「ChatGPTで音声会話ができるって聞いたけど、どうやって使うの?」
そんな疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
実はChatGPTには、まるで人と話しているような自然な音声会話ができる「ボイスチャット機能」があるんです。
キーボードで文字を打つ必要はありません。スマホに向かって話すだけで、ChatGPTが音声で答えてくれます。
料理中で手が離せない時、運転中、散歩しながら、ベッドで寝転がりながら――いつでもどこでも、気軽にAIと会話できるようになりました。
この記事では、ChatGPTのボイスチャット機能について、基本的な仕組みから具体的な使い方、便利な活用法まで分かりやすく解説していきます。
ChatGPTのボイスチャット(音声会話機能)とは?

音声会話機能の基本
ChatGPTのボイスチャット機能は、音声でChatGPTと双方向の会話ができる機能です。
特徴:
- あなたが話す→ChatGPTが音声で答える
- キーボード入力不要
- ハンズフリーで使える
- まるで電話で話しているような感覚
従来のテキストチャットと違い、思いついたことをそのまま口に出すだけで、すぐにChatGPTから答えが返ってくるんです。
音声「入力」との違い
ここで注意したいのが、ChatGPTには2種類の音声機能があることです。
1. 音声入力機能
- あなたが音声で話す
- ChatGPTの答えはテキストで表示される
- 一方向の機能
2. 音声会話機能(ボイスチャット)
- あなたが音声で話す
- ChatGPTも音声で答えてくれる
- 双方向の会話が可能
この記事で解説するのは、2の音声会話機能(ボイスチャット)です。
高度なボイスモード(Advanced Voice Mode)
2024年から、ChatGPTの音声機能はさらに進化しました。
従来の音声モードを大幅に改良した「高度なボイスモード」(Advanced Voice Mode)が登場したんです。
高度なボイスモードの特徴:
- 超高速レスポンス:平均320ミリ秒、最速232ミリ秒で応答(人間の会話と同じ速さ)
- 自然な会話:話の途中で割り込んでもスムーズに対応
- 感情表現:声のトーンや速さで感情を表現できる
- 9種類の声:男性5種類、女性4種類から選べる
- 50以上の言語対応:日本語も含む多言語で会話可能
従来の音声モードとの違い
従来の音声モードと高度なボイスモードでは、何が違うのでしょうか?
従来の音声モード(旧バージョン)
処理の流れ:
- あなたの音声を録音
- 音声をテキストに変換(文字起こし)
- テキストをChatGPTに送信
- ChatGPTがテキストで回答を生成
- テキストを音声に変換(読み上げ)
- 音声で再生
このように、6つのステップを踏んでいたため、どうしても遅延が発生していました。
デメリット:
- 応答が遅い(数秒かかる)
- 声のトーンやニュアンスが失われる
- 途中で割り込めない
- 大きな声ではっきり話す必要があった
高度なボイスモード(新バージョン)
処理の流れ:
- あなたの音声を直接ChatGPTに送信
- ChatGPTが音声を理解して音声で回答
わずか2ステップ!
テキスト変換のプロセスが省略されたことで、驚くほどスムーズになりました。
メリット:
- ほぼ遅延なし(人間との会話と同じ速さ)
- 声のトーンや感情も理解してくれる
- 途中で割り込んでもOK
- 自然な声の大きさで話せる
- よりリラックスして会話できる
無料版と有料版の違い
ChatGPTの音声会話機能は、無料版でも使えます。ただし、制限があるんです。
無料版(ChatGPT Free)
使える機能:
- 基本的な音声会話機能は利用可能
- 音声でのやり取りができる
制限:
- 10回程度会話すると、性能の低いモデル(GPT-4o mini)に切り替わる
- 高度なボイスモードの一部機能が制限される
- 1日の使用回数に制限あり
有料版(ChatGPT Plus / Team / Pro)
料金:
- ChatGPT Plus:月額20ドル(約3,000円)
- ChatGPT Team:月額25ドル(ユーザーあたり)
- ChatGPT Pro:月額200ドル(約30,000円)
使える機能:
- 高度なボイスモード(Advanced Voice Mode)が使える
- 高性能なGPT-4oモデルで会話できる
- より自然で流暢な会話が可能
制限:
- 1日あたり15〜60分程度の使用時間制限あり
- 残り時間が少なくなると通知が来る
- 制限に達すると、GPT-4o miniに切り替わる
注意点:
ChatGPT Proプランの場合、制限なしで使えます。
ボイスチャットの使い方:スマホアプリ編
スマホアプリが最も簡単で、おすすめの方法です。
事前準備
必要なもの:
- スマートフォン(iPhone または Android)
- ChatGPTアプリ(無料でダウンロード可能)
- マイク機能(ほとんどのスマホに標準搭載)
使い方の手順
1. ChatGPTアプリを開く
スマホのホーム画面からChatGPTアプリをタップして起動します。
2. 音声アイコンをタップ
画面右下にあるヘッドフォンマーク(または音声アイコン)をタップします。
初めて使う場合、マイクへのアクセス許可を求められるので「許可」をタップしてください。
3. 声を選択(初回のみ)
初めて使う時は、ChatGPTの声を選べます。
選べる声(9種類):
男性の声:
- Breeze(ブリーズ):フレンドリーで軽やか
- Cove(コーブ):落ち着いた優しい声
- Ember(エンバー):温かくプロフェッショナル
- その他2種類
女性の声:
- Juniper(ジュニパー):穏やかでスムーズ
- Mable(メイブル):ダイナミックで元気
- その他2種類
自分の好みや用途に合わせて選びましょう。後から設定で変更もできます。
4. 話しかける
画面中央に青い球体(オーブ)が表示されたら、準備完了です。
そのまま自然に話しかけてください。
例:
- 「今日の天気はどう?」
- 「英語で『おはよう』ってなんて言うの?」
- 「夕飯のレシピを教えて」
5. ChatGPTが音声で応答
ChatGPTが音声で答えてくれます。
会話の内容はテキストでも表示されるので、後から見返すこともできますよ。
便利な操作方法
ミュート機能
画面左下のマイクアイコンをタップすると、自分の声をミュートできます。
使う場面:
- 考える時間が欲しい時
- 周りの雑音を拾わせたくない時
- 一時的に会話を中断したい時
赤くなっているマイクをもう一度タップすると、ミュート解除されます。
会話の終了
画面右下の終了アイコン(×マーク)をタップすると、音声会話が終了します。
途中で割り込む
高度なボイスモードなら、ChatGPTが話している途中でも、あなたが話し始めれば自動的に認識してくれます。
人間との会話と同じように、自然に割り込んでOKです。
ボイスチャットの使い方:PC編

PC(パソコン)でも音声会話ができるようになりました。
ブラウザ版(公式対応)
2025年現在、PCのブラウザでも公式に音声会話機能が使えます。
対応ブラウザ:
- Google Chrome
- Microsoft Edge
- その他主要ブラウザ
手順:
- ブラウザでChatGPT(https://chatgpt.com)にアクセス
- ログインする
- 画面右側のプロンプト入力欄の横にある音声アイコンをクリック
- 初回はマイクへのアクセス許可を求められるので「許可」をクリック
- 画面中央にオーブが表示されたら、話しかける
Chrome拡張機能(非公式・旧方式)
以前はChrome拡張機能を使う方法もありましたが、現在は公式のブラウザ版が利用できるため、拡張機能は不要です。
ただし、拡張機能を使うと細かいカスタマイズができる場合もあります。
注意点:
非公式の拡張機能は、従来の方式(音声→テキスト→音声)を使っているため、高度なボイスモードと比べると性能が劣ります。
ボイスチャットの活用方法
音声会話機能は、さまざまな場面で活躍します。
1. 英会話・語学学習
活用例:
- 「英語で日常会話の練習をしたい」
- 「フランス語で自己紹介する方法を教えて」
- 「中国語の発音を練習したい」
ChatGPTが会話相手になってくれるので、恥ずかしがらずに何度でも練習できます。
具体的な使い方:
「英語で会話の練習をしよう。私が日本語で話したら、それを英語に翻訳して、その後英語で質問してきて」
このように指示すれば、双方向の語学練習ができます。
2. 料理中のアシスタント
活用例:
- 「カレーの作り方を教えて。手順を一つずつ言ってね」
- 「次は何をすればいい?」
- 「この材料の代わりに使えるものは?」
手がふさがっている料理中でも、ハンズフリーで質問できるのがとても便利です。
3. 運転中・散歩中のブレインストーミング
活用例:
- 「ビジネスアイデアについて相談したい」
- 「今考えてることを整理したいんだけど、聞いてくれる?」
- 「この問題、どう解決すればいいかな?」
移動中でも、思考を整理したり、アイデアを出したりできます。
4. 子供の学習サポート
活用例:
- 「算数の問題が分からないんだけど、教えて」
- 「恐竜について知りたい」
- 「読書感想文のアイデアをください」
子供でも簡単に使えるので、宿題のサポートに最適です。
5. プレゼンや面接の練習
活用例:
- 「明日の面接の練習をしたい。面接官役をやって」
- 「プレゼンのリハーサルをするから、フィードバックして」
- 「この自己紹介、どう改善すればいい?」
実際に声に出して練習することで、本番に強くなれます。
6. 寝る前のリラックス
活用例:
- 「今日あった出来事を聞いてくれる?」
- 「リラックスできる話をして」
- 「眠れないんだけど、どうすればいい?」
ベッドで寝転がりながら、気軽に会話できます。
7. 翻訳・通訳
活用例:
- 「おばあちゃんと話したいんだけど、英語とフランス語で通訳して」
- 「海外旅行で使えるフレーズを教えて」
リアルタイムで翻訳してくれるので、言語の壁を越えられます。
音声を変更する方法
ChatGPTの声が気に入らなかったり、気分転換したい時は、いつでも変更できます。
スマホアプリでの変更方法
手順:
- ChatGPTアプリを開く
- 左上のメニュー(三本線)をタップ
- 画面下部の自分の名前をタップ
- 「設定」を選択
- 「音声」または「読み上げ」を選択
- 好きな声を選ぶ
音声会話中に変更する方法
方法:
音声会話中に、画面右上のカスタマイズメニューから声を変更できます。
または、直接ChatGPTに頼むこともできます。
例:
「声をもっと落ち着いたものに変えて」
「女性の声に変更してください」
トラブルシューティング
音声会話がうまく動作しない時の対処法をまとめます。
マイクが使えない
原因:
アプリにマイクの使用許可が出ていない。
解決方法(iPhone):
- 「設定」アプリを開く
- 下にスクロールして「ChatGPT」を探す
- 「マイク」をタップ
- 「許可」をオンにする
解決方法(Android):
- 「設定」アプリを開く
- 「アプリ」→「ChatGPT」を選択
- 「権限」をタップ
- 「マイク」を「許可」に変更
音声が正しく認識されない
考えられる原因と対策:
1. 周囲の雑音が多い
- 静かな場所で試す
- イヤホンマイクを使う
- 高度なボイスモードは敏感なので、できるだけ静かな環境で
2. 話し方の問題
- はっきりと話す
- 早口すぎない
- マイクに近づきすぎない
3. ネット接続の問題
- Wi-Fiまたはモバイルデータ通信が安定しているか確認
- 電波の良い場所に移動
音声会話が途中で止まる
原因:
1日の使用制限に達した可能性があります。
解決方法:
- 無料版の場合:翌日まで待つ、またはChatGPT Plusにアップグレード
- 有料版の場合:翌日まで待つ(制限は24時間ごとにリセット)
制限に達すると、性能の低いモデル(GPT-4o mini)に切り替わりますが、会話自体は続けられます。
声が聞こえない
チェックポイント:
- デバイスの音量を確認
- マナーモードになっていないか確認
- Bluetoothヘッドフォンの接続を確認
- アプリ内の音量設定を確認
セキュリティとプライバシー

音声会話を使う上で、気になるのがプライバシーですよね。
音声データの扱い
OpenAIの方針:
- 音声クリップは会話履歴と一緒に保存される
- 会話の文字起こし(テキスト)も保存される
- チャット履歴で、どの会話が音声会話だったか分かるようになっている
データの削除方法
手順:
- ChatGPTアプリまたはWebサイトを開く
- 左側のチャット履歴から、削除したい会話を見つける
- 会話をクリックして「…」メニューを開く
- 「削除」を選択
削除した会話の音声データは、30日以内に完全に削除されます。
学習への利用
デフォルト設定:
音声データは、OpenAIのモデル改善のために使われることがあります。
オプトアウト(拒否)する方法:
- ChatGPTの設定を開く
- 「データコントロール」を選択
- 「モデルの改善に使用しない」をオンにする
これで、あなたの音声データはモデルの学習に使われなくなります。
安全に使うためのポイント
注意すべきこと:
- 個人を特定できる情報(住所、クレジットカード番号など)は話さない
- パスワードやセキュリティコードは絶対に言わない
- 公共の場所で使う時は、周りに聞かれる可能性を考慮する
- 重要な会話は削除する
よくある質問(Q&A)
Q1: 無料版でも音声会話は使えますか?
A: はい、使えます。
ただし、10回程度会話すると性能の低いモデルに切り替わります。制限なく使いたい場合は、ChatGPT Plus(月額20ドル)への加入がおすすめです。
Q2: 日本語でも自然に会話できますか?
A: はい、日本語を含む50以上の言語に対応しています。
ただし、高度なボイスモードの日本語の声の質は、英語版と比べるとまだ改善の余地があるかもしれません。
Q3: オフラインでも使えますか?
A: いいえ、インターネット接続が必要です。
音声データをクラウドに送信して処理するため、Wi-Fiまたはモバイルデータ通信が必要です。
Q4: Bluetoothイヤホンは使えますか?
A: はい、使えます。
AirPodsなどのBluetoothイヤホンを接続すれば、より快適に音声会話ができます。
Q5: 車の運転中に使っても大丈夫?
A: 法律上は問題ありませんが、注意が必要です。
運転に集中することが最優先です。複雑な質問や長い会話は避け、簡単な質問にとどめましょう。
Q6: 子供が使っても安全ですか?
A: 基本的には安全ですが、保護者の監督をおすすめします。
ChatGPTは有害なコンテンツをフィルタリングしていますが、完璧ではありません。子供が使う場合は、保護者が一緒にいる時に使わせるのが良いでしょう。
Q7: 複数の言語を混ぜて話しても大丈夫?
A: はい、対応しています。
例えば、日本語と英語を混ぜて話しても、ChatGPTは理解してくれます。
Q8: 会話の履歴はどこで見られますか?
A: チャット履歴で確認できます。
音声会話の内容もテキストとして保存されているので、アプリやWebサイトの左側のチャット履歴から見返せます。
まとめ
ChatGPTのボイスチャット(音声会話機能)について、重要なポイントをまとめます。
ボイスチャットとは:
- 音声でChatGPTと双方向の会話ができる機能
- キーボード入力不要で、ハンズフリーで使える
- まるで人と話しているような自然な会話が可能
2つのモード:
- 従来の音声モード:音声→テキスト→音声の変換あり
- 高度なボイスモード:音声を直接理解、超高速で自然な会話
使える環境:
- スマホアプリ(iPhone・Android):最も簡単でおすすめ
- PCブラウザ版:公式対応(2025年現在)
- 無料版でも利用可能(制限あり)
料金:
- 無料版:10回程度で制限
- ChatGPT Plus(月額20ドル):1日15〜60分まで
- ChatGPT Pro(月額200ドル):制限なし
活用シーン:
- 語学学習
- 料理中のアシスタント
- 運転中・散歩中のブレインストーミング
- プレゼン・面接の練習
- 子供の学習サポート
- リラックス目的の会話
注意点:
- インターネット接続が必要
- 音声データは保存される(削除可能)
- 個人情報は話さない
- 静かな環境で使うと認識精度が上がる
ChatGPTのボイスチャットは、AIとのコミュニケーションを劇的に変える革新的な機能です。
テキスト入力の手間が省け、思いついたことをそのまま口に出すだけで、すぐに答えが返ってきます。
料理中や運転中、散歩中など、これまでChatGPTを使えなかった場面でも活用できるようになりました。
まずはスマホアプリをダウンロードして、「こんにちは」と話しかけてみてください。
AIとの新しいコミュニケーションの形を、ぜひ体験してみてくださいね!

コメント