「Wi-Fiが遅い」「接続が不安定でゲームが途中で切れる」「動画のダウンロードに時間がかかりすぎる」
こんな悩み、ありませんか?
実は、Androidスマホやタブレットも、パソコンのように有線LANで接続できるんです。
この記事では、Android端末を有線LAN接続する方法を、必要な機器から設定手順、トラブル対処法まで詳しく解説します。
Android端末で有線LAN接続って何?基本を理解しよう
有線LAN接続とは、LANケーブル(イーサネットケーブル)を使って、端末を直接インターネットに接続する方法です。
パソコンなら当たり前のように使われていますが、実はAndroidスマホやタブレットでも使えるんですよ。
なぜ有線LAN接続が便利なの?
普段はWi-Fiやモバイルデータ通信を使っているのに、わざわざ有線接続する理由は何でしょうか?
有線LAN接続の3つのメリット:
- 通信が安定する
- 電波の混信がないので、途切れにくい
- 壁や障害物の影響を受けない
- オンラインゲームで「ラグ」が減る
- 速度が速い場合が多い
- Wi-Fiよりも2〜3倍速いことがある
- 大容量ファイルのダウンロードがスムーズ
- 動画の読み込み待ち時間が短くなる
- セキュリティが高い
- 物理的にケーブルで繋がっているので、盗聴されにくい
- フリーWi-Fiのリスクがない
こんな場面で活躍します
ホテルや出張先で:
ホテルのWi-Fiが弱くて繋がりにくい時、部屋に有線LANポートがあれば快適にネット接続できます。
ゲームや動画視聴で:
オンラインゲーム(原神、PUBGモバイル、TEPPENなど)をプレイする時、通信が安定するので「通信エラー」や「ラグ」が減ります。
大容量の動画やゲームをダウンロードする時も、Wi-Fiより圧倒的に速いです。
自宅のWi-Fiが不安定な時:
部屋によってWi-Fiの電波が弱い、家族がたくさん使っていて遅いという場合の解決策になります。
有線LAN接続に必要な機器を揃えよう
1. USB-LAN変換アダプタ(有線LANアダプタ)
これが最も重要なアイテムです。
Androidスマホには、パソコンのような「LANポート(RJ-45端子)」がありません。
そのため、USBポートをLANポートに変換するアダプタが必要になるんです。
選び方のポイント:
端子の種類を確認:
- USB Type-C対応:最近のAndroidスマホ(2017年以降)はこちら
- Micro USB対応:古い機種(2016年以前)はこちら
まず自分のスマホの充電端子の形を確認してください。
通信速度をチェック:
- ギガビット対応(1000Mbps):おすすめ
- 100Mbps対応:最低限これは必要
商品説明に「1000Mbps」「ギガビット対応」と書いてあるものを選びましょう。
チップセットを確認:
Android端末と相性が良いのは以下のチップセット:
- Realtek RTL8152
- ASIX AX88772A
- ASIX AX88179
商品ページに記載されていることが多いので、チェックしてみてください。
価格の目安:
Amazonや家電量販店で、1,500円〜3,000円程度で購入できます。
2. LANケーブル(イーサネットケーブル)
ルーターと端末を繋ぐケーブルです。
規格を選ぶ:
- CAT6A / CAT6E:おすすめ(高速で安定)
- CAT5e:最低限これは必要
CAT7以上もありますが、一般家庭では過剰スペックなので必要ありません。
ケーブルの種類:
- スタンダードタイプ(丸線):おすすめ(ノイズに強い)
- フラットケーブル:見た目はスッキリだが、安定性で劣る
可能であれば丸線タイプを選びましょう。
長さ:
必要な長さ+余裕を持って選んでください。
一般的には1m、3m、5mあたりが使いやすいです。
3. あると便利なもの
USB-Cハブ(充電対応):
有線LAN接続中は充電できないという問題を解決できます。
充電ポートとLANポートが両方ついているハブを選べば、充電しながらネット接続できますよ。
ただし、価格は3,000円〜5,000円と少し高めです。
対応機種の確認方法:自分のスマホは使える?
「自分のAndroid端末は有線LAN接続できるの?」という疑問、ありますよね。
基本的な条件
Android OSのバージョン:
- Android 6.0以降:多くの機種で対応
- Android 11以降:ほぼ全ての機種で対応
USB OTG機能:
USB OTG(On-The-Go)という機能に対応している必要があります。
最近のスマホはほぼ全て対応していますが、一部の格安スマホでは非対応の場合があります。
対応確認の方法
方法1:設定メニューを確認
- 「設定」アプリを開く
- 「ネットワークとインターネット」を探す
- 「イーサネット」の項目があるか確認
※グレーアウト(灰色)になっていてもOKです。
項目自体が存在すれば、有線LAN接続に対応している可能性が高いです。
方法2:実際に試してみる
有線LANアダプタを購入して、実際に接続してみるのが最も確実です。
多くの家電量販店では返品対応もあるので、試してみて使えなければ返品することも可能です。
方法3:メーカーの公式情報を確認
メーカーの公式サイトやサポートに問い合わせるのも確実な方法です。
確認された対応機種の例
以下は実際に有線LAN接続できることが確認されている機種の例です。
Google Pixel シリーズ:
- Pixel 3以降のほぼ全機種
Sony Xperia シリーズ:
- Xperia 1シリーズ、5シリーズ、10シリーズ(一部機種を除く)
- ※Xperia XZ1など一部の古い機種は非対応
Samsung Galaxy シリーズ:
- Galaxy S8以降
- Galaxy Note 8以降
AQUOS シリーズ:
- AQUOS sense plus以降の多くの機種
その他のメーカー:
- OPPO、Xiaomi、OnePlusなども多くの機種で対応
※ただし、同じシリーズでも機種によって異なる場合があります。
Android端末を有線LAN接続する手順
準備:他の通信をオフにする
有線LAN接続を使う前に、他の通信方法をオフにしておくのがおすすめです。
機内モードをオンにする(推奨):
- 画面上部から下にスワイプ
- 「機内モード」をタップしてオン
これで、モバイルデータ通信とWi-Fiが一度にオフになります。
個別にオフにする場合:
- モバイルデータ通信をオフ
- Wi-Fiをオフ
ただし、機内モードの方が手っ取り早いです。
基本の接続手順
手順1:有線LANアダプタを準備
有線LANアダプタにLANケーブルを接続します。
手順2:スマホに接続
有線LANアダプタをスマホのUSBポートに差し込みます。
手順3:自動認識を待つ
多くの場合、自動的に認識されてインターネットに接続されます。
手順4:接続確認
画面上部のステータスバーに「⇔」のようなアイコンが表示されれば、接続成功です。
機種別の追加設定
機種によっては、追加の設定が必要な場合があります。
OPPOの場合:
あらかじめOTG接続機能をオンにする必要があります。
- 「設定」→「その他の設定」
- 「OTG接続」をオンに
一部の古い機種の場合:
開発者向けオプションでUSB設定を変更する必要があります。
- 「設定」→「端末情報」→「ビルド番号」を7回連続タップ
- 「開発者向けオプション」が有効になる
- 「設定」→「システム」→「開発者向けオプション」
- 「USB設定の選択」→「RNDIS(USBイーサネット)」を選択
うまく接続できない時の対処法
対処法1:アダプタの抜き差し
まずは基本中の基本。
アダプタを一度抜いて、数秒待ってから再度差し込んでみてください。
対処法2:スマホを再起動
電源ボタンを長押しして、スマホを再起動してみましょう。
一時的な不具合が解消されることがあります。
対処法3:機内モードを確認
機内モードがオンになっていることを確認してください。
Wi-Fiやモバイルデータ通信がオンのままだと、有線LAN接続が優先されない場合があります。
対処法4:LANケーブルを確認
ケーブルの接続を確認:
- ルーター側がしっかり差し込まれているか
- アダプタ側がしっかり差し込まれているか
- ケーブルが断線していないか
別のケーブルで試す:
可能であれば、別のLANケーブルで試してみてください。
対処法5:別のLANポートを試す
ルーターに複数のLANポートがある場合、別のポートに差し替えてみてください。
対処法6:アダプタとの相性を確認
使用しているアダプタが、お使いのAndroid端末に対応していない可能性があります。
チップセットを確認:
Android端末と相性が良いチップセット(Realtek RTL8152、ASIX AX88772Aなど)を搭載したアダプタを試してみてください。
対処法7:ネットワーク設定のリセット
それでもダメな場合は、ネットワーク設定をリセットしてみましょう。
- 「設定」→「システム」→「リセットオプション」
- 「Wi-Fi、モバイル、Bluetoothのリセット」を選択
※この操作を行うと、保存されているWi-Fiのパスワードなども削除されるので注意してください。
有線LAN接続のメリットとデメリット
メリット
1. 通信速度が速い
Wi-Fiと比較して、実測で2〜3倍速くなることもあります。
体感速度の比較例:
- 大容量ゲーム(10GB)のダウンロード:Wi-Fiで2時間→有線で40分
- 高画質動画のストリーミング:バッファリングなしでスムーズ
- オンラインゲーム:ラグが大幅に減少
2. 接続が安定している
電波の混信や障害物の影響を受けないため、通信が途切れにくいです。
安定性が重要な場面:
- オンライン会議やビデオ通話
- オンラインゲーム(特に対戦ゲーム)
- 重要なファイルのアップロード/ダウンロード
3. セキュリティが高い
物理的に接続されているため、無線通信よりも安全です。
フリーWi-Fiのリスク(盗聴、なりすまし)がありません。
4. 複数デバイスの影響を受けない
家族が同時にWi-Fiを使っていても、有線接続なら影響を受けません。
デメリット
1. 充電しながら使えない
これが最大のデメリットです。
Androidの仕組み上、USB端子を有線LAN接続に使っている間は、同じ端子で充電できません。
解決策:
- 充電対応のUSB-Cハブを使う(追加費用3,000円〜)
- 事前に充電しておく
- 短時間の使用に限定する
2. 移動しながら使えない
ケーブルで繋がっているため、スマホを持って移動することができません。
3. ケーブルが邪魔
LANケーブルとアダプタが接続されているため、スマホの取り回しが悪くなります。
特にゲームをプレイする時は、少し違和感があるかもしれません。
4. 機種によっては使えない
全てのAndroid端末が対応しているわけではありません。
特に古い機種や一部のメーカーでは使えないことがあります。
5. 機器の購入費用がかかる
有線LANアダプタ(1,500円〜3,000円)とLANケーブル(数百円)の購入が必要です。
おすすめの使用シーン
シーン1:ホテルや出張先
状況:
ホテルのWi-Fiが弱い、または有料で高額。
でも部屋に有線LANポートがある。
解決策:
有線LANアダプタを持参すれば、安定した高速インターネットが使えます。
仕事のメール確認や動画視聴も快適です。
シーン2:オンラインゲーム
状況:
Wi-Fiだとラグが発生して、対戦ゲームで不利になる。
通信エラーで試合が中断されてしまう。
解決策:
有線接続なら、通信が安定してラグが激減します。
原神、PUBGモバイル、TEPPEN、荒野行動などのゲームで効果絶大です。
シーン3:大容量ファイルのダウンロード
状況:
10GBを超える大容量ゲームや動画をダウンロードしたい。
Wi-Fiだと数時間かかってしまう。
解決策:
有線接続なら、ダウンロード時間が大幅に短縮されます。
スマホを充電しておいて、ダウンロード中は放置するのがおすすめです。
シーン4:自宅のWi-Fiが不安定
状況:
家族がたくさんWi-Fiを使っていて、自分の部屋では電波が弱い。
ルーターから離れた部屋にいる。
解決策:
自分だけ有線接続すれば、他の人の影響を受けずに安定した通信ができます。
シーン5:イーサネットテザリング
状況:
自宅に光回線を引きたくない(工事が面倒)。
でもスマホの小さい画面だけでは不便。
解決策:
Android 11以降なら「イーサネットテザリング」機能が使えます。
スマホを有線LANで接続し、そこからWi-Fiルーターに繋げば、簡易的な自宅ネット環境が構築できます。
※データ無制限プラン(楽天モバイルなど)の契約が必要です。
よくある質問:有線LAN接続の疑問を解決
Q1. すべてのAndroid端末で使えるの?
いいえ、機種によって異なります。
使える可能性が高い:
- Android 6.0以降の端末
- USB OTG機能に対応している端末
- 比較的新しい機種(2017年以降)
使えない可能性が高い:
- 一部のXperiaシリーズ(XZ1など)
- 一部の格安スマホ
- 非常に古い機種(Android 5.0以前)
Q2. 充電しながら使う方法はある?
あります。
充電対応のUSB-Cハブを使えば、充電とLAN接続を同時に行えます。
ただし、価格は3,000円〜5,000円と少し高めです。
Q3. Wi-Fiより本当に速いの?
環境によりますが、多くの場合は速くなります。
速度の目安:
- Wi-Fi(2.4GHz):実測10〜30Mbps
- Wi-Fi(5GHz):実測50〜100Mbps
- 有線LAN(100Mbps):実測70〜90Mbps
- 有線LAN(1Gbps):実測100〜500Mbps
※実際の速度は、ルーターやプロバイダーの回線速度、アダプタの性能によって変わります。
Q4. 通話やSMSは使える?
はい、問題なく使えます。
有線LAN接続はデータ通信の方法を変えるだけなので、音声通話やSMSには影響しません。
Q5. Wi-Fiと有線LANを同時に使える?
技術的には可能ですが、通常は有線LANが優先されます。
特殊な設定やアプリを使えば両方を同時に使うこともできますが、一般的な使い方では必要ありません。
Q6. テザリングと併用できる?
できます。
有線LANで接続しながら、Wi-Fiテザリングをオンにすれば、スマホをWi-Fiルーターのように使えます。
これが「イーサネットテザリング」という機能です(Android 11以降)。
Q7. ギガビット(1Gbps)の速度は出る?
端末の性能次第です。
理論上は最大1Gbpsですが、実際には以下の要素で制限されます:
- スマホのUSBポートの規格(USB 2.0は最大480Mbps)
- アダプタの性能
- ルーターの性能
- プロバイダーの回線速度
一般的には、100〜500Mbps程度が現実的な速度です。
まとめ:有線LAN接続で快適なネット環境を手に入れよう
Android端末での有線LAN接続は、思ったよりも簡単に使える便利な機能です。
覚えておきたいポイント:
- 必要なもの:USB-LAN変換アダプタとLANケーブル
- 接続方法:機内モードをオンにして、アダプタを差し込むだけ
- メリット:通信速度が速く、安定している
- デメリット:充電しながら使えない、移動できない
- おすすめの場面:ホテル、オンラインゲーム、大容量ダウンロード
こんな人におすすめ:
- オンラインゲームを快適にプレイしたい
- ホテルや出張先で安定したネット環境が欲しい
- 自宅のWi-Fiが不安定で困っている
- 大容量ファイルを頻繁にダウンロードする
最初は設定に戸惑うかもしれませんが、一度慣れてしまえば非常に便利です。
Wi-Fiの不安定さに悩んでいる方は、ぜひ有線LAN接続を試してみてください!
アダプタとケーブルは合わせて2,000円〜3,000円程度で揃いますので、コストパフォーマンスも良好ですよ。


コメント