
時計のエラーが出る原因はいくつかあります。
原因1:システム時刻が正しくない
最も多い原因です。
パソコンやスマホの日付・時刻設定が実際の時間とずれていると、このエラーが発生します。
よくあるケース
- 長期間電源を切っていた
- CMOS電池が切れた(デスクトップPC)
- 手動で時刻を変更した後、戻し忘れた
- タイムゾーン設定が間違っている
数分程度のズレでもエラーになることがあります。
原因2:ウイルス・マルウェア感染
悪意のあるソフトウェアが時刻設定を勝手に変更している可能性もあります。
マルウェアの中には、セキュリティ機能を無効化するために、意図的に時刻を狂わせるものがあるんです。
原因3:ブラウザのキャッシュ問題
古い証明書情報がキャッシュに残っていることで、エラーが出る場合もあります。
時刻は正確なのにエラーが出続ける場合は、この原因を疑ってみましょう。
原因4:サイト側の証明書の問題
まれにですが、訪問しようとしているウェブサイト側の証明書が期限切れになっていることもあります。
この場合は、ユーザー側では解決できません。サイトの管理者が証明書を更新するのを待つしかないんです。
【Windows】時刻設定の修正方法
それでは、Windowsでの具体的な解決方法を見ていきましょう。
手順1:日付と時刻の設定を開く
- 画面右下の時計表示を右クリック
- 「日付と時刻の調整」を選択
- 設定画面が開きます
別の開き方
- スタートメニュー →「設定」→「時刻と言語」→「日付と時刻」
手順2:自動設定をオンにする
「時刻を自動的に設定する」のスイッチをオンにします。
これで、インターネット経由で正確な時刻が自動設定されます。
注意点
インターネットに接続されていないと、自動設定は機能しません。オフライン環境では手動で設定する必要があります。
手順3:タイムゾーンを確認
「タイムゾーンを自動的に設定する」もオンにしましょう。
日本国内で使用している場合:
- タイムゾーン:(UTC+09:00) 大阪、札幌、東京
海外にいる場合は、現地のタイムゾーンを選択してください。
手順4:今すぐ同期する
自動設定をオンにしても、すぐには反映されないことがあります。
- 同じ設定画面を下にスクロール
- 「今すぐ同期」ボタンをクリック
- 「時刻は正常に同期されました」と表示されればOK
手順5:Chromeを再起動
時刻設定を変更したら、必ずChromeを完全に閉じて再起動してください。
タブを閉じるだけでなく、ブラウザ自体を終了させることが重要です。
【Mac】時刻設定の修正方法
Macでの修正手順を解説します。
手順1:システム設定を開く
- 画面左上のAppleメニューをクリック
- 「システム設定」を選択
- 「一般」→「日付と時刻」を選択
macOS Monterey以前
「システム環境設定」→「日付と時刻」
手順2:自動設定をオンにする
「日付と時刻を自動的に設定」にチェックを入れます。
すぐ下に「Apple(time.apple.com)を使用」と表示されればOKです。
手順3:タイムゾーンの確認
「タイムゾーン」タブをクリックして確認しましょう。
日本の場合:
- タイムゾーン:東京(日本標準時 JST)
- UTC+9:00
「現在の場所に基づいてタイムゾーンを自動的に設定」にもチェックを入れておくと便利です。
手順4:設定を反映させる
- 一度「日付と時刻を自動的に設定」のチェックを外す
- 数秒待つ
- 再度チェックを入れる
これで強制的に時刻が再同期されます。
手順5:Chromeを再起動
Windowsと同様、Chromeを完全に終了させてから再度起動してください。
Command + Q キーで確実に終了できますよ。
【スマホ】時刻設定の修正方法
スマートフォンでも同じエラーが出ることがあります。
Android版Chromeでの対処法
手順1:設定を開く
- 「設定」アプリを開く
- 「システム」→「日付と時刻」を選択
手順2:自動設定をオンにする
- 「日付と時刻の自動設定」をオン
- 「タイムゾーンの自動設定」もオン
手順3:機内モードの切り替え
- 機内モードを一度オンにする
- 数秒待つ
- 機内モードをオフにする
これでネットワーク経由の時刻同期が強制されます。
手順4:Chromeを再起動
- アプリ履歴からChromeを完全に終了
- 再度起動
iOS版Chromeでの対処法
手順1:設定を開く
- 「設定」アプリを開く
- 「一般」→「日付と時刻」を選択
手順2:自動設定をオンにする
「自動設定」のスイッチをオンにします。
手順3:再起動
iPhoneを再起動すると、時刻が確実に同期されます。
- 電源ボタンを長押し
- スライドで電源オフ
- 再度電源を入れる
手順4:Chromeアプリを再起動
マルチタスク画面からChromeを上にスワイプして終了し、再度開いてください。
その他の解決方法

時刻設定を直してもエラーが続く場合は、以下を試してみましょう。
方法1:Chromeのキャッシュをクリア
古いデータが原因の可能性があります。
- Chromeの設定を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「閲覧履歴データの削除」をクリック
- 期間を「全期間」に設定
- 以下にチェックを入れる
- キャッシュされた画像とファイル
- Cookieと他のサイトデータ
- 「データを削除」をクリック
方法2:ウイルススキャンを実行
マルウェアが原因かもしれません。
Windows Defender(Windows標準)の使い方
- スタートメニュー →「設定」
- 「更新とセキュリティ」→「Windows セキュリティ」
- 「ウイルスと脅威の防止」
- 「クイックスキャン」を実行
他のウイルス対策ソフト
お使いのセキュリティソフトでフルスキャンを実行してください。
方法3:Chromeを最新版に更新
古いバージョンのChromeでは、証明書の検証に問題が出ることがあります。
- Chromeの右上「︙」をクリック
- 「ヘルプ」→「Google Chromeについて」
- 自動的にアップデートが開始
- 「再起動」ボタンをクリック
方法4:CMOS電池の交換(デスクトップPC)
デスクトップパソコンで頻繁に時刻がずれる場合、マザーボードのCMOS電池が切れている可能性があります。
CMOS電池とは
パソコンの電源を切っても、日時やBIOS設定を保持するための小さなボタン電池です。
症状
- 毎回起動すると時刻がリセットされる
- 日付が2000年代初期に戻っている
電池はCR2032という型番で、家電量販店で購入できます。交換方法はパソコンのマニュアルを参照してください。
自信がない場合は、パソコンショップに依頼することをおすすめします。
方法5:システムの復元(Windows)
最近インストールしたソフトが原因かもしれません。
- スタートメニューで「復元」と検索
- 「復元ポイントの作成」を選択
- 「システムの復元」ボタンをクリック
- 問題が発生する前の日付を選択
- 指示に従って復元
注意
システムの復元は、その後にインストールしたソフトが削除される可能性があります。重要なデータはバックアップしておきましょう。
特定のサイトだけエラーが出る場合
他のサイトは開けるのに、特定のサイトだけエラーが出る場合の対処法です。
サイト側の証明書が期限切れの可能性
その場合は、ユーザー側では解決できません。
確認方法
- 別のブラウザ(Edge、Firefoxなど)でも同じサイトを開く
- 同じエラーが出る場合は、サイト側の問題
対処法
- サイトの管理者に連絡する
- 時間をおいてから再度アクセスしてみる
- 公式SNSなどで障害情報を確認
企業や学校のネットワークの場合
組織のネットワークでは、独自の証明書が使われていることがあります。
症状
- 自宅のWi-Fiでは問題ない
- 会社や学校のネットワークでのみエラーが出る
対処法
IT部門やネットワーク管理者に相談してください。組織独自の設定が必要な場合があります。
エラーを予防する方法
今後同じエラーを防ぐためにできることを紹介します。
1. 時刻の自動設定を常にオンに
手動で時刻を変更する必要がない限り、自動設定をオンのままにしておきましょう。
特別な理由がなければ、いじらないのが一番です。
2. 定期的なシステムアップデート
WindowsやmacOSのアップデートを定期的に行ってください。
アップデートには:
- セキュリティの改善
- 証明書の更新
- 時刻同期の精度向上
これらが含まれています。
3. 信頼できるウイルス対策ソフトの使用
マルウェアによる時刻の改ざんを防げます。
Windows Defenderでも十分ですが、より高度な保護が必要な場合は有料ソフトの導入も検討しましょう。
4. CMOS電池の定期交換(デスクトップPC)
デスクトップPCを使っている方は、3〜5年ごとにCMOS電池を交換すると良いでしょう。
予防的な交換で、突然の時刻リセットを防げます。
よくある質問と回答
Q1:時刻は正確なのにエラーが出ます
A:以下の可能性があります。
- タイムゾーン設定が間違っている
- 時刻は合っていても、タイムゾーンが違うとエラーになります
- 日本なら必ずUTC+9:00に設定してください
- ブラウザのキャッシュ問題
- キャッシュクリアを試してみましょう
- サイト側の証明書の問題
- 別のブラウザでも同じか確認してください
Q2:エラーを無視してアクセスする方法はありますか?
A:技術的には可能ですが、絶対におすすめしません。
エラーページで「詳細設定」→「安全でないページに進む」を選択すれば進めますが:
危険な理由
- 通信が暗号化されない
- 個人情報が漏洩する可能性
- クレジットカード情報が盗まれるリスク
特に、ログインが必要なサイトや決済ページでは絶対に避けてください。
Q3:会社のパソコンで時刻設定が変更できません
A:企業のパソコンでは、管理者権限がないと時刻設定を変更できない場合があります。
対処法
- IT部門に連絡して設定を依頼する
- 管理者権限を一時的に付与してもらう
勝手に設定を変更しようとすると、セキュリティポリシー違反になる可能性があるので注意してください。
Q4:スマホで時刻の自動設定がオンにできません
A:通信キャリアの制限やSIMカードの問題かもしれません。
試してみること
- SIMカードを一度抜いて挿し直す
- ネットワーク設定をリセット
- 手動で正確な時刻を設定
それでも解決しない場合は、携帯ショップに相談してください。
まとめ:時刻設定を正しくすれば解決できる
Chromeの「時計が進んでいます」エラーについて解説してきました。
解決の基本ステップ
- システムの日付・時刻設定を確認
- 自動設定をオンにする
- タイムゾーンを正しく設定
- ブラウザを再起動
ほとんどの場合、この4ステップで解決します。
それでもダメなら
- キャッシュをクリア
- ウイルススキャンを実行
- Chromeを最新版に更新
- 特定のサイトだけなら、サイト側の問題を疑う
時刻のエラーは、セキュリティを守るための重要な警告です。面倒でも、きちんと対処することで安全にインターネットを使えるようになります。
エラーを無視せず、この記事の手順で確実に解決してくださいね!


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