「Webサイトのデザインを作りたいけど、PhotoshopやIllustratorは難しそう…」 「アプリのプロトタイプを素早く作って、チームで共有したい」 「デザインからコーディングへの引き継ぎをスムーズにしたい」
そんな悩みを一気に解決してくれるのがAdobe XD(アドビ エックスディー)です。
Adobe XDは、WebサイトやモバイルアプリのUI/UXデザインに特化したツール。操作が簡単で、動くプロトタイプが作れて、しかも無料プランもあるんです。
この記事では、Adobe XDの基本から、実践的な使い方、他のツールとの連携まで、初心者でも今日から使えるように分かりやすく解説していきます!
Adobe XDとは:UI/UXデザインの新定番ツール

そもそもAdobe XDって何?
Adobe XDは、Adobe社が提供するUI/UXデザインツールです。 正式名称は「Adobe Experience Design」ですが、みんな「XD」と呼んでいます。
UIデザインとは:ボタンやメニューなど、画面の見た目のデザイン UXデザインとは:使いやすさや操作の流れなど、体験全体のデザイン
Adobe XDの3つの強み
1. 軽くて速い
- PhotoshopやIllustratorより圧倒的に軽快
- 起動が速く、サクサク動く
- パソコンのスペックが低くても大丈夫
2. プロトタイプが簡単に作れる
- 画面遷移をドラッグ&ドロップで設定
- アニメーションも簡単に追加
- スマホで実際に動きを確認できる
3. 共有とコラボが楽
- URLを送るだけでデザインを共有
- リアルタイムで共同編集可能
- コメント機能で修正依頼も簡単
他のデザインツールとの違い
Photoshop/Illustratorとの違い:
- XDはUI/UXに特化(写真加工やロゴ作成は苦手)
- 繰り返し要素の管理が得意(コンポーネント機能)
- プロトタイプ作成が圧倒的に簡単
Figmaとの違い:
- XDはAdobe製品との連携が強力
- Figmaは完全Web版、XDはデスクトップアプリ中心
- XDは日本語サポートが充実
Sketchとの違い:
- SketchはMac専用、XDはWindows/Mac両対応
- XDの方が学習コストが低い
- プロトタイプ機能はXDの方が充実
料金プラン:無料でどこまで使える?
無料プラン(スタータープラン)
できること:
- デザインツールのフル機能
- 1つのアクティブな共有リンク
- 2GBのクラウドストレージ
- Adobe Fontsの一部利用
制限:
- 共有できるドキュメント数:1つまで
- 共同編集者の招待:不可
- 動画書き出し:不可
こんな人におすすめ:
- 個人で勉強したい学生
- お試しで使ってみたい人
- 簡単なプロトタイプを作りたい人
有料プラン
単体プラン(月額1,298円):
- 無制限の共有リンク
- 100GBのクラウドストレージ
- 共同編集機能
- プレミアムフォント
Creative Cloud コンプリートプラン:
- Photoshop、Illustratorなど全Adobe製品が使える
- 最もコスパが良い選択肢
初期設定と画面の見方:5分で始められる!
インストールと起動
手順:
- Adobe公式サイトから無料ダウンロード
- Adobe IDでログイン(無料で作成可能)
- インストール完了後、XDを起動
新規ドキュメントの作成
プリセットサイズから選択:
- iPhone:375×812px(iPhone 13/14)
- iPad:1024×1366px
- Web:1920×1080px(デスクトップ)
- カスタム:好きなサイズを指定
画面構成の理解
主要なエリア:
- ツールバー(左側)
- 選択ツール(V)
- 長方形ツール(R)
- 楕円ツール(E)
- テキストツール(T)
- ペンツール(P)
- アートボード(中央)
- デザインを作成するキャンバス
- 複数のアートボードを並べられる
- プロパティパネル(右側)
- 選択した要素の詳細設定
- 色、サイズ、効果などを調整
- アセットパネル(左下)
- カラー、文字スタイル、コンポーネントを管理
- レイヤーパネル(左下)
- 要素の重なり順を管理
基本操作:最初に覚えるべき10の機能
1. 図形を描く
長方形ツール(R):
- クリック&ドラッグで描画
- Shiftを押しながら:正方形
- 角の丸みは選択後に調整可能
2. テキストを追加
テキストツール(T):
- クリックして入力開始
- ドラッグでテキストボックス作成
- フォントはAdobe Fontsから選択
3. 色を変更
塗りと線:
- 右パネルで色を選択
- スポイトツール(I)で色を抽出
- グラデーションも簡単設定
4. 整列と配置
自動整列ガイド:
- ピンクのガイドラインが自動表示
- 等間隔配置も自動で調整
- 右クリック → 整列で細かく調整
5. リピートグリッド
繰り返し要素を一括管理:
- 要素を選択
- 右パネルの「リピートグリッド」をクリック
- ハンドルをドラッグで複製
- 間隔をドラッグで調整
6. コンポーネント化
再利用可能な部品を作成:
- 選択して右クリック → 「コンポーネントにする」
- メインコンポーネントを編集すると全インスタンスが更新
- ボタンやナビゲーションに最適
7. レスポンシブリサイズ
画面サイズに応じて自動調整:
- コンポーネントを選択
- 右パネルで「レスポンシブリサイズ」設定
- 固定、伸縮の動作を指定
8. プロトタイプ作成
画面遷移を設定:
- 上部の「プロトタイプ」モードに切り替え
- 要素から別アートボードへドラッグ
- トランジション効果を選択
9. プレビュー
デスクトッププレビュー:
- 右上の再生ボタンをクリック
- 実際の動きを確認
モバイルプレビュー:
- Adobe XDアプリをスマホにインストール
- USBまたはWi-Fi経由で接続
10. 共有
共有リンクの作成:
- 右上の共有ボタン
- 「リンクを作成」
- URLをコピーして送信
プロトタイプ作成:動くデザインを作ろう
画面遷移の設定
基本的な遷移:
- プロトタイプモードに切り替え
- ボタンから次の画面へ青い矢印をドラッグ
- トリガーとアクションを設定:
- トリガー:タップ、ドラッグ、ホバーなど
- アクション:トランジション、オーバーレイ、前に戻る
- アニメーション:ディゾルブ、スライド、プッシュ
インタラクティブな要素
ホバーエフェクト:
- ボタンの通常状態とホバー状態を別々に作成
- ホバートリガーで切り替え設定
スクロール可能エリア:
- グループ化した要素を選択
- 「垂直スクロール」を有効化
- ビューポートの高さを設定
アニメーション設定
自動アニメーション:
- 同じ要素の位置やサイズが違う2つのアートボード
- トランジションで「自動アニメーション」を選択
- なめらかな動きが自動生成
イージング設定:
- イーズイン:ゆっくり始まって速くなる
- イーズアウト:速く始まってゆっくり終わる
- イーズインアウト:両方の組み合わせ
実践的な使い方:よくあるデザインパターン
スマホアプリのUIを作る
必須要素:
- ステータスバー:時刻、バッテリーなど
- ナビゲーションバー:戻るボタン、タイトル
- タブバー:下部の固定メニュー
- コンテンツエリア:メインの内容
UIキットの活用:
- AppleのiOS UIキット
- GoogleのMaterial Designキット
- 無料でダウンロード可能
Webサイトのワイヤーフレーム
グレースケールで作成:
- 色を使わず構造に集中
- 四角と線だけでレイアウト
- ダミーテキストはプラグインで生成
ランディングページのデザイン
セクション構成:
- ヒーローエリア(キービジュアル)
- 特徴紹介(3カラム)
- 料金表(テーブル)
- CTA(コールトゥアクション)ボタン
- フッター
プラグインで機能拡張:作業効率10倍アップ
おすすめプラグイン
1. Lorem Ipsum
- ダミーテキストを自動生成
- 日本語版もあり
2. Icons 4 Design
- 無料アイコンを検索・挿入
- 10万個以上のアイコン
3. Stark
- アクセシビリティチェック
- 色覚異常シミュレーション
4. Angle
- デバイスモックアップに画面をはめ込み
- プレゼン資料作成に便利
5. Web Export
- HTML/CSSとして書き出し
- コーディングの参考に
プラグインのインストール
- メニュー → プラグイン → プラグインを参照
- 検索してインストール
- プラグインパネルから実行
他ツールとの連携:制作フローを効率化
Photoshop/Illustratorとの連携
Creative Cloud Libraries:
- 素材を共有ライブラリに保存
- XDから直接アクセス可能
- 更新も自動反映
コピー&ペースト:
- IllustratorのベクターデータをそのままXDへ
- レイヤー構造も維持
開発者への引き継ぎ
デザインスペック:
- 共有リンクから開発モードを選択
- CSSコード自動生成
- 画像アセットの書き出し
- 測定ツールで余白確認
Slackとの連携
- XDから直接Slackに共有
- コメント通知をSlackで受信
- チーム全体で進捗確認
トラブルシューティング:よくある問題と解決法
「重くて動作が遅い」
解決法:
- 画像を圧縮(JPEGで70%品質)
- 使わないアートボードを削除
- キャッシュをクリア(環境設定から)
「フォントが表示されない」
対処法:
- Adobe Creative Cloudアプリでフォント同期
- システムフォントを使用
- フォントをアウトライン化
「共有リンクが見られない」
確認事項:
- パスワード設定の有無
- 公開設定の確認
- ブラウザのキャッシュクリア
学習リソース:さらにスキルアップするために
公式リソース
Adobe XD Trail:
- 無料のオンライン学習プログラム
- 基礎から応用まで体系的に学習
- 修了証も発行
Adobe XD Guru:
- 公式チュートリアルサイト
- 実践的なプロジェクトベース学習
コミュニティ
Adobe XD Japan:
- 日本語の情報が豊富
- ユーザーグループイベント開催
Behance:
- 世界中のXDデザイン作品
- インスピレーションを得られる
まとめ:今すぐAdobe XDでデザインを始めよう!
Adobe XDマスターへの道:
初心者がまずやること:
- 無料プランでダウンロード
- 基本図形とテキストで練習
- 簡単なプロトタイプを作成
- 共有リンクで誰かに見せる
覚えておくべき機能:
- リピートグリッド:繰り返し要素を効率管理
- コンポーネント:再利用可能な部品
- プロトタイプ:画面遷移とアニメーション
- 共有:URLだけで簡単共有
上達のコツ:
- 実際のアプリやサイトを模写
- 毎日15分でも触る
- プラグインを活用
- コミュニティで学ぶ
Adobe XDは、デザイン初心者でも直感的に使えるツールです。無料で始められるので、まずは気軽に触ってみてください。
最初は簡単なボタンやカードのデザインから始めて、慣れてきたらプロトタイプ作成にチャレンジ。1週間も使えば、立派なアプリデザインが作れるようになりますよ!
デザインの世界への第一歩を、Adobe XDで踏み出してみませんか?
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