AlmaLinuxを仮想環境にインストール!初心者でも安心の完全ガイド

プログラミング・IT

「CentOSのサポートが終わって、AlmaLinuxに移行したいけど、どうすればいいの?」「Linuxの勉強をしたいけど、パソコンに直接インストールするのは怖い…」そんな悩みを抱えていませんか?

AlmaLinuxは、CentOS 8のサポート終了を受けて登場した、無料で使えるエンタープライズLinuxディストリビューションです。仮想環境にインストールすれば、今使っているWindowsやMacを残したまま、安全にLinuxを学習・利用できます。

この記事では、AlmaLinuxを仮想環境にインストールする方法を、初心者にも分かりやすく完全図解で解説します。VirtualBox、VMware、Hyper-Vの3つの主要な仮想化ソフトに対応しています。

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  1. AlmaLinuxとは?なぜ注目されているのか
    1. AlmaLinuxの誕生背景
    2. AlmaLinuxの特徴
    3. 「Alma」の意味
  2. 仮想環境とは?メリットを理解しよう
    1. 仮想環境(仮想化)の仕組み
    2. 仮想環境を使うメリット
  3. どの仮想化ソフトを選ぶべき?比較表
    1. 3大仮想化ソフトの比較
    2. 各ソフトの詳細
    3. どれを選べばいい?
  4. 事前準備:システム要件を確認
    1. AlmaLinuxのシステム要件
    2. 仮想化機能が有効か確認(Windows)
    3. BIOSで仮想化を有効にする方法
  5. AlmaLinux ISOファイルのダウンロード
    1. ダウンロード先
    2. ダウンロード手順
    3. ダウンロード時間の目安
  6. VirtualBoxのインストール
    1. VirtualBoxのダウンロード
    2. VirtualBoxのインストール(Windows)
  7. VirtualBoxにAlmaLinuxをインストール
    1. 仮想マシンの作成
    2. 詳細設定の調整(重要)
    3. AlmaLinuxのインストール開始
    4. 各項目の設定
    5. インストールの実行
    6. 初回起動と初期設定
    7. おめでとうございます!
  8. Guest Additionsのインストール(VirtualBox)
    1. Guest Additionsとは
    2. インストール手順
  9. VMware WorkstationでAlmaLinuxをインストール
    1. VMware Workstation Playerのダウンロード
    2. 仮想マシンの作成(VMware)
    3. VMware Toolsのインストール
  10. Hyper-VでAlmaLinuxをインストール(Windows Pro以上)
    1. Hyper-Vの有効化
    2. 仮想マシンの作成(Hyper-V)
  11. 初期設定:インストール後にやるべきこと
    1. 1. システムのアップデート
    2. 2. 開発ツールのインストール
    3. 3. 便利なツールのインストール
    4. 4. SELinuxの設定(任意)
    5. 5. ファイアウォールの基本設定
  12. よくあるトラブルと解決方法
    1. トラブル1:仮想マシンが起動しない
    2. トラブル2:インストール画面が真っ暗
    3. トラブル3:ネットワークに接続できない
    4. トラブル4:画面が小さい/リサイズできない
    5. トラブル5:rootパスワードを忘れた
  13. まとめ:AlmaLinux仮想環境を活用しよう
    1. 重要ポイントのおさらい
    2. こんな用途に活用できる
    3. 次のステップ
    4. さらに学びたい方へ

AlmaLinuxとは?なぜ注目されているのか

まず、AlmaLinuxがどんなOSなのか、基本を理解しましょう。

AlmaLinuxの誕生背景

2020年12月、Red HatがCentOS 8のサポートを2021年末で終了すると発表しました。これは、多くの企業や開発者にとって衝撃的なニュースでした。

そこで登場したのがAlmaLinuxです。

AlmaLinuxの特徴

1. 完全無料・永久無料

  • ライセンス費用なし
  • 商用利用も無料
  • 「Forever Free」を掲げている

2. RHEL(Red Hat Enterprise Linux)との完全互換

  • RHELのソースコードをベースに構築
  • バイナリ互換性があり、RHELと同じように動作
  • パッケージの互換性が高い

3. 安定性と信頼性

  • エンタープライズグレードの品質
  • 長期サポート(約10年)
  • 定期的なセキュリティアップデート

4. CentOSからの移行が簡単

  • CentOS 8からの移行スクリプトが提供されている
  • パッケージ構成が似ている
  • 既存のスキルをそのまま活用できる

「Alma」の意味

「Alma」はラテン語とスペイン語で「魂(ソウル)」を意味します。CentOSの精神を引き継ぐという想いが込められています。

仮想環境とは?メリットを理解しよう

仮想環境について、初心者向けに説明します。

仮想環境(仮想化)の仕組み

仮想環境とは、1台のパソコンの中に、もう1台のコンピューターを作り出す技術です。

具体的には:

  • 今使っているWindows 11はそのまま
  • その中に、AlmaLinuxという別のOSを起動できる
  • まるで「パソコンの中にもう1台パソコンがある」状態

仮想環境を使うメリット

1. 安全にテストできる

  • メインのOSに影響を与えない
  • 失敗してもやり直せる
  • ウイルスの検証なども安全に実施可能

2. 複数のOSを同時に使える

  • Windowsを使いながら、Linuxも起動
  • 切り替えが簡単
  • コピー&ペーストも可能(設定により)

3. スナップショット機能

  • 特定の状態を保存できる
  • 問題が起きたら、保存した時点に戻れる
  • まるで「セーブポイント」のように使える

4. リソースの効率的な利用

  • 1台のパソコンで複数のサーバーを運用できる
  • ハードウェアを追加購入する必要がない
  • 学習コストが低い

どの仮想化ソフトを選ぶべき?比較表

主要な仮想化ソフトの特徴を比較します。

3大仮想化ソフトの比較

項目VirtualBoxVMware WorkstationHyper-V
価格完全無料Player:無料
Pro:有料
Windows Proに付属
対応OSWindows/Mac/LinuxWindows/LinuxWindows 10/11 Pro以上
初心者向け◎ とても簡単○ 比較的簡単△ やや難しい
性能△ やや遅い◎ 高速○ 高速
日本語対応○ あり○ あり◎ 完全対応
GUIシンプル高機能Windows統合
おすすめ用途学習・個人利用開発・業務利用Windows環境統合

各ソフトの詳細

VirtualBox(オラクル製)

メリット:

  • 完全無料でオープンソース
  • インストールが簡単
  • 情報が豊富(日本語の解説記事が多い)
  • 初心者に最適

デメリット:

  • 他の仮想化ソフトより動作がやや遅い
  • 高度な機能は少なめ

VMware Workstation(VMware製)

メリット:

  • 動作が高速で安定
  • プロフェッショナル向けの機能が豊富
  • スナップショット機能が強力
  • Playerは個人利用なら無料

デメリット:

  • Pro版は有料(数万円)
  • 設定項目が多く、初心者には複雑に感じることも

Hyper-V(マイクロソフト製)

メリット:

  • Windowsに標準搭載(追加費用なし)
  • Windowsとの統合が優れている
  • 企業環境での採用が多い

デメリット:

  • Windows 10/11 Pro、Enterprise、Education版のみ
  • Home版では使えない
  • 有効化に多少の知識が必要

どれを選べばいい?

初心者・学習目的:VirtualBox

  • まずはこれから始めるのがおすすめ
  • 無料で情報も豊富

開発者・業務利用:VMware Workstation

  • より本格的な環境が必要な場合
  • 性能重視

Windows Pro以上を持っている:Hyper-V

  • 追加ソフト不要で使える
  • Windowsとの統合を活用したい場合

この記事では、最も初心者向けのVirtualBoxを中心に解説し、VMware、Hyper-Vについても触れます。

事前準備:システム要件を確認

インストール前に、パソコンのスペックを確認しましょう。

AlmaLinuxのシステム要件

最小要件:

  • CPU: 64ビット対応プロセッサ(x86_64)
  • メモリ(RAM): 最低1.5GB、推奨2GB以上
  • ディスク容量: 最低10GB、推奨20GB以上

実用的な推奨スペック:

  • CPU: 2コア以上
  • メモリ: 4GB以上
  • ディスク容量: 30GB以上
  • 仮想化支援技術(VT-x/AMD-V): 有効

仮想化機能が有効か確認(Windows)

確認手順:

  1. Ctrl + Shift + Esc でタスクマネージャーを開く
  2. 「パフォーマンス」タブをクリック
  3. 「CPU」を選択
  4. 右下の「仮想化」という項目を確認
  • 「有効」と表示:OK、そのまま進める
  • 「無効」と表示:BIOSで有効化が必要

BIOSで仮想化を有効にする方法

注意: BIOS設定は慎重に行ってください。不明な設定は変更しないでください。

一般的な手順:

  1. パソコンを再起動
  2. 起動時に特定のキーを連打
  • Dell:F2
  • HP:F10 または Esc
  • Lenovo:F1 または F2
  • ASUS:F2 または Delete
  • メーカーによって異なる
  1. BIOS画面で以下を探す
  • Intel: VT-x、Intel Virtualization Technology
  • AMD: AMD-V、SVM Mode
  1. Enabled(有効)に変更
  2. 設定を保存して終了(通常はF10キー)

AlmaLinux ISOファイルのダウンロード

まず、AlmaLinuxのインストールメディアをダウンロードします。

ダウンロード先

公式サイトにアクセス:

https://almalinux.org/

ダウンロード手順

Step 1:公式サイトにアクセス

  1. ブラウザでAlmaLinux公式サイトを開く
  2. トップページの「Get AlmaLinux」または「Download」をクリック

Step 2:バージョンとアーキテクチャを選択

  1. 最新の安定版を選択
  • 執筆時点ではAlmaLinux 9.5が最新
  1. 「Intel/AMD (x86_64)」を選択
  • 一般的なパソコンはこれ

Step 3:ISOイメージの種類を選択

3つのタイプがあります:

DVD ISO(推奨)

  • サイズ: 約10〜11GB
  • 特徴: すべてのパッケージが含まれている
  • メリット: ネット接続なしでインストール可能
  • 用途: 一般的な用途、初心者におすすめ

Minimal ISO

  • サイズ: 約1.5〜2GB
  • 特徴: 最小限のパッケージのみ
  • メリット: ダウンロードが速い
  • 用途: サーバー用途、上級者向け

Boot ISO

  • サイズ: 約700MB
  • 特徴: インストーラーのみ
  • メリット: 軽量
  • デメリット: パッケージはネット経由でダウンロード

初心者は「DVD ISO」を選んでください。

Step 4:ミラーサイトを選択

  1. ミラーサイトの一覧が表示される
  2. 日本のミラーサイト、または近い地域のサイトを選択
  • JAIST(日本)
  • 韓国、台湾なども比較的高速
  1. ダウンロードが開始される

ダウンロード時間の目安

  • 光回線(1Gbps): 約5〜10分
  • 光回線(100Mbps): 約15〜30分
  • モバイル回線: 30分〜1時間以上

ダウンロード中に次のステップの準備を進めましょう。

VirtualBoxのインストール

最も初心者向けのVirtualBoxから解説します。

VirtualBoxのダウンロード

手順:

  1. VirtualBox公式サイトにアクセス
   https://www.virtualbox.org/
  1. トップページの「Download VirtualBox」をクリック
  2. 自分のOSに対応したバージョンを選択
  • Windows hosts: Windowsの場合
  • macOS / Intel hosts: Intel Mac の場合
  • macOS / Apple Silicon hosts: M1/M2/M3 Mac の場合
  • Linux distributions: Linuxの場合
  1. ダウンロード開始

VirtualBoxのインストール(Windows)

手順:

  1. ダウンロードしたVirtualBox-x.x.x-xxxxxx-Win.exeをダブルクリック
  2. セットアップウィザードが起動
  • 「Next」をクリック
  1. インストール場所の選択
  • 特に変更不要、そのまま「Next」
  1. 機能の選択
  • すべてチェックを入れたまま「Next」
  1. ネットワーク警告
  • 「一時的にネットワークが切断される」という警告
  • 問題ないので「Yes」
  1. Python警告(表示される場合)
  • 「Yes」をクリック
  1. インストール開始
  • 「Install」をクリック
  1. デバイスソフトウェアのインストール確認
  • 「Oracleのソフトウェアをインストールしますか?」
  • 「インストール」をクリック
  1. 完了
  • 「Finish」をクリック

VirtualBoxにAlmaLinuxをインストール

いよいよAlmaLinuxをインストールします。

仮想マシンの作成

Step 1:VirtualBoxを起動

  1. VirtualBoxを起動
  2. 「Oracle VM VirtualBox マネージャー」画面が表示される

Step 2:新規仮想マシンの作成

  1. 上部メニューの「新規」をクリック
  2. 「仮想マシンの作成」ウィンドウが表示される

Step 3:名前とOSタイプの設定

  1. 名前: 「AlmaLinux9.5」など分かりやすい名前を入力
  2. ISO Image:
  • フォルダアイコンをクリック
  • 「追加」から、ダウンロードしたAlmaLinux-9.5-x86_64-dvd.isoを選択
  • ISOが選択されると、タイプとバージョンが自動設定される
  1. 自動的に以下のように設定される:
  • タイプ: Linux
  • バージョン: Red Hat (64-bit)
  1. 「次へ」をクリック

Step 4:ハードウェアの設定

  1. メモリサイズ(RAM):
  • スライダーで調整
  • 推奨:2048MB(2GB)以上
  • パソコンに8GB以上あれば、4096MB(4GB)がおすすめ
  • 注意:緑のゾーンを超えないように
  1. プロセッサー数:
  • 推奨:2コア以上
  • パソコンのCPUコア数の半分程度まで
  1. 「次へ」をクリック

Step 5:仮想ハードディスクの作成

  1. 「仮想ハードディスクを作成する」を選択(デフォルト)
  2. ディスク容量:
  • 推奨:20GB以上
  • 余裕があれば30〜40GB
  1. 「次へ」をクリック

Step 6:確認と作成

  1. 設定内容を確認
  2. 「完了」をクリック
  3. 左側に作成した仮想マシンが表示される

詳細設定の調整(重要)

作成直後に、いくつか設定を調整します。

設定画面を開く:

  1. 作成した仮想マシンを選択
  2. 上部の「設定」ボタンをクリック

推奨設定:

1. システム設定

  • 左メニューで「システム」を選択

マザーボードタブ:

  • 「フロッピー」のチェックを外す
  • 不要なデバイス

プロセッサータブ:

  • プロセッサー数を2以上に(既に設定済みの場合はOK)

2. ディスプレイ設定

  • 左メニューで「ディスプレイ」を選択
  • ビデオメモリー:
  • スライダーを右に動かして128MB(最大)に設定
  • これでグラフィックス性能が向上

3. ネットワーク設定(後で変更可能)

  • 左メニューで「ネットワーク」を選択
  • アダプター1:
  • 「ネットワークアダプターを有効化」にチェック
  • 割り当て:NAT(デフォルト)
  • これでインターネット接続可能

設定が完了したら「OK」をクリック。

AlmaLinuxのインストール開始

Step 1:仮想マシンの起動

  1. 作成した仮想マシンを選択
  2. 上部の「起動」ボタンをクリック
  3. 新しいウィンドウが開き、AlmaLinuxが起動開始

Step 2:インストールメニュー

数秒待つと、以下のようなメニューが表示されます:

Install AlmaLinux 9.5
Test this media & install AlmaLinux 9.5
Troubleshooting -->
  1. 「Install AlmaLinux 9.5」が選択されているのを確認
  • 矢印キーで選択、文字が白色になる
  1. Enterキーを押す
  2. インストールが開始される(画面に文字がたくさん流れる)

Step 3:言語選択

しばらくすると、「ALMALINUX 9.5 へようこそ。」という画面が表示されます。

  1. 言語選択画面で「日本語」を選択
  2. 「続行」をクリック

Step 4:インストール概要画面

インストールの各種設定を行う画面が表示されます。

必須設定項目(!マークがついている):

  • インストール先
  • rootパスワード

推奨設定項目:

  • ソフトウェアの選択
  • ネットワークとホスト名
  • 時刻と日付

各項目の設定

1. インストール先

  1. 「インストール先」をクリック
  2. ストレージデバイスの選択画面
  • 仮想ハードディスクが1つ表示される
  • チェックマークがついているのを確認
  1. ストレージの構成:
  • 「自動」を選択(初心者推奨)
  • 手動でパーティションを切りたい上級者は「カスタム」
  1. 画面左上の「完了」をクリック

2. ソフトウェアの選択

  1. 「ソフトウェアの選択」をクリック
  2. ベース環境を選択:

GUI版(初心者推奨):

  • 「サーバー(GUI使用)」を選択
  • グラフィカルなデスクトップ環境
  • Windowsのように操作できる
  • 推奨

CUI版(上級者向け):

  • 「最小限のインストール」
  • コマンドのみの黒い画面
  • サーバー用途
  • Linuxに慣れている人向け
  1. 右側の「追加ソフトウェア」で必要なものにチェック
  • 開発ツール
  • システム管理ツール
  • など(後からでもインストール可能)
  1. 「完了」をクリック

3. ネットワークとホスト名

  1. 「ネットワークとホスト名」をクリック
  2. Ethernetの右側にあるスイッチを「オン」に変更
  • これでインターネット接続が有効になる
  1. ホスト名(任意):
  • デフォルトは「localhost.localdomain」
  • 変更したい場合は、下部の入力欄に入力
  • 例:「almalinux.local」
  • 「適用」をクリック
  1. 「完了」をクリック

4. 時刻と日付

  1. 「時刻と日付」をクリック
  2. 地域:「アジア」
  3. 都市:「東京」
  4. 画面上部の「ネットワーク時刻」をオンに
  • 自動的に正確な時刻に設定される
  1. 「完了」をクリック

5. キーボード

  1. 「キーボード」をクリック
  2. 「日本語」が追加されているか確認
  • なければ左下の「+」で追加
  1. 「完了」をクリック

6. rootパスワード(重要)

  1. 画面を下にスクロール
  2. 「rootパスワード」をクリック
  3. rootパスワードを入力
  • rootはシステムの最高管理者
  • 強力な権限を持つため、強固なパスワードを設定
  1. 確認のため再度入力
  2. 簡単なパスワードの場合:
  • 警告が表示される
  • 「完了」ボタンを2回クリックすれば設定可能
  • ただし、セキュリティ的には推奨しない
  1. 「完了」をクリック

7. ユーザーの作成(推奨)

  1. 「ユーザーの作成」をクリック
  2. 情報を入力:
  • フルネーム: 実名または任意の名前
  • ユーザー名: ログイン時に使用する名前(半角英数)
  • パスワード: ユーザーのパスワード
  • パスワードの確認: 再度入力
  1. 「このユーザーを管理者にする」にチェック(推奨)
  • sudo権限が付与される
  • システム管理作業が可能になる
  1. 「完了」をクリック

インストールの実行

すべての設定が完了したら:

  1. 「インストールの開始」をクリック
  • 右下の青いボタン
  1. インストールが開始される
  • プログレスバーが表示
  • 通常10〜30分程度(パソコンの性能による)
  1. インストール完了まで待つ
  • この間にパソコンを使っても大丈夫

インストール完了:

  1. 「システムの再起動」ボタンが表示される
  2. 「システムの再起動」をクリック
  3. 仮想マシンが再起動する

初回起動と初期設定

Step 1:ライセンス同意

  1. 再起動後、「ライセンス情報」画面が表示される
  2. 「ライセンス契約に同意します」にチェック
  3. 「完了」をクリック
  4. 「設定の完了」をクリック

Step 2:ログイン

GUI版の場合:

  1. ユーザー選択画面
  • 作成したユーザー名をクリック
  1. パスワード入力
  • 設定したパスワードを入力
  1. 「サインイン」またはEnterキー

CUI版(最小限インストール)の場合:

  1. ログインプロンプトが表示
   AlmaLinux 9.5 (Seafoam Ocelot)
   localhost login:
  1. ユーザー名を入力してEnter
  2. パスワードを入力してEnter
  • 入力中は表示されない(セキュリティ上の仕様)

Step 3:初回セットアップ(GUI版)

初回起動時、簡単なセットアップウィザードが表示される場合があります。

  1. 言語とキーボード
  • 日本語になっているか確認
  1. プライバシー設定
  • 位置情報サービスなど
  • 好みに応じて設定
  1. オンラインアカウント
  • Google、Microsoftなどのアカウント連携
  • スキップ可能
  1. 「AlmaLinuxを使い始める」をクリック
  2. デスクトップが表示される

おめでとうございます!

これでAlmaLinuxのインストールは完了です!

Guest Additionsのインストール(VirtualBox)

より快適に使うための追加機能をインストールします。

Guest Additionsとは

VirtualBox Guest Additionsは、以下の機能を提供します:

  • 画面の自動リサイズ
  • ウィンドウサイズに合わせて画面が自動調整
  • クリップボード共有
  • ホスト(Windows/Mac)とゲスト(AlmaLinux)間でコピー&ペースト可能
  • ファイル共有
  • ホストとゲスト間でフォルダを共有
  • マウス統合
  • ホストとゲスト間でマウスがシームレスに移動
  • パフォーマンス向上
  • グラフィックス性能の改善

インストール手順

Step 1:依存パッケージのインストール

ターミナルを開いて、以下のコマンドを実行します。

  1. ターミナルを開く:
  • デスクトップで右クリック → 「ターミナルを開く」
  • または、「アクティビティ」から「Terminal」を検索
  1. システムを最新に更新:
   sudo dnf update -y
  • パスワードを求められたら入力
  1. 必要なパッケージをインストール:
   sudo dnf install -y gcc make perl kernel-devel kernel-headers bzip2 dkms
  1. 再起動:
   sudo reboot

Step 2:Guest Additionsのインストール

  1. 仮想マシンが再起動したらログイン
  2. VirtualBoxのメニューバーから
  • 「デバイス」→「Guest Additions CDイメージの挿入」をクリック
  1. 自動的にCDがマウントされる
  2. 通知が表示されたら「実行」をクリック
  • または手動で実行:
  1. ターミナルで以下を実行:
   cd /run/media/$(whoami)/VBox_GAs_*
   sudo ./VBoxLinuxAdditions.run
  1. インストールが完了するまで待つ
  2. 再起動:
   sudo reboot

Step 3:動作確認

再起動後:

  1. VirtualBoxのウィンドウサイズを変更
  • AlmaLinuxの画面も自動的にリサイズされるはず
  1. クリップボード共有を有効化:
  • VirtualBoxメニュー →「デバイス」→「クリップボードの共有」→「双方向」
  1. Windowsでテキストをコピー → AlmaLinuxでペースト
  • 動作すればOK!

VMware WorkstationでAlmaLinuxをインストール

VMwareを使用する場合の手順です。

VMware Workstation Playerのダウンロード

  1. VMware公式サイトにアクセス
   https://www.vmware.com/
  1. 「VMware Workstation Player」を検索
  2. 無料版のPlayerをダウンロード
  • 個人利用・非商用利用は無料
  1. インストーラーを実行してインストール

仮想マシンの作成(VMware)

Step 1:VMwareを起動

  1. VMware Workstation Playerを起動
  2. 「新規仮想マシンの作成」をクリック

Step 2:インストール方法の選択

  1. 「インストーラディスクイメージファイル(ISO)」を選択
  2. 「参照」をクリックして、AlmaLinuxのISOファイルを選択
  3. 「次へ」をクリック

Step 3:ゲストOSの選択

  1. ゲストOS: Linux
  2. バージョン: CentOS 8 64-bit
  • AlmaLinuxはまだリストにない場合があるため
  • RHEL 8 64-bitでも可
  1. 「次へ」をクリック

Step 4:仮想マシン名と場所

  1. 仮想マシン名: AlmaLinux 9.5
  2. 場所: 保存場所を選択
  • デフォルトでもOK
  1. 「次へ」をクリック

Step 5:ディスク容量の設定

  1. 最大ディスクサイズ: 20GB以上を推奨
  2. 「仮想ディスクを複数のファイルに分割」を選択(推奨)
  • バックアップが容易
  1. 「次へ」をクリック

Step 6:ハードウェアのカスタマイズ

  1. 「ハードウェアをカスタマイズ」をクリック
  2. メモリ: 2GB(2048MB)以上
  3. プロセッサ: 2コア以上
  4. ネットワークアダプター: NAT(デフォルト)
  5. 「閉じる」「完了」

Step 7:インストール開始

  1. 作成した仮想マシンを選択
  2. 「仮想マシンの再生」をクリック
  3. 以降の手順は、VirtualBoxと同じ
  • 言語選択
  • インストール概要設定
  • インストール実行

VMware Toolsのインストール

VMware版のGuest Additionsです。

手順:

  1. AlmaLinuxにログイン
  2. VMwareメニューから
  • 「Player」→「管理」→「VMware Toolsのインストール」
  1. ターミナルで実行:
   sudo dnf install -y open-vm-tools open-vm-tools-desktop
  1. 再起動:
   sudo reboot

Hyper-VでAlmaLinuxをインストール(Windows Pro以上)

Windows Pro/Enterprise/Educationユーザー向けです。

Hyper-Vの有効化

Step 1:Hyper-V機能を有効化

  1. Windows + Rキーで「ファイル名を指定して実行」
  2. appwiz.cpl と入力してEnter
  3. 左側の「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリック
  4. 以下の項目にチェック:
  • Hyper-V
  • Hyper-V管理ツール
  • Hyper-Vプラットフォーム
  1. 「OK」をクリック
  2. 再起動が必要

Step 2:Hyper-Vマネージャーを開く

  1. Windows + Sキーで検索
  2. 「Hyper-Vマネージャー」と入力して起動

仮想マシンの作成(Hyper-V)

手順:

  1. 右側の「新規」→「仮想マシン」をクリック
  2. 「新しい仮想マシンの作成ウィザード」が起動
  3. 名前と場所:
  • 名前:AlmaLinux 9.5
  • 次へ
  1. 世代の指定:
  • 第2世代を選択(推奨)
  • 次へ
  1. メモリの割り当て:
  • 2048MB以上
  • 「動的メモリを使用」にチェック
  • 次へ
  1. ネットワークの構成:
  • 接続:Default Switch
  • 次へ
  1. 仮想ハードディスクの接続:
  • 「仮想ハードディスクを作成する」
  • サイズ:20GB以上
  • 次へ
  1. インストールオプション:
  • 「ブート可能なイメージファイルからOSをインストールする」
  • AlmaLinuxのISOファイルを選択
  • 次へ
  1. 完了をクリック

Step 3:セキュアブートの無効化

AlmaLinuxインストール前に必要な設定:

  1. 作成した仮想マシンを右クリック →「設定」
  2. 左側で「セキュリティ」を選択
  3. 「セキュアブートを有効にする」のチェックを外す
  • これを外さないとAlmaLinuxが起動しない
  1. 「OK」をクリック

Step 4:起動してインストール

  1. 仮想マシンを右クリック →「起動」
  2. 「接続」をクリック
  3. 以降はVirtualBoxと同様の手順

初期設定:インストール後にやるべきこと

AlmaLinuxをより使いやすくする設定です。

1. システムのアップデート

最新の状態にする:

sudo dnf update -y

実行時間:5〜20分程度(環境による)

2. 開発ツールのインストール

プログラミングやコンパイルに必要なツール:

sudo dnf groupinstall "Development Tools" -y

3. 便利なツールのインストール

推奨パッケージ:

# テキストエディタ
sudo dnf install -y vim nano

# ネットワークツール
sudo dnf install -y net-tools wget curl

# 圧縮ツール
sudo dnf install -y unzip zip

# システム監視
sudo dnf install -y htop

4. SELinuxの設定(任意)

SELinuxはセキュリティ機能ですが、初心者には扱いが難しい場合があります。

一時的に無効化(再起動で戻る):

sudo setenforce 0

永続的に無効化(非推奨):

sudo vi /etc/selinux/config

SELINUX=enforcingSELINUX=permissiveに変更

5. ファイアウォールの基本設定

ファイアウォールの状態確認:

sudo systemctl status firewalld

サービスを許可(例:HTTP):

sudo firewall-cmd --permanent --add-service=http
sudo firewall-cmd --reload

よくあるトラブルと解決方法

初心者がつまずきやすいポイントです。

トラブル1:仮想マシンが起動しない

症状:

  • 「VT-x is not available」エラー
  • 黒い画面のまま進まない

原因:

  • 仮想化機能が無効
  • BIOSで仮想化が有効になっていない

解決方法:

  1. BIOSで仮想化機能を有効化(前述の手順参照)
  2. Windows 10/11の場合、Hyper-Vと競合している可能性
  • コマンドプロンプト(管理者)で実行:
   bcdedit /set hypervisorlaunchtype off
  • 再起動

トラブル2:インストール画面が真っ暗

症状:

  • インストール起動時に画面が黒いまま

原因:

  • グラフィックドライバの問題
  • VirtualBoxの3Dアクセラレーションが有効

解決方法:

方法1: 3Dアクセラレーションを無効化

  1. 仮想マシンの設定を開く
  2. 「ディスプレイ」→「3Dアクセラレーションを有効化」のチェックを外す

方法2: インストールオプションを変更

  1. インストールメニューで「e」キーを押す
  2. 「quiet」の後ろに半角スペースを入れて追加:
   nomodeset
  1. Ctrl + Xキーで起動

トラブル3:ネットワークに接続できない

症状:

  • インターネットにアクセスできない
  • ping google.comが失敗

原因:

  • ネットワークアダプターが無効
  • NATの設定ミス

解決方法:

AlmaLinux側:

  1. ネットワークの状態確認:
   ip addr
  1. ネットワークを有効化:
   sudo nmcli connection up "System eth0"
  1. または、GUIから:
  • 「設定」→「ネットワーク」→ Ethernet を「オン」に

VirtualBox側:

  1. 仮想マシンの設定 →「ネットワーク」
  2. 「ネットワークアダプターを有効化」にチェック
  3. 割り当て:NATを選択

トラブル4:画面が小さい/リサイズできない

原因:

  • Guest Additionsがインストールされていない
  • ディスプレイ設定が不適切

解決方法:

  1. Guest Additionsをインストール(前述の手順)
  2. 画面解像度を手動変更:
  • GUIの場合:「設定」→「ディスプレイ」で解像度を変更

トラブル5:rootパスワードを忘れた

解決方法:

方法1: シングルユーザーモードで起動

  1. 仮想マシンを再起動
  2. GRUBメニューが表示されたら「e」キーを押す
  • 数秒しか表示されないので注意
  1. linuxで始まる行の末尾に以下を追加:
   rd.break
  1. Ctrl + Xで起動
  2. 以下のコマンドを実行:
   mount -o remount,rw /sysroot
   chroot /sysroot
   passwd root
   # 新しいパスワードを入力
   touch /.autorelabel
   exit
   exit
  1. 再起動後、新しいパスワードでログイン可能

まとめ:AlmaLinux仮想環境を活用しよう

この記事では、AlmaLinuxを仮想環境にインストールする方法を詳しく解説しました。

重要ポイントのおさらい

AlmaLinuxはCentOSの後継として注目されている
完全無料でRHEL互換
仮想環境なら安全にテスト・学習できる
VirtualBoxが初心者に最適
Guest Additionsで快適性が大幅向上
✅ インストール後はシステムアップデートを忘れずに

こんな用途に活用できる

学習・スキルアップ:

  • Linuxコマンドの練習
  • サーバー管理の学習
  • プログラミング環境の構築

開発環境:

  • Webアプリケーション開発
  • データベースのテスト
  • コンテナ(Docker)の学習

本番環境の検証:

  • サーバー設定のテスト
  • ソフトウェアの動作確認
  • アップデート前の検証

次のステップ

AlmaLinuxのインストールができたら、以下に挑戦してみましょう:

  1. 基本コマンドの習得
  • cd、ls、mkdir、rm など
  1. Webサーバーの構築
  • Apache、Nginxのインストール
  1. データベースのセットアップ
  • MySQL、PostgreSQLのインストール
  1. Dockerの導入
  • コンテナ技術の学習

さらに学びたい方へ

公式ドキュメント:

  • AlmaLinux公式Wiki
  • Red Hat Enterprise Linux ドキュメント

コミュニティ:

  • AlmaLinux公式フォーラム
  • Stack Overflow(英語)
  • 日本語のLinuxコミュニティ

仮想環境なら、失敗を恐れず何度でもやり直せます。ぜひ、自由にAlmaLinuxを触って、Linuxの世界を楽しんでください!

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