Chromeで何かを入力し始めると、自動的に候補が表示されたり、過去に入力した内容が出てきたりしますよね。
この便利な機能がオートコンプリート(自動入力)です。フォームの入力を楽にしてくれる一方で、「他人に見られたくない履歴が出てきて困る」「邪魔な候補を消したい」と感じることもあるはず。
この記事では、Chromeのオートコンプリート機能について、設定方法から履歴の削除、プライバシー保護まで、詳しく解説します。便利に使いこなすコツから、完全に無効化する方法まで、あなたの悩みに合った解決策が見つかりますよ!
オートコンプリートとは何か

まず、オートコンプリート機能の基本を理解しましょう。
オートコンプリートの仕組み
オートコンプリート(Autocomplete / 自動入力)とは、過去の入力内容をChromeが記憶し、次回入力時に候補として表示する機能です。
具体例:
- 検索ボックスで「天気」と入力→過去に検索した「天気予報 東京」が候補に表示
- 名前欄に「田」と入力→「田中太郎」が候補に表示
- メールアドレス欄に「t」と入力→「tanaka@example.com」が候補に表示
Chromeが記憶する情報の種類
Chromeのオートコンプリートは、以下の情報を記憶しています:
1. 検索候補
検索ボックスでの過去の検索キーワード
2. URL(アドレスバー)
過去に訪問したサイトのURL
3. フォームの入力内容
- 名前
- メールアドレス
- 電話番号
- 住所
- その他のテキスト入力
4. パスワード
サイトのログイン情報(別途パスワードマネージャー機能)
5. 支払い情報
クレジットカード番号、有効期限など(別途設定)
オートコンプリートのメリット
入力が楽:
毎回同じ情報を入力する手間が省けます。
入力ミスが減る:
自動入力なので、タイプミスが起きません。
時間短縮:
フォーム入力が数秒で完了します。
オートコンプリートのデメリット
プライバシーリスク:
他人にパソコンを見られると、個人情報が漏れる可能性があります。
誤入力のリスク:
古い情報や間違った情報が残っていると、誤入力につながります。
邪魔な候補:
使わない候補が表示され続けることがあります。
オートコンプリートの種類別設定
Chromeには複数のオートコンプリート設定があります。
1. フォームの自動入力設定
名前、住所、電話番号などのフォーム入力に関する設定です。
設定を確認・変更する:
- Chrome設定を開く
- 右上の「⋮」→「設定」
- 自動入力とパスワード
- 左メニューの「自動入力とパスワード」をクリック
- 住所やその他の情報
- 「住所やその他の情報」を選択
自動入力をオフにする:
- 「住所を保存して入力する」をオフにする
登録済み情報を編集・削除:
- 一覧から編集したい項目の「⋮」をクリック
- 「編集」または「削除」を選択
2. パスワードの自動入力設定
ログイン情報の保存と自動入力に関する設定です。
設定場所:
- Chrome設定→「自動入力とパスワード」
- 「Googleパスワードマネージャー」を選択
自動入力をオフにする:
- 「パスワードの保存を確認する」をオフ
- 「自動ログイン」をオフ
個別のパスワードを削除:
- 保存済みパスワード一覧を表示
- 削除したいサイトの「⋮」をクリック
- 「削除」を選択
3. 支払い方法の自動入力設定
クレジットカード情報などの設定です。
設定場所:
- Chrome設定→「自動入力とパスワード」
- 「お支払い方法」を選択
自動入力をオフにする:
- 「お支払い方法を保存して入力する」をオフ
カード情報を削除:
- 登録済みカードの「⋮」→「削除」
4. 検索候補の設定
検索ボックスでの候補表示に関する設定です。
設定場所:
- Chrome設定→「検索エンジン」
- 「検索エンジンの管理」
候補表示をオフにする:
検索エンジンごとに設定が異なります。Google検索の場合、完全にオフにするのは難しいですが、シークレットモードを使えば履歴は残りません。
5. URLバーの候補設定
アドレスバーでの候補表示に関する設定です。
設定場所:
- Chrome設定→「プライバシーとセキュリティ」
- 「アドレスバーと検索」
候補を減らす:
- 「ブックマーク」「履歴」「検索候補」などの項目をオフにできます
オートコンプリートを完全に無効化する方法
すべてのオートコンプリートを停止したい場合の手順です。
すべての自動入力をオフにする
手順:
- Chrome設定を開く
- 自動入力とパスワードに移動
- 以下をすべてオフにする:
- 住所やその他の情報:「住所を保存して入力する」→オフ
- お支払い方法:「お支払い方法を保存して入力する」→オフ
- パスワード:「パスワードの保存を確認する」→オフ
既存のデータも削除する
オフにしただけでは、既に保存されているデータは残ります。
すべてのデータを削除:
- Chrome設定→「プライバシーとセキュリティ」
- 閲覧履歴データの削除をクリック
- 期間:「全期間」を選択
- 削除する項目:
- ☑ 閲覧履歴
- ☑ Cookieと他のサイトデータ
- ☑ 自動入力フォームのデータ
- ☑ パスワードとその他のログインデータ
- 「データを削除」をクリック
注意:
これを実行すると、すべてのサイトからログアウトされ、保存済みのパスワードもすべて消えます。
個別の候補を削除する方法
特定の候補だけを消したい場合の操作です。
フォーム入力候補の削除
方法1:候補から直接削除
- 入力欄をクリックして候補を表示
- 削除したい候補にカーソルを合わせる
- Windows:
Shift + Delete - Mac:
Fn + Shift + Delete
方法2:設定から削除
- Chrome設定→「自動入力とパスワード」→「住所やその他の情報」
- 削除したい項目の「⋮」→「削除」
検索履歴の削除
個別に削除:
Google検索の場合、検索候補は主にGoogleアカウントの検索履歴に基づきます。
- myactivity.google.comにアクセス
- 削除したい検索履歴の「×」をクリック
一括削除:
- 「削除」→「期間指定して削除」
- 期間を選択して削除
URL候補の削除
個別のURLを削除:
- アドレスバーに入力して候補を表示
- 削除したいURLにカーソルを合わせる
- Windows:
Shift + Delete - Mac:
Fn + Shift + Delete
履歴から完全削除:
Ctrl + H(Mac:Command + Y)で履歴を開く- 削除したいページの「⋮」→「履歴から削除」
プライバシーを守る使い方

オートコンプリートとプライバシーの両立について。
シークレットモードを活用
シークレットモードでは、オートコンプリートの履歴が残りません。
開き方:
- Windows/Linux:
Ctrl + Shift + N - Mac:
Command + Shift + N
特徴:
- 入力内容が保存されない
- 履歴が残らない
- ウィンドウを閉じると、すべてのデータが削除される
使い分け:
- 通常モード:よく使う情報は自動入力で便利に
- シークレットモード:プライベートな検索や入力
プロフィール分けで管理
仕事用とプライベート用を分ける:
- Chrome右上のプロフィールアイコンをクリック
- 「追加」で新しいプロフィールを作成
- それぞれ独立したオートコンプリート設定
メリット:
- 仕事用とプライベートの情報が混ざらない
- プライバシーを保ちながら、便利さも維持
定期的にデータをクリア
月に1回程度、古いデータを削除:
- Chrome設定→「プライバシーとセキュリティ」
- 「閲覧履歴データの削除」
- 「自動入力フォームのデータ」を選択して削除
自動化:
「すべてのウィンドウを閉じるときに Cookie とサイトデータを削除する」をオンにすると、Chromeを閉じるたびに自動削除されます。
共有PCでの注意点
家族や職場でPCを共有している場合:
推奨設定:
- オートコンプリートをオフにする
- または、自分専用のプロフィールを作る
- 使用後は必ずログアウト
- シークレットモードを使う
NGな行動:
- パスワードの保存をオンのまま
- クレジットカード情報を保存
- 個人情報の自動入力を有効のまま
便利なオートコンプリート活用術
効率的な使い方を紹介します。
複数の住所を登録
自宅、職場、実家など:
- Chrome設定→「住所やその他の情報」
- 「追加」で複数の住所を登録
- 入力時に選択できる
使い分け:
- 自宅用:ネットショッピング
- 職場用:業務関連のフォーム
- 実家用:ギフト送付
ニックネームを活用
複数のメールアドレスや住所に、分かりやすい名前を付けられます。
例:
- 「仕事用メール」
- 「プライベート用メール」
- 「配送先:自宅」
- 「配送先:職場」
テンプレート登録
よく使うフレーズを登録しておくと便利です。
例:
- お問い合わせフォームの定型文
- 住所の英語表記
- 会社情報
登録方法:
一度入力すれば、Chromeが自動的に記憶します。
スマホ版Chromeでのオートコンプリート
モバイル版でも同様の機能があります。
Android版Chromeの設定
自動入力の設定:
- Chrome アプリを開く
- 右上の「⋮」→「設定」
- 「自動入力とパスワード」
候補を削除:
- 各項目を開いて、削除したいものを選択
- 「削除」をタップ
iPhone/iPad版Chromeの設定
自動入力の設定:
- Chrome アプリを開く
- 右下の「⋮」→「設定」
- 「自動入力」
候補を削除:
- 各項目から削除可能
PC版との同期
Googleアカウントでログインしていると:
- PC版で登録した情報がスマホにも同期
- スマホで入力した情報もPCに同期
同期をオフにする:
- 設定→「同期とGoogleサービス」
- 「同期」をオフ
- または「同期の管理」で「自動入力」だけオフ
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法です。
問題1:候補が表示されない
原因:
- 自動入力設定がオフになっている
- 同期が無効になっている
解決策:
- 設定を確認
- Chrome設定→「自動入力とパスワード」
- 各項目がオンになっているか確認
- Chromeを再起動
- 完全に終了してから再度開く
- 同期を確認
- 設定→「同期とGoogleサービス」
- 「自動入力」がオンか確認
問題2:古い情報が消えない
原因:
情報が複数箇所に保存されている。
解決策:
- Chrome設定から削除
- 「住所やその他の情報」で該当項目を削除
- Googleアカウントから削除
- myaccount.google.com
- 「個人情報」→「連絡先情報」で確認・削除
- キャッシュをクリア
- 「閲覧履歴データの削除」で「自動入力フォームのデータ」を削除
問題3:シークレットモードでも候補が出る
原因:
Googleアカウントにログインしていると、一部の候補が表示されます。
解決策:
- シークレットモードでもログアウトする
- または、Googleアカウントの検索履歴を削除
問題4:特定のサイトだけ自動入力されない
原因:
サイト側が自動入力を無効化している場合があります。
解決策:
- サイトの仕様なので、Chromeでは対処できません
- 手動で入力するしかありません
- 拡張機能(LastPassなど)を使う方法も
問題5:間違った情報が自動入力される
原因:
複数の情報が登録されており、誤ったものが選ばれている。
解決策:
- 不要な情報を削除
- Chrome設定で古い情報を削除
- 正しい情報を最初に配置
- よく使う情報を一番上に移動
- 手動で選択
- 入力欄をクリックして、候補から選ぶ
セキュリティ上の注意点
オートコンプリートを安全に使うための注意事項です。
パスワードの保存リスク
リスク:
パソコンに不正アクセスされると、保存されたパスワードがすべて見られます。
対策:
- Windowsログインパスワードを設定
- パソコン自体にロックをかける
- Chrome同期パスフレーズを設定
- 設定→「同期とGoogleサービス」→「暗号化オプション」
- 「独自のパスフレーズで暗号化する」を選択
- 専用パスワードマネージャーを使う
- 1Password、Bitwarden、LastPassなど
クレジットカード情報の保存
推奨:
クレジットカード情報の保存は、セキュリティリスクがあるため、慎重に。
安全な使い方:
- 信頼できる自分のPCのみ保存
- 共有PCでは絶対に保存しない
- CVV(セキュリティコード)は保存されないので、毎回入力が必要
フィッシングサイトへの注意
リスク:
偽サイト(フィッシングサイト)で自動入力されると、情報が盗まれます。
対策:
- URLを必ず確認する
- HTTPSか確認する(鍵マークが表示されているか)
- 怪しいサイトでは手動入力する
よくある質問(FAQ)
Q1: オートコンプリートとパスワードマネージャーの違いは?
A: オートコンプリートは、フォームの一般的な入力情報(名前、住所など)を保存します。パスワードマネージャーは、ログイン情報(ユーザー名、パスワード)に特化した機能です。Chromeには両方が統合されています。
Q2: 他のブラウザにオートコンプリートのデータを移行できますか?
A: Chromeの自動入力データを直接エクスポートする機能はありませんが、パスワードはエクスポート可能です(CSV形式)。住所などのデータは、手動で他のブラウザに入力する必要があります。
Q3: 会社のPCでオートコンプリートを使っても大丈夫?
A: 会社のポリシーによりますが、一般的には個人情報の保存は避けるべきです。特にパスワードやクレジットカード情報は保存しないでください。
Q4: オートコンプリートのデータはどこに保存されていますか?
A: ローカルには、Chromeのプロフィールフォルダに保存されます。同期をオンにしている場合は、Googleのサーバーにも暗号化されて保存されます。
Q5: シークレットモードでオートコンプリートは使えますか?
A: 既存の保存済みデータを使って自動入力はできますが、シークレットモードでの新しい入力内容は保存されません。
Q6: オートコンプリートの候補の順番を変更できますか?
A: Chrome側で順番を直接変更する機能はありません。ただし、よく使う情報を編集して更新すると、その情報が優先される傾向があります。
まとめ:オートコンプリートを賢く使おう
Chromeのオートコンプリート機能について、重要なポイントをまとめます。
オートコンプリートの種類:
- フォームの自動入力(名前、住所、電話番号)
- パスワードの自動入力
- 支払い情報の自動入力
- 検索候補
- URL候補
主要な設定場所:
- Chrome設定→「自動入力とパスワード」
- ここですべての自動入力を管理
オン/オフの切り替え:
- 各項目を個別にオン/オフ可能
- 完全に無効化することも可能
候補の削除方法:
個別削除:
- 候補表示中に
Shift + Delete(Windows) - 候補表示中に
Fn + Shift + Delete(Mac)
一括削除:
- 「閲覧履歴データの削除」で「自動入力フォームのデータ」を選択
プライバシー保護のコツ:
- 共有PCでは自動入力をオフ
- シークレットモードを活用
- プロフィール分けで管理
- 定期的にデータをクリア
- パスワードは慎重に保存
便利な使い方:
- 複数の住所を登録
- ニックネームで管理
- よく使うフレーズを登録
- PC・スマホで同期
セキュリティ注意点:
- パスワードの保存はリスクがある
- クレジットカード情報は慎重に
- フィッシングサイトに注意
- 共有PCでは特に注意
トラブル時の対処:
- 候補が出ない→設定を確認、Chrome再起動
- 古い情報が消えない→設定とGoogleアカウント両方から削除
- 間違った情報→不要な情報を削除
オートコンプリート機能は、使い方次第でとても便利なツールです。プライバシーとセキュリティに配慮しながら、効率的に活用しましょう。
自分の使用環境(自宅の専用PC、共有PC、職場PCなど)に応じて、適切な設定を選んでくださいね!
関連キーワード: Google Chrome、オートコンプリート、自動入力、フォーム入力、パスワード管理、プライバシー、セキュリティ、履歴削除、シークレットモード、パスワードマネージャー

コメント