Thunderbirdを起動したら、パスワード入力画面が表示されて、正しいパスワードを入れても「確認中」のまま進まない…
何度入力しても同じ画面が繰り返し表示されて、メールが受信できずに困っていませんか?
この記事では、Thunderbirdでパスワード確認が終わらない問題の原因と、具体的な解決方法を分かりやすく解説していきます。
なぜパスワード確認が終わらないの?

パスワード認証が終わらない原因は、主に以下の5つに分けられます。
1. パスワード自体が間違っている
意外と多いのが、実はパスワードが間違っているケース。
- 大文字と小文字を間違えている
- 全角と半角を間違えている
- スペースが余分に入っている
- 古いパスワードを入力している
特にGmailやYahoo!メールなどの場合、アプリ専用パスワードが必要なケースもあります。
2. サーバー設定に問題がある
メールサーバーの設定が正しくないと、パスワードが合っていても認証が通りません。
- 受信サーバー(IMAP/POP)のアドレスが間違っている
- 送信サーバー(SMTP)の設定が間違っている
- ポート番号が正しくない
- SSL/TLSの設定が間違っている
3. OAuth認証の問題
Gmail、Outlook、Yahoo!などの主要メールサービスは、OAuth認証という仕組みを使っています。
この認証方法では、通常のパスワード入力ではなく、ブラウザ経由での認証が必要になることがあります。
4. セキュリティソフトやファイアウォールの干渉
パソコンにインストールされているセキュリティソフトが、Thunderbirdの通信をブロックしている可能性があります。
特に、メールスキャン機能や通信監視機能が原因になることが多いです。
5. 保存されたパスワードの不整合
Thunderbird内に保存されている古いパスワード情報が残っていて、新しいパスワードと競合しているケースもあります。
まず試すべき基本的な対処法
問題を切り分けるために、まずは基本的な対処法から試していきましょう。
手順1:パスワードを再確認する
パスワードマネージャーやメモを確認
パスワード管理アプリやメモ帳に保存しているパスワードをもう一度確認してください。
Webメールでログインしてみる
ブラウザで実際のメールサービス(Gmail、Yahoo!など)にログインできるか試してみましょう。
ここでログインできない場合は、パスワードが間違っているか、アカウント自体に問題があります。
手順2:Thunderbirdを再起動する
一時的な不具合の場合、単純な再起動で解決することがあります。
- Thunderbirdを完全に終了する
- タスクマネージャーでThunderbirdのプロセスが残っていないか確認
- 再度Thunderbirdを起動する
手順3:インターネット接続を確認する
ブラウザで任意のWebサイトにアクセスして、インターネット接続が正常か確認してください。
ネットワークの問題がある場合、パスワード認証も完了しません。
Gmail・Yahoo!・Outlookでの解決方法
主要なメールサービスごとに、特有の対処法があります。
Gmailの場合
Gmailでは、2段階認証を設定している場合、アプリパスワードが必要です。
アプリパスワードの取得方法
- Googleアカウント(https://myaccount.google.com/)にアクセス
- 左メニューから「セキュリティ」を選択
- 「2段階認証プロセス」をクリック
- 下にスクロールして「アプリパスワード」をクリック
- 「メール」と「Windowsパソコン」(または該当デバイス)を選択
- 生成された16桁のパスワードをコピー
- Thunderbirdでこのパスワードを入力
OAuth認証を使う方法
Gmailは、OAuth認証にも対応しています。
- Thunderbirdのアカウント設定を開く
- 「サーバー設定」で認証方式を「OAuth2」に変更
- Thunderbirdを再起動
- ブラウザが開くので、Googleアカウントでログイン
- Thunderbirdへのアクセスを許可
Yahoo!メールの場合
Yahoo!メールも、アプリパスワードが必要になるケースがあります。
Yahoo!アプリパスワードの取得
- Yahoo!メールにログイン
- 右上のアカウント名をクリック→「アカウント情報」
- 左メニューから「アカウントセキュリティ」を選択
- 「アプリパスワードの生成」をクリック
- 「その他のアプリ」を選択し、「Thunderbird」と入力
- 生成されたパスワードをThunderbirdで使用
IMAPが有効になっているか確認
Yahoo!メールでは、IMAP接続を手動で有効にする必要があります。
- Yahoo!メールの設定を開く
- 「メールボックス」タブを選択
- 「POPとIMAPアクセス」を探す
- IMAPアクセスを「有効」にする
Outlookの場合
Microsoftアカウント(Outlook、Hotmail、Live.com)も、特別な設定が必要です。
安全性の低いアプリのアクセス
Microsoftは、OAuth認証を強く推奨していますが、従来型のパスワード認証も使えます。
OAuth2を使う方法(推奨):
- Thunderbirdのアカウント設定で認証方式を「OAuth2」に変更
- 再起動すると、ブラウザでMicrosoftログイン画面が表示される
- アクセスを許可
保存されたパスワードをリセットする
Thunderbird内に保存されている古いパスワード情報を削除して、新しく入力し直す方法です。
手順:保存されたパスワードを削除
- Thunderbirdのメニューから「設定」(または「オプション」)を開く
- 左メニューの「プライバシーとセキュリティ」を選択
- 「保存されたパスワード」をクリック
- 問題のあるメールアカウントのパスワード項目を探す
- 該当するパスワードを選択して「削除」をクリック
- Thunderbirdを再起動
再起動後、パスワードの入力を求められるので、正しいパスワードを入力してください。
サーバー設定を見直す
パスワードが正しくても、サーバー設定が間違っていると認証が完了しません。
受信サーバー(IMAP/POP)の設定確認
- Thunderbirdで「アカウント設定」を開く
- 左側から問題のアカウントを選択
- 「サーバー設定」をクリック
確認すべき項目:
- サーバー名:正しいサーバーアドレスか
- ポート番号:IMAPなら通常993、POPなら995
- 接続の保護:SSL/TLSが選択されているか
- 認証方式:「通常のパスワード認証」または「OAuth2」
送信サーバー(SMTP)の設定確認
受信はできても送信でエラーが出る場合、SMTP設定に問題があります。
- 「アカウント設定」→「送信(SMTP)サーバー」を選択
- 使用しているSMTPサーバーを選択して「編集」
確認すべき項目:
- サーバー名:正しいSMTPサーバーアドレスか
- ポート番号:通常587または465
- 接続の保護:STARTTLS または SSL/TLS
- 認証方式:通常のパスワード認証
- ユーザー名:メールアドレス全体が入力されているか
主要メールサービスのサーバー設定
Gmail:
- 受信(IMAP):imap.gmail.com ポート993 SSL/TLS
- 送信(SMTP):smtp.gmail.com ポート587 STARTTLS
Yahoo!メール:
- 受信(IMAP):imap.mail.yahoo.co.jp ポート993 SSL/TLS
- 送信(SMTP):smtp.mail.yahoo.co.jp ポート465 SSL/TLS
Outlook/Hotmail:
- 受信(IMAP):outlook.office365.com ポート993 SSL/TLS
- 送信(SMTP):smtp.office365.com ポート587 STARTTLS
セキュリティソフトの設定を確認する
セキュリティソフトが原因で、メール認証がブロックされることがあります。
一時的に無効化してテストする
注意:一時的にセキュリティを下げるため、テスト後は必ず元に戻してください
- セキュリティソフトのメイン画面を開く
- メールスキャン機能や通信監視機能を一時停止
- Thunderbirdで認証が通るか確認
- 確認後、セキュリティ機能を再度有効化
除外設定を追加する
認証が成功した場合、Thunderbirdをセキュリティソフトの除外リストに追加しましょう。
除外設定の例(ソフトによって異なります):
- プログラム:Thunderbird.exe
- 通信先:メールサーバーのアドレス
- ポート:使用しているポート番号
アカウントを再設定する
ここまでの方法で解決しない場合、アカウントを一度削除して、最初から設定し直すのが確実です。
アカウント削除前の注意点
IMAPの場合:
メールはサーバー上に残るため、アカウントを削除しても大丈夫です
POPの場合:
メールはPC内に保存されているため、削除前に必ずバックアップを取ってください
アカウントの再設定手順
- 「アカウント設定」を開く
- 削除したいアカウントを選択
- 下部の「アカウント操作」→「アカウントを削除」
- Thunderbirdを再起動
- 「ファイル」→「新規作成」→「既存のメールアカウント」
- メールアドレスとパスワードを入力
- 自動設定に従って進める
自動設定が失敗する場合は、手動で正しいサーバー設定を入力してください。
マスターパスワードの問題
Thunderbirdには、保存されたパスワードを保護するためのマスターパスワード機能があります。
マスターパスワードが原因の場合
マスターパスワードを設定している場合、これが原因で認証が止まることがあります。
対処法:
- 「設定」→「プライバシーとセキュリティ」
- 「マスターパスワードを使用する」のチェックを外す
- 現在のマスターパスワードを入力
- Thunderbirdを再起動
ただし、セキュリティが下がるため、問題解決後は再度有効にすることをおすすめします。
それでも解決しない場合の最終手段
プロファイルを修復する
Thunderbirdのプロファイルデータが破損している可能性があります。
プロファイルの再構築:
- Thunderbirdを完全に終了
- プロファイルフォルダを開く(「ヘルプ」→「トラブルシューティング情報」→「フォルダーを開く」)
times.json
ファイルを削除- Thunderbirdを再起動
Thunderbirdを再インストールする
最終的な手段として、Thunderbird自体を再インストールします。
手順:
- プロファイルフォルダをバックアップ(重要!)
- Thunderbirdをアンインストール
- PCを再起動
- 最新版のThunderbirdをダウンロードしてインストール
- 初回起動時にプロファイルを復元
よくある質問
Q. 「パスワードが保存されました」と出るのに、また聞かれる
保存処理が正しく完了していない可能性があります。
「保存されたパスワード」から一度削除して、もう一度入力し直してみてください。
Q. 一部のアカウントだけパスワード確認が終わらない
そのアカウント固有の問題(サーバー側の制限、アプリパスワードの必要性など)が考えられます。
メールサービスの公式サイトで、メールクライアント接続に関する最新情報を確認しましょう。
Q. 突然この問題が発生した
メールサービス側でセキュリティポリシーが変更された可能性があります。
特にGmail、Yahoo!、Outlookは定期的にセキュリティ要件を強化しているため、OAuth2やアプリパスワードへの移行が必要になることがあります。
まとめ:段階的に原因を特定しよう
Thunderbirdのパスワード確認が終わらない問題は、原因が多岐にわたります。
解決の流れ:
- 基本確認:パスワードが正しいか、ネット接続は正常か
- メールサービス別対応:Gmail、Yahoo!、OutlookならアプリパスワードやOAuth2を試す
- 保存パスワードリセット:古いパスワード情報を削除
- サーバー設定確認:IMAP/SMTP設定が正しいか
- セキュリティソフト確認:通信がブロックされていないか
- 再設定:アカウントを削除して作り直す
この順番で試していけば、ほとんどの問題は解決できるはずです。
どうしても解決しない場合は、メールサービスのサポートや、Thunderbirdのコミュニティフォーラムで相談してみるのも良いでしょう。
安定したメール環境で、快適にThunderbirdを使ってくださいね!
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