「スマホを家族に貸したいけど、プライベートの写真やメッセージを見られたくない…」
「仕事用のアプリと個人用のアプリがごちゃごちゃで、管理が大変!」
こんな悩みを抱えている方、実は多いんです。
でも安心してください。Androidには「プロファイル」という便利な機能があって、これを使えば1台のスマホを複数の環境として使い分けられます。まるで1台のスマホに複数のスマホが入っているような感覚ですね。
今回は、Androidのプロファイル機能について、初めての方でも分かりやすいようにご説明します。
Androidプロファイルの種類

Androidのプロファイル機能には、大きく分けて2つの種類があります。
仕事用プロファイル(Work Profile)
会社のデータと個人のデータを分けて管理するための機能です。Android 5.0以降で使えます。
複数ユーザープロファイル(マルチユーザー)
家族や友人とスマホを共有するときに使う機能で、それぞれ独立した環境を作れます。
それぞれ目的が違うので、自分の使い方に合わせて選びましょう。
仕事用プロファイルって何?
基本的な仕組み
仕事用プロファイルは、1台のAndroidスマホの中に仕事用の独立した領域を作る機能です。仕事用のアプリとデータを個人用と完全に分けて管理できます。
想像してみてください。あなたのスマホの中に、見えない壁で仕切られた「仕事部屋」ができるイメージです。この部屋の中では会社のメールやファイルを安全に扱えて、会社側もこの部屋だけを管理できます。
見た目の特徴
仕事用プロファイルにインストールされたアプリには、ブリーフケース(ビジネスバッグ)のアイコンが付いて、個人用アプリと簡単に見分けられます。
たとえば、仕事用のGmailアプリには小さなカバンマークが付くので、「あ、これは仕事用だな」とすぐに分かります。
プライバシーの保護
会社は仕事用プロファイル内のデータやアプリのみを管理できて、個人用のアプリ、データ、使用状況は会社には見えません。
これはとても重要なポイントです。会社のIT部門があなたのプライベートなメッセージや写真を見ることはできないんです。あくまで仕事用の領域だけが管理対象になります。
便利なオン・オフ機能
仕事用プロファイルは一時停止できます。休日や退勤後に一時停止すれば、仕事の通知が来なくなって、プライベートな時間を邪魔されません。
設定方法は簡単で、クイック設定パネル(画面上部から下にスワイプして出るメニュー)から「仕事用プロファイル」をタップするだけです。
対応条件
仕事用プロファイルは、RAM(メモリ)が2GB以上のデバイスで、Android 5.0以降を搭載した個人所有デバイス、またはAndroid 8.0以降を搭載した会社所有デバイスでサポートされています。
最近のスマホならほとんど対応しているはずですが、古い機種を使っている場合は確認が必要です。
複数ユーザープロファイルの使い方
どんな機能?
複数ユーザープロファイルを使うと、1台のスマホに個別のユーザー領域を作れます。それぞれにホーム画面、アカウント、アプリ、設定をカスタマイズできます。
例えば、お父さん用、お母さん用、子供用といった具合に、家族みんなで1台のタブレットを使い分けることができるんです。
設定方法
設定アプリを開いて、「システム」→「複数ユーザー」と進みます。
見つからない場合は、設定アプリの検索機能で「ユーザー」と検索してみてください。機種によって表示が少し違うことがあります。
「ユーザーを追加」をタップして、新しいユーザー名を入力すれば完了です。
ユーザーの切り替え
画面上部から下に2回スワイプして、ユーザーアイコンをタップします。すると登録されているユーザーの一覧が表示されるので、切り替えたいユーザーを選ぶだけ。
慣れれば10秒もかかりません。
ゲストモード
「ちょっとスマホ貸して」と言われたときに便利なのがゲストモードです。
ゲストプロファイルは一時的にデバイスを使用する人用のプロファイルで、使い終わったら簡単にスペースを削除できます。
つまり、友達にスマホを貸しても、あなたの個人情報は守られるし、友達が使った後は痕跡をきれいに消せるんです。
注意点
すべてのAndroidスマホでこの機能が使えるわけではありません。
Samsungの一部機種など、メーカーによってはこの機能を無効にしていることがあります。購入前に確認しておくと安心です。
また、ユーザーを増やしすぎると動作が重くなることがあります。必要最小限にとどめましょう。
仕事用プロファイルと複数ユーザーの違い
よく混同されがちなこの2つですが、実は全然違います。
仕事用プロファイル
- 会社のIT部門が管理する
- 個人用と仕事用を同時に使える
- 会社の設定で自動的に作られることが多い
複数ユーザープロファイル
- 自分で自由に管理できる
- ユーザーを切り替えて使う
- 自分で設定を作る必要がある
簡単に言うと、仕事用プロファイルは「1つのスマホを2つに分割」、複数ユーザーは「1つのスマホを複数人で共有」というイメージですね。
実際の活用例
ケース1:会社員のAさん
Aさんは個人所有のスマホで仕事もしています。
仕事用プロファイルを設定したことで、会社のメールやSlackは仕事用プロファイル、LINEやInstagramは個人用プロファイルと分けられました。
退勤後は仕事用プロファイルを一時停止して、プライベートな時間を満喫しています。
ケース2:子育て中のBさん家族
Bさん家族は1台のタブレットを家族で共有しています。
お父さん用、お母さん用、子供用とユーザーを分けたことで、子供が勝手に親のアプリを触ることがなくなりました。
それぞれが好きなアプリを入れて、好きなようにホーム画面をカスタマイズしています。
ケース3:フリーランスのCさん
Cさんは複数ユーザープロファイル機能を使って、「仕事用」と「プライベート用」の環境を自分で作っています。
会社員ではないので仕事用プロファイル機能は使えませんが、複数ユーザー機能で似たような使い分けを実現しました。
仕事モードに切り替えると、仕事に必要なアプリだけが表示されて、集中しやすい環境になります。
よくある質問

Q: 仕事用プロファイルを削除したらどうなる?
仕事用プロファイル内のアプリとデータはすべて削除されます。個人用プロファイルのデータには影響ありません。ただし、会社によっては削除を許可していない場合もあるので、IT部門に確認しましょう。
Q: 複数ユーザーで通話やSMSは使える?
セカンダリユーザーの通話機能とSMS機能は、設定から「通話とSMSを許可する」をオンにすることで有効化できます。デフォルトでは無効になっているので、必要に応じて設定してください。
Q: ストレージ(保存容量)は分かれる?
いいえ、ストレージは共有です。ユーザーAが大量の写真を保存すると、ユーザーBの使える容量も減ります。事前にルールを決めておくと良いでしょう。
Q: データ通信量も共有される?
はい、SIMカードのデータ通信量はすべてのユーザーで共有されます。誰かが使いすぎると、全員が速度制限を受けることになります。
まとめ
Androidのプロファイル機能は、スマホをもっと賢く使うための便利なツールです。
仕事とプライベートを分けたい会社員の方には仕事用プロファイルがおすすめ。会社のセキュリティ要件も満たしながら、個人のプライバシーも守れます。
家族でタブレットを共有したい方やスマホを複数の目的で使い分けたい方には、複数ユーザープロファイルが最適でしょう。
どちらも無料で使える標準機能なので、ぜひ一度試してみてください。
最初は設定が少し面倒に感じるかもしれませんが、慣れてしまえばとても快適です。スマホライフがより便利になること間違いなしですよ。


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