突然Chromebookがインターネットに繋がらなくなった経験はありませんか?「接続済み」と表示されているのにウェブが見られない、「ネットワークの設定中にエラーが発生しました」というメッセージが出てしまう…そんな困った状況、実は意外と簡単に解決できることが多いんです。
この記事では、Chromebookのネットワーク接続エラーの原因と、実際に効果のある解決方法を分かりやすく解説していきます。
Chromebookの接続エラー、よくあるパターンは?

まず、どんなエラーが起きやすいのか確認しましょう。自分の状況に当てはまるものがあるはずです。
パターン1:Wi-Fiに接続できない
画面右下のWi-Fiアイコンをクリックしても、ネットワークが表示されなかったり、パスワードを入れても「ネットワークの設定中にエラーが発生しました」と出てしまう状態です。
これはChromebook側の設定に問題があるか、Wi-Fiルーター側に不具合がある可能性が高いでしょう。
パターン2:接続済みなのにインターネットが使えない
Wi-Fiには繋がっているように見えるのに、ブラウザで「インターネット接続なし」と表示されてウェブページが開けない状態です。
この場合、接続は確立されているものの、実際のデータ通信ができていない可能性があります。
パターン3:DNSエラーが表示される
「DNSを解決できません」「DNS_PROBE_FINISHED_NO_INTERNET」といったエラーメッセージが出る状態です。
DNS(Domain Name System)とは、私たちが普段使うウェブサイトの名前(例:google.com)を、コンピューターが理解できる数字の住所(IPアドレス)に変換してくれるシステムのこと。これが機能しないと、ウェブサイトにたどり着けなくなります。
パターン4:特定のWi-Fiだけ繋がらない
学校や職場のWi-Fiは使えるのに、自宅のWi-Fiだけ繋がらない(またはその逆)という状態です。
これは特定のネットワーク設定に問題があるか、ルーター側の制限がかかっている可能性が考えられます。
【基本編】まず試したい5つの解決方法
難しい設定を変更する前に、まずは基本的な対処法を試してみましょう。これだけで解決することも多いんです。
1. Chromebookを再起動する
「それだけ?」と思うかもしれませんが、実はこれが一番効果的なことも多いんです。一時的な不具合やキャッシュの問題は、再起動で解消されることがよくあります。
再起動の手順
- 画面右下の時刻表示をクリック
- 電源ボタンのアイコンをクリック
- 「再起動」を選択
または、電源ボタンを長押しして電源を切り、もう一度電源を入れる方法でもOKです。
2. Wi-Fi機能のオン・オフを切り替える
Wi-Fi機能を一度オフにして、再度オンにすることで接続がリフレッシュされます。
切り替えの手順
- 画面右下の時刻表示をクリック
- Wi-Fiアイコンをクリック(青色から灰色に変わります)
- もう一度Wi-Fiアイコンをクリック(灰色から青色に戻ります)
- 接続したいネットワークを選択
Wi-Fiアイコンが青色なら「オン」、灰色なら「オフ」の状態です。
3. 時刻設定を確認する
意外かもしれませんが、Chromebookの時刻がズレているとWi-Fi接続に支障が出ることがあるんです。
画面右下の時刻が正しいか確認してください。大幅にズレている場合は、設定から修正しましょう。
4. 他のデバイスで接続を確認する
スマートフォンやタブレットなど、他のデバイスで同じWi-Fiに接続できるか試してみてください。
- 他のデバイスも繋がらない場合 → Wi-Fiルーター側の問題
- 他のデバイスは繋がる場合 → Chromebook側の問題
これで問題の原因がどちら側にあるか判断できます。
5. Wi-Fiルーターを再起動する
ルーター側に問題がある場合は、ルーターの再起動が効果的です。
ルーター再起動の手順
- ルーターの電源コードを抜く
- 30秒〜1分ほど待つ
- 電源コードを再び差し込む
- ランプが安定するまで2〜3分待つ
- Chromebookで再接続を試す
ルーターには電源ボタンがない機種も多いため、電源コードを抜く方法が確実です。
【応用編】それでも解決しない場合の対処法
基本的な方法を試しても改善しない場合は、次のステップに進みましょう。
6. ネットワーク情報を削除して再接続する
一度保存されたネットワーク情報を削除し、ゼロから接続し直す方法です。古い設定情報が残っていると、それが原因で接続できないことがあります。
削除と再接続の手順
- 画面右下の時刻表示をクリック
- 「設定」アイコンをクリック
- 左側のメニューから「ネットワーク」を選択
- 問題のあるWi-Fiネットワーク名をクリック
- 「削除」または「このネットワークを削除」をクリック
- Wi-Fiリストから再度ネットワークを選択
- パスワードを入力して接続
この方法で、新鮮な状態で接続を確立できます。
7. DNS設定を変更する
「DNSを解決できません」というエラーが出る場合は、DNS設定を手動で変更すると解決することがあります。
GoogleのDNSサーバーに変更する手順
- 画面右下の時刻表示をクリック
- 「設定」アイコンをクリック
- 左側のメニューから「ネットワーク」を選択
- 接続中のWi-Fiネットワークをクリック
- 「ネットワーク」タブを選択
- 「ネームサーバー」の項目で「カスタムネームサーバー」を選択
- 以下の数値を入力
- プライマリDNS:8.8.8.8
- セカンダリDNS:8.8.4.4
これはGoogleが提供する無料の公開DNSサーバーで、多くの接続問題を解決できます。
8. MACアドレスのランダム化をオフにする
一部のChromebookでは、接続の度に異なるMACアドレス(ネットワーク機器を識別するための固有の番号)を使用する設定になっていることがあります。これが原因で接続が不安定になることもあるんです。
MACアドレスのランダム化をオフにする手順
- 画面右下の時刻表示をクリック
- 「設定」アイコンをクリック
- 左側のメニューから「ネットワーク」を選択
- 接続中のWi-Fiネットワークをクリック
- 「ネットワーク」タブを選択
- 「MACアドレスのランダム化」をオフにする
この設定変更で、長時間安定して接続できるようになった事例が報告されています。
9. ハードリセットを実行する
キーボードやタッチパッドなどのハードウェアを含めて、Chromebook全体をリセットする方法です。通常の再起動よりも深いレベルでのリセットになります。
ハードリセットの手順
- Chromebookの電源を完全に切る
- リフレッシュキー(円形の矢印マーク、通常F3キーの位置)を押しながら
- 電源ボタンを押す
- 画面にメッセージが表示されたら、リフレッシュキーを離す
注意: ハードリセットを実行すると、ダウンロードフォルダ内の一部ファイルが削除される可能性があります。また、接続されている周辺機器(USBメモリなど)は事前に取り外しておきましょう。
10. 診断ツールで問題を特定する
Chrome OSには、接続の問題を自動で診断してくれる便利なツールが組み込まれています。
診断ツールの使い方
- 画面右下の時刻表示をクリック
- 「設定」アイコンをクリック
- 検索バーに「診断」または「diagnostics」と入力
- 「診断」アプリを開く
- 「接続」タブを選択
- 自動的にテストが実行される
診断結果を確認することで、具体的にどこに問題があるのか特定できます。
【最終手段】Powerwash(初期化)を検討する
ここまでの方法を試しても解決しない場合は、Chromebookを工場出荷時の状態に戻す「Powerwash」を検討しましょう。
重要な注意点: Powerwashを実行すると、Chromebook内のすべてのローカルデータが削除されます。必ず事前に大切なファイルをバックアップしてください。
Powerwashの実行手順
- 画面右下の時刻表示をクリック
- 「設定」アイコンをクリック
- 左側のメニューから「詳細設定」を選択
- 「リセット」セクションを探す
- 「Powerwash(リセット)」を選択
- 「再起動」をクリック
- 画面の指示に従って実行
Powerwash後は、Googleアカウントでログインし直し、Wi-Fi設定も最初から行う必要があります。
学校や職場のWi-Fiで接続できない場合
教育機関や企業のネットワークは、セキュリティのため特別な設定が必要な場合があります。
キャプティブポータル(ログインページ)が必要なネットワーク
空港やカフェ、学校などのWi-Fiでは、接続後に利用規約への同意やログインが必要なことがあります。
ログインページが表示されない場合の対処法
- 「http://」で始まるウェブサイト(「https://」ではない)にアクセスしてみる
例:http://example.com - それでも表示されない場合は、Chrome拡張機能をすべてオフにする
- シークレットモード(Ctrl + Shift + N)で接続を試す
MACアドレスの登録が必要な場合
企業や学校のネットワークでは、セキュリティのために登録されたデバイスしか接続できない設定になっていることがあります。
MACアドレスの確認方法
- 画面右下の時刻表示をクリック
- 「設定」アイコンをクリック
- 左側のメニューから「ネットワーク」を選択
- 接続中のWi-Fiネットワークをクリック
- 「ネットワーク」タブでMACアドレスを確認
このMACアドレスをネットワーク管理者に伝えて、登録してもらう必要があります。
テザリングで代替接続を試してみる
自宅のWi-Fiが使えない緊急時には、スマートフォンのテザリング機能を使ってインターネットに接続する方法もあります。
これによって、問題がChromebook側にあるのか、自宅のWi-Fi環境にあるのかも判断できます。特定のWi-Fiだけで問題が起きているのか、すべてのネットワークで発生するのかを確認できるでしょう。
よくある質問と回答

Q1:特定の時間帯だけ接続が切れるのはなぜ?
同じWi-Fiを使っている人が多い時間帯は、回線が混雑して不安定になることがあります。ルーターの設置場所を変える、5GHz帯のWi-Fiを使う(対応している場合)などで改善する可能性があります。
Q2:電波は届いているのに遅い・途切れる場合は?
Chromebookとルーターの距離が遠すぎたり、間に壁や障害物がある可能性があります。ルーターに近い場所で使うか、Wi-Fi中継器の導入を検討してみてください。
Q3:「接続に失敗しました」と表示される場合は?
パスワードが間違っている可能性が高いです。大文字・小文字、全角・半角を正確に入力しているか確認しましょう。ルーター本体に記載されているパスワードと照らし合わせることをおすすめします。
Q4:Chromebookのアップデートは接続に影響する?
Chrome OSが古いバージョンだと、Wi-Fi接続に不具合が出ることがあります。可能であれば、別のネットワーク(テザリングなど)に接続してアップデートを実行してみてください。
Q5:有線LAN接続はできる?
多くのChromebookには有線LANポートがありませんが、USB-Ethernet変換アダプタを使えば有線接続が可能です。Wi-Fiの調子が悪い時の応急処置として有効でしょう。
まとめ:段階的に試して確実に解決しよう
Chromebookのネットワーク接続エラーは、ほとんどの場合、今回紹介した方法で解決できます。
解決の基本的な流れ
- まず基本的な方法(再起動、Wi-Fiのオン・オフ、ルーター再起動)を試す
- 改善しなければ、設定の見直し(ネットワーク削除、DNS変更)を実行
- それでもダメなら、ハードリセットや診断ツールを活用
- 最終手段としてPowerwashを検討
焦らず一つずつ試していくことが大切です。問題の原因が自分のChromebookにあるのか、Wi-Fiルーターにあるのか、それとも接続先のネットワークにあるのかを切り分けながら対処していきましょう。
それでも解決しない場合は、Chromebookのメーカーサポートに問い合わせることをおすすめします。ハードウェアの故障の可能性もゼロではありませんから、プロの診断を受けることも選択肢の一つです。
快適なインターネット環境を取り戻して、Chromebookライフを楽しんでください!


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