「マウントできませんでした」エラーの原因と解決方法|外付けHDD・USBメモリが認識されない時の対処法

プログラミング・IT

「外付けHDDを接続したのに、マウントできませんでしたと表示される…」

大切なデータが入っているドライブが突然認識されなくなると、とても不安になりますよね。

「マウントできませんでした」というエラーは、外付けHDD、USBメモリ、SDカード、ISOファイルなど、様々な場面で発生します。しかし、原因を特定すれば、多くの場合は解決できるんです。

この記事では、「マウントできませんでした」エラーが発生する原因と、デバイス別・OS別の具体的な解決方法を詳しく解説していきます。

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  1. 「マウント」とは何か
    1. マウントの基本
    2. マウントエラーの種類
  2. マウントできない主な原因
    1. 原因1:物理的な接続の問題
    2. 原因2:ファイルシステムの破損
    3. 原因3:ドライブの物理的な故障
    4. 原因4:互換性の問題
    5. 原因5:権限の問題
    6. 原因6:ドライバの問題
  3. 【Mac】マウントできない時の対処法
    1. 対処法1:再接続を試す
    2. 対処法2:別のポートに接続
    3. 対処法3:ディスクユーティリティでFirst Aidを実行
    4. 対処法4:ターミナルから強制マウント
    5. 対処法5:NVRAMとSMCのリセット
    6. 対処法6:読み取り専用でマウント
    7. 対処法7:フォーマット(最終手段)
  4. 【Windows】マウントできない時の対処法
    1. 対処法1:デバイスマネージャーで確認
    2. 対処法2:ディスクの管理でドライブレターを割り当て
    3. 対処法3:CHKDSKでエラーチェック
    4. 対処法4:ドライバの更新
    5. 対処法5:USBコントローラーのリセット
    6. 対処法6:diskpartでクリーン
  5. デバイス別の対処法
    1. 外付けHDD/SSDの場合
    2. USBメモリの場合
    3. SDカードの場合
    4. ISOファイル・DMGファイルの場合
  6. データ復旧について
    1. 自分でできるデータ復旧
    2. 復旧ソフトの使い方(基本)
    3. 専門業者に依頼すべきケース
  7. 予防策
    1. 予防策1:安全な取り外しを徹底
    2. 予防策2:定期的なバックアップ
    3. 予防策3:良質なケーブルとハブを使う
    4. 予防策4:定期的なディスクチェック
    5. 予防策5:適切な環境で保管
  8. よくある質問
    1. Q: マウントできないドライブのデータは取り出せる?
    2. Q: フォーマットすれば直る?
    3. Q: 突然認識しなくなった原因は?
    4. Q: Macで使っていたドライブがWindowsで認識されない
    5. Q: エラーが出るけど時々マウントできる
  9. まとめ

「マウント」とは何か

まずは、マウントという言葉の意味を理解しておきましょう。

マウントの基本

マウントとは、ストレージデバイス(HDD、USBメモリなど)をコンピュータで使えるようにする処理のことです。

マウントの流れ

  1. デバイスを接続
  2. OSがデバイスを認識
  3. ファイルシステムを読み込む
  4. アクセス可能な状態になる(マウント完了)

この過程のどこかで問題が起きると、「マウントできませんでした」というエラーが表示されます。

マウントエラーの種類

エラーメッセージは、OSによって異なります。

Macでの表示

  • 「ディスクはマウントできませんでした」
  • 「操作が完了できませんでした」
  • 「このディスクは読み取れません」

Windowsでの表示

  • 「フォーマットする必要があります」
  • 「ドライブにアクセスできません」
  • 「ファイルまたはディレクトリが壊れています」

どちらも、ストレージにアクセスできない状態を示しています。

マウントできない主な原因

エラーが発生する原因は、いくつかあります。

原因1:物理的な接続の問題

最も多いのが、物理的な接続不良です。

具体例

  • USBケーブルの断線
  • ポートの接触不良
  • ケーブルの緩み
  • ハブの電力不足

特に古いケーブルは、見た目は正常でも内部で断線していることがあります。

原因2:ファイルシステムの破損

ファイルシステムが壊れていると、マウントできません。

原因となる出来事

  • 突然の電源断
  • 安全な取り外しをせずに抜いた
  • ウイルス感染
  • 不良セクタの発生

これは比較的よくある問題です。

原因3:ドライブの物理的な故障

ドライブ自体が壊れている可能性もあります。

症状

  • 異音がする(カチカチ、カラカラ)
  • 異常に熱い
  • 全く反応しない
  • 認識したり消えたりを繰り返す

この場合は、専門業者への依頼が必要になることもあります。

原因4:互換性の問題

フォーマット形式が、OSに対応していない場合があります。

非互換の例

  • WindowsでHFS+(Mac形式)を読もうとした
  • MacでNTFS(Windows形式)への書き込みを試みた
  • 古いファイルシステム(FAT32など)の制限

OSによって、対応するファイルシステムが異なります。

原因5:権限の問題

アクセス権限が適切でない場合もあります。

よくあるケース

  • 他のコンピュータでロックされている
  • 管理者権限が必要
  • 暗号化されている

特に企業のPCでは、セキュリティ設定が影響することがあります。

原因6:ドライバの問題

デバイスドライバが古い、または破損している可能性もあります。

確認すべきこと

  • ドライバが最新か
  • ドライバが正しくインストールされているか
  • デバイスマネージャーでエラーが出ていないか

【Mac】マウントできない時の対処法

Macでマウントエラーが出た場合の解決方法です。

対処法1:再接続を試す

最も基本的な方法から始めましょう。

手順

  1. ドライブを安全に取り外す
  • デスクトップのアイコンを右クリック
  • 「〇〇を取り出す」を選択
  1. USBケーブルを抜く
  2. 10秒待つ
  3. 再度接続

これだけで解決することも多いです。

対処法2:別のポートに接続

USBポートが原因の可能性を確認します。

試すこと

  1. 別のUSBポートに接続
  2. USB-Cポートとハブを使っている場合、直接接続を試す
  3. 可能であれば別のMacで試す

ハブを経由すると、電力不足でマウントできないことがあります。

対処法3:ディスクユーティリティでFirst Aidを実行

ファイルシステムの修復を試みます。

手順

  1. 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ディスクユーティリティ」を開く
  2. 左側のサイドバーで問題のドライブを選択
  3. 上部の「First Aid」をクリック
  4. 「実行」をクリック
  5. 検証と修復が始まる(数分〜数十分)
  6. 完了後、結果を確認

成功すれば、ドライブがマウントされます。

対処法4:ターミナルから強制マウント

ディスクユーティリティで解決しない場合、ターミナルを使います。

手順

  1. 「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」を開く
  2. 以下のコマンドを入力してドライブを確認
diskutil list
  1. 目的のドライブの識別子(disk2s1など)を確認
  2. 以下のコマンドでマウントを試みる
sudo diskutil mount /dev/disk2s1
  1. 管理者パスワードを入力

注意:disk2s1の部分は、実際の識別子に置き換えてください。

対処法5:NVRAMとSMCのリセット

Macのシステム設定をリセットします。

NVRAMリセット(Intel Mac)

  1. Macをシャットダウン
  2. 電源を入れる
  3. すぐに「Command + Option + P + R」を同時に押す
  4. 20秒ほど押し続ける
  5. 起動音が2回鳴ったら離す

SMCリセット(Intel Mac)

ノートブック:

  1. シャットダウン
  2. 「Shift + Control + Option」を押しながら電源ボタンを押す
  3. 10秒後にすべて離す
  4. 電源を入れる

デスクトップ:

  1. シャットダウン
  2. 電源コードを抜く
  3. 15秒待つ
  4. 電源コードを接続
  5. 5秒待って電源を入れる

Apple Silicon Mac(M1/M2/M3)

NVRAMリセット:

  1. シャットダウン
  2. 電源を入れる
  3. すぐに「Command + Option + P + R」を約20秒押す

SMCリセットは不要です(自動管理されています)。

対処法6:読み取り専用でマウント

書き込みができなくても、読み取りだけできればデータを救出できます。

手順

  1. ターミナルを開く
  2. 以下のコマンドを実行
sudo diskutil mount readOnly /dev/disk2s1
  1. ファイルをコピーして別の場所に保存

対処法7:フォーマット(最終手段)

データを諦める場合の最終手段です。

注意:フォーマットするとすべてのデータが消えます。

手順

  1. ディスクユーティリティを開く
  2. ドライブを選択
  3. 「消去」をクリック
  4. 名前とフォーマット形式を選択
  • Mac専用:APFS
  • Mac/Windows両対応:exFAT
  1. 「消去」を実行

【Windows】マウントできない時の対処法

Windowsでマウントエラーが出た場合の解決方法です。

対処法1:デバイスマネージャーで確認

デバイスが認識されているか確認します。

手順

  1. 「Win + X」を押す
  2. 「デバイスマネージャー」を選択
  3. 「ディスクドライブ」を展開
  4. 問題のドライブにエラーマーク(!や?)がないか確認

エラーがあれば、デバイスを右クリックして「デバイスのアンインストール」→再接続を試します。

対処法2:ディスクの管理でドライブレターを割り当て

ドライブレターが割り当てられていない可能性があります。

手順

  1. 「Win + X」→「ディスクの管理」を開く
  2. 該当するドライブを探す
  3. ドライブを右クリック
  4. 「ドライブ文字とパスの変更」を選択
  5. 「追加」をクリック
  6. ドライブレター(E:、F:など)を選択
  7. 「OK」をクリック

これでエクスプローラーに表示されるようになります。

対処法3:CHKDSKでエラーチェック

ファイルシステムのエラーを修復します。

手順

  1. コマンドプロンプトを管理者権限で開く
  • 「Win + X」→「ターミナル(管理者)」
  1. 以下のコマンドを実行
chkdsk E: /f /r

(E:は該当するドライブレターに置き換え)

  1. 修復が完了するまで待つ(時間がかかる場合あり)

/f:エラーを自動修復
/r:不良セクタを見つけて読み取り可能な情報を回復

対処法4:ドライバの更新

ドライバが古い可能性があります。

手順

  1. デバイスマネージャーを開く
  2. 「ディスクドライブ」で該当デバイスを右クリック
  3. 「ドライバーの更新」を選択
  4. 「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」を選択
  5. 更新があればインストール
  6. PCを再起動

対処法5:USBコントローラーのリセット

USB接続の問題を解決します。

手順

  1. デバイスマネージャーを開く
  2. 「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」を展開
  3. 各USBデバイスを右クリック→「デバイスのアンインストール」
  4. すべてアンインストール後、PCを再起動
  5. 再起動時に自動で再インストールされる

対処法6:diskpartでクリーン

ディスクをクリーンにして初期化します。

警告:この操作はすべてのデータを消去します。

手順

  1. コマンドプロンプトを管理者権限で開く
  2. 以下のコマンドを順に実行
diskpart
list disk
select disk 1
(1は該当するディスク番号に置き換え)
clean
create partition primary
format fs=ntfs quick
assign
exit

これで使えるようになります。

デバイス別の対処法

デバイスの種類によって、追加の対処法があります。

外付けHDD/SSDの場合

追加チェック項目

  • 電源供給は十分か(セルフパワーのHDDの場合、電源ケーブルを確認)
  • ドライブが熱を持っていないか
  • 異音がしないか(故障の兆候)

専用の対処法

  1. 別の電源アダプタで試す(持っている場合)
  2. USB 3.0ポートに接続(USB 2.0より安定することがある)
  3. ケースから取り出して直接接続(可能な場合)

USBメモリの場合

追加チェック項目

  • 書き込み禁止スイッチがないか(オンになっていないか)
  • 端子が汚れていないか

専用の対処法

  1. 端子を柔らかい布で拭く
  2. 接点復活剤を使う(電子機器用)
  3. 別のUSBメモリで試して、ポートの問題か特定

SDカードの場合

追加チェック項目

  • カードリーダーが正常に動作しているか
  • ロックスイッチが「LOCK」になっていないか
  • カードに物理的な損傷がないか

専用の対処法

  1. カードを取り出して接点を確認
  2. 別のカードリーダーで試す
  3. スマホやカメラで認識するか確認

ISOファイル・DMGファイルの場合

追加チェック項目

  • ファイルが完全にダウンロードされているか
  • ファイルが破損していないか
  • 十分な空き容量があるか

専用の対処法

Mac(DMGファイル)

  1. ファイルを右クリック→「開く」を試す
  2. ターミナルで以下を実行
hdiutil attach /path/to/file.dmg

Windows(ISOファイル)

  1. ファイルを右クリック→「マウント」
  2. ダメなら7-ZipやWinRARで解凍を試みる

データ復旧について

どうしてもマウントできない場合、データ復旧を検討しましょう。

自分でできるデータ復旧

使えるソフト

Mac:

  • Disk Drill
  • PhotoRec
  • TestDisk

Windows:

  • Recuva
  • EaseUS Data Recovery Wizard
  • MiniTool Power Data Recovery

これらは無料版もありますが、復旧容量に制限があります。

復旧ソフトの使い方(基本)

一般的な手順

  1. 復旧ソフトをインストール(問題のドライブとは別の場所に)
  2. スキャン対象のドライブを選択
  3. ディープスキャンを実行
  4. 見つかったファイルをプレビュー
  5. 必要なファイルを復元(別のドライブに保存)

注意点

  • 復元先は必ず別のドライブに
  • スキャンには数時間かかることも
  • 上書きされたファイルは復元できない

専門業者に依頼すべきケース

以下の場合は、専門業者への依頼を検討してください。

業者依頼が必要な状況

  • 物理的な故障(異音、認識しない)
  • 重要なデータで失敗が許されない
  • 自分で試して悪化させた
  • RAIDなど複雑な構成

費用の目安

  • 論理障害:3万〜10万円
  • 物理障害:10万〜50万円以上

高額ですが、確実性は高いです。

予防策

今後マウントエラーを防ぐための対策です。

予防策1:安全な取り外しを徹底

正しい取り外し方

Mac:

  1. デスクトップのアイコンを右クリック
  2. 「〇〇を取り出す」を選択
  3. アイコンが消えてから抜く

Windows:

  1. タスクバーの「ハードウェアの安全な取り外し」をクリック
  2. デバイスを選択
  3. 「安全に取り外すことができます」を確認してから抜く

突然抜くと、ファイルシステムが破損します。

予防策2:定期的なバックアップ

3-2-1ルール

  • データを3つ保存
  • 2種類のメディアに
  • 1つはオフサイト(別の場所)に

具体例:

  • 元データ(PC内蔵ドライブ)
  • バックアップ1(外付けHDD)
  • バックアップ2(クラウドストレージ)

予防策3:良質なケーブルとハブを使う

選ぶポイント

  • 信頼できるメーカー品
  • 規格に合ったもの(USB 3.0など)
  • 十分な電力供給ができるハブ

100円ショップのケーブルは、データ転送に対応していないことがあります。

予防策4:定期的なディスクチェック

月に1回程度、ディスクのエラーチェックを実行しましょう。

Mac:ディスクユーティリティでFirst Aid
Windows:CHKDSKまたはエラーチェック

早期発見で、深刻な問題を防げます。

予防策5:適切な環境で保管

注意すべきこと

  • 高温多湿を避ける
  • 直射日光を避ける
  • ホコリの多い場所を避ける
  • 衝撃を与えない

特にHDDは衝撃に弱いので、丁寧に扱いましょう。

よくある質問

Q: マウントできないドライブのデータは取り出せる?

A: 物理的に故障していなければ、多くの場合は復旧ソフトで取り出せます。ただし、物理障害の場合は専門業者が必要です。

Q: フォーマットすれば直る?

A: はい、多くの場合フォーマットで解決します。ただし、すべてのデータが消えるので、データ復旧を試してからにしてください。

Q: 突然認識しなくなった原因は?

A: 安全な取り外しをせずに抜いた、電源が突然切れた、などが主な原因です。ファイルシステムが破損している可能性が高いです。

Q: Macで使っていたドライブがWindowsで認識されない

A: MacのファイルシステムHFS+やAPFSは、Windowsでは標準では読めません。専用ソフト(Paragon HFS+など)が必要です。

Q: エラーが出るけど時々マウントできる

A: ドライブが故障しかけている可能性が高いです。すぐにデータをバックアップして、ドライブの交換を検討してください。

まとめ

「マウントできませんでした」エラーの対処法について解説しました。

重要なポイントをおさらいしましょう。

  • まずは再接続や別のポートを試す(物理的問題の確認)
  • MacはFirst Aid、WindowsはCHKDSKでエラー修復
  • ターミナルやコマンドプロンプトでの強制マウントも有効
  • データが重要な場合は復旧ソフトを試す
  • 物理故障の場合は専門業者に依頼
  • 安全な取り外しと定期的なバックアップで予防

焦らず一つずつ試していけば、多くの場合は解決できます。

ただし、大切なデータがある場合は、無理に操作せず専門家に相談することも大切です。

この記事が、あなたのトラブル解決の助けになれば幸いです!

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