「Discord通話中にゲーム音が相手に聞こえちゃう…」 「配信でBGMと声のバランスが取れない」 「複数のマイクやスピーカーを使い分けたい」 「OBSの音声設定が複雑すぎて分からない」
こんな音声の悩み、抱えていませんか?
そんなあなたに朗報です!**VoiceMeeter(ボイスミーター)**という無料ソフトを使えば、これらの問題が全部解決できるんです。
プロの配信者も愛用するこのツール、実は設定さえ分かれば初心者でも簡単に使えます。 今回は、VoiceMeeterの基本から応用まで、図解たっぷりで分かりやすく解説していきます。
この記事を読み終わる頃には、あなたも音声マスターになれるはずですよ!
VoiceMeeterとは?仮想ミキサーの仕組みを理解しよう

一言で言うと「パソコン内の音声交通整理係」
VoiceMeeterは、Windows用の仮想オーディオミキサーです。
普通、音声は「マイク→PC→スピーカー」という一本道で流れますよね? VoiceMeeterを使うと、この流れを自由に分岐・合成・調整できるようになるんです。
例えるなら:
- 普通のPC = 一車線の道路
- VoiceMeeter = 複数車線の高速道路+ジャンクション
できることの具体例
✅ 配信・録画での活用
- マイク音声とゲーム音を別々に調整
- BGMを配信には流すけど自分には聞こえないように
- 複数人での同時配信の音声管理
✅ Discord・通話での活用
- 通話相手にゲーム音が入らないように設定
- カラオケ配信(音楽だけ相手に送る)
- ボイスチェンジャーと組み合わせ
✅ 音楽制作・編集
- DAWソフトとの連携
- 複数の音源を同時録音
- リアルタイムエフェクト
3つのバージョン、どれを選ぶ?
VoiceMeeterには3つのバージョンがあります:
1. VoiceMeeter(無料)
入出力数:
- 入力:3系統(1実機 + 2仮想)
- 出力:2系統(1実機 + 1仮想)
こんな人向け:
- 初めて使う人
- シンプルな配信環境
- とりあえず試したい
2. VoiceMeeter Banana(無料)
入出力数:
- 入力:5系統(3実機 + 2仮想)
- 出力:5系統(3実機 + 2仮想)
こんな人向け:
- 本格的に配信したい
- 複数デバイスを使う
- 細かい調整をしたい
追加機能:
- レコーダー機能
- イコライザー
- コンプレッサー
3. VoiceMeeter Potato(有料:約5000円)
入出力数:
- 入力:8系統(5実機 + 3仮想)
- 出力:8系統(5実機 + 3仮想)
こんな人向け:
- プロレベルの配信者
- 音楽制作をする人
- 複雑な音声ルーティングが必要
おすすめは? → まずはBananaから始めましょう! 無料で高機能、ほとんどの用途に対応できます。
インストールと初期設定:5分で完了!
ステップ1:ダウンロード
- 公式サイトにアクセス
- 「Download」ボタンをクリック
- ZIPファイルを解凍
ステップ2:インストール
- 「Install.exe」を右クリック→「管理者として実行」
- 「Install」ボタンをクリック
- 重要:PCの再起動が必要です!
ステップ3:初回起動と基本設定
音声出力の設定(A1)
- 右上の「A1」をクリック
- 使用するスピーカー/ヘッドホンを選択
- 例:「Realtek High Definition Audio」
音声入力の設定(Hardware Input 1)
- 「Hardware Input 1」の下のボタンをクリック
- マイクを選択
- 例:「USB Microphone」
ステップ4:Windowsのサウンド設定
既定のデバイスを変更
- タスクバーのスピーカーアイコンを右クリック
- 「サウンドの設定を開く」
- 出力デバイス:「VoiceMeeter Input」
- 入力デバイス:「VoiceMeeter Output」
なぜ逆なの?
- VoiceMeeterから見た「Input」= Windowsから見た「Output」
- 混乱しやすいけど、これで正しいんです!
基本的な使い方:実践的な設定例
例1:Discord通話でゲーム音を分離
目的
- 自分:ゲーム音+通話音声を聞く
- 相手:自分の声だけ聞こえる(ゲーム音は聞こえない)
設定手順
- ゲームの音声出力
- ゲーム内設定で「VoiceMeeter Input」を選択
- VoiceMeeterで「Virtual Input」に入力される
- Discordの設定
- 入力デバイス:「VoiceMeeter Output (B1)」
- 出力デバイス:「VoiceMeeter Aux Input」
- VoiceMeeter内のルーティング
マイク(Hardware 1) → B1のみON ゲーム音(Virtual) → A1のみON Discord(Aux) → A1のみON
例2:配信用の音声ミックス
OBS Studioとの連携
- OBSの音声設定
- デスクトップ音声:「VoiceMeeter Output」
- マイク音声:「VoiceMeeter Aux Output」
- 音量バランス調整
- マイク:0dB
- ゲーム:-10dB
- BGM:-20dB
知っておくと便利な機能
1. インテリパン(Intellipan)
機能: ステレオの広がりを調整
使い方:
- スライダーを動かして左右のバランスを調整
- 中央に寄せるとモノラルに近づく
2. Mono(モノラルボタン)
機能: ステレオ音声をモノラルに変換
使いどころ:
- 片耳イヤホンでの配信
- 音声の確認作業
3. Mute(ミュートボタン)
機能: 一時的に音を消す
便利な使い方:
- くしゃみや咳の時にサッとミュート
- 離席時の消音
4. Solo(ソロボタン)
機能: その音声だけを聞く
使いどころ:
- 特定の音声だけチェックしたい時
- トラブルシューティング
よくあるトラブルと解決方法
トラブル1:音が出ない・聞こえない
チェックポイント
- VoiceMeeterが起動しているか
- タスクトレイにアイコンがあるか確認
- ルーティング設定
- A1、A2、B1、B2のボタンが適切にONになっているか
- Windows設定
- 既定のデバイスが正しく設定されているか
- 音量設定
- フェーダーが下がっていないか
- ミュートになっていないか
トラブル2:音が遅延する(ラグがある)
解決方法
- バッファサイズの調整
- Menu → System Settings
- Buffering WDM: 128〜256に設定
- Buffering MME: 256〜512に設定
- オーディオエンジンの変更
- WDM → KS → MME の順で試す
トラブル3:音が割れる・ノイズが入る
解決方法
- サンプルレートの統一
- すべて48000Hzか44100Hzに統一
- Menu → System Settings で確認
- 音量調整
- 各フェーダーを-6dB程度に下げる
- ピークメーターが赤にならないように
トラブル4:起動時にエラーが出る
解決方法
- 管理者権限で実行
- 右クリック→「管理者として実行」
- オーディオドライバーの更新
- デバイスマネージャーで更新
- 再インストール
- 一度アンインストールしてから再度インストール
応用テクニック:プロ級の使い方
マクロボタンの活用
VoiceMeeterには便利なマクロボタンがあります:
設定例:
ボタン1:配信モード(マイクON、BGM ON)
ボタン2:通話モード(マイクON、BGM OFF)
ボタン3:ミュート(全音声OFF)
VBAN機能(ネットワーク音声伝送)
できること:
- 別PCへ音声を送信
- スマホアプリと連携
- 複数PC間で音声共有
設定方法:
- Menu → VBAN
- IPアドレスを入力
- Stream Nameを設定
VoiceMeeter Remoteアプリ
スマホから操作できる公式アプリ:
- 音量調整
- ミュート操作
- プリセット切り替え
他のソフトとの連携
OBS Studio
設定のコツ:
- 音声モニタリング:「モニターオフ」
- 音声遅延:0ms
- フィルター:VoiceMeeter側で調整
Discord
プッシュトゥトーク設定:
- VoiceMeeterのマクロと連動
- ホットキーで切り替え
ボイスチェンジャー(恋声、Voicemodなど)
接続順序:
マイク → ボイチェン → VoiceMeeter Virtual Input → 出力
DAW(FL Studio、Cubaseなど)
ASIO対応:
- VoiceMeeter Virtual ASIO を選択
- レイテンシー:128〜256サンプル
設定の保存とバックアップ
設定の保存方法
- Menu → Save Settings
- 名前を付けて保存(例:配信用.xml)
設定の読み込み
- Menu → Load Settings
- 保存したファイルを選択
おすすめ: 用途別に複数の設定ファイルを作っておくと便利!
- gaming.xml(ゲーム配信用)
- meeting.xml(会議用)
- music.xml(音楽制作用)
まとめ:VoiceMeeterで音声の悩みから解放されよう!
VoiceMeeterについて、基本から応用まで解説してきました。
重要ポイントのおさらい:
✅ 無料で使える強力な仮想オーディオミキサー
✅ まずはBanana版から始めるのがおすすめ
✅ 初期設定は5分で完了
✅ 配信、通話、音楽制作など幅広く活用可能
✅ トラブルの多くはルーティング設定で解決
最初は設定が複雑に感じるかもしれませんが、一度理解すれば音声に関する悩みのほとんどが解決します。
特に配信者やゲーマーにとっては、もはや必須ツールといえるでしょう。
まずは基本的な設定から始めて、徐々に高度な機能を試していってください。 きっと「こんなこともできるんだ!」という発見があるはずです。
VoiceMeeterを使いこなして、プロ級の音声環境を手に入れましょう! 設定に困ったら、この記事を何度でも見返してくださいね。
良い配信ライフを!
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