お子さんにスマホやパソコンを使わせたいけど、不適切なコンテンツが心配…そんな悩みを持つ保護者の方は多いのではないでしょうか。
Chromeブラウザには、年齢に応じた制限機能やペアレンタルコントロール機能が用意されています。でも、「何歳から使えるの?」「どうやって設定するの?」「本当に安全?」といった疑問もありますよね。
実はChromeの年齢制限には、Googleアカウントの年齢制限と、コンテンツへのアクセス制限という2つの側面があるんです。適切に設定すれば、お子さんが安全にインターネットを利用できる環境を作れます。
この記事では、Chromeの年齢制限の基礎知識から、具体的な設定方法、保護者が知っておくべきポイントまで、分かりやすく解説していきます。お子さんのネット利用を安心して見守れるようになりましょう!
Chromeと年齢制限の基礎知識

まず、Chromeの年齢制限について基本を理解しましょう。
Googleアカウントの年齢制限
Chromeを使うために必要なGoogleアカウントには、年齢制限があります。
基本的な年齢制限
日本の場合:
- 13歳未満:保護者の管理が必要
- 13歳以上:単独でアカウント作成可能
- 18歳未満:一部機能に制限あり
この年齢は国や地域によって異なります。
13歳未満のお子さんの場合
保護者がファミリーリンクという機能を使って、管理されたアカウントを作成します。
特徴
- 保護者の承認が必要
- 利用時間の制限が可能
- コンテンツフィルタリング
- 位置情報の確認
完全に保護者の管理下で利用できるんです。
年齢制限の目的
なぜ年齢制限が設けられているのでしょうか。
1. 法的要請
多くの国で、未成年者の個人情報保護に関する法律があります。
日本では:
- 個人情報保護法
- 青少年インターネット環境整備法
これらの法律に対応するため、年齢制限が設定されています。
2. 有害コンテンツからの保護
子どもの発達段階に適さない内容から守るためです。
保護対象
- 暴力的な表現
- 性的な内容
- 薬物に関する情報
- ギャンブル関連
年齢に応じたフィルタリングが重要なんですね。
3. オンライン犯罪の防止
未成年者を狙った犯罪から守る目的もあります。
リスク例
- 個人情報の不正取得
- なりすまし被害
- ネットいじめ
- 不適切な接触
適切な管理で、これらのリスクを軽減できます。
子供用Googleアカウントの作成方法
13歳未満のお子さん向けのアカウント作成手順です。
Googleファミリーリンクとは
保護者がお子さんのデジタルデバイス利用を管理できるサービスです。
できること
- アプリのダウンロード承認
- 利用時間の制限設定
- 位置情報の確認
- コンテンツフィルタリング
- リモートでのデバイスロック
無料で利用できる安心のサービスです。
ファミリーリンクの設定手順
必要なもの
- 保護者のGoogleアカウント
- お子さん用のデバイス(スマホ、タブレット、PC)
- インターネット接続
手順1:ファミリーリンクアプリのインストール
- 保護者のスマホでGoogle Playストア(Android)またはApp Store(iOS)を開く
- 「Google ファミリーリンク」を検索
- 「保護者向け」のアプリをインストール
手順2:子供用アカウントの作成
- ファミリーリンクアプリを開く
- 「お子様用のアカウントを作成」を選択
- お子さんの名前を入力
- 生年月日を入力(13歳未満であることを確認)
- メールアドレス(Gmailアドレス)を作成
- パスワードを設定
- 保護者のアカウントでログインして承認
手順3:子供のデバイスに設定
- お子さんのデバイスでChromeを開く
- 作成したアカウントでログイン
- ファミリーリンクの設定を完了
これで管理されたアカウントが使えるようになります。
アカウントの権限設定
作成後、細かく権限を調整できます。
推奨設定
アプリとゲーム
- ダウンロードには保護者の承認が必要
- 年齢に応じた評価のアプリのみ許可
Chromeとウェブサイト
- 不適切なサイトをブロック
- セーフサーチを強制的にオン
位置情報
- デバイスの位置を確認可能
- プライバシーに配慮して使用
お子さんの年齢や成熟度に応じて調整しましょう。
Chromeのコンテンツフィルタリング設定
年齢に適したコンテンツだけを表示する設定方法です。
セーフサーチの有効化
Google検索結果から不適切なコンテンツを除外する機能です。
パソコン版の設定
- google.com にアクセス
- 右上の「設定」(歯車アイコン)をクリック
- 「検索設定」を選択
- 「セーフサーチをオンにする」にチェック
- 「保存」をクリック
スマホ版の設定
- Chromeでgoogle.comを開く
- 左上のメニューアイコン(三本線)をタップ
- 「設定」を選択
- 「セーフサーチ」をタップ
- 「不適切な検索結果を除外する」をオン
ファミリーリンクでロック
13歳未満のアカウントでは、保護者がセーフサーチをロックできます。
- ファミリーリンクアプリを開く
- お子さんのアカウントを選択
- 「設定」→「フィルタ」
- 「Google検索」で「セーフサーチをロック」を選択
お子さん自身では解除できなくなります。
Chromeの監視付きユーザー設定
お子さん専用のChromeプロファイルを作成できます。
設定方法
- Chromeの右上にあるプロフィールアイコンをクリック
- 「追加」を選択
- 「子供向け」を選択
- お子さんの名前を入力
- Googleアカウントでログイン(ファミリーリンクのアカウント)
監視付きユーザーの特徴
- 閲覧履歴が保護者に共有される
- ブックマークの管理
- 拡張機能のインストール制限
透明性のある管理ができるんです。
特定のサイトをブロック
個別のウェブサイトをブロックすることもできます。
ファミリーリンクでのブロック
- ファミリーリンクアプリを開く
- お子さんを選択
- 「設定」→「フィルタ」
- 「Chrome」を選択
- 「ブロックするサイト」でURLを追加
許可するサイトのみ設定
より厳格な管理も可能です。
- 同じ画面で「承認済みのサイトのみ許可」を選択
- 「許可するサイト」でURLを追加
お子さんは登録されたサイトしか見られなくなります。
YouTubeの年齢制限設定
動画視聴の制限も重要です。
YouTube Kidsの活用
子供向けに作られた安全なYouTubeアプリです。
特徴
- 子供向けコンテンツのみ
- 不適切な動画の自動除外
- 視聴時間の制限機能
- コメント機能なし
インストール方法
- App StoreまたはGoogle Playストアを開く
- 「YouTube Kids」を検索
- インストール
- 保護者アカウントでログインして設定
通常のYouTubeより安全に利用できますよ。
通常のYouTubeでの制限モード
設定方法
- YouTubeを開く
- 右上のプロフィールアイコンをクリック
- 「制限付きモード」を選択
- オンに切り替え
ファミリーリンクでロック
- ファミリーリンクアプリを開く
- お子さんを選択
- 「設定」→「YouTube設定」
- 「制限付きモードをロック」を選択
これでお子さん自身では解除できません。
年齢制限動画へのアクセス制限
18歳未満では、年齢制限のある動画は視聴できない設定になっています。
仕組み
- Googleアカウントの生年月日で判定
- 年齢制限動画には警告が表示
- ログインしないと視聴不可
お子さんのアカウントの生年月日が正確に設定されているか確認しましょう。
OS別のペアレンタルコントロール

Chrome以外のシステムレベルでも保護できます。
Windowsファミリー機能
Windows 10/11に標準搭載されています。
設定方法
- family.microsoft.com にアクセス
- Microsoftアカウントでサインイン
- 「家族のメンバーを追加」をクリック
- お子さんのメールアドレスを入力
- 招待を送信
設定できる項目
- スクリーンタイム(利用時間制限)
- コンテンツの制限(ウェブサイト、アプリ、ゲーム)
- アクティビティレポート
- 購入と支出の管理
Chromeでの適用
- お子さんのWindowsアカウントでログイン
- Chromeで「Edge」または「Chrome」のフィルタを有効化
- 不適切なサイトが自動的にブロックされる
Windows全体で保護できるのが強みです。
Macのスクリーンタイム
macOS Catalina以降で利用できます。
設定方法
- システム環境設定を開く
- 「スクリーンタイム」を選択
- 左下の「+」ボタンでお子さんのアカウントを追加
コンテンツとプライバシー
- お子さんのアカウントを選択
- 「コンテンツとプライバシー」をクリック
- 「コンテンツ制限」→「Webコンテンツ」
- 「成人向けWebサイトを制限」を選択
許可/制限するサイト
「制限されたWebサイト」でURLを個別に設定できます。
Androidのペアレンタルコントロール
Google Playストアにも年齢制限があります。
設定方法
- Google Playストアアプリを開く
- 左上のメニュー→「設定」
- 「保護者による使用制限」をタップ
- オンに設定
- PINコードを作成
- コンテンツの制限レベルを選択
- アプリとゲーム:年齢レーティングで制限
- 映画:レーティングで制限
- 音楽:露骨な表現のある曲をブロック
ファミリーリンクとの連携
より強力な管理が可能になります。
iOSのスクリーンタイム
iPhone・iPadでの設定方法です。
設定手順
- 「設定」アプリを開く
- 「スクリーンタイム」をタップ
- 「続ける」→「これは子供用のiPhoneです」
- 保護者のApple IDでサインイン
コンテンツとプライバシーの制限
- 「コンテンツとプライバシーの制限」をタップ
- 「コンテンツ制限」を選択
- 以下を設定
- Webコンテンツ:成人向けサイトを制限
- App:年齢制限の設定
- 映画・TV番組:レーティング制限
許可されたApp
必要最小限のアプリだけを使わせることもできます。
- 「常に許可」を選択
- 使用を許可するアプリを選択
これでホーム画面に表示されるアプリを制限できます。
年齢制限の確認と変更方法
設定した年齢制限を確認・変更する方法です。
Googleアカウントの年齢確認
お子さんのアカウントに設定されている年齢を確認しましょう。
確認方法
- myaccount.google.com にアクセス
- お子さんのアカウントでログイン
- 「個人情報」を選択
- 「生年月日」を確認
注意点
13歳未満のアカウントでは、保護者しか生年月日を変更できません。
13歳になったときの対応
お子さんが13歳になると、アカウントの管理方法が変わります。
自動的に起こること
誕生日を迎えると:
- ファミリーリンクの一部制限が解除される
- お子さん自身が管理を終了できるようになる
保護者の対応
- ファミリーリンクアプリで通知を確認
- お子さんと話し合って今後の管理方針を決める
- 必要に応じて継続的な監視を設定
監視の継続
13歳以上でも、お子さんが同意すれば引き続きファミリーリンクで管理できます。
誤った年齢を設定してしまった場合
本人確認が必要になります。
訂正手順
- Googleアカウントヘルプセンターにアクセス
- 「年齢の確認」フォームを探す
- 本人確認書類を提出
- 保護者の身分証明書
- お子さんの年齢を証明する書類
- 審査を待つ(通常数日)
対象となるケース
- 誤って年齢を入力した
- アカウントがロックされた
- 年齢制限で機能が使えない
正確な年齢情報は重要なので、最初から正しく入力しましょう。
年齢制限に関するトラブルシューティング

よくある問題と解決方法を紹介します。
問題1:子供が制限を回避しようとする
残念ながら、技術に詳しいお子さんは回避方法を知っている場合があります。
対策
1. デバイスのパスワード管理
- 管理者権限を持つアカウントのパスワードを厳重に管理
- お子さんには標準ユーザー権限のみ
2. 定期的な確認
- 閲覧履歴のチェック
- インストールされているアプリの確認
- ファミリーリンクのレポート確認
3. 対話と教育
- なぜ制限があるのか説明
- ネットの危険性について話し合う
- 信頼関係の構築
技術的な対策と教育の両面が大切です。
問題2:必要なサイトがブロックされる
厳しすぎる制限で学習に支障が出ることもあります。
対処法
- ファミリーリンクで「許可するサイト」に追加
- お子さんからのリクエストを受け付ける仕組み
- 定期的に設定を見直す
バランスの取り方
年齢や成熟度に応じて:
- 小学生:かなり厳格な制限
- 中学生:徐々に自由度を上げる
- 高校生:自己管理能力を育てる
段階的に自由を与えることが大切ですね。
問題3:複数のデバイスで設定が面倒
家族のデバイスが多いと管理が大変です。
効率的な管理方法
1. ルーターレベルでの制限
- 家のWi-Fiルーターでフィルタリング
- すべてのデバイスに一括適用
2. DNS設定の変更
- OpenDNSなどのファミリー向けDNSサービス
- 不適切なサイトを自動ブロック
3. ファミリーリンクの活用
- 1つのアプリで複数デバイスを管理
- どこからでも設定変更可能
一元管理できる仕組みを作りましょう。
問題4:年齢制限のエラーが出る
適切に設定しているのにエラーが表示される場合。
確認事項
- アカウントの生年月日が正しいか
- インターネット接続は安定しているか
- Chromeは最新版か
- ファミリーリンクアプリは最新版か
解決手順
- Chromeとファミリーリンクを最新版に更新
- デバイスを再起動
- アカウントから一度ログアウトして再ログイン
- それでもダメならGoogleサポートに問い合わせ
サポートページ:support.google.com/families
よくある質問と回答
Q1:13歳未満の子供にスマホを持たせても大丈夫ですか?
A:適切な管理をすれば、安全に利用できます。
推奨される対策
- ファミリーリンクで完全管理
- 利用時間の制限設定
- 定期的なコミュニケーション
- リビングなど目の届く場所で使用
年齢だけでなく、お子さんの成熟度も考慮して判断しましょう。
Q2:子供の検索履歴を見るべきですか?
A:プライバシーと安全のバランスが重要です。
推奨アプローチ
- 定期的なチェックは必要
- ただし、すべてを監視するのではなく、危険な兆候を見逃さない程度に
- お子さんにも監視していることを伝える
- 信頼関係を損なわない範囲で
年齢が上がるにつれて、徐々にプライバシーを尊重していくことも大切です。
Q3:ファミリーリンクなしで年齢制限できますか?
A:できますが、管理が不十分になります。
代替方法
- OS標準のペアレンタルコントロール
- ルーターでのフィルタリング
- セーフサーチの手動設定
ただし、ファミリーリンクのような包括的な管理はできません。13歳未満のお子さんには、ファミリーリンクの使用を強くおすすめします。
Q4:学校で必要なサイトがブロックされます
A:個別に許可リストに追加できます。
対応方法
- 学校からブロックされているサイトのリストをもらう
- ファミリーリンクで「許可するサイト」に追加
- または一時的に制限を緩める
学習に必要なサイトは柔軟に対応しましょう。
Q5:兄弟で年齢が違う場合、どう設定すべきですか?
A:それぞれに別のアカウントを作成して、個別に管理します。
設定例
小学生の兄弟
- かなり厳格な制限
- 利用時間1日1時間
- 承認済みサイトのみ
中学生の兄弟
- やや緩やかな制限
- 利用時間1日2時間
- セーフサーチのみ強制
年齢と成熟度に応じて、公平かつ適切な設定をしましょう。
保護者が知っておくべきポイント
最後に、年齢制限を効果的に使うためのヒントです。
1. 技術だけに頼らない
フィルタリングは完璧ではありません。
必要なこと
- お子さんとの対話
- ネットリテラシー教育
- 信頼関係の構築
- 困ったときに相談できる環境
技術と教育の両輪が大切なんです。
2. 年齢に応じた段階的な自由
過保護すぎると、自己管理能力が育ちません。
年齢別の目安
小学生(〜12歳)
- 厳格な管理と監視
- 使用は保護者の目の届く範囲で
中学生(13〜15歳)
- 徐々に自由度を上げる
- 自己責任の意識を育てる
高校生(16〜18歳)
- 基本的には自己管理
- 必要最小限の見守り
成長に合わせて調整しましょう。
3. 定期的な見直し
設定は一度決めたら終わりではありません。
見直しのタイミング
- 誕生日
- 進級・進学時
- トラブルが発生したとき
- お子さんから要望があったとき
3ヶ月〜半年に一度は設定を確認することをおすすめします。
4. お子さんとのルール作り
一方的な制限ではなく、話し合いが重要です。
効果的なルール作り
- なぜ制限が必要か説明する
- お子さんの意見も聞く
- 守れるルールを一緒に決める
- ルールを守れたら褒める
納得した上でのルールは、守られやすくなりますよ。
まとめ:安全で健全なネット利用環境を
Chromeの年齢制限について、様々な側面から解説してきました。
基本的な仕組み
- Googleアカウントには年齢制限がある
- 13歳未満はファミリーリンクで管理
- セーフサーチやコンテンツフィルタリング
具体的な設定方法
- ファミリーリンクでの子供用アカウント作成
- Chromeのコンテンツフィルタリング
- YouTubeの制限モード
- OS標準のペアレンタルコントロール
効果的な管理のポイント
- 技術的対策と教育の両立
- 年齢に応じた段階的な自由
- 定期的な見直し
- お子さんとの対話
年齢制限は、お子さんを守るための道具の一つに過ぎません。最も大切なのは、保護者とお子さんの信頼関係です。
この記事を参考に、お子さんが安全にインターネットを楽しめる環境を作ってください。適切な管理と教育で、デジタル時代を生きる力を育てていきましょう!

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