「このアプリは64bit端末でのみ動作します」
ゲームやアプリをダウンロードしようとした時、こんなメッセージを見たことはありませんか?
この記事では、自分のAndroidスマホが64bit端末かどうかを確認する方法と、64bitと32bitの違いについて詳しく解説していきます。
64bitと32bitって何?基本を理解しよう

まず、64bitと32bitがどう違うのか、簡単に説明します。
一度に処理できるデータ量の違い
64bitと32bitは、スマホのCPU(プロセッサー)が一度に処理できるデータの量を表しています。
数字が大きいほど、たくさんのデータを同時に扱えるということ。
パソコンで例えると、32bitが軽トラック、64bitが大型トラックのようなイメージです。
64bitの方が処理速度が速い
64bitスマホは、32bitスマホよりも高速に動作します。
特に、ゲームや動画編集など、重たい作業をする時に違いが出ます。
最近の高性能なアプリは、64bit専用に作られているものが増えているんです。
メモリ容量の制限が違う
実はこれが大きなポイント。
32bitのスマホは、最大4GBまでのRAMしか使えません。
一方、64bitスマホは理論上、18エクサバイト(約180億GB)まで使えます。
つまり、RAMが6GBや8GBのスマホは、確実に64bit端末ということになります。
2018年以降の端末はほぼ64bit
「自分のスマホは64bitかな?」と心配している人に朗報です。
2018年以降の機種なら大丈夫
Androidは2014年のバージョン5.0から64bitをサポートし始めました。
ただし、数年間は32bitと64bitが混在していました。
2018年以降に発売された端末は、ほぼすべて64bit対応と考えて大丈夫です。
Google Playストアでは64bit必須に
2021年8月以降、Google Playストアでは64bit非対応アプリの配信が停止されました。
つまり、新しくリリースされるアプリは、すべて64bitに対応しているということ。
古い32bitスマホでは、最新のアプリがダウンロードできなくなっています。
主要メーカーの対応状況
国内の主要メーカーは、早い段階で64bitへ移行しています。
- Sony(Xperia):2015年以降の機種はほぼ64bit
- Samsung(Galaxy):2015年以降の機種はほぼ64bit
- Google(Pixel):全機種64bit対応
- Sharp(AQUOS):2016年以降の機種はほぼ64bit
自分のスマホが64bitか確認する5つの方法
それでは、実際に自分のスマホを確認してみましょう。
方法1:RAMの容量で判断(最も簡単)
これが一番手っ取り早い方法です。
スマホのRAMが4GBを超えていれば、確実に64bit端末です。
なぜなら、32bitシステムは4GBまでしかRAMを扱えないから。
確認手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「デバイス情報」または「端末情報」をタップ
- RAMの容量を確認
RAMが6GB、8GB、12GBなど、4GBを超えていれば64bitです。
方法2:64Bit Checkerアプリを使う(最速)
最も簡単で確実な方法が、専用アプリを使うこと。
64Bit Checkerは、インストールして開くだけで、一瞬で判定してくれます。
使い方:
- Google Playストアで「64Bit Checker」を検索
- アプリをインストール
- 起動すると、自動で判定結果が表示される
- 確認後はアンインストールしてOK
シンプルで軽量、広告も少ないので、おすすめのアプリです。
方法3:CPU-Zアプリで詳しく確認
もっと詳しい情報が知りたい人は、CPU-Zがおすすめ。
スマホのCPUやメモリなど、あらゆる情報を確認できます。
確認手順:
- Google Playストアで「CPU-Z」をインストール
- アプリを起動
- 「SOC」タブを開く
- 「Instruction Sets」の欄を確認
判定方法:
- arm64-v8a と表示されていれば → 64bit
- armeabi-v7a のみ表示されていれば → 32bit
64bit端末でも「armeabi-v7a」が表示されることがありますが、これは32bitアプリを動かすためのもの。
重要なのは「arm64-v8a」が含まれているかどうかです。
方法4:AnTuTu Benchmarkで確認
ベンチマークアプリとして有名なAnTuTuでも確認できます。
確認手順:
- Google Playストアで「AnTuTu Benchmark」をインストール
- アプリを起動
- 画面下部の「Info」または「この端末」をタップ
- 「基本情報」の「Android」の欄を確認
ここに「32bit」または「64bit」と明記されています。
ただし、このアプリは容量が大きく、様々な権限を要求するので、確認後はアンインストールしておくとよいでしょう。
方法5:カーネルバージョンで確認(上級者向け)
設定画面から確認する方法もあります。
ただし、機種によっては表示されないこともあります。
確認手順:
- 「設定」アプリを開く
- 「デバイス情報」または「端末情報」をタップ
- 「カーネルバージョン」を確認
判定方法:
- カーネルバージョンに「_64」が含まれていれば → 64bit
- 含まれていなければ → 32bit
例:「4.14.186-perf+_64」なら64bit
主な64bit対応チップセット(SoC)
どんなチップセット(SoC)が64bitに対応しているか、代表的なものを紹介します。
Qualcomm Snapdragon(クアルコム)
Snapdragonは、世界中で最も使われているスマホ用チップセットです。
64bit対応モデル:
- Snapdragon 400シリーズ(410以降)
- Snapdragon 600シリーズ(615、616、617、625以降)
- Snapdragon 700シリーズ(すべて)
- Snapdragon 800シリーズ(808、810以降)
最新の8シリーズ:
- Snapdragon 8 Gen 1、Gen 2、Gen 3
- これらは完全に64bit専用設計
MediaTek(メディアテック)
コストパフォーマンスに優れたチップセットで、ミドルレンジスマホに多く採用されています。
64bit対応モデル:
- Helio P シリーズ(P10以降)
- Helio G シリーズ(すべて)
- Dimensity シリーズ(すべて)
Samsung Exynos(サムスン)
主にGalaxyシリーズに搭載されています。
64bit対応モデル:
- Exynos 7シリーズ(7420以降)
- Exynos 8シリーズ(すべて)
- Exynos 9シリーズ(すべて)
- Exynos 2000シリーズ(すべて)
Google Tensor(グーグル)
Pixelシリーズ専用のチップセットです。
すべて64bit対応:
- Tensor(Pixel 6、6 Pro)
- Tensor G2(Pixel 7、7 Pro)
- Tensor G3(Pixel 8、8 Pro)
32bitスマホはどうなる?

「自分のスマホが32bitだった」という人も、すぐに使えなくなるわけではありません。
既存のアプリは使える
すでにインストールしているアプリは、32bitスマホでも引き続き使えます。
ただし、アップデートができなくなる可能性があります。
新しいアプリはダウンロードできない
2021年8月以降にリリースされた新しいアプリは、64bit専用になっています。
つまり、32bitスマホでは、最新のゲームやアプリがダウンロードできません。
セキュリティリスクが高まる
古いスマホを使い続けると、セキュリティアップデートが受けられなくなります。
これは32bitかどうかに関わらず、古い端末全般に言えることです。
買い替えを検討するタイミング
以下のような状況になったら、買い替えを検討しましょう:
- 使いたいアプリが「64bit専用」と表示される
- バッテリーの持ちが極端に悪くなった
- 動作が遅くてストレスを感じる
- OSのアップデートが2年以上提供されていない
64bitスマホのメリット
64bitスマホに買い替えると、どんないいことがあるのでしょうか?
1. 処理速度が速い
64bitCPUは、一度により多くのデータを処理できます。
アプリの起動が速くなり、複数のアプリを同時に使ってもスムーズです。
2. 高性能なゲームが遊べる
最新の3Dゲームや、グラフィックが美しいゲームは、64bit専用のものが増えています。
32bitスマホでは、そもそもダウンロードできないゲームもあります。
3. 大容量のRAMを活かせる
6GB、8GB、12GBといった大容量RAMを搭載したスマホは、すべて64bitです。
マルチタスクでも快適に使えます。
4. 将来性がある
今後リリースされるアプリやOSは、すべて64bitを前提に開発されます。
64bitスマホなら、長く使い続けられます。
5. セキュリティが強化されている
64bitアーキテクチャは、32bitよりもセキュリティ機能が充実しています。
ASLR(アドレス空間配置のランダム化)など、高度な保護機能が利用できます。
よくある質問
64bitスマホについて、よく聞かれる質問をまとめました。
Q1. 32bitスマホを64bitに変更できる?
残念ながら、できません。
32bitか64bitかは、スマホに搭載されているハードウェア(CPU)によって決まります。
ソフトウェアで変更することはできないので、64bitにしたい場合は端末を買い替える必要があります。
Q2. 64bitスマホで32bitアプリは動く?
はい、動きます。
64bitスマホは、32bitアプリとの互換性を保つために、32bitコードも実行できるようになっています。
つまり、64bitスマホなら、64bitアプリも32bitアプリも両方使えるんです。
Q3. iPhoneはいつから64bitになった?
iPhoneは、2013年発売のiPhone 5sから64bitになりました。
つまり、Androidよりも早く64bitへ移行していたんです。
現在のiPhoneは、すべて64bit専用で、32bitアプリは動作しません。
Q4. タブレットも64bitと32bitがある?
はい、Androidタブレットにも32bitと64bitがあります。
確認方法はスマホと同じで、RAMが4GBを超えていれば64bitです。
Q5. 中古スマホを買う時の注意点は?
中古スマホを購入する際は、以下を確認しましょう:
- 発売年が2018年以降か
- RAMが4GB以上か
- 商品説明に「64bit対応」と記載されているか
価格が安くても、32bitスマホは避けた方が無難です。
まとめ:64bit対応を確認して快適なスマホライフを
Android 64bit端末の見分け方について解説しました。
最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。
確認方法(簡単な順)
- RAMが4GB以上なら確実に64bit
- 64Bit Checkerアプリで瞬時に確認
- CPU-Zアプリで「arm64-v8a」を確認
- AnTuTu Benchmarkで確認
- カーネルバージョンに「_64」があるか確認
64bitと32bitの違い
- 処理速度:64bitの方が高速
- メモリ:32bitは最大4GBまで、64bitはそれ以上
- アプリ対応:最新アプリは64bit専用が多い
- 将来性:今後は64bitが標準
2018年以降の端末はほぼ64bit
- 新しいスマホを使っている人は心配不要
- RAMが6GB以上なら確実に64bit
- 主要メーカーは早期に64bitへ移行済み
32bitスマホの場合
- 既存アプリは引き続き使える
- 新しいアプリはダウンロードできない可能性
- セキュリティリスクも考慮して買い替えを検討
自分のスマホが64bitかどうか、気になっていた人も、この記事で確認できたのではないでしょうか?
もし32bitスマホだった場合は、最新のアプリが使えなくなる前に、買い替えを検討してみてください。
64bitスマホなら、今後数年は安心して使い続けられますよ。

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