ターミナル操作をもっと快適にしたい!補完機能を強化したい!そんなときにおすすめなのが「zsh(Z Shell)」です。
CentOSでは標準でbashが使われていますが、zshをインストールすることでカスタマイズ性の高い・見た目もおしゃれなシェル環境が手に入ります。
この記事では、CentOSにzshをインストールする手順から、ログインシェルの変更方法、おすすめの初期設定までをわかりやすく解説します。
zshとは?
zsh(Z Shell)は、bash互換の高機能シェルで、以下のような特徴があります。
- 自動補完・補完候補の一覧表示が強力
- プロンプトのカスタマイズが簡単
- プラグイン(例:oh-my-zsh)で機能拡張が可能
- Macでは標準シェルとして採用済み(Catalina以降)
- コマンド履歴検索が賢い
- スペルミスを自動修正してくれる
CentOSでzshをインストールする手順

テップ1:zshのインストール
CentOS 7/8 の場合
sudo yum install zsh
CentOS Stream や後継のAlmaLinux/Rocky Linuxでも同様:
sudo dnf install zsh
インストール中に「続行しますか?[y/N]」と聞かれたら、y
を入力してEnterキーを押してください。
ステップ2:バージョン確認
zsh --version
表示例:
zsh 5.8 (x86_64-redhat-linux-gnu)
これでインストール完了です!
ステップ3:試しに起動してみる
zshをインストールしただけでは、まだデフォルトシェルは変わっていません。試しに起動するには:
zsh
これで一時的にzshが起動します。
初回起動時は設定ウィザードが表示されるかもしれませんが、その場合は「2」を選んでEnterキーを押すと、基本的な設定ファイルが生成されます。
元のbashに戻るには:
exit
zshをログインシェルに設定する

zshを試して気に入ったら、ログイン時のデフォルトシェルとして設定しましょう。
現在のシェル確認
echo $SHELL
zshのパスを確認
which zsh
出力例:
/bin/zsh
シェルをzshに変更
chsh -s $(which zsh)
パスワードを求められたら入力してください。
変更の確認
再ログイン後、以下のコマンドでzshに変わっているか確認できます:
echo $SHELL
正しく設定できていれば、/bin/zsh
と表示されるはずです。
zshをもっと快適にする「oh-my-zsh」の導入(任意)

zshを使うなら、人気の設定管理ツール oh-my-zsh の導入がおすすめです!
必要なパッケージのインストール
oh-my-zshをインストールするには、git と curlが必要です:
sudo yum install git curl
oh-my-zshのインストール
sh -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/ohmyzsh/ohmyzsh/master/tools/install.sh)"
インストールが完了すると、自動的にzshの見た目が変わります!
主なメリット
- 多彩なテーマでプロンプトが見やすくなる
- gitやdockerなどのプラグイン多数
- 設定ファイル(
.zshrc
)がテンプレ化されるので簡単 - 多くのショートカットや便利な機能が標準装備
おすすめの設定
インストール後、.zshrc
ファイルを編集することで、テーマやプラグインをカスタマイズできます:
nano ~/.zshrc
テーマの変更
# デフォルトは「robbyrussell」
ZSH_THEME="agnoster" # 人気の高いテーマ
プラグインの追加
# デフォルトは「git」のみ
plugins=(git docker sudo web-search)
設定を変更したら、以下のコマンドで反映させます:
source ~/.zshrc
よくある質問とトラブル対策

chsh: command not found
→ chsh
が入っていない環境では以下でインストール:
sudo yum install util-linux-user
zshがインストール済なのに切り替わらない
→ ログアウトして再ログイン or ターミナルを再起動しましょう。
フォントが崩れる・文字化けする
→ oh-my-zshの一部のテーマは特殊なフォントが必要です。
以下のようなパワーライン対応フォントをインストールしましょう:
# EPELリポジトリが必要
sudo yum install epel-release
sudo yum install powerline-fonts
.zshrcの編集ミスで起動しなくなった
→ 一時的にbashに戻して修正しましょう:
bash
nano ~/.zshrc
zshの便利な使い方

賢い補完機能
- タブを2回押すと候補一覧が表示される
- 候補が多い場合は矢印キーで選択できる
強力な履歴検索
Ctrl+R
で履歴検索(インクリメンタル検索)- 上矢印キーで前に使ったコマンドを表示(bashと同じ)
- 履歴共有(複数のターミナルで共有)
ディレクトリスタック
dirs -v
で訪れたディレクトリの履歴表示cd -<数字>
で特定のディレクトリにジャンプ
まとめ
CentOSでもzshを使えば、ターミナル操作がグッと快適になります!
手順まとめ
ステップ | コマンド例 |
---|---|
インストール | sudo yum install zsh |
バージョン確認 | zsh --version |
ログインシェル変更 | chsh -s $(which zsh) |
oh-my-zsh導入 | curlスクリプトで一発インストール |
普段の作業効率を上げたい人は、ぜひこの機会にzshを試してみてください!
特にサーバー管理やプログラミングを行う方には、長時間のターミナル作業を快適にする強い味方となるでしょう。
zshはbashとの互換性も高いため、これまでのbashの知識や.bashrcの設定も大部分が活用できます。少しずつカスタマイズしながら、自分だけの使いやすいシェル環境を作り上げていきましょう!
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