アリババグループとは?中国の巨大EC企業をわかりやすく解説

「中国のAmazon」と呼ばれる企業をご存知ですか?
実はAmazonよりもっと大きな規模のネット通販を展開している会社があるんです。

それがアリババグループ。
日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、中国では知らない人はいない超巨大企業。

この記事では、アリババグループの誕生秘話から主要サービス、驚きのビジネスモデルまで、中学生でもわかるように解説します。

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アリババグループとは?

アリババグループ(Alibaba Group Holding Limited)は、1999年に設立された中国のテクノロジー企業です。
本社は中国の浙江省杭州市にあります。

主な事業は電子商取引(EC)ですが、それだけにとどまりません。
クラウドコンピューティング、デジタル決済、物流、エンターテインメントなど、幅広い分野で事業を展開しています。

中国では「BAT」と呼ばれる三大テクノロジー企業の一つ。
BはBaidu(百度)、AはAlibaba(阿里巴巴)、TはTencent(騰訊)を指します。

アパートから始まった奇跡の物語

創業者ジャック・マー

アリババを創業したのは、ジャック・マー(馬雲)という人物。
元々は英語の先生をしていました。

子供の頃から英語が大好きで、12歳の頃から外国人観光客に無料でガイドをして英語を練習していたそうです。
大学受験では数学が苦手で、3回目でようやく合格したというエピソードも。

1995年、運命のアメリカ訪問

1995年、ジャック・マーは政府の仕事でアメリカを訪れました。
そこで初めてインターネットに触れたんです。

試しに「ビール」と検索してみると、世界中のビール情報が出てきました。
でも「中国」と検索しても、何も出てこなかったんです。

「これはチャンスだ!中国企業をネットで世界につなげよう」
ジャック・マーは、そう決意しました。

1999年、アパートでの創業

1999年6月28日、ジャック・マーは杭州の自宅アパートに18人の仲間を集めました。
妻や元同僚、学生など、信じてついてきてくれた人たち。

「ここで1年くらい働くことになる。ここで食べて、寝て、昼夜働く。
何か成し遂げられるかもしれないし、失敗して仕事を探すことになるかもしれない」

そう語ったジャック・マー。
6部屋しかない小さなアパートが、世界的企業の出発点だったんです。

スタート時の資金は、たった6万ドル(約660万円)。
その年の10月には、ソフトバンクから2000万ドル、ゴールドマン・サックスから500万ドルの投資を獲得しました。

主要サービスを紹介

アリババグループは、複数のプラットフォームを運営しています。

Alibaba.com(アリババドットコム)

最初に立ち上げたサービス。
世界中の企業をつなぐBtoB(企業間取引)のマーケットプレイスです。

中小企業が自社製品を世界に売り込めるプラットフォーム。
240以上の国と地域で、5000万以上の会員が利用しています。

Taobao(タオバオ)

2003年にスタートした、個人間取引のプラットフォーム。
CtoC(消費者間取引)のサービスです。

日本でいう「メルカリ」のような存在ですが、規模は桁違い。
2024年現在、世界で最も人気のあるショッピングサイトの一つです。

個人も小規模店舗も出店でき、価格も比較的安いのが特徴。
中国の中間層を中心に絶大な支持を集めています。

Tmall(ティエンマオ)

2008年に「タオバオモール」として誕生し、2012年に「Tmall」に改名。
BtoC(企業対消費者取引)のプラットフォームです。

タオバオとの違いは「ブランド重視」。
正規ブランドや大企業が出店する、高品質商品専門のモールなんです。

出店には中国に法人を持つ必要があり、審査も厳しめ。
その分、商品の信頼性が高いと評価されています。

2018年2月時点で、月間アクティブユーザーは5億人以上。
2021年にはアクセス数で世界第3位のウェブサイトになりました。

Alipay(アリペイ)

2003年にサービス開始した電子決済サービス。
タオバオでの取引を安全にするために生まれました。

最初はエスクローサービス(第三者預託)として機能。
買い手が商品を受け取って確認するまで、代金を預かる仕組みです。

これが中国のEC市場で信頼を築く大きな要因になりました。
実際、この仕組みがあったからこそ、タオバオはライバルのeBayに勝てたんです。

2020年時点で、利用者は13億人以上。
オンライン決済だけでなく、実店舗でのスマホ決済、公共料金の支払いなど、生活のあらゆる場面で使われています。

2015年に親会社が「アントグループ」に改組され、現在はアリババグループの関連会社として運営されています。

Alibaba Cloud(アリババクラウド)

2009年設立のクラウドコンピューティングサービス。
中国最大のクラウドサービスプロバイダーです。

データ処理、AI、セキュリティなど、幅広いサービスを提供。
アリババグループ全体のインフラを支える重要な役割も担っています。

ビジネスモデルの仕組み

アリババの収益源は主に2つです。

会員費モデル

Alibaba.comでは、売り手企業から会員費を徴収します。
ゴールドサプライヤーなど、信頼度の高い会員には特典を提供。

買い手は無料で利用できるため、世界中のバイヤーが集まりやすいんです。

広告・手数料モデル

タオバオとTmallでは、出店は基本無料(またはリーズナブルな価格)。
その代わり、広告掲載料や取引手数料で収益を上げています。

検索結果の上位に表示されるには、広告料を支払う必要があります。
また、Tmallでは出店料や保証金も徴収。

商品は売らず、「場所を貸す」ビジネスモデル。
これがAmazonとの大きな違いです。

Amazonは自社で在庫を持って販売するのに対し、アリババは出店者同士をつなぐプラットフォームに徹しています。

史上最大のIPO

2014年9月19日、アリババはニューヨーク証券取引所に上場しました。
調達額は250億ドル(約2.7兆円)。

これは当時の世界記録。
上場初日の時価総額は2310億ドル(約25兆円)に達しました。

Google、Facebook、Twitterの3社を合わせたより大きなIPOだったんです。
まさに歴史的な出来事でした。

驚異の規模と影響力

数字で見るアリババ

2016年春、アリババの流通総額は4850億ドル(約52兆円)を記録。
これは世界最大の小売企業ウォルマートを超える規模です。

売上高は157億ドル(約1兆7000億円)。
Amazonと比較されますが、ビジネスモデルが違うため単純比較はできません。

独身の日(11月11日)

アリババが主催する「独身の日セール」は、世界最大のオンラインショッピングイベント。
毎年11月11日に開催されます。

2018年には、たった24時間で308億ドル(約3.4兆円)を売り上げました。
アメリカのブラックフライデーとサイバーマンデーを合わせた金額を上回る規模です。

日本との関係

日本のソフトバンクグループは、長年アリババの筆頭株主でした。
2000年に2000万ドルを投資し、大きなリターンを得たことで有名です。

2022年に株式の一部を売却し、現在はソフトバンクグループの持分適用会社からは外れています。

課題と最近の動向

規制の強化

2020年11月、中国政府はアリババの関連会社「アントグループ」のIPOを突如中止させました。
ジャック・マーが金融規制当局を批判したことが原因と言われています。

2021年には、独占禁止法違反で28億ドル(約3000億円)の罰金を科されました。
中国政府による大手テクノロジー企業への規制強化の一環です。

プラットフォームの開放

中国政府の方針により、2021年以降、競合サービス間の相互運用が進んでいます。

2024年9月には、タオバオとTmallでテンセント(ライバル企業)の「WeChat Pay」が使えるようになりました。
長年続いていた「囲い込み」が徐々に解消されつつあるんです。

ジャック・マーの退任

2019年9月10日、ジャック・マーは55歳の誕生日にアリババ会長を退任。
後継者のダニエル・チャンに引き継ぎました。

現在は慈善活動に注力しています。
2014年に設立した「ジャック・マー財団」を通じて、教育や環境保護に取り組んでいます。

まとめ

アリババグループについて、おさらいしましょう。

  • 1999年、ジャック・マーが杭州のアパートで18人の仲間と創業
  • Alibaba.com、Taobao、Tmall、Alipayなど多彩なサービスを展開
  • 商品を売らず「場所を貸す」プラットフォームビジネス
  • 2014年に史上最大のIPOを達成
  • 流通総額でウォルマートを超える規模に成長
  • 中国政府による規制強化が課題
  • 独身の日セールは世界最大のショッピングイベント

アリババグループは、中国から生まれた世界的企業の代表例です。
ジャック・マーの「中小企業を支援する」というビジョンが、この巨大なエコシステムを生み出しました。

今後も中国のデジタル経済の中心として、世界に大きな影響を与え続けるでしょう。
その動向から目が離せません。

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