「VPNを使っていたら動画が見られない…」
「アプリがうまく動かない…」
「VPNをオフにしたいけど、どうやるの?」
VPN(バーチャルプライベートネットワーク)は、プライバシー保護やセキュリティ強化に役立つ便利な機能ですが、常に接続しておく必要はありません。むしろ、状況によってはVPNをオフにした方が良い場合もあります。
今回は、AndroidスマホでVPNをオフにする3つの方法と、VPNをオフにするべきタイミング、注意点について詳しく解説します。
VPNとは?なぜオフにする必要があるの?

まず、VPNの基本とオフにする理由を簡単に確認しておきましょう。
VPNってなに?
VPNは「Virtual Private Network(仮想プライベートネットワーク)」の略で、インターネット通信を暗号化して、プライバシーとセキュリティを守る技術です。
VPNを使うと、あなたの本当のIPアドレス(インターネット上の住所のようなもの)が隠され、通信内容も暗号化されるため、第三者から見られにくくなります。特に、カフェやホテルなどの公共Wi-Fiを使うときに重要です。
VPNをオフにする理由
便利なVPNですが、以下のような理由でオフにした方が良い場合があります。
通信速度が遅くなる
VPNは通信を暗号化し、遠隔地のサーバーを経由するため、通常よりも速度が遅くなることがあります。動画のストリーミングやオンラインゲームをする際に、読み込みが遅いと感じたら、VPNが原因かもしれません。
特定のアプリやサービスが使えない
一部のアプリやウェブサイトは、VPN接続を検出してアクセスを制限します。例えば、動画配信サービスや銀行アプリ、位置情報を使うサービス(地図アプリやフードデリバリーなど)は、VPNをオンにしていると正常に動作しないことがあります。
バッテリーの消費が増える
VPNアプリはバックグラウンドで常に動作するため、バッテリーの消耗が早くなります。バッテリー残量が少ないときは、VPNをオフにすることで少しでも長持ちさせることができます。
ネットワークのトラブルシューティング
インターネット接続に問題がある場合、VPNが原因かどうかを確認するために、一時的にオフにしてみることがあります。
地域限定コンテンツにアクセスしたい
逆に、日本国内限定のサービスを海外から使いたい場合や、現在地に基づいたサービスを利用したい場合は、VPNをオフにする必要があります。
AndroidでVPNをオフにする3つの方法
AndroidでVPNをオフにする方法は主に3つあります。どの方法を使うかは、VPNの設定方法によって異なります。
方法1:VPNアプリから直接オフにする(最も簡単!)
VPNサービス(NordVPN、ExpressVPN、Surfsharkなど)のアプリを使っている場合、これが一番簡単で確実な方法です。
手順
使っているVPNアプリを開きます。ホーム画面またはアプリ一覧から、VPNアプリのアイコンをタップしてください。
アプリのメイン画面に、接続状態を示すボタンがあります。多くの場合、「接続中」や「オン」と表示されています。
「切断」「オフ」「停止」などのボタンをタップします。アプリによっては、電源ボタンのようなアイコンをタップするだけです。
「VPNが切断されました」などのメッセージが表示されたら、オフ完了です!
確認方法
画面上部のステータスバーを確認してください。VPNが接続されているときは、鍵のマークやVPNのアイコンが表示されていますが、オフにするとこのアイコンが消えます。
方法2:Android設定からオフにする
VPNアプリを使わずに手動でVPN設定を行った場合や、アプリからオフにできない場合は、Android本体の設定からオフにします。
手順
「設定」アプリを開きます。ホーム画面または画面上部から下にスワイプして、歯車アイコンをタップしてください。
「ネットワークとインターネット」または「接続」をタップします。機種によって名称が異なる場合があります。見つからない場合は、設定画面の検索バーで「VPN」と入力してください。
「VPN」をタップします。現在設定されているVPNのリストが表示されます。
接続中のVPNの名前をタップします。「接続中」と表示されているものを選んでください。
「切断」または「オフ」ボタンをタップします。機種によっては、VPNの横にある設定アイコン(歯車マーク)をタップしてから、トグルスイッチをオフにする場合もあります。
機種による違い
Androidは機種やOSのバージョンによって、メニューの名称や配置が少し異なります。
Samsungの場合は「設定」→「接続」→「その他の接続設定」→「VPN」、Google Pixelの場合は「設定」→「ネットワークとインターネット」→「VPN」、Xiaomiの場合は「設定」→「接続と共有」→「VPN」となっていることが多いです。
見つからない場合は、設定画面で「VPN」または「バーチャルプライベートネットワーク」と検索してみてください。
方法3:クイック設定からオフにする(一番速い!)
一部のAndroid端末やVPNアプリでは、クイック設定パネルからVPNのオン・オフを切り替えられます。
手順
画面の上端から下にスワイプして、クイック設定パネルを表示します。すべてのアイコンを表示するには、もう一度下にスワイプする必要がある場合もあります。
VPNのアイコンを探します。鍵のマークや「VPN」と書かれたアイコンがあるはずです。
VPNアイコンをタップすると、オン・オフが切り替わります。
注意点
この方法は、VPNアプリやAndroid端末がクイック設定に対応している場合のみ使えます。すべての機種やアプリで使えるわけではありません。また、この方法では接続先のサーバーを変更したり、プロトコルを変更したりはできません。単純にオン・オフの切り替えだけです。
VPNが自動で再接続してしまう場合の対処法
VPNをオフにしても、すぐにまた接続されてしまう…そんな経験はありませんか?これは「常時接続VPN」や「自動接続」の設定がオンになっている可能性があります。
「常時接続VPN」をオフにする方法
常時接続VPNは、VPN接続が切れると自動的に再接続する機能です。セキュリティ重視の設定ですが、意図的にVPNをオフにしたいときは邪魔になります。
手順
「設定」→「ネットワークとインターネット」→「VPN」を開きます。
オフにしたいVPNの横にある設定アイコン(歯車マーク)をタップします。
「常時接続VPN」のトグルスイッチを探して、オフにします。
「VPN接続がない場合はブロック」という設定もオフにしておきましょう。この設定がオンだと、VPNに接続していないときはインターネット自体が使えなくなってしまいます。
VPNアプリの自動接続設定を確認
VPNアプリによっては、独自の自動接続設定があります。
VPNアプリを開いて、設定メニューを探します。「自動接続」「起動時に接続」「信頼されていないネットワークで自動接続」などの項目を探して、必要に応じてオフにしましょう。
VPNを完全に削除する方法
一時的にオフにするのではなく、もうそのVPNを使わない場合は、設定を削除することもできます。
VPN設定の削除
「設定」→「ネットワークとインターネット」→「VPN」を開きます。
削除したいVPNの横にある設定アイコン(歯車マーク)をタップします。
「削除」または「VPNを削除」をタップします。確認メッセージが表示されたら、「削除」をタップして完了です。
VPNアプリのアンインストール
VPNアプリ自体が不要な場合は、アプリをアンインストールしましょう。
ホーム画面またはアプリ一覧で、削除したいVPNアプリを長押しします。
「アンインストール」または「削除」をタップします。確認メッセージが表示されたら、「OK」をタップします。
重要な注意
VPNサービスの契約がある場合は、アプリを削除する前にサブスクリプションをキャンセルしておきましょう。アプリを削除しても、自動更新は停止されないことがほとんどです。
VPNをオフにする際の注意点とリスク
VPNをオフにすると、いくつかのリスクが発生します。状況に応じて、適切に判断しましょう。
セキュリティリスクが高まる
VPNをオフにすると、通信が暗号化されなくなります。
特に危険なのは
公共Wi-Fi(カフェ、空港、ホテルなど)を使っているとき、重要な個人情報(パスワード、クレジットカード情報など)を入力するとき、機密性の高い業務を行っているとき、です。
公共Wi-Fiでは、同じネットワークに接続している他の人があなたの通信内容を盗み見できる可能性があります。VPNがないと、この危険性が大幅に高まります。
プライバシーが保護されなくなる
VPNをオフにすると、あなたの本当のIPアドレスが見えるようになります。
何が起こるか
訪問したウェブサイトがあなたの位置情報を知ることができます。インターネットサービスプロバイダ(ISP)が、あなたがどのサイトを訪れたかを追跡できます。広告会社などがあなたのオンライン行動を追跡しやすくなります。
特に、プライバシーを重視する方や、追跡型広告を避けたい方は、VPNをオフにする際は慎重に判断してください。
安全にVPNをオフにできる状況
以下のような状況では、VPNをオフにしても比較的安全です。
自宅の信頼できるWi-Fiネットワークを使っているとき、個人情報を入力しない単純なブラウジングをするとき、位置情報が必要なサービス(地図、配車アプリなど)を使うとき、VPN接続が原因で動作しないアプリやサービスを使うとき。
VPNが正しくオフになったか確認する方法
VPNをオフにした後は、本当に切断されているか確認しましょう。
ステータスバーを確認
Androidのステータスバー(画面上部)を見てください。
VPNが接続されているときは、鍵のアイコンや「VPN」と表示されたアイコンが表示されます。VPNをオフにすると、このアイコンが消えるはずです。
IPアドレスを確認
より確実に確認したい場合は、IPアドレスをチェックしましょう。
ブラウザを開いて、「IPアドレス 確認」や「what is my IP」と検索します。表示されたIPアドレスが、あなたの実際の位置(通常はインターネットプロバイダーの所在地)を示していれば、VPNは正しくオフになっています。
VPNがまだ接続されていると、VPNサーバーの所在地(例:アメリカ、イギリスなど)が表示されます。
よくあるトラブルと対処法
VPNをオフにしようとしたときに起こりがちな問題と、その解決方法を紹介します。
問題1:オフにしてもすぐに再接続される
原因
「常時接続VPN」または「自動接続」の設定がオンになっています。
解決方法
上記で説明した「常時接続VPN」をオフにする方法を試してください。VPNアプリの設定も確認して、自動接続機能をオフにしましょう。
問題2:「切断」ボタンがグレーアウトして押せない
原因
企業や学校が管理するVPNの場合、ユーザーが勝手に切断できないように設定されていることがあります。
解決方法
業務用や学校用のVPNの場合は、IT管理者に相談してください。勝手に削除すると、重要なシステムにアクセスできなくなったり、セキュリティポリシー違反になったりする可能性があります。
問題3:VPNをオフにしたらインターネットに接続できなくなった
原因
「VPN接続がない場合はブロック」の設定がオンになっている可能性があります。
解決方法
「設定」→「ネットワークとインターネット」→「VPN」を開きます。該当するVPNの設定を開いて、「VPN接続がない場合はブロック」をオフにします。
それでも解決しない場合は、スマホを再起動してみてください。
問題4:VPN設定が見つからない
原因
機種によってメニューの場所が異なります。
解決方法
設定画面の検索機能を使いましょう。「設定」アプリを開いて、画面上部の検索バーに「VPN」または「バーチャルプライベートネットワーク」と入力します。それでも見つからない場合は、お使いのスマホのメーカーのサポートサイトを確認してください。
スプリットトンネリングという選択肢
「VPNを完全にオフにするのではなく、特定のアプリだけVPNを使わないようにしたい」
そんなときに便利なのが「スプリットトンネリング」という機能です。
スプリットトンネリングとは?
スプリットトンネリングは、アプリごとにVPN接続を使うか使わないかを選択できる機能です。
例えば、ブラウザやメールはVPNを使ってセキュリティを確保しながら、動画アプリやゲームはVPNを通さずに高速で接続する、といった使い分けができます。
対応しているVPNサービス
すべてのVPNサービスがスプリットトンネリングに対応しているわけではありません。
対応している主なサービスは、NordVPN、ExpressVPN、Surfshark、CyberGhost、などです。
設定方法(一般的な手順)
VPNアプリを開いて、設定メニューを探します。「スプリットトンネリング」または「Split Tunneling」という項目を見つけます。機能をオンにして、VPNを使わないアプリを選択します。
VPNを完全にオフにするよりも、セキュリティと利便性のバランスが取れるので、おすすめの方法です。
VPNを賢く使うコツ
VPNは「常にオン」か「常にオフ」かの二択ではありません。状況に応じて使い分けることが大切です。
VPNをオンにすべきとき
公共Wi-Fiを使うとき(カフェ、空港、ホテル、駅など)、重要な個人情報を入力するとき(オンラインバンキング、ショッピングなど)、プライバシーを重視するとき(閲覧履歴を残したくない、追跡されたくない)、海外から日本のサービスにアクセスするとき、または日本から海外のサービスにアクセスするとき。
VPNをオフにしても良いとき
自宅の信頼できるWi-Fiを使っているとき、通信速度が重要なとき(大容量のダウンロード、オンラインゲーム、ビデオ通話など)、位置情報が必要なサービスを使うとき(地図、配車、フードデリバリーなど)、VPN接続を検出してブロックするサービスを使うとき。
バッテリー節約のために
バッテリー残量が少ないときは、不要な場面ではVPNをオフにして節約しましょう。ただし、セキュリティとのバランスを考えて判断してください。
まとめ:VPNのオン・オフを上手に使い分けよう
AndroidでVPNをオフにする方法は、主に3つあります。
VPNアプリから直接オフにする(最も簡単で確実)、Android設定から「ネットワークとインターネット」→「VPN」でオフにする、クイック設定パネルからワンタップでオフにする、という方法です。
重要なポイント
VPNをオフにすると、セキュリティとプライバシーのリスクが高まります。公共Wi-Fiでは特に注意が必要です。
自動再接続を防ぐには、「常時接続VPN」をオフにしましょう。
状況に応じて、VPNのオン・オフを使い分けることが大切です。
スプリットトンネリング機能を使えば、アプリごとに設定できて便利です。
VPNは便利なツールですが、使いこなすには適切なタイミングでオン・オフを切り替えることが重要です。セキュリティを保ちながら、快適にスマホを使っていきましょう!


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