「Apple Musicの空間オーディオって何?」
「普通の音楽と何が違うの?」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
Apple Musicが提供する空間オーディオは、音楽の聴き方を劇的に変える新しい技術です。まるでライブ会場やレコーディングスタジオにいるような、立体的な音響体験ができるんです。
この記事では、空間オーディオの仕組みから設定方法、おすすめの楽しみ方まで、わかりやすく解説していきます。
空間オーディオとは?まずは基本を理解しよう

Apple Musicの空間オーディオとは、Dolby Atmos(ドルビーアトモス)という技術を使った立体音響のことです。
従来のステレオとの違い
従来のステレオ音源
左右2つのスピーカーから音が出て、平面的な広がりを表現します。
空間オーディオ
前後左右だけでなく、上下方向も含めた360度全方向から音が聴こえるように設計されています。
たとえば、ボーカルは正面から、ギターは右上から、ドラムは後方から聴こえる、といった具合です。
ドルビーアトモスって何?
ドルビーアトモスは、もともと映画館で使われていた立体音響技術です。
音を「チャンネル」ではなく「オブジェクト」として扱うことで、3次元空間のどこに音を配置するかを自由に設定できるようになりました。
これがヘッドホンやイヤホンでも楽しめるようになったのが、Apple Musicの空間オーディオなんですね。
空間オーディオの魅力
実際に空間オーディオで音楽を聴くと、どんな体験ができるのでしょうか。
まるでライブ会場にいるような臨場感
空間オーディオでは、楽器やボーカルがそれぞれ異なる位置から聴こえます。
まるで自分がステージの真ん中に立っているような、圧倒的な臨場感を味わえるんです。
細かい音まで聴き取れる
従来のステレオでは埋もれていた音が、空間オーディオでははっきりと聴き取れます。
バックグラウンドで鳴っている楽器の音や、細かいエフェクトまで楽しめるのが魅力です。
音楽の新しい楽しみ方
お気に入りの曲も、空間オーディオで聴くと全く新しい印象になります。
アーティストが意図した音の配置を体感できるため、音楽をより深く味わえるでしょう。
空間オーディオを楽しむために必要なもの
空間オーディオを体験するには、いくつか条件があります。
1. Apple Musicのサブスクリプション
まず、Apple Musicに加入している必要があります。
重要なポイント
空間オーディオは追加料金なしで利用できます。
通常の月額料金だけで、数万曲の空間オーディオ対応楽曲を楽しめるんです。
Apple Musicの料金プラン
- 個人プラン:月額1,080円
- ファミリープラン:月額1,680円(最大6人)
- 学生プラン:月額580円
2. 対応デバイス
空間オーディオは、以下のデバイスで楽しめます。
iPhone・iPad
- iPhone XS以降(iPhone SEを除く)
- iPad Pro 12.9インチ(第3世代以降)
- iPad Pro 11インチ
- iPad(第6世代以降)
- iPad Air(第3世代以降)
- iPad mini(第5世代以降)
これらの機種なら、内蔵スピーカーでも空間オーディオを体験できます。
Mac
- MacBook Pro(2018年モデル以降)
- MacBook Air(2018年モデル以降)
- iMac(2021年モデル)
その他
- Apple TV 4K
- Apple Vision Pro
3. ヘッドホン・イヤホン(推奨)
内蔵スピーカーでも楽しめますが、ヘッドホンやイヤホンを使うとより没入感が増します。
自動対応するApple製品
- AirPods(第3世代)
- AirPods Pro
- AirPods Max
- Beats製の対応ヘッドホン
これらの製品は、空間オーディオ対応楽曲を再生すると自動的にドルビーアトモスで再生されます。
その他のヘッドホン・イヤホン
Apple製品以外でも、設定を「常にオン」にすれば空間オーディオを楽しめます。
有線・無線を問わず、どんなヘッドホンでも対応可能です。
空間オーディオの設定方法
デバイスごとに設定方法を解説します。
iPhone・iPadの設定
手順1:OSを最新版にアップデート
設定アプリから、最新のiOSまたはiPadOSにアップデートしてください。
手順2:ドルビーアトモスの設定
- 「設定」アプリを開く
- 「ミュージック」をタップ
- 「オーディオ」セクションの「ドルビーアトモス」をタップ
- 次のいずれかを選択
- 自動:対応ヘッドホンで自動再生
- 常にオン:すべてのヘッドホンで再生
- オフ:空間オーディオを無効化
おすすめ設定
- AirPodsなどApple製品を使う場合:「自動」
- その他のヘッドホンを使う場合:「常にオン」
Macの設定
手順1:macOSを最新版にアップデート
システム環境設定から最新版にアップデートします。
手順2:ミュージックアプリで設定
- ミュージックアプリを開く
- メニューバーから「ミュージック」→「設定」を選択
- 「再生」タブをクリック
- 「ドルビーアトモス」のメニューから選択
- 自動
- 常にオン
- オフ
ダイナミックヘッドトラッキングについて
AirPods ProやAirPods Maxでは、ダイナミックヘッドトラッキングという機能も使えます。
これは、頭の動きに合わせて音の位置が変化する機能です。
顔を左に向けると音が右から聴こえるなど、よりリアルな音響体験ができます。
設定方法
コントロールセンターで空間オーディオをオンにするだけです。
空間オーディオ対応曲の探し方
Apple Musicには数万曲の空間オーディオ対応楽曲があります。
対応曲の見分け方
アルバム詳細ページ
すべての収録曲がドルビーアトモスに対応している場合、アルバムページに「Dolby Atmos」のバッジが表示されます。
再生画面
曲を再生すると、プログレスバーの近くに「Dolby Atmos」のアイコンが表示されます。
対応プレイリストを活用する
Apple Musicでは、空間オーディオ対応の特別なプレイリストが用意されています。
探し方
- Apple Musicアプリを開く
- 検索タブで「空間オーディオ」または「Dolby Atmos」を検索
- 「Made for Spatial Audio」などのプレイリストを選択
ジャンル別にも様々なプレイリストが公開されているので、好みの音楽を見つけやすいでしょう。
おすすめのジャンル
空間オーディオと相性が良いジャンルをご紹介します。
ロック・ポップス
楽器の配置がはっきりわかるので、バンドサウンドの迫力が増します。
クラシック
オーケストラの各楽器が立体的に配置され、まるでコンサートホールにいるような体験ができます。
エレクトロニック・EDM
シンセサイザーやエフェクトが空間を駆け巡る感覚を楽しめます。
ジャズ
各楽器の位置関係が明確になり、セッションの雰囲気がよりリアルに感じられます。
ダウンロードして聴く方法
空間オーディオ対応曲は、オフライン再生用にダウンロードすることもできます。
iPhoneでダウンロード設定
- 「設定」アプリを開く
- 「ミュージック」をタップ
- 「ドルビーアトモスでダウンロード」をオンにする
これで、曲をダウンロードする際にドルビーアトモス版が自動的に保存されます。
Macでダウンロード設定
- ミュージックアプリを開く
- メニューバーから「ミュージック」→「設定」を選択
- 「一般」タブをクリック
- 「ドルビーアトモスでダウンロード」にチェック
注意点
ドルビーアトモス版をダウンロードすると、ステレオ版も同時にダウンロードされます。
設定でドルビーアトモスをオフにすれば、ステレオ版で聴くこともできます。
よくある質問
Q1. 空間オーディオは本当に無料?
はい、Apple Musicのサブスクリプション料金に含まれています。
追加料金は一切かかりません。
Q2. すべての曲が対応している?
いいえ、現時点では数万曲が対応していますが、全曲ではありません。
ただし、対応曲は常に増え続けています。
Q3. 通信量は増える?
ストリーミング時の通信量は、通常の高音質ストリーミングと大きく変わりません。
ダウンロードする場合は、ステレオ版も含まれるため容量は増えます。
Q4. 古い曲でも空間オーディオで聴ける?
アーティストやレーベルが空間オーディオ版をリミックスすれば可能です。
実際に、過去の名曲が空間オーディオ対応になるケースも増えています。
Q5. Bluetoothイヤホンでも楽しめる?
はい、Apple製以外のBluetoothイヤホンでも楽しめます。
設定を「常にオン」にすることを忘れずに。
Q6. バッテリーの消費は増える?
空間オーディオ処理により、わずかにバッテリー消費が増える可能性があります。
ただし、日常使いで気になるほどではありません。
Q7. 音量が小さく感じる場合は?
設定で「音量を自動調整」をオンにすると改善される場合があります。
設定方法(iPhone・iPad)
- 「設定」→「ミュージック」
- 「音量を自動調整」をオンにする
空間オーディオを最大限楽しむコツ
より良い体験をするためのポイントをご紹介します。
静かな環境で聴く
空間オーディオの繊細な音の配置を楽しむには、静かな環境がおすすめです。
周囲の雑音が少ない場所で聴くと、立体感をより強く感じられます。
お気に入りの曲を再発見する
普段よく聴いている曲を空間オーディオで聴き直してみましょう。
今まで気づかなかった音や、新しい魅力を発見できるかもしれません。
異なるヘッドホンで比較する
もし複数のヘッドホンを持っているなら、聴き比べてみるのも面白いです。
製品によって音の広がり方が微妙に異なるので、自分に合ったものを見つけられます。
アーティストの意図を感じる
空間オーディオ対応曲は、アーティストやエンジニアが音の配置を慎重に設計しています。
どの音がどこから聴こえるか意識しながら聴くと、作品への理解が深まります。
注意点とデメリット
空間オーディオは素晴らしい技術ですが、いくつか注意点もあります。
すべての曲で効果的とは限らない
曲によっては、従来のステレオの方が良く聴こえる場合もあります。
特に、空間オーディオ用に最適化されていない曲では、違和感を感じることもあるでしょう。
好みが分かれる
立体的な音響が苦手という方もいらっしゃいます。
設定で簡単にオン・オフを切り替えられるので、曲によって使い分けるのも良いですね。
ミックスの質にばらつきがある
空間オーディオ対応曲でも、ミックスの質には差があります。
素晴らしい体験ができる曲もあれば、あまり効果を感じられない曲もあるのが現状です。
まとめ:新しい音楽体験を楽しもう
Apple Musicの空間オーディオは、音楽の聴き方を大きく変える革新的な技術です。
この記事のポイント
- 空間オーディオはドルビーアトモス技術を使った立体音響
- Apple Musicサブスクリプションがあれば追加料金なしで利用可能
- iPhoneやMacの内蔵スピーカーでも体験できる
- どんなヘッドホン・イヤホンでも楽しめる
- 設定は簡単で、数タップで完了
- 対応曲は常に増え続けている
まだ体験したことがない方は、ぜひ一度試してみてください。
お気に入りの曲が、全く新しい表情を見せてくれるはずです。
空間オーディオで、あなたの音楽ライフがより豊かになることを願っています。

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