「家族と共用のパソコンだから、履歴を残したくない…」
「一時的にログインして使いたいサービスがある」
「検索した内容を他の人に見られたくない」
そんなときに便利なのが、Google Chromeのプライベートモード(シークレットモード)です。
名前はよく聞くけれど、実際にはどんな機能なのか、何が保存されないのか、逆にどこに注意すべきかを知らない人も多いのではないでしょうか?
この記事では、Chromeのプライベートモードの使い方と仕組み、そして過信しないための注意点までを分かりやすく紹介します。
プライベートモードとは?

シークレットモードの正式名称
Chromeのプライベートモード(正式名称:シークレットモード)は、ブラウザがあなたの行動履歴を保存しないようにする機能です。
何が保存されないの?
保存されない情報 | 説明 |
---|---|
閲覧履歴 | どのサイトを見たかの記録 |
Cookieとサイトデータ | ログイン状態やサイトの設定 |
フォーム入力情報 | 検索履歴や入力した文字 |
キャッシュ | サイトの読み込みを早くするための一時ファイル |
つまり、一時的なブラウジングには最適です。
どんなときに使う?
よくある使用場面:
- 他人のPCを使うとき
- 友人のパソコンでちょっと検索したい
- ネットカフェや図書館のパソコンを使用
- 複数アカウントでログインしたいとき
- 仕事用とプライベート用のGoogleアカウントを使い分け
- ECサイトで別のアカウントで価格比較
- 検索履歴を残したくないとき
- 家族へのサプライズプレゼントの調査
- プライベートな内容の検索
- Webサイトのテストをするとき
- ログイン状態に影響されない「クリーンな状態」で確認
- キャッシュの影響を受けずにサイトを確認
プライベートモードの使い方
起動方法
方法1:ショートカットキー(一番早い)
- Windows・Linux:
Ctrl + Shift + N
- Mac:
⌘ + Shift + N
方法2:メニューから
- Chromeを開く
- 右上の「⋮」(三点メニュー)をクリック
- 「シークレット ウィンドウを開く」を選択
方法3:右クリックから(Windows)
- Chromeのアイコンを右クリック
- 「シークレット ウィンドウを開く」を選択
見た目の違い
シークレットモードで開くと:
- ウィンドウが暗い色(ダークテーマ)になる
- アドレスバーに帽子とサングラスのアイコンが表示される
- 「シークレットモードです」というメッセージが表示される
終了方法
- シークレットウィンドウやタブを閉じるだけで終了
- 閉じた瞬間にセッション情報も削除される
- 通常のChromeウィンドウは影響を受けない
保存されない情報、される情報の詳細
? 保存されない情報(ローカル)
項目 | 詳細 |
---|---|
閲覧履歴 | どのサイトを訪問したかの記録 |
Cookieとサイトデータ | ログイン状態、ショッピングカートの中身 |
検索履歴 | 検索ボックスに入力した内容 |
フォーム入力情報 | 住所、電話番号などの自動入力候補 |
キャッシュファイル | サイトの画像や一時ファイル |
⚠️ 保存される・追跡される可能性のある情報
追跡元 | 見える情報 | 対策の有無 |
---|---|---|
アクセスしたWebサイト | あなたのIPアドレス、アクセス時刻 | ❌ |
インターネットプロバイダ(ISP) | アクセス先のサイト、通信時刻 | ❌ |
会社・学校のネットワーク | 業務時間中のアクセス履歴 | ❌ |
ダウンロードしたファイル | パソコンのダウンロードフォルダに保存 | ⚠️ 手動削除が必要 |
重要:完全な匿名ではない
プライベートモード ≠ 完全に匿名
以下の人たちはあなたのアクセス履歴を見ることが可能です:
- ネットワーク管理者(会社・学校・カフェなど)
- インターネット回線の提供会社
- アクセスしたWebサイト自身
実際の使用例

例1:家族共用パソコンでの買い物
状況:お父さんの誕生日プレゼントを内緒で調べたい
解決:シークレットモードで検索・購入
結果:検索履歴や閲覧履歴が残らず、サプライズが成功
例2:複数のメールアカウント使い分け
状況:仕事用とプライベート用のGmailを同時に使いたい
解決:通常ウィンドウで仕事用、シークレットでプライベート用
結果:ログアウト・ログインの手間が不要
例3:ネットカフェでの安全な利用
状況:外出先でネットカフェを利用
解決:シークレットモードでログイン・作業
結果:履歴が残らず、次の人に情報が漏れない
プライベートモード利用時の注意点
よくある誤解
誤解 | 実際 |
---|---|
「完全に匿名になる」 | ISPやサイト管理者には見える |
「ウイルスから守ってくれる」 | セキュリティ機能ではない |
「拡張機能も使える」 | 多くの拡張機能は無効になる |
「ダウンロードも記録されない」 | ファイルはパソコンに残る |
安全に使うためのコツ
1. 公共のパソコンでは必須
- ネットカフェ、図書館、ホテルなどでは必ずシークレットモードを使用
- 使用後は念のため完全にログアウト
2. ダウンロードファイルに注意
- シークレットモードでダウンロードしてもファイルは残る
- 重要なファイルは使用後に手動で削除
3. パスワード入力時の確認
- 「パスワードを保存しますか?」は**「いいえ」**を選択
- ログイン後は必ずログアウトを確認
4. 拡張機能の設定確認
- 必要な拡張機能は**事前に「シークレットモードで許可」**に設定
- 広告ブロックなどが効かない場合がある
セキュリティを更に高めたい場合
VPNとの組み合わせ
- より高い匿名性が必要な場合はVPNサービスを利用
- IPアドレスも隠すことができる
Torブラウザの検討
- より強力な匿名性が必要な場合
- ただし動作が重くなる
他のブラウザとの比較
ブラウザ | プライベートモードの名称 | 特徴 |
---|---|---|
Chrome | シークレットモード | 最もよく使われている |
Firefox | プライベートブラウジング | トラッキング防止機能が強い |
Edge | InPrivateブラウジング | Microsoftアカウントとの連携 |
Safari | プライベートブラウジング | Apple製品間での同期 |
トラブルシューティング

よくある問題と解決法
1. 拡張機能が使えない
解決法:Chrome設定 → 拡張機能 → 対象の拡張機能 →
「シークレットモードでの実行を許可する」をオン
2. サイトが正常に表示されない
解決法:一度通常モードで確認。Cookieが必要な場合がある
3. ログイン情報が保存されない
解決法:これは正常な動作。シークレットモード終了で情報は削除される
まとめ:プライベートモードを賢く使おう
重要なポイント
- 履歴やCookieを保存しない便利な機能
- 簡単なショートカット(Ctrl+Shift+N)ですぐ使える
- 完全な匿名性はないので過信は禁物
- 公共のパソコンでは必須の機能
使い分けのコツ
場面 | モード | 理由 |
---|---|---|
普段の作業 | 通常モード | 履歴やログイン状態を保持 |
他人のPC使用 | シークレットモード | 履歴を残さない |
複数アカウント使い分け | シークレットモード | ログイン状態を分離 |
プライベートな検索 | シークレットモード | 検索履歴を残さない |
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