「スマホが勝手に再起動を繰り返して使えない…」
こんな状況に陥ったことはありませんか?朝起きたらスマホが再起動を繰り返していたり、使用中に突然再起動が始まって止まらなくなったり。この現象は「再起動ループ」や「ロゴループ」と呼ばれ、Androidユーザーにとって最も厄介なトラブルの一つです。
再起動ループとは、スマホの電源を入れると起動画面(メーカーロゴ)が表示された後、ホーム画面に到達する前に再び再起動してしまい、この動作が延々と繰り返される状態のことです。
最悪の場合、スマホが全く使えなくなり、大切なデータにアクセスできなくなってしまいます。しかし、多くの場合は適切な対処をすれば解決できる問題なんです。
この記事では、Androidスマホが再起動を繰り返す原因と、症状別の具体的な対処法を詳しく解説していきます。焦らず、一つずつ試していきましょう!
再起動ループ(ロゴループ)とは?

まず、再起動ループがどういう状態なのかを正確に理解しておきましょう。
典型的な症状
メーカーロゴで止まる
電源を入れると、Galaxy、Xperia、AQUOSなどのメーカーロゴが表示されるものの、そこから先に進まずに再起動してしまいます。
起動画面を繰り返す
「Android」のロゴや起動アニメーションが表示された後、ホーム画面やロック画面に到達する前に再起動します。
数秒おきに再起動
電源が入ってもすぐに切れ、また自動的に起動し始めるという動作を繰り返します。
ロゴループの深刻度
軽度:たまに再起動する
使用中に数回再起動するが、通常は正常に起動できる状態。比較的対処しやすいです。
中度:何度か試すと起動できる
電源を入れても再起動ループに陥るが、数回試すと正常に起動できることがある状態。
重度:全く起動しない
何度試してもロゴ画面から先に進めず、完全に使用不能な状態。専門的な対処が必要です。
再起動ループが起こる主な原因
再起動ループはさまざまな原因で発生します。原因を特定することで、適切な対処法が見えてきます。
ソフトウェア関連の原因
1. OSアップデートの失敗
Androidのシステムアップデート中に電源が切れたり、不完全なアップデートが行われたりすると、システムファイルが破損して再起動ループに陥ることがあります。
2. アプリの不具合
最近インストールしたアプリや、アップデートしたアプリに不具合があると、システムが正常に起動できなくなることがあります。特に、システム権限を必要とするアプリは要注意です。
3. ストレージ容量不足
スマホの内部ストレージがほぼ満杯になると、システムが正常に動作できず再起動を繰り返すことがあります。一般的に、空き容量が10%を切ると危険信号です。
4. メモリ不足
複数のアプリが同時に動作してメモリ(RAM)がいっぱいになると、スマホが処理しきれずに再起動することがあります。
5. キャッシュの蓄積
アプリやシステムのキャッシュデータが蓄積しすぎたり、破損したりすると、起動プロセスに影響を与えることがあります。
6. マルウェアやウイルス
非公式のアプリストアからダウンロードしたアプリに、悪意のあるプログラムが含まれていることがあります。
ハードウェア関連の原因
1. バッテリーの劣化
バッテリーが寿命を迎えていると、電力供給が不安定になり再起動を引き起こすことがあります。特に2年以上使用しているスマホは要注意です。
2. 本体の過熱
長時間の使用や、充電しながらの操作でスマホが過熱すると、保護機能として強制的に再起動されることがあります。
3. 電源ボタンの故障
電源ボタンが陥没したり、内部で押されっぱなしの状態になっていると、スマホが再起動を繰り返します。
4. 内部パーツの破損
落下などの衝撃により、マザーボードやその他の内部パーツが破損している可能性があります。
5. SIMカードの接触不良
SIMカードが正しく挿入されていなかったり、SIMカード自体に問題があったりすると、再起動の原因になることがあります。
すぐに試せる基本的な対処法
まずは、自分でできる基本的な対処法から試してみましょう。簡単な方法で解決することも多いです。
対処法1:強制再起動
通常の再起動ではなく、強制的に再起動をかけることで問題が解決することがあります。
Xperiaの場合:
- 音量ボタン(下)と電源ボタンを同時に長押し
- 約3秒間押し続ける
- スマホが振動したらボタンを離す
Galaxyの場合:
- 音量ボタン(下)と電源ボタンを同時に長押し
- 約7~10秒間押し続ける
- 画面が消えてから再起動するまで待つ
Google Pixelの場合:
- 電源ボタンを長押し
- 約30秒間押し続ける
- スマホが再起動するまで待つ
AQUOSの場合:
- 電源ボタンを8秒以上長押し
- 画面が消えるまで押し続ける
- 再度電源ボタンを押して起動
一般的なAndroid(上記以外):
- 電源ボタンと音量ボタン(下)を同時に10~20秒長押し
- 画面が消えるまで押し続ける
- 自動的に再起動するのを待つ
対処法2:SIMカードの挿し直し
SIMカードの接触不良が原因の場合、挿し直すだけで解決することがあります。
手順:
- スマホの電源を完全に切る
- SIMトレイを取り出す(付属のピンを使用)
- SIMカードを取り出す
- SIMカードの金属部分を柔らかい布で軽く拭く
- SIMカードを正しい向きで挿入
- SIMトレイを本体に戻す
- 電源を入れて確認
注意: 一部のAndroidスマホでは、電源が入っている状態でSIMカードを抜くと再起動します。
対処法3:本体を冷やす
スマホが熱を持っている場合は、まず冷却しましょう。
正しい冷却方法:
- スマホの電源を切る
- スマホケースや充電ケーブルを外す
- 直射日光の当たらない涼しい場所に置く
- 15~30分程度放置する
絶対にやってはいけないこと:
- 冷蔵庫に入れる(結露の原因になる)
- 保冷剤を直接当てる(急激な温度変化は故障の原因)
- 冷凍庫に入れる(内部パーツの破損につながる)
対処法4:充電状態の確認
バッテリー残量が不足していると、起動途中で電源が落ちることがあります。
手順:
- 純正の充電器とケーブルを使用する
- 少なくとも30分以上充電する
- 充電中は操作せずに放置する
- 充電後に電源を入れて確認
セーフモードでの起動と診断
セーフモードで起動できれば、問題の原因がアプリにあるかどうかを判断できます。
セーフモードとは?
セーフモードは、プリインストールされたアプリのみを起動するモードです。ユーザーがインストールしたアプリは一時的に無効化されます。
セーフモードの起動方法
一般的な方法:
- 電源ボタンを長押しして電源オプションを表示
- 「電源を切る」を長押し
- 「セーフモードで再起動」と表示されたら「OK」をタップ
再起動ループ中の起動方法:
- スマホが再起動し、メーカーロゴが表示されたら
- 音量ボタン(下)を長押しし続ける
- 「セーフモード」と画面に表示されるまで押し続ける
セーフモードでの確認事項
正常に起動できた場合:
最近インストールしたアプリが原因の可能性が高いです。以下の手順で問題のアプリを特定しましょう。
- 設定 → アプリ
- 最近インストールしたアプリから順にアンインストール
- 各アンインストール後に通常モードで再起動
- 問題が解決したら、そのアプリが原因
セーフモードでも再起動する場合:
アプリ以外に原因があります。システムの問題やハードウェアの故障の可能性が高いです。
セーフモードの解除方法
セーフモードから通常モードに戻すには、通常通り再起動するだけでOKです。
ストレージとメモリの確認・整理

容量不足が原因の場合、データを整理することで解決できます。
ストレージ容量の確認方法
もしセーフモードで起動できた場合、以下の方法で確認できます。
Android共通:
- 設定 → ストレージ
- 内部ストレージの使用状況を確認
- 空き容量が全体の10%以下なら危険
データの削除方法
不要なアプリの削除:
- 設定 → アプリ
- 使っていないアプリを選択
- 「アンインストール」をタップ
写真・動画の整理:
- ギャラリーアプリを開く
- 不要な写真や動画を選択
- 削除する
クラウドへのバックアップ:
- Googleフォトにバックアップして端末から削除
- Googleドライブに重要なファイルをアップロード
キャッシュのクリア:
- 設定 → ストレージ
- 「キャッシュデータ」をタップ
- 「OK」で削除
メモリの解放
バックグラウンドアプリの終了:
- マルチタスクボタン(□または最近使ったアプリ)をタップ
- 起動中のアプリ一覧が表示される
- 不要なアプリを上にスワイプして終了
- 「すべてクリア」で一括終了
リカバリーモードでの対処
セーフモードでも起動できない場合は、リカバリーモードを試してみましょう。
リカバリーモードとは?
Androidの回復モードで、システムのメンテナンスや修復を行うための特別なモードです。
リカバリーモードへの入り方
一般的な方法:
- スマホの電源を完全に切る
- 音量ボタン(上)と電源ボタンを同時に長押し
- メーカーロゴが表示されたらボタンを離す
- リカバリーメニューが表示される
機種別の入り方:
Galaxy:
- 音量ボタン(上)+ 電源ボタン + ホームボタン(または音量下)を同時に長押し
Pixel:
- 音量ボタン(下)+ 電源ボタンを同時に長押し → fastbootモードから「Recovery Mode」を選択
Xperia:
- 音量ボタン(上)+ 電源ボタンを同時に長押し
キャッシュパーティションの削除
リカバリーモードで以下の操作を行います。
手順:
- リカバリーメニューで音量ボタンで項目を選択
- 「Wipe cache partition」を選択
- 電源ボタンで決定
- 処理が完了したら「Reboot system now」を選択
この方法なら、個人データを削除せずにシステムキャッシュをクリアできます。
注意事項
- リカバリーモードの操作は慎重に行いましょう
- 「Wipe data/factory reset」を選ぶとすべてのデータが削除されます
- 音量ボタンで移動、電源ボタンで決定が基本操作です
工場出荷時設定へのリセット(初期化)
他の方法で解決しない場合、最終手段として初期化を検討します。
初期化する前に
重要な注意点:
- 初期化するとすべてのデータが削除されます
- 可能であれば事前にバックアップを取りましょう
- Googleアカウントに同期されているデータは復元可能です
初期化の方法
設定画面から(起動できる場合):
- 設定 → システム → リセットオプション
- 「すべてのデータを消去(出荷時リセット)」
- 画面の指示に従って実行
リカバリーモードから(起動できない場合):
- リカバリーモードに入る
- 「Wipe data/factory reset」を選択
- 「Yes」で確定
- 処理完了後、「Reboot system now」を選択
初期化後の設定
初期化が成功したら、以下の手順で再設定します。
- 言語とWi-Fiを設定
- Googleアカウントでログイン
- バックアップからデータを復元
- 必要なアプリを再インストール
注意: 再起動ループの原因となったアプリは再インストールしないようにしましょう。
修理が必要なケース
以下のような場合は、自分での対処が難しく、専門家に依頼する必要があります。
修理が必要なサイン
1. すべての対処法を試しても改善しない
セーフモード、リカバリーモード、初期化をすべて試しても再起動ループから抜け出せない場合。
2. 物理的な損傷がある
- 画面が割れている
- 本体が変形している
- 水没した形跡がある
- 異常な発熱がある
3. バッテリーの膨張
背面カバーが浮いてきたり、画面が浮き上がったりしている場合、バッテリーが膨張している可能性があります。すぐに使用を中止してください。
4. 電源ボタンの故障
電源ボタンが陥没していたり、押した感触がおかしい場合。
修理先の選択肢
1. メーカー正規サービス
- メリット:純正パーツ使用、確実な修理
- デメリット:費用が高い、データは初期化される
2. キャリアショップ(docomo、au、SoftBankなど)
- メリット:保証が使える場合がある
- デメリット:データは基本的に消去される
3. 街の修理専門店
- メリット:データを残せる可能性が高い、即日対応が多い
- デメリット:非正規パーツの可能性、修理後の保証が限定的
4. 出張修理サービス
- メリット:自宅まで来てくれる、時間の節約
- デメリット:費用がやや高め
修理費用の目安
バッテリー交換: 5,000円~15,000円
画面修理: 10,000円~30,000円
基板修理: 20,000円~50,000円
水没修理: 15,000円~40,000円
保証期間内であれば、無料または割引価格で修理できる場合があります。
再起動ループを予防する方法
一度解決したら、再発を防ぐための対策をしておきましょう。
日常的にできる予防策
1. ストレージ容量の管理
- 定期的に不要なデータを削除
- 空き容量を常に20%以上確保
- クラウドストレージを活用
2. アプリの管理
- 使わないアプリは削除
- アプリは公式ストア(Google Play)からのみダウンロード
- アプリの自動更新を有効にする
3. OSの定期更新
- 設定 → システム → システムアップデート
- Wi-Fi環境で更新を実行
- 更新中は操作しない
4. バックグラウンドアプリの整理
- 定期的にタスクキルを実行
- バックグラウンド制限を設定
5. キャッシュの定期クリア
- 月に1回程度キャッシュをクリア
- ブラウザの閲覧履歴も定期削除
バッテリーを長持ちさせる
1. 充電の適正管理
- 100%まで充電し続けない
- 0%まで使い切らない
- 20%~80%の範囲で使うのが理想
2. 充電中の使用を控える
- 充電しながらゲームや動画視聴をしない
- 充電中は高負荷な操作を避ける
3. 過熱を防ぐ
- 直射日光の当たる場所に放置しない
- 車内など高温環境を避ける
- 厚いケースの使用を避ける
セキュリティ対策
1. 信頼できるアプリのみインストール
- Google Play以外からのインストールを避ける
- アプリの評価とレビューを確認
- 開発元の信頼性をチェック
2. 定期的なスキャン
- セキュリティアプリを導入
- 定期的にウイルススキャンを実行
3. 不審なリンクを開かない
- SMS、メールの不審なリンクに注意
- フィッシング詐欺に気をつける
よくある質問
Q1. 再起動ループは自然に治ることがある?
いいえ、基本的に自然には治りません。一時的に改善することがあっても、根本原因を解決しないと再発します。適切な対処が必要です。
Q2. データは取り出せる?
セーフモードやリカバリーモードで起動できれば、データのバックアップが可能です。全く起動しない場合は、修理専門店に相談すればデータを取り出せる可能性があります。
Q3. 再起動ループになったら保証は使える?
購入から1年以内(メーカー保証期間内)で、通常使用での故障であれば無償修理の対象になることが多いです。ただし、水没や落下などの物理的な損傷は対象外です。
Q4. 中古で買ったスマホが再起動ループになったら?
中古品の場合、メーカー保証は基本的に使えません。ただし、購入店舗の保証があれば対応してもらえる可能性があります。購入時の保証内容を確認しましょう。
Q5. アップデート後に再起動ループになった。どうすれば?
OSアップデートが原因の場合、初期化で解決することが多いです。それでも改善しない場合は、メーカーに問い合わせましょう。既知の不具合である可能性があります。
Q6. 再起動ループ中でもバックアップは取れる?
セーフモードで起動できる場合は、Googleアカウントへの同期やPCへの接続でバックアップ可能です。全く起動しない場合は難しいですが、修理専門店に相談する価値はあります。
Q7. 何年使ったら買い替えるべき?
一般的に、Androidスマホの寿命は2~3年程度です。再起動ループが頻発する、バッテリーの持ちが極端に悪い、動作が遅いなどの症状が複数ある場合は買い替えを検討しましょう。
まとめ
Androidスマホの再起動ループについて、重要なポイントをまとめます。
再起動ループの主な原因:
- OSアップデートの失敗
- アプリの不具合
- ストレージ・メモリ不足
- バッテリーの劣化
- 本体の過熱
- SIMカードの接触不良
- ハードウェアの故障
試すべき対処法(順番に):
ステップ1:基本的な対処
- 強制再起動を実行
- SIMカードを挿し直す
- 本体を冷却する
- 十分に充電する
ステップ2:セーフモードでの診断
- セーフモードで起動を試す
- 問題のアプリを特定・削除
- ストレージとメモリを確認・整理
ステップ3:リカバリーモードでの修復
- リカバリーモードに入る
- キャッシュパーティションを削除
- 再起動して確認
ステップ4:初期化
- データのバックアップ(可能であれば)
- 工場出荷時設定へリセット
- 初期設定とデータ復元
ステップ5:修理依頼
- すべての方法を試しても改善しない場合
- 物理的な損傷がある場合
- バッテリー膨張など危険な状態の場合
予防策:
- ストレージ容量は常に20%以上確保
- アプリは公式ストアからのみダウンロード
- OSとアプリを定期的に更新
- 充電しながらの使用を控える
- 定期的にキャッシュをクリア
再起動ループは確かに厄介なトラブルですが、多くの場合は自分で対処できます。まずは焦らず、この記事で紹介した方法を順番に試してみてください。
ただし、無理に自分で解決しようとすると、かえって状況が悪化することもあります。特に以下のような場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
- 高温になっている、煙が出ているなど危険な状態
- バッテリーが膨張している
- 水没や落下など明らかな物理的損傷がある
- 初期化しても改善しない
また、データのバックアップは日頃から習慣づけておくことが大切です。Googleアカウントへの自動同期を有効にしておけば、万が一の時もデータを失わずに済みます。
スマホが使えない時間を最小限にするため、この記事を参考に迅速に対処してくださいね。それでも解決しない場合は、修理や買い替えも視野に入れて検討しましょう。
普段からスマホを大切に使い、定期的なメンテナンスを心がけることで、再起動ループなどのトラブルを未然に防ぐことができます。快適なスマホライフを送りましょう!


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