「VirtualBoxって聞いたことあるけど、どうやって使い始めればいいの?」
「インストールって難しそう…」
そんな不安を持っている方、安心してください。
VirtualBox(バーチャルボックス)は、無料で使える仮想化ソフトで、1台のパソコンの中に別のOSを動かせる便利なツールです。この記事では、ダウンロードからインストール、初期設定まで、画像を見ているかのように詳しく解説します。
パソコンに詳しくない方でも、この記事を読めば確実にインストールできますよ。
VirtualBoxとは

まず、VirtualBoxについて簡単に説明しましょう。
VirtualBoxは、Oracle(オラクル)という会社が提供している、完全無料の仮想化ソフトウェアです。
仮想化ソフトとは
1台のパソコンの中に、まるで別のパソコンがあるかのように動かせるソフトのことです。例えば、Windows上でLinuxを動かしたり、Mac上でWindowsを動かしたりできます。
VirtualBoxの特徴
完全無料
個人利用でも商用利用でも、一切お金がかかりません。ライセンス料も不要です。
オープンソース
プログラムのソースコードが公開されていて、誰でも自由に改良できます。安全性や透明性が高いのが特徴です。
多くのOSに対応
- ホストOS(実際のパソコンのOS):Windows、Mac、Linux、Solaris
- ゲストOS(仮想マシンで動かすOS):ほぼすべてのOS
インストール前の準備
インストールを始める前に、いくつか確認しておくべきことがあります。
システム要件の確認
VirtualBoxを快適に使うには、以下のスペックが必要です。
最低限必要なスペック
- CPU:Intel VT-xまたはAMD-V対応(仮想化支援機能)
- メモリ:4GB以上(8GB以上推奨)
- ストレージ:空き容量10GB以上
- OS:Windows 7以降、macOS 10.13以降、各種Linux
推奨スペック
- CPU:4コア以上
- メモリ:8GB以上(16GB以上だと更に快適)
- ストレージ:SSD、空き容量50GB以上
仮想化機能の確認
最近のパソコンには、CPUに「仮想化支援機能」が搭載されています。VirtualBoxを使うには、この機能が有効になっている必要があります。
Windowsで確認する方法
- タスクマネージャーを開く(Ctrl + Shift + Esc)
- 「パフォーマンス」タブをクリック
- 「CPU」を選択
- 画面右下に「仮想化:有効」と表示されているか確認
「無効」になっている場合は、BIOS/UEFIの設定で有効にする必要があります。
管理者権限の確認
VirtualBoxのインストールには、管理者権限が必要です。
会社のパソコンなど、管理者権限がない場合は、IT部門に相談してインストールしてもらいましょう。
ダウンロード方法
それでは、実際にVirtualBoxをダウンロードしていきましょう。
公式サイトへのアクセス
ステップ1:公式サイトを開く
ブラウザで「virtualbox.org」にアクセスします。
必ず公式サイトからダウンロードしてください。他のサイトからダウンロードすると、ウイルスが含まれている危険性があります。
ステップ2:ダウンロードページへ移動
トップページの左側のメニューから「Downloads」をクリックします。
OSに合わせたバージョンを選択
ダウンロードページには、各OS向けのリンクが表示されています。
Windowsの場合
「Windows hosts」と書かれたリンクをクリックします。これで、Windows用のインストーラーがダウンロードされます。
Macの場合
「macOS / Intel hosts」または「macOS / ARM64 hosts」を選びます。
- Intel Mac:「macOS / Intel hosts」
- Apple Silicon Mac(M1/M2/M3):「macOS / ARM64 hosts」
自分のMacがどちらか分からない場合は、画面左上のAppleメニュー→「このMacについて」で確認できます。
Linuxの場合
使っているディストリビューション(Ubuntu、Fedora、Debianなど)に合わせて選びます。
Extension Packのダウンロード(推奨)
同じページの下の方に「VirtualBox Extension Pack」というリンクがあります。
これは追加機能パックで、以下の機能が使えるようになります:
- USB 2.0/3.0のサポート
- リモートデスクトップ
- ディスク暗号化
- Webカメラのパススルー
「All supported platforms」のリンクをクリックしてダウンロードしておきましょう。こちらも無料です。
Windowsへのインストール手順

まず、最も一般的なWindowsへのインストール方法を説明します。
インストーラーの実行
ステップ1:インストーラーを起動
ダウンロードしたファイル(VirtualBox-7.x.x-xxxxxx-Win.exe)をダブルクリックします。
ステップ2:セキュリティ警告の確認
「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と表示されたら、「はい」をクリックします。
セットアップウィザード
ステップ3:ようこそ画面
「Welcome to the Oracle VM VirtualBox Setup Wizard」という画面が表示されます。「Next」をクリックして進みます。
ステップ4:インストール場所の選択
VirtualBoxをインストールする場所を指定します。
特別な理由がなければ、デフォルトのままで問題ありません。「Next」をクリックします。
ステップ5:インストールオプション
いくつかのオプションが表示されます。
- 「Create a shortcut on the desktop」:デスクトップにショートカットを作成
- 「Create a shortcut in the Quick Launch Bar」:クイック起動バーにショートカットを作成
- 「Register file associations」:ファイルの関連付けを登録
通常はすべてチェックを入れたままで大丈夫です。「Next」をクリックします。
ステップ6:ネットワーク警告
「Warning: Network Interfaces」という警告が表示されます。
これは、インストール中に一時的にネットワーク接続が切断されることを知らせています。オンライン作業中のファイルがある場合は保存してから、「Yes」をクリックして続行します。
ステップ7:インストール開始
「Ready to Install」という画面が表示されます。「Install」をクリックすると、インストールが始まります。
ステップ8:ドライバーのインストール
インストール中に、何度か「Windowsセキュリティ」の画面が表示されます。
「Oracle Corporationからのソフトウェアを常に信頼する」にチェックを入れて、「インストール」をクリックします。これは、VirtualBoxが必要とするネットワークドライバーなどをインストールするためです。
ステップ9:完了
「Oracle VM VirtualBox installation is complete」と表示されたら、インストール完了です。
「Finish」をクリックすると、VirtualBoxが自動的に起動します。
Macへのインストール手順
Macユーザー向けのインストール方法を説明します。
dmgファイルを開く
ステップ1:ダウンロードしたファイルを開く
ダウンロードフォルダにある「VirtualBox-7.x.x-xxxxxx-macOS.dmg」をダブルクリックします。
ステップ2:インストーラーを起動
表示されたウィンドウ内の「VirtualBox.pkg」をダブルクリックします。
インストールウィザード
ステップ3:はじめに
「このパッケージは、ソフトウェアをインストールするかどうかを判断するプログラムを実行します」という画面が表示されます。
「続ける」をクリックします。
ステップ4:使用許諾契約
ライセンス契約の内容が表示されます。内容を確認して「続ける」をクリックし、「同意する」を選択します。
ステップ5:インストール先の選択
インストール先のディスクを選択します。通常は起動ディスク(Macintosh HD)のままで大丈夫です。
ステップ6:インストール
「インストール」ボタンをクリックします。
Macのパスワード(管理者パスワード)の入力を求められるので、入力して「ソフトウェアをインストール」をクリックします。
ステップ7:システム拡張機能の許可
「システム拡張機能がブロックされました」という通知が表示されることがあります。
この場合は:
- 「システム環境設定」を開く
- 「セキュリティとプライバシー」をクリック
- 「一般」タブで「許可」ボタンをクリック
- Macを再起動
ステップ8:完了
インストールが完了したら、「閉じる」をクリックします。
Extension Packのインストール
VirtualBox本体のインストールが完了したら、Extension Packもインストールしましょう。
インストール手順
ステップ1:VirtualBoxを起動
VirtualBoxのアプリケーションを起動します。
ステップ2:Extension Packを開く
ダウンロードしておいた「Oracle_VM_VirtualBox_Extension_Pack-7.x.x.vbox-extpack」をダブルクリックします。
ステップ3:インストール確認
「拡張パッケージをインストールしますか?」という確認画面が表示されます。「インストール」をクリックします。
ステップ4:ライセンスの同意
ライセンス契約が表示されます。下までスクロールして内容を確認し、「同意します」をクリックします。
ステップ5:管理者パスワードの入力
Windowsの場合は管理者権限の確認、Macの場合はパスワードの入力を求められます。認証を行います。
ステップ6:完了
「拡張パッケージが正常にインストールされました」と表示されたら完了です。「OK」をクリックします。
初期設定

インストールが完了したら、いくつか初期設定を行いましょう。
日本語化の確認
VirtualBoxは、デフォルトで日本語表示になっているはずです。
もし英語表示になっている場合は:
- メニューから「File」→「Preferences」を選択
- 「Language」を選択
- 「日本語」を選んで「OK」をクリック
デフォルトの仮想マシンフォルダ
仮想マシンのファイルが保存される場所を設定します。
- 「ファイル」→「環境設定」を選択
- 「一般」をクリック
- 「デフォルトの仮想マシンフォルダー」を確認
容量の大きなドライブがある場合は、変更しておくのがおすすめです。仮想マシンは1つで20~80GB程度の容量を使います。
ネットワーク設定
デフォルトの設定で問題ありませんが、確認しておきましょう。
- 「ファイル」→「環境設定」を選択
- 「ネットワーク」をクリック
- 「NATネットワーク」タブで、デフォルトのネットワークが設定されていることを確認
最初の仮想マシンを作成してみよう
インストールが完了したので、試しに仮想マシンを作ってみましょう。
新規仮想マシンの作成
ステップ1:新規ボタンをクリック
VirtualBoxのメインウィンドウで、「新規」ボタンをクリックします。
ステップ2:名前とOSタイプの設定
- 名前:分かりやすい名前を付ける(例:「Ubuntu 22.04」)
- フォルダー:保存場所(通常は変更不要)
- タイプ:インストールするOSの種類(Linux、Windows など)
- バージョン:具体的なバージョン(Ubuntu 64-bit など)
名前に「Ubuntu」と入力すると、タイプとバージョンが自動的に選ばれることもあります。
ステップ3:メモリサイズの設定
仮想マシンに割り当てるメモリ(RAM)の量を設定します。
- 最小:2GB(2048MB)
- 推奨:4GB(4096MB)以上
スライダーで調整できます。ただし、緑色の範囲内に収めるようにしましょう。赤い範囲まで割り当てると、ホストOSが不安定になります。
ステップ4:ハードディスクの設定
「仮想ハードディスクを作成する」を選択して「作成」をクリックします。
ステップ5:ハードディスクのファイルタイプ
「VDI(VirtualBox Disk Image)」を選択して「次へ」をクリックします。
他の仮想化ソフトと互換性が必要な場合は別の形式を選べますが、通常はVDIで問題ありません。
ステップ6:ストレージの割り当て方法
「可変サイズ」を選択して「次へ」をクリックします。
- 可変サイズ:実際に使用した分だけディスク容量を消費する
- 固定サイズ:最初から指定した容量を確保する(パフォーマンスは良い)
初めての方は「可変サイズ」がおすすめです。
ステップ7:ファイルの場所とサイズ
仮想ハードディスクのサイズを設定します。
- Linux:20~40GB
- Windows:40~80GB
スライダーで調整して「作成」をクリックします。
仮想マシンの完成
これで、空の仮想マシンが完成しました。まだOSはインストールされていない状態です。
実際にOSをインストールするには、OSのISOファイル(インストールディスクのイメージファイル)が必要になります。
インストール時によくあるトラブル
インストール中に問題が起きた場合の対処法を紹介します。
「仮想化が有効になっていません」エラー
原因
CPUの仮想化支援機能が無効になっています。
解決方法
- パソコンを再起動
- BIOS/UEFI設定画面に入る(通常はF2、F12、Delキーなどを起動時に押す)
- 「Virtualization Technology」や「Intel VT-x」「AMD-V」という項目を探す
- 「Enabled」に設定
- 設定を保存して再起動
メーカーやモデルによって手順が異なるので、分からない場合はパソコンのマニュアルを確認してください。
インストールが途中で止まる
原因
セキュリティソフトが干渉している可能性があります。
解決方法
- セキュリティソフトを一時的に無効にする
- VirtualBoxのインストールを再実行
- 完了したらセキュリティソフトを再び有効にする
「管理者権限が必要です」エラー
原因
管理者権限でインストーラーを実行していません。
解決方法
- インストーラーを右クリック
- 「管理者として実行」を選択
- ユーザーアカウント制御で「はい」をクリック
Macで「システム拡張機能がブロックされました」
原因
macOSのセキュリティ機能により、VirtualBoxのシステム拡張機能がブロックされています。
解決方法
前述の「システム環境設定」→「セキュリティとプライバシー」から許可してください。
Extension Packがインストールできない
原因
VirtualBox本体とExtension Packのバージョンが一致していません。
解決方法
VirtualBox本体とExtension Packは、必ず同じバージョン番号のものを使ってください。例えば、VirtualBox 7.0.12には、Extension Pack 7.0.12が必要です。
アンインストール方法
もしVirtualBoxが不要になった場合の削除方法も説明しておきます。
Windowsでのアンインストール
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開く
- 一覧から「Oracle VM VirtualBox」を見つける
- 「…」メニューから「アンインストール」をクリック
- 確認画面で「アンインストール」をクリック
- アンインストーラーの指示に従う
Macでのアンインストール
- 「アプリケーション」フォルダを開く
- 「VirtualBox」アイコンを右クリック
- 「ゴミ箱に入れる」を選択
- ゴミ箱を空にする
完全に削除したい場合は、VirtualBoxアンインストーラー(dmgファイル内にある)を使うこともできます。
次のステップ
VirtualBoxのインストールが完了したら、次は実際に仮想マシンを使ってみましょう。
おすすめの最初のOS
初めて仮想マシンを作る方には、以下のOSがおすすめです。
Ubuntu Linux
- 無料で入手できる
- インストールが簡単
- 動作が軽い
- 日本語に完全対応
Ubuntu公式サイトからISOファイルをダウンロードして、仮想マシンにインストールできます。
Windows
Windowsを仮想マシンで使いたい場合は、正規のライセンスが必要です。
Microsoftの公式サイトでは、評価版(90日間限定)のISOファイルも提供されています。テスト目的であれば、こちらを使うのも良いでしょう。
学習リソース
VirtualBoxの使い方をさらに学びたい場合は:
- 公式マニュアル(英語)
- YouTube の解説動画
- オンラインコミュニティやフォーラム
これらを活用すると、より高度な使い方が身につきます。
まとめ:VirtualBoxで新しい世界へ
VirtualBoxのインストールは、手順を追えば難しくありません。
この記事のポイント
- VirtualBoxは完全無料のオープンソース仮想化ソフト
- 公式サイトから安全にダウンロードできる
- Windows、Mac、Linuxに対応
- Extension Packで機能を拡張できる
- インストール後は仮想マシンを作成してOSをインストール
- 仮想化支援機能が有効になっている必要がある
VirtualBoxを使えば、リスクなく新しいOSを試したり、プログラミングの練習環境を作ったり、様々なことができます。
最初は戸惑うかもしれませんが、何度か使っているうちに慣れてきます。ぜひこの記事を参考にして、VirtualBoxの世界を楽しんでください。

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