「スマホの充電がすぐなくなる」「外出先でバッテリーが切れそうになって困った」
こんな経験、ありませんか?
Androidスマホには、「バッテリーセーバー」という便利な省電力機能が標準で搭載されています。
この記事では、バッテリーセーバーの使い方から、バッテリーを長持ちさせるコツまで、詳しく解説します。
Androidバッテリーセーバーとは?基本を理解しよう

バッテリーセーバーとは、スマホのバッテリー消費を抑えて、充電を長持ちさせる機能のことです。
バッテリーセーバーの仕組み
バッテリーセーバーは、スマホの一部の機能を制限したり、アプリの動作を抑えたりすることで、電池の消費を減らします。
主な仕組み:
- アプリのバックグラウンド動作を制限
- 画面の明るさを下げる
- 位置情報サービスをオフにする
- 一部の視覚効果を無効化
- ダークモードに切り替え(機種による)
標準搭載の機能
バッテリーセーバーは、AndroidのOSに最初から組み込まれている機能です。
特徴:
- アプリのインストール不要
- すべてのAndroidスマホで利用可能(Android 5.0以降)
- 無料で使える
メーカーによる名称の違い
「バッテリーセーバー」という名前は、メーカーや機種によって異なります。
主な名称:
| メーカー | 機能名 |
|---|---|
| Google Pixel | バッテリーセーバー |
| Samsung Galaxy | パワーモード/省電力モード |
| Sony Xperia | STAMINAモード/スタミナモード |
| SHARP AQUOS | 長エネスイッチ |
| OPPO | 省電力モード |
| Xiaomi | 省電力モード |
| HUAWEI | 省電力モード |
| Motorola | バッテリーセーバー |
| arrows・らくらくスマホ | バッテリーセーバー |
呼び方は違いますが、基本的な機能はほぼ同じです。
バッテリーセーバーのメリットとデメリット
メリット
1. バッテリーが長持ちする
バッテリーセーバーをオンにすると、通常の1.5倍〜2倍程度バッテリーが長持ちします。
効果の目安:
- 通常:残り10%で約1時間使える
- バッテリーセーバーON:残り10%で約1.5〜2時間使える
2. 操作が簡単
クイック設定パネルから、ワンタップでオン・オフできます。
3. 自動設定が可能
バッテリー残量が一定以下になったら、自動的にオンにできます。
4. 充電回数を減らせる
バッテリーが長持ちするため、充電の回数が減り、バッテリーの寿命も延びます。
デメリット
1. アプリの自動更新が止まる
バックグラウンドでのアプリの動作が制限されます。
影響を受ける例:
- Googleフォトの自動バックアップが停止
- メールの自動受信が遅れる
- SNSの通知が遅延する
- ニュースアプリの自動更新が止まる
2. 位置情報が制限される
画面がオフの状態では、位置情報サービスがオフになります。
影響:
- Googleマップのナビが使えなくなる
- 位置情報を使うアプリが正常に動作しない
3. 通信速度が遅くなる
データ通信が制限され、速度が低下する場合があります。
4. スマホの動作が遅くなる
CPU(プロセッサ)の性能を抑えるため、アプリの起動や動作が少し遅くなります。
5. 一部の機能が使えなくなる
- 「OK Google」の音声起動が使えなくなる(Pixel)
- 画面の常時表示がオフになる
- ライブ壁紙が停止する
バッテリーセーバーの設定方法
クイック設定パネルから設定(最も簡単)
最も手軽な方法は、クイック設定パネルからの操作です。
手順:
- 画面上部から下にスワイプ
- もう一度下にスワイプ(クイック設定パネルを全表示)
- 「バッテリーセーバー」アイコンをタップ
これでバッテリーセーバーがオンになります。
確認方法:
- 画面上部のバッテリーアイコンが赤色またはオレンジ色になる
- 一部の機種では、画面上部と下部のバーが赤色やオレンジ色になる
設定アプリから設定(Google Pixel・標準Android)
手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「電池」または「バッテリー」をタップ
- 「バッテリーセーバー」をタップ
- 「今すぐONにする」をタップ
これでバッテリーセーバーがオンになります。
メーカー別の設定方法
Samsung Galaxy の場合
手順:
- 「設定」を開く
- 「デバイスケア」をタップ
- 「バッテリー」をタップ
- 「パワーモード」をタップ
- 「省電力モード」または「最大省電力モード」を選択
追加設定:
- Always On Display(常時表示)をオフ
- CPU速度を70%に制限
- 画面の明るさを10%下げる
これらの設定を個別にオン・オフできます。
SHARP AQUOS の場合
手順:
- 「設定」を開く
- 「電池」をタップ
- 「長エネスイッチ」をタップ
- 「ON」にする
Sony Xperia の場合
手順:
- 「設定」を開く
- 「バッテリー」をタップ
- 「STAMINAモード」をタップ
- 「ONにする」をタップ
arrows・らくらくスマホの場合
手順:
- 「設定」を開く
- 「電池」をタップ
- 「バッテリーセーバー」をタップ
- 「今すぐONにする」をタップ
Motorola の場合
手順:
- クイック設定パネルを開く
- バッテリーセーバーアイコンをタップ
または:
- 「設定」を開く
- 「電池」をタップ
- 「バッテリーセーバー」をタップ
バッテリーセーバーの自動設定

バッテリー残量に応じて自動でオン
バッテリー残量が一定以下になったら、自動的にバッテリーセーバーをオンにできます。
設定方法(Google Pixel・標準Android):
- 「設定」→「電池」→「バッテリーセーバー」
- 「スケジュールの設定」をタップ
- 「残量に応じて自動でON」を選択
- スライダーでバッテリー残量を設定(5%〜75%)
おすすめの設定:
- 15%〜20%:バランスが良い
- 10%:ギリギリまで通常モードで使いたい人向け
- 30%:早めに省電力モードにしたい人向け
ルーティンに基づいて自動でオン
普段の充電パターンを学習して、次の充電前にバッテリーがなくなりそうなときに自動でオンになります。
設定方法(Google Pixel・一部のAndroid):
- 「設定」→「電池」→「バッテリーセーバー」
- 「スケジュールの設定」をタップ
- 「普段の充電パターンを基に自動でON」を選択
仕組み:
例えば、毎日夜11時に充電している場合、夕方6時頃にバッテリーが20%を切りそうなら、自動的にバッテリーセーバーがオンになります。
自動オフの設定
充電を開始すると、バッテリーセーバーは自動的にオフになります。
手動でオフにする方法:
- クイック設定パネルから「バッテリーセーバー」をタップ
- または、通知パネルの「バッテリーセーバーをオフにする」をタップ
スーパーバッテリーセーバー(Google Pixel限定)
Google Pixelには、通常のバッテリーセーバーよりも強力な「スーパーバッテリーセーバー」(Extreme Battery Saver)があります。
スーパーバッテリーセーバーとは
バッテリーセーバーよりもさらに多くの機能を制限して、バッテリーを極限まで長持ちさせる機能です。
効果:
- 通常モードの2〜3倍バッテリーが長持ち
- 残り5%でも数時間使える場合がある
通常のバッテリーセーバーとの違い
スーパーバッテリーセーバーの追加制限:
- ほとんどのアプリが一時停止
- 電話、メッセージ、時計、設定など、必須アプリ以外は停止
- 通知も届かなくなる
- CPUの速度が低下
- 処理速度が遅くなる
- Wi-Fi・Bluetoothのスキャンがオフ
- Wi-FiとBluetoothは手動でオンにすれば使える
- 画面のタイムアウトが30秒
- 30秒操作しないと画面が暗くなる
- テザリングが停止
- 使用中のテザリングが自動で切れる
- 仕事用プロファイルがオフ
- 仕事用アプリが使えなくなる
スーパーバッテリーセーバーの設定方法
手順:
- 「設定」→「電池」→「バッテリーセーバー」
- 「スーパーバッテリーセーバー」をタップ
- 「使用する」をオンにする
必須アプリの設定:
スーパーバッテリーセーバー中でも動作させたいアプリを選択できます。
- 「必須アプリ」をタップ
- 使いたいアプリの横にある「+」をタップ
おすすめの必須アプリ:
- おサイフケータイ
- 乗換案内アプリ
- 連絡を取る必要がある人のメッセージアプリ
バッテリーセーバー以外の節電方法
バッテリーセーバー以外にも、バッテリーを長持ちさせる方法があります。
方法1:画面の明るさを下げる
ディスプレイは、最もバッテリーを消費する部分です。
設定方法:
- クイック設定パネルを開く
- 明るさのスライダーを左に動かす
おすすめ設定:
- 屋内:30〜50%程度
- 屋外:70〜80%程度
自動明るさ調整について:
「明るさの自動調整」は便利ですが、バッテリー節約の観点からは手動調整がおすすめです。
自動調整は、見やすさを優先して明るめに設定される傾向があります。
方法2:画面のタイムアウト時間を短くする
画面が点いたままの時間を短くすることで、バッテリーを節約できます。
設定方法:
- 「設定」→「ディスプレイ」
- 「スリープ」または「画面のタイムアウト」
- 「15秒」または「30秒」を選択
おすすめ設定:
- 15秒:最も節電効果が高い
- 30秒:バランスが良い
- 1分以上:バッテリー消費が多い
方法3:ダークモードを使う
有機EL(OLED)ディスプレイのスマホでは、ダークモードがバッテリー節約に効果的です。
有機EL搭載の主な機種:
- Google Pixel(6以降)
- Samsung Galaxy(S・Note・Zシリーズ)
- Sony Xperia(1・5シリーズ)
- OPPO Find X シリーズ
設定方法:
- 「設定」→「ディスプレイ」
- 「ダークモード」をオン
方法4:不要な通信をオフにする
使っていない通信機能をオフにすることで、バッテリーを節約できます。
オフにすべき機能:
- Wi-Fi:使わない時はオフ
- Bluetooth:使わない時はオフ
- 位置情報(GPS):常時オンではなく、アプリ使用時のみに設定
- モバイルデータ:Wi-Fi環境では不要
設定方法:
クイック設定パネルから各機能のアイコンをタップしてオフにします。
方法5:アプリの通知を制限する
通知が多いと、その度に画面が点灯してバッテリーを消費します。
設定方法:
- 「設定」→「通知」
- 不要なアプリの通知をオフ
方法6:ライブ壁紙を使わない
動く壁紙(ライブ壁紙)は、バッテリーを多く消費します。
設定方法:
- ホーム画面を長押し
- 「壁紙」を選択
- 静止画の壁紙を選ぶ
方法7:バイブレーションをオフにする
タッチ操作時のバイブレーションをオフにすると、わずかですがバッテリーを節約できます。
設定方法:
- 「設定」→「音」
- 「タッチ操作時のバイブ」をオフ
方法8:アプリのバックグラウンド更新を制限する
設定方法:
- 「設定」→「アプリ」
- バッテリーを多く消費しているアプリを選択
- 「バックグラウンドでのデータ使用」をオフ
よくあるトラブルと解決策
トラブル1:バッテリーセーバーが勝手にオフになる
原因:
- 充電を開始すると自動的にオフになる
- バッテリー残量が90%に達すると自動的にオフになる(機種による)
解決策:
これは正常な動作です。
必要に応じて、再度手動でオンにしてください。
トラブル2:バッテリーセーバー中に通知が来ない
原因:
バッテリーセーバーは通知を遅延させることがあります。
解決策:
- 重要なアプリは、バッテリー最適化の除外設定をする
- 「設定」→「アプリ」→アプリを選択
- 「バッテリー」→「最適化しない」を選択
- または、バッテリーセーバーを一時的にオフにする
トラブル3:Googleマップが使えない
原因:
バッテリーセーバー中は位置情報サービスが制限されます。
解決策:
- Googleマップを使う時だけバッテリーセーバーをオフにする
- または、Googleマップをバッテリー最適化の除外設定にする
トラブル4:バッテリーセーバーをオンにしても効果が感じられない
考えられる原因:
- バッテリー自体が劣化している
- 特定のアプリが大量のバッテリーを消費している
- 画面の明るさが高すぎる
解決策:
- バッテリー使用状況を確認
- 「設定」→「電池」→「バッテリー使用状況」
- バッテリーを多く消費しているアプリを確認
- 画面の明るさを下げる
- バッテリーが劣化している場合は交換を検討
トラブル5:スーパーバッテリーセーバーで必要なアプリが使えない
原因:
スーパーバッテリーセーバーは、ほとんどのアプリを一時停止します。
解決策:
- 必須アプリに登録する
- 「設定」→「電池」→「バッテリーセーバー」→「スーパーバッテリーセーバー」
- 「必須アプリ」から使いたいアプリを追加
- 一時的にアプリの一時停止を解除
- 一時停止中のアプリをタップ
- 「一時的に一時停止を解除」をタップ
よくある質問
Q1. バッテリーセーバーは常にオンにしておいても大丈夫?
A: 技術的には問題ありませんが、おすすめしません。
理由:
- アプリの自動更新が止まる
- 通知が遅延する
- スマホの動作が遅くなる
おすすめの使い方:
- バッテリー残量が20%以下になったら使う
- 外出時など、充電できない状況で使う
Q2. バッテリーセーバーをオンにするとどのくらい長持ちする?
A: 使用状況によりますが、約1.5〜2倍長持ちします。
目安:
- 通常:残り10%で1時間
- バッテリーセーバー:残り10%で1.5〜2時間
- スーパーバッテリーセーバー:残り10%で3〜4時間
Q3. 充電中もバッテリーセーバーは効果がある?
A: 充電中は自動的にオフになります。
充電中はバッテリー節約の必要がないため、自動的にオフになる仕様です。
Q4. バッテリーセーバーを使うとスマホの寿命は延びる?
A: 間接的に延びる可能性があります。
理由:
- 充電回数が減る→バッテリーの劣化が遅くなる
- 発熱が抑えられる→内部部品の劣化が遅くなる
Q5. iPhoneにもバッテリーセーバーはある?
A: はい、「低電力モード」という名前で同様の機能があります。
基本的な仕組みはAndroidのバッテリーセーバーと同じです。
Q6. バッテリーセーバー中でも使えるアプリは?
A: すべてのアプリが使えますが、一部制限があります。
影響を受けにくいアプリ:
- 電話
- メッセージ(SMS)
- 時計・アラーム
- 設定
影響を受けやすいアプリ:
- メールアプリ(自動受信が遅延)
- SNS(通知が遅延)
- クラウドストレージ(自動バックアップが停止)
- ゲームアプリ(動作が遅くなる)
Q7. ゲーム中もバッテリーセーバーは使える?
A: 使えますが、おすすめしません。
理由:
- CPUの速度が制限されて、ゲームの動作が遅くなる
- グラフィックの品質が下がる
- オンラインゲームの接続が不安定になる可能性
まとめ:バッテリーセーバーを上手に使って快適なスマホライフを
Androidのバッテリーセーバーは、バッテリーを長持ちさせるための便利な機能です。
覚えておきたいポイント:
- バッテリーセーバーとは
- バッテリー消費を抑える標準機能
- メーカーによって名称が異なる
- 設定方法
- クイック設定パネルから簡単にオン・オフ
- 自動設定も可能
- メリット
- バッテリーが1.5〜2倍長持ち
- 操作が簡単
- 充電回数が減る
- デメリット
- アプリの自動更新が止まる
- 通知が遅延する
- 位置情報が制限される
- おすすめの使い方
- バッテリー残量15〜20%で自動オン
- 外出時など充電できない時に使う
- その他の節電方法
- 画面の明るさを下げる
- 不要な通信をオフ
- ダークモードを使う
こんな時に便利:
- 外出先で充電できない
- バッテリーが少なくなってきた
- 長時間充電できない状況
バッテリーセーバーは、緊急時の救世主です。
普段は通常モードで使い、必要な時だけバッテリーセーバーをオンにするのが賢い使い方です。
この記事を参考に、ぜひバッテリーセーバーを活用してみてください。
バッテリー切れの心配が減って、より快適にスマホを使えるようになりますよ!

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