「Chromebookを買ったけど、自動更新ポリシーって何?」
「AUEの期限が切れたら、もう使えなくなるの?」
Chromebookを使っている方や、購入を考えている方が気になるのが、自動更新ポリシー(AUE)です。
AUEは、Googleがそのデバイスに対して、セキュリティアップデートやOSの更新を提供する期限のことです。この期限を知らずにChromebookを購入すると、思ったより早く更新が受けられなくなることがあります。この記事では、AUEについて初心者の方にも分かりやすく解説します。
安心してChromebookを選び、長く使うための知識を身につけましょう。
自動更新ポリシー(AUE)とは

AUEは「Auto Update Expiration」の略で、日本語では「自動更新ポリシー」または「自動更新有効期限」と呼ばれます。
簡単に言うと
AUEとは、Googleがそのデバイスに対して、Chrome OSの更新を保証する期限のことです。
各Chromebookのモデルには、発売日から約8~10年後にAUEの日付が設定されています。この日付を過ぎると、新しい機能やセキュリティパッチが提供されなくなります。
なぜAUEが存在するのか
Chromebookは、Windows PCやMacとは異なる仕組みで動いています。
Chrome OSの特徴
- クラウドベースで動作
- 自動的にアップデートされる
- セキュリティが自動的に保たれる
この「自動更新」を永遠に提供し続けるのは、技術的・コスト的に困難です。古いハードウェアに対して、最新のソフトウェアを最適化し続けるには限界があります。
そのため、Googleは各モデルごとに「いつまで更新を保証するか」を明示しているのです。
AUEの基本情報
AUEについて知っておくべき重要なポイントを説明します。
AUEの期間
標準的な期間
- 2020年以降に発売されたモデル:発売から約8年
- 2021年以降に発売された一部モデル:発売から約10年
Googleは2020年に、AUEの期間を延長する発表をしました。それ以前のモデルは、もっと短い期間のこともあります。
モデルごとに異なる
重要なのは、Chromebookのモデルごとに、AUEの日付が異なるということです。
同じメーカーの製品でも、発売時期が違えばAUEも異なります。購入時には必ず確認しましょう。
購入時期ではなく発売時期
AUEは、あなたが購入した日ではなく、そのモデルが発売された日を基準に計算されます。
つまり、発売から2年後に購入した中古のChromebookは、残りのAUE期間が6年程度しかないということです。
自分のChromebookのAUEを確認する方法
自分の使っているChromebookのAUE日付を確認しましょう。
設定画面から確認
ステップ1:設定を開く
- 画面右下の時刻が表示されている部分をクリック
- 歯車アイコン(設定)をクリック
ステップ2:Chrome OSについてを開く
- 左側のメニューから「Chrome OSについて」をクリック
- 「詳細」をクリック
ステップ3:更新スケジュールを確認
「更新スケジュール」という項目に、AUEの日付が表示されます。
例:「自動更新は 2028年6月 まで」
公式リストで確認
Googleは、すべてのChromebookモデルのAUE日付を公開しています。
確認方法
- Googleで「Chromebook Auto Update policy」と検索
- Googleの公式サポートページにアクセス
- 自分のChromebookのメーカーとモデル名で検索
リストには、数百種類のモデルが掲載されています。
購入前の確認が重要
新品を購入する場合
- 製品ページやスペック表でAUE日付を確認
- 可能な限り新しいモデルを選ぶ
- 最低でも5年以上の更新保証が残っているものを推奨
中古を購入する場合
- 必ずモデル名を確認してAUEをチェック
- 残り期間が短いものは避ける
- 価格が安くても、すぐに更新が切れるなら意味がない
AUEが切れるとどうなるか
AUEの期限が過ぎた後、Chromebookはどうなるのでしょうか。
すぐに使えなくなるわけではない
誤解されがちなポイント
AUEが切れても、Chromebookは突然動かなくなるわけではありません。今まで通り、基本的な操作は可能です。
更新が受けられなくなる
AUE後は、以下の更新が提供されなくなります。
Chrome OSのバージョンアップ
新しい機能やデザインの変更が反映されなくなります。最後に受け取ったバージョンで固定されます。
セキュリティパッチ
これが最も重要な問題です。新たに発見されたセキュリティの脆弱性(弱点)に対する修正が提供されません。
つまり、時間が経つほど、ウイルスやハッキングのリスクが高まります。
ブラウザの更新
Chrome OSの中核であるChromeブラウザも、最終的に更新されなくなります。
ただし、Chromeブラウザ自体の更新は、Chrome OSの更新より少し長く続くことがあります。
使えないサービスが出てくる
一部のウェブサービスやアプリは、最新バージョンのブラウザを要求します。
AUE後、時間が経つにつれて:
- 一部のウェブサイトが正しく表示されない
- オンラインバンキングなどのセキュアなサービスが使えない
- Androidアプリの一部が動かない
といった問題が発生する可能性があります。
推奨される使用方法
AUEが切れたChromebookは、以下のような用途に限定するのが安全です。
比較的安全な使い方
- オフラインでの文書作成
- 動画視聴(ローカルファイル)
- 音楽再生
- 簡単なブラウジング(個人情報を入力しないサイトのみ)
避けるべき使い方
- オンラインバンキング
- ネットショッピング
- 個人情報や決済情報の入力
- 仕事の重要な資料の作成
- 企業や学校のシステムへのアクセス
AUEが近づいてきたらどうする?
自分のChromebookのAUEが1年以内に迫ってきたら、対策を考えましょう。
選択肢1:新しいChromebookに買い替え
最も推奨される方法
セキュリティを考えると、これが最も安全で確実な選択です。
購入時の注意点
- AUE期間が長いモデルを選ぶ(最低5年以上)
- 発売から時間が経っていないモデルを選ぶ
- スペックだけでなく、AUEも重視する
選択肢2:Linuxをインストール
技術的に可能な方法
Chromebookに、LinuxなどのOS(オペレーティングシステム)をインストールすることで、引き続き更新を受けられる可能性があります。
注意点
- 技術的な知識が必要
- すべてのChromebookで動作するわけではない
- メーカーのサポート対象外になる
- 初心者にはおすすめしない
選択肢3:サブ機として活用
軽い用途に限定して使う
メインのパソコンとしてではなく、以下のような用途に限定します:
- 子供の学習用(セキュリティリスクの低いコンテンツのみ)
- 動画視聴専用機
- 音楽再生用
- レシピ表示用(キッチン用)
選択肢4:リサイクル・処分
環境に配慮した処分
使い道がない場合は、適切に処分しましょう。
- 自治体の回収サービスを利用
- 家電量販店のリサイクルサービス
- メーカーの下取りサービス
処分前に、必ずデータを消去(Powerwash)してください。
AUEを最大限活用するための購入ガイド

Chromebookを購入する際、AUEを考慮したスマートな選び方を紹介します。
新品購入時のチェックポイント
1. AUE日付を必ず確認
製品ページや店頭で、AUE日付を確認しましょう。記載がない場合は、モデル名でGoogleの公式リストを検索します。
2. 発売時期を調べる
できるだけ新しく発売されたモデルを選びましょう。発売から1年以内のモデルが理想的です。
3. 予算とのバランス
安いモデルでも、AUE期間が短ければ、結果的に高くつきます。
例:
- A機種:30,000円、AUE残り3年 → 年間10,000円
- B機種:50,000円、AUE残り8年 → 年間6,250円
長期的に見れば、B機種の方がコストパフォーマンスが良いです。
中古購入時の注意点
中古のChromebookは要注意です。
確認必須項目
- 正確なモデル名:底面のシールや設定画面で確認
- AUE残り期間:Googleの公式リストで確認
- 価格の妥当性:残り期間と価格のバランス
避けるべき中古品
- AUE残り1年未満
- モデル名が不明確
- AUE日付の記載がない
おすすめの中古品
- AUE残り3年以上
- 状態が良好
- 価格が適正(新品の50%以下が目安)
教育機関・企業向けの特別扱い
一部の教育機関や企業向けChromebookは、通常より長いAUE期間が設定されていることがあります。
ただし、これらは個人向け販売されていないことが多いです。
よくある質問と答え
AUEに関する、よくある疑問にお答えします。
AUEは延長できる?
基本的には延長できません。
AUEはハードウェアとの互換性を考慮して設定されているため、個別に延長することはできません。
例外
Googleが全体的にAUEポリシーを変更した場合、一部のモデルで延長されることがあります。2020年にこのような延長が実施されました。
WindowsやMacと比べてどう?
Chromebook(AUEあり)
- 明確な期限が設定されている
- 期限後は更新なし
- 通常8~10年
Windows PC
- 明確な期限は設定されていない
- ハードウェアが対応していれば、長期間使える
- ただし、古すぎると新しいWindowsバージョンに非対応
Mac
- Chromebookと似た仕組み
- 約7~10年程度で新しいmacOSに非対応になることが多い
- 明確な期限は公表されていない
AUE切れのChromebookを学校で使える?
推奨されません。
学校では、生徒の個人情報を扱うことが多いため、セキュリティが重要です。AUEが切れたChromebookは、学校での使用には適していません。
多くの学校や教育委員会でも、AUEが有効なChromebookのみを推奨しています。
企業で使う場合は?
業務用途では絶対に避けるべきです。
企業では、さらに厳格なセキュリティが求められます。
- 顧客情報の漏洩リスク
- コンプライアンス違反
- サイバー攻撃の標的になりやすい
企業のIT部門は、AUE期限を厳密に管理し、期限前に機器を更新する計画を立てるべきです。
AUE後もAndroidアプリは使える?
一部は使えますが、徐々に使えなくなります。
Chrome OSの更新が止まると、Androidアプリのサポートも停止します。
時間が経つにつれて、より多くのアプリが「このバージョンではサポートされていません」というメッセージを表示するようになります。
購入後すぐにAUEが切れることはある?
新品なら基本的にありません。
ただし、在庫処分品や型落ちモデルを購入した場合、思ったより早くAUEが来ることがあります。
購入前の確認が本当に重要です。
AUEの今後
Googleは、AUEポリシーを進化させています。
期間の延長傾向
近年、AUEの期間は延長される傾向にあります。
- 以前:5~6年
- 現在:8~10年
- 将来:さらに延長される可能性
Googleは、Chromebookをより長く使えるようにする方針を示しています。
ハードウェアの進化
技術の進歩により、古いハードウェアでも新しいソフトウェアを動かしやすくなっています。
これが、AUE延長を可能にしている要因の1つです。
環境への配慮
電子廃棄物を減らすため、デバイスを長く使える仕組みが求められています。
Googleもこの流れに対応しており、AUEポリシーは徐々に改善されていくと予想されます。
まとめ:AUEを理解して賢くChromebookを選ぼう
自動更新ポリシー(AUE)は、Chromebook選びの重要な要素です。
この記事のポイント
- AUEはChrome OSの更新保証期限のこと
- 各モデルごとに異なる日付が設定されている
- 発売から通常8~10年が標準
- AUE後もすぐに使えなくなるわけではないが、セキュリティリスクが高まる
- 購入時は必ずAUE日付を確認する
- 中古購入時は特に注意が必要
- 残り期間と価格のバランスを考える
Chromebookは、AUEが有効な間は、自動的に最新で安全な状態が保たれる素晴らしいデバイスです。しかし、AUEという「期限」があることを理解した上で購入することが大切です。
購入前にしっかりとAUEを確認し、自分の使用予定期間に合ったモデルを選びましょう。そうすれば、安心して長くChromebookを使い続けることができますよ。

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