Chromebookを開いて、さあ作業しようと思ったら「ネットワークは利用できません」と表示される…でも画面には「接続済み」と出ている。
この矛盾した状況、実は多くのChromebookユーザーが経験しているトラブルなんです。
今回は、この厄介な問題の原因と、すぐに試せる解決策を分かりやすく解説していきます。
「接続済み」なのにネットが使えない理由

まず、この不思議な現象がなぜ起こるのか理解しておきましょう。
Chromebookが「接続済み」と表示しているのは、Wi-Fiルーターとの接続は成功しているという意味です。電波は届いているし、パスワードも合っている状態ですね。
でも「ネットワークは利用できません」というのは、インターネットへの接続ができていないということ。
つまり、Chromebookとルーターは繋がっているけど、そこから先のインターネットまで届いていない状態なんです。家の玄関までは行けるけど、外に出られないイメージですね。
この問題が起きる原因は様々ですが、多くの場合は一時的なシステムの不具合や設定の問題です。
【解決策1】まずは基本:Chromebookを再起動する
電子機器のトラブル解決で最も基本的かつ効果的な方法が再起動です。
Chromebookに溜まったキャッシュ(一時的なデータ)や、システムの小さな不具合が原因の場合、再起動だけで解決することが非常に多いんですよ。
再起動の手順:
- 画面右下の時刻をクリック
- 電源ボタンのアイコンをクリック
- 「再起動」を選択
電源が切れるまで電源ボタンを長押しして、もう一度電源を入れる方法でも構いません。
再起動後、もう一度Wi-Fiに接続してみてください。
【解決策2】ルーターを再起動してみる
Chromebook側の問題ではなく、ルーター側で何かトラブルが起きている可能性もあります。
他のスマートフォンやパソコンで同じWi-Fiに接続できるか確認してみましょう。もし他のデバイスでも繋がらない場合は、ルーターの問題です。
ルーターの再起動手順:
- ルーターの電源コードを抜く
- そのまま30秒〜1分待つ
- 電源コードを再び差し込む
- ルーターのランプが安定するまで1〜2分待つ
- Chromebookで再接続を試す
ルーターには電源ボタンがない機種も多いので、電源コードを抜き差しする方法が確実です。
この待ち時間が実は大切で、ルーター内部の電気を完全に放電させることで、より確実にリセットできるんですよ。
【解決策3】Wi-Fi設定を削除して再接続
ネットワーク設定に何か不具合が起きている場合、一度設定を削除してから再接続すると解決することがあります。
Wi-Fi設定の削除と再接続:
- 画面右下の時刻をクリック
- 「設定」(歯車アイコン)をクリック
- 左側メニューから「ネットワーク」を選択
- 接続しているWi-Fiネットワーク名をクリック
- 「削除」ボタンをクリック
- 少し待ってから、Wi-Fiリストから同じネットワークを選択
- パスワードを入力して接続
この方法は、保存されている古い設定情報をリセットすることで、新しく正しい接続を確立できます。
【解決策4】ハードリセットを実行する
通常の再起動で解決しない場合は、ハードリセット(ハードウェアリセット)を試してみましょう。
ハードリセットは、Chromebookのキーボードやタッチパッドなどのハードウェアを再起動する方法です。
ハードリセットの手順:
- Chromebookの電源を完全にオフにする
- リフレッシュキー(円形矢印のキー)を押したままにする
- リフレッシュキーを押したまま、電源ボタンを押す
- Chromebookが起動し始めたら、リフレッシュキーを離す
注意点として、ダウンロードフォルダ内の一部ファイルが削除される可能性があります。また、USB機器などの周辺機器は外してから実行してください。
一部のChromebookモデルでは手順が異なる場合があるので、うまくいかない場合は製造元のサポートページを確認してみましょう。
【解決策5】時刻設定を確認する
意外と見落としがちなのが、Chromebookの時刻設定です。
時刻がずれていると、セキュリティ認証がうまくいかず、Wi-Fi接続に支障が出ることがあるんです。
時刻の確認方法:
- 画面右下の時刻をクリック
- 表示されている時刻が正しいか確認
- 間違っている場合は「設定」→「詳細設定」→「日付と時刻」で修正
通常は自動で正しい時刻に設定されますが、何かの拍子にずれてしまうこともあります。
【解決策6】DNS設定を変更してみる
DNSとは「Domain Name System」の略で、簡単に言うとインターネット上の住所を探すシステムです。
このDNS設定に問題があると、ネットワークに接続できても実際にウェブサイトが開けない状態になります。
DNS設定の変更手順:
- 画面右下の時刻をクリック
- 「設定」をクリック
- 「ネットワーク」を選択
- 接続しているWi-Fiをクリック
- 「ネットワーク」タブを選択
- 下にスクロールして「詳細設定」を展開
- 「DNS」の項目で「カスタムネームサーバー」を選択
- 次の値を入力:
- 1つ目:8.8.8.8
- 2つ目:8.8.4.4
これはGoogleが提供している公開DNSサーバーのアドレスです。多くの場合、この設定変更で接続が安定します。
【解決策7】Chrome OSをアップデートする
システムのバグが原因でネットワーク問題が起きている場合もあります。
Chrome OSの開発チームは定期的にバグ修正を含むアップデートをリリースしているので、最新版に更新することで問題が解決することがあります。
アップデートの確認方法:
- 「設定」を開く
- 左側メニューの一番下にある「Chrome OSについて」をクリック
- 「アップデートを確認」ボタンをクリック
実は、Chromebookは自動でアップデートをダウンロードしていることが多いんです。インターネット接続が不安定になる前にダウンロードされていれば、接続なしでもインストールできる可能性があります。
【解決策8】最終手段:Powerwash(初期化)
ここまで試してもダメな場合は、Chromebookを初期化する「Powerwash」を検討しましょう。
ただし、この方法を実行するとChromebook内のすべてのローカルデータが削除されるので、重要なファイルは事前にバックアップしてください。
Googleドライブに保存されているデータは削除されませんが、ダウンロードフォルダなどのローカルファイルは消えてしまいます。
Powerwashの手順:
- 「設定」を開く
- 左側メニューの「詳細設定」を展開
- 「リセット」を選択
- 「Powerwash」をクリック
- 「再起動」をクリック
- 表示される手順に従って初期化を実行
初期化後は、最初のセットアップを再度行う必要があります。
他のデバイスでも接続できないなら
ここまで試しても解決しない、そして他のスマートフォンやパソコンでも同じWi-Fiに接続できない場合は、インターネット回線そのものに問題がある可能性が高いです。
この場合は、契約しているインターネットプロバイダー(回線業者)に連絡して、サービス障害や工事情報を確認してみましょう。
プロバイダーのアプリがあれば、そこでメンテナンス情報を確認できることも多いですよ。
学校や職場のChromebookの場合
学校や企業から支給されたChromebookの場合、管理者によってネットワーク設定が制限されていることがあります。
特定のWi-Fiネットワークしか使えないように設定されていたり、MACアドレスフィルタリング(接続できる機器を制限する機能)が有効になっているケースです。
この場合は、学校や職場のIT担当者に相談してみてください。
家のWi-Fiでは繋がらないけど、学校のWi-Fiでは問題なく使える場合は、この可能性が高いですね。
まとめ:焦らず一つずつ試してみよう
Chromebookで「接続済み」なのに「ネットワークは利用できません」と表示される問題、本当に困りますよね。
でも、多くの場合は以下の基本的な対処法で解決できます:
- Chromebookの再起動
- ルーターの再起動
- Wi-Fi設定の削除と再接続
- ハードリセット
- 時刻設定の確認
- DNS設定の変更
- Chrome OSのアップデート
- Powerwash(初期化)
一番効果的なのは、上から順番に一つずつ試していくことです。それぞれの対処法を実行したら、問題が解決したか確認してから次に進みましょう。
ほとんどのケースでは、最初の3つ(再起動、ルーター再起動、Wi-Fi再接続)のどれかで解決しますよ。
それでもダメなら、ハードウェアの故障も考えられるので、保証期間内なら製造元のサポートに連絡してみてください。
落ち着いて対処すれば、きっとまた快適にChromebookが使えるようになりますよ!


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