「Wordの行間が広すぎて読みづらい」
「毎回行間を詰め直すのが面倒…」
そんな悩みを持っている方は多いのではないでしょうか?
Wordは初期状態で**「行間:1.15、段落後に10ptの余白」**が設定されていますが、用途によってはこれが広すぎると感じることがあります。
この記事では、Wordの行間を詰める具体的な手順と、それを初期設定として保存する方法を丁寧に解説します。
行間調整が必要な理由

文書作成でよくある困りごと
- レポートや論文の体裁を整えたい
- 履歴書や職務経歴書をコンパクトにしたい
- ビジネス文書を見やすくしたい
- 印刷時のページ数を減らしたい
適切な行間のメリット
- 読みやすさの向上
- ページ数の削減
- プロフェッショナルな印象
- 情報密度の最適化
Wordの初期行間とは?
デフォルト設定(Word 2013以降)
- 行間:1.15倍
- 段落後の余白:10pt
- フォント:游明朝(日本語版)
初期設定の特徴
メリット
- 可読性を重視した設計
- 目の疲労を軽減
- 一般的な文書作成に適している
デメリット
- ビジネス文書には間延びした印象
- ページ数が多くなりがち
- 情報密度が低い
バージョン別の違い
Wordバージョン | デフォルト行間 | 段落後余白 |
---|---|---|
Word 2003以前 | 1.0倍 | 0pt |
Word 2007-2010 | 1.15倍 | 10pt |
Word 2013以降 | 1.15倍 | 10pt |
行間を詰める方法(手動)
基本的な手順
ステップ1:対象テキストを選択
- 詰めたい段落または文章全体を選択
- Ctrl+Aで文書全体を選択も可能
ステップ2:段落の設定を開く
以下のいずれかの方法で段落設定を開きます:
方法1:リボンから
- ホームタブ → 「段落」グループの右下にある小さな矢印をクリック
方法2:右クリックメニューから
- 選択範囲を右クリック → 「段落」を選択
方法3:ショートカットキー
- Alt + O, P(WordのバージョンによってはAlt + H, PG)
ステップ3:行間設定を変更
段落ダイアログボックスで以下のように設定します:
推奨設定例
- 行間:固定値 → 15pt(10.5ptフォントの場合)
- 段落後:0pt
- 段落前:0pt
行間の種類と特徴
行間の種類 | 説明 | 適用場面 |
---|---|---|
1行 | 最も詰まった状態 | 箇条書き、表 |
1.15行 | Wordのデフォルト | 一般文書 |
1.5行 | やや余裕のある間隔 | 校正用文書 |
2行 | ダブルスペース | 論文下書き |
固定値 | pt単位で指定 | 精密な調整 |
フォントサイズ別推奨設定
フォントサイズ | 推奨行間(固定値) | 用途 |
---|---|---|
9pt | 12pt | 注釈、キャプション |
10.5pt | 15pt | 一般的なビジネス文書 |
12pt | 17pt | レポート、論文 |
14pt | 20pt | 見出し、重要文書 |
毎回の手間を省く「初期設定の変更」方法

Wordを開くたびに行間を詰めるのは面倒ですよね。
そこで、標準のスタイル(「標準」スタイル)を変更することで、以降の文書作成時も自動で詰まった行間になります。
方法1:標準スタイルの変更
ステップ1:スタイルの変更
- ホームタブ → 「スタイル」グループの「標準」を右クリック
- 「変更」を選択
ステップ2:フォーマットを調整
- スタイルの変更ダイアログが開く
- 「書式」ボタン → 「段落」を選択
- 行間:固定値または1.0
- 段落後:0pt
- 段落前:0pt
ステップ3:新規文書への適用
重要: 下部の「新しい文書に基づく文書に適用」にチェックを入れて「OK」
これで新規作成するWordファイルはすべて行間が詰まった状態で始まります。
方法2:Normal.dotmテンプレートの変更
より確実な方法
- 新規文書で行間設定を変更
- 「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」
- 「標準テンプレートに変更を確認」にチェック
- 文書を閉じる際に変更を保存
方法3:カスタムテンプレートの作成
専用テンプレートの作成
- 理想的な行間設定で新規文書を作成
- 「ファイル」→「名前を付けて保存」
- ファイルの種類:「Word テンプレート (*.dotx)」
- わかりやすい名前で保存
使用方法
- 「ファイル」→「新規」→「個人用」
- 作成したテンプレートを選択
ショートカットによる効率化
よく使うショートカットキー
操作 | ショートカット | 効果 |
---|---|---|
行間1.0 | Ctrl + 1 | 行間を1行に設定 |
行間1.5 | Ctrl + 5 | 行間を1.5行に設定 |
行間2.0 | Ctrl + 2 | 行間を2行に設定 |
段落設定 | Alt + O, P | 段落ダイアログを開く |
クイックアクセスツールバーの活用
段落設定をツールバーに追加
- クイックアクセスツールバーの▼をクリック
- 「その他のコマンド」を選択
- 「段落」を検索して追加
用途別の行間設定

ビジネス文書
標準的な設定
- 行間:固定値 15pt
- 段落後:6pt
- フォント:MS明朝またはメイリオ 10.5pt
活用場面
- 報告書
- 提案書
- 議事録
学術論文
推奨設定
- 行間:2行(ダブルスペース)
- 段落後:0pt
- フォント:Times New Roman 12pt
注意点
- 投稿規定を必ず確認
- 引用文献は別設定の場合あり
履歴書・職務経歴書
コンパクトな設定
- 行間:固定値 14pt
- 段落後:3pt
- フォント:MS明朝 10pt
ポイント
- 情報を1-2ページに収める
- 読みやすさを保持
よくある注意点とトラブル対処
テンプレートで初期化されないことがある
原因
企業で用意されたテンプレートには別のスタイル設定がある場合があります。
対処法
- テンプレート自体を編集
- または新規文書作成後に手動調整
- 会社のガイドラインを確認
表の中や脚注などは別設定になる
表内の行間調整
- 表全体を選択
- 右クリック → 「段落」
- 個別に設定を変更
脚注の行間調整
- 「参考資料」タブ → 「脚注」グループ
- 脚注の右下矢印をクリック
- 「脚注のスタイル」を変更
図表やオブジェクトの影響
図表周りの余白
- 図表を選択 → 「レイアウト」タブ
- 「文字列の折り返し」で調整
ページ区切りの問題
自動ページ区切りの調整
- 「レイアウト」タブ → 「ページ設定」
- 「その他」タブ
- 「文字数と行数の指定」で調整
印刷とPDF出力での注意点

印刷プレビューでの確認
チェックポイント
- 行間が想定通りか
- ページ境界での改行
- フォントの置き換わり
PDF出力での品質保持
推奨設定
- 「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPS の作成」
- 「オプション」で「高品質印刷」を選択
- フォントの埋め込みを確認
異なる環境での互換性
フォント環境の違い
対策
- 標準的なフォントを使用
- 代替フォントを指定
- PDF化での配布を検討
Wordバージョンの違い
下位互換性の確保
- 「ファイル」→「情報」→「問題のチェック」
- 「互換性チェック」を実行
- 警告があれば対応
まとめ
Wordで行間を詰めるには、**「段落設定」と「スタイルの初期変更」**がカギです。
重要なポイント
- 手動調整:段落設定で行間と段落後余白を調整
- 初期設定変更:標準スタイルを変更して自動化
- 用途別設定:文書の目的に応じた最適化
- 互換性確保:異なる環境での表示を考慮
効果的な活用
一度設定しておけば、毎回の編集が不要になり、見た目もスッキリした資料がすぐに作れます。
特に次のような文書では必須のテクニックです:
- レポート、論文
- 履歴書、職務経歴書
- 契約書、公式文書
- プレゼンテーション資料
今後の応用
行間調整をマスターすることで、より高度な文書レイアウト技術への基礎ができます。
適切な行間設定により、読みやすく、プロフェッショナルな印象の文書が作成できるようになるでしょう。
「文字と文字の間隔(字間)」や「段組みとのバランス調整」なども気になる方は、別記事で詳しくご紹介しますのでお気軽にご相談ください。
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