「新しいPC買ったけど、本当に速くなったの?」 「ゲームがカクカクする原因を知りたい」 「他の人のPCと比べて、自分のPCはどのレベル?」 「パーツを交換したら、どれくらい性能アップした?」
こんな疑問を数値で明確に答えてくれるのが、ベンチマークソフトです。
体重計がダイエットの成果を数値化するように、ベンチマークソフトはPCの性能を数値化してくれます。
この記事を読めば、ベンチマークソフトの使い方から、あなたのPCの実力まで、すべて分かるようになります!
ベンチマークソフトとは?30秒で理解

一言で説明すると
ベンチマークソフト = PCの性能を測定して数値化するソフト
人間で言えば「体力測定」や「学力テスト」のようなもの。 PCやスマホの処理能力を客観的な数値(スコア)で表してくれます。
具体的に何を測定するの?
測定できる項目:
- 🚀 処理速度:どれだけ速く計算できるか
- 🎮 グラフィック性能:ゲームや動画の処理能力
- 💾 ストレージ速度:データの読み書き速度
- 🧠 メモリ性能:一時記憶の速さ
- 🌡️ 安定性:長時間の負荷に耐えられるか
結果の表示例:
総合スコア:12,845点
CPU:8,234点
GPU:15,632点
メモリ:4,521点
→ ゲーミングPC中級レベル
なぜベンチマークが必要?5つの活用シーン
1. 購入前の性能確認
新しいPCを買う時:
- カタログスペックだけでは分からない実力
- 価格に見合った性能か判断
- 用途に適しているか確認
例: 「Core i7搭載!」→ でも世代によって性能は全然違う ベンチマークスコアなら一目瞭然!
2. アップグレード効果の確認
パーツ交換の効果測定:
メモリ増設前:5,234点
メモリ増設後:7,891点
→ 約50%性能向上!投資価値あり
3. トラブルシューティング
性能低下の原因特定:
- 熱暴走していないか
- ドライバーの問題はないか
- 故障の兆候はないか
正常時のスコアと比較して問題を発見!
4. ゲームの動作確認
プレイ可能か事前チェック:
- 推奨スペックを満たしているか
- どの画質設定が適切か
- FPSはどれくらい出るか
5. 他製品との比較
客観的な性能比較:
- 自分のPCの立ち位置を確認
- コスパの良い製品を探す
- アップグレードの必要性を判断
ベンチマークソフトの種類と特徴
総合ベンチマーク(全体性能)
PCの総合力を測定:
ソフト名 | 特徴 | 価格 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
3DMark | ゲーミング性能の定番 | 無料版あり | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
PCMark 10 | 実用性能重視 | 有料 | ⭐⭐⭐⭐ |
Geekbench | クロスプラットフォーム | 無料版あり | ⭐⭐⭐⭐ |
PassMark | 詳細な項目別測定 | 有料 | ⭐⭐⭐ |
CPU専用ベンチマーク
処理能力を詳細測定:
Cinebench(無料)
- 映像レンダリング性能
- シングル/マルチコア性能
- 業界標準の信頼性
CPU-Z(無料)
- 軽量で手軽
- CPUの詳細情報も表示
- ベンチマーク機能付き
GPU専用ベンチマーク
グラフィック性能特化:
Unigine Heaven(無料)
美しい風景をレンダリング
- DirectX/OpenGL対応
- 温度・FPS表示
- ストレステストも可能
FurMark(無料)
- GPU負荷テスト特化
- 温度限界チェック
- 安定性テスト
ストレージベンチマーク
SSD/HDD速度測定:
CrystalDiskMark(無料)
- 定番の速度測定ツール
- シーケンシャル/ランダム速度
- 日本製で使いやすい
ゲーム内蔵ベンチマーク
実ゲームでの性能測定:
ゲーム | ベンチマーク | 特徴 |
---|---|---|
FF14/FF15 | 公式ベンチ | 日本で人気、無料 |
Shadow of Tomb Raider | 内蔵 | 最新技術のテスト |
Forza Horizon | 内蔵 | レース系の負荷 |
実践!ベンチマークの正しい実行方法
ステップ1:事前準備
測定前の最重要チェック:
- 不要なソフトを終了
- ブラウザを閉じる
- バックグラウンドアプリ停止
- ウイルススキャン一時停止
- PCを最適な状態に
- 再起動して clean な状態に
- 十分な冷却(エアコンON)
- 電源設定を「高パフォーマンス」
- ドライバーを最新に
- GPU ドライバー更新
- Windows Update 完了
- BIOS も確認
ステップ2:ベンチマーク実行
3DMark を例に解説:
- ソフトをダウンロード
- Steam版が便利(自動更新)
- 無料版で十分
- テストを選択
Time Spy:DirectX 12性能 Fire Strike:DirectX 11性能 Port Royal:レイトレーシング
- 実行して待つ
- 5-15分程度
- 途中で触らない
- 完走するまで待機
ステップ3:結果の見方
スコアの意味:
Time Spy スコア例:
15,000以上:ハイエンド(最新ゲーム4K可能)
10,000-15,000:ミドルハイ(ほぼすべて快適)
5,000-10,000:ミドル(設定調整で対応)
5,000以下:エントリー(軽いゲームのみ)
スコアの目安と性能レベル

用途別の必要スコア目安
3DMark Time Spy基準:
用途 | 必要スコア | 快適スコア |
---|---|---|
オフィス作業 | 1,000 | 2,000 |
動画視聴 | 2,000 | 3,000 |
軽いゲーム | 3,000 | 5,000 |
FPSゲーム(1080p) | 5,000 | 8,000 |
FPSゲーム(1440p) | 8,000 | 12,000 |
4Kゲーミング | 12,000 | 15,000+ |
VR | 8,000 | 12,000 |
動画編集 | 5,000 | 10,000 |
3DCG制作 | 10,000 | 20,000+ |
世代別の平均スコア
2024年基準の目安:
デスクトップPC:
ハイエンド(50万円〜):20,000+
ミドルハイ(20-30万円):12,000-18,000
ミドル(10-20万円):6,000-12,000
エントリー(10万円以下):3,000-6,000
ノートPC:
ゲーミング(20万円〜):8,000-15,000
クリエイター(15万円〜):5,000-10,000
一般(10万円前後):2,000-5,000
格安(5万円前後):1,000-2,000
ベンチマークスコアを向上させる方法
ソフトウェア的な改善
すぐできる最適化:
- Windows設定:
電源プラン:高パフォーマンス ゲームモード:オン(ゲーム時) 視覚効果:パフォーマンス優先
- ドライバー更新:
- GPU:月1回確認
- チップセット:3ヶ月に1回
- BIOS:必要時のみ
- 不要ソフトの削除:
- スタートアップ整理
- 常駐ソフト削減
- ブロートウェア削除
ハードウェア的な改善
効果的なアップグレード順:
- GPU交換(ゲーム性能)
- 最も効果大
- 予算の50-60%投資価値あり
- メモリ増設(マルチタスク)
- 16GB→32GB
- デュアルチャネル必須
- SSD換装(体感速度)
- SATA→NVMe
- 起動・読み込み爆速化
- CPU交換(全体性能)
- マザーボードも要交換
- コスパは要検討
冷却改善でスコアアップ
温度とスコアの関係:
CPU温度80℃以下:100%性能
CPU温度85℃:約90%に低下
CPU温度90℃:約70%に低下(サーマルスロットリング)
改善方法:
- CPUクーラー交換
- ケースファン追加
- サーマルペースト塗り直し
- エアフロー改善
よくある間違いと注意点
やってはいけないこと
❌ 間違った使い方:
- 1回だけの測定で判断
- 最低3回実行して平均を取る
- 誤差や一時的な問題を排除
- 異なる環境での比較
- 室温が違う
- バックグラウンドアプリが違う
- 設定が違う
- スコアだけで判断
- 実使用感も重要
- 用途に合った性能か
- 安定性も考慮
ベンチマーク詐欺に注意
怪しいベンチマークソフト:
- 「PCを高速化」と謳う
- 有料版購入を強要
- 個人情報を要求
- 広告が異常に多い
信頼できる定番ソフトのみ使用!
よくある質問
Q: スマホでもベンチマークできる?
A: もちろん可能です!
Android:
- AnTuTu Benchmark
- Geekbench
- 3DMark
iPhone:
- Geekbench
- AnTuTu(App Store版)
Q: ベンチマーク中にPCが落ちた
A: 以下を確認:
- 温度が高すぎないか
- 電源容量は足りているか
- メモリエラーはないか
- パーツの故障可能性
Q: スコアが低すぎる
A: チェック項目:
- 省電力モードになっていないか
- ドライバーは最新か
- バックグラウンドで重いソフトが動いていないか
- 温度は適正か
まとめ:ベンチマークでPCを知り尽くそう
ベンチマークソフトとは:
- PCの性能を数値化するツール
- 客観的な性能評価が可能
- トラブルシューティングにも活用
重要ポイント:
✅ 定期的に測定して変化を把握 ✅ 複数のベンチマークで総合判断 ✅ スコアは参考値、実使用感も大切
今すぐやること:
- 無料の3DMarkかCinebenchをダウンロード
- 現在のスコアを測定・記録
- 定期的に測定して変化を追跡
ベンチマークソフトは、PCの健康診断ツール。 定期的な測定で、あなたのPCを最高の状態に保ちましょう!
最後に: スコアを追求するのも楽しいですが、自分の用途に合った性能があれば十分。 ベンチマークは、あくまでも「道具」として活用してください!
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