PowerPointでページ番号(スライド番号)を表示したものの、**「文字が小さくて見えづらい」「デザインと合っていない」**と感じたことはありませんか?
この記事では、PowerPointでページ番号の大きさ(フォントサイズ)を変更する方法と、レイアウトを整えるコツを中学生にもわかりやすく解説します。
ページ番号の「大きさ」とは:基本的な理解

PowerPointのページ番号の特徴
PowerPointのページ番号は、既定では比較的小さい文字サイズで表示されます。通常は12ptから14pt程度の大きさで設定されており、これはスライド全体のバランスを考えた標準的なサイズです。
なぜ大きさの調整が必要なのか
印刷時の視認性:紙に印刷したときに番号が小さくて見えにくい
プレゼンテーション環境:大きなスクリーンや高解像度モニターでは文字が小さく感じられる
デザインの統一感:スライド全体のデザインテーマに合わせたフォントサイズにしたい
対象者への配慮:年配の方や視力の弱い方にも見やすいサイズにしたい
調整できる要素
フォントサイズ:文字の大きさそのもの
フォントの種類:読みやすいフォントへの変更
文字の色:背景との対比を考えた色選択
文字のスタイル:太字、斜体、下線などの装飾
配置:左右や上下の位置調整
基本的な変更方法:スライドマスターを使った一括設定
ステップ1:スライドマスター表示に切り替え
手順
- 「表示」タブをクリック:リボンメニューの「表示」を選択
- 「スライドマスター」をクリック:「マスター表示」グループ内のボタンを押す
画面が切り替わり、スライドのひな型(マスター)を編集できるモードになります。
スライドマスター表示の特徴
- 左側にマスタースライドと各レイアウトが表示される
- 一番上が「メインのスライドマスター」
- その下に「各レイアウト」(タイトルスライド、コンテンツスライドなど)が並ぶ
ステップ2:編集したいレイアウトを選択
どのレイアウトを選ぶべきか
一般的なスライド用:「タイトルとコンテンツ」レイアウト
表紙用:「タイトルスライド」レイアウト
すべてに適用したい場合:一番上の「メインスライドマスター」
左側の一覧から目的のレイアウトをクリックして選択します。
ステップ3:ページ番号プレースホルダーの選択
プレースホルダーの見つけ方
画面右下付近に「<#>」または「‹#›」と表示されている部分があります。これがページ番号のプレースホルダーです。
選択方法
- 「<#>」をクリック:プレースホルダーが選択状態になる
- 枠線の確認:選択されると周りに点線の枠が表示される
ステップ4:フォントサイズとスタイルの変更
フォントサイズの変更
- 「ホーム」タブに切り替え
- フォントサイズボックスをクリック:現在のサイズが表示されている場所
- 希望のサイズを選択または入力:
- 小さめ:14pt〜16pt
- 標準:18pt〜20pt
- 大きめ:22pt〜24pt
- 特大:26pt以上
その他のスタイル設定
フォントの種類:
- 読みやすいフォント:MS ゴシック、游ゴシック
- デザイン性重視:Meiryo UI、Segoe UI
文字色の変更:
- 「フォントの色」ボタンで背景に映える色を選択
- 白背景なら濃い色、暗い背景なら明るい色
文字のスタイル:
- 太字(B):文字を目立たせたい場合
- 斜体(I):デザイン的なアクセント
- 下線(U):特別な強調が必要な場合
ステップ5:位置の調整
水平位置の調整
- プレースホルダーを選択した状態で
- 「ホーム」タブの配置ボタンを使用:
- 左揃え:ページ番号を左端に配置
- 中央揃え:ページ番号を中央に配置
- 右揃え:ページ番号を右端に配置(一般的)
垂直位置の調整
- プレースホルダー全体をドラッグ:マウスで位置を移動
- 微調整:矢印キーで細かく位置調整
ステップ6:変更の適用と確認
マスター表示を終了
「スライドマスター」タブの「マスター表示を閉じる」をクリックします。
変更結果の確認
- 通常のスライド表示に戻る
- 複数のスライドで番号の大きさを確認
- 必要に応じて再調整
個別スライドでの調整方法
基本的な手順
通常のスライド表示で、ページ番号を直接編集することも可能です。
手順
- 編集したいスライドを表示
- ページ番号部分をクリック:数字の部分を直接クリック
- フォントサイズやスタイルを変更:「ホーム」タブの書式設定を使用
この方法の注意点
統一感の問題:スライドごとに異なる設定になり、全体の見た目がバラバラになる可能性
効率の問題:多数のスライドがある場合、一つずつ調整するのは非常に時間がかかる
メンテナンスの問題:後でデザインを変更したいときに、全スライドを再度調整する必要がある
適用場面
特定のスライドのみ特別扱い:表紙や最終ページなど 一時的な調整:プレゼン直前の緊急対応 テスト目的:どのサイズが良いかを確認したい場合
用途別の最適な設定
プレゼンテーション用(スクリーン表示)
推奨設定
- フォントサイズ:20pt〜24pt
- フォント:游ゴシック、Meiryo UI
- 色:背景とのコントラストがはっきりした色
- スタイル:太字推奨
理由
大きなスクリーンでは文字が小さく見えるため、やや大きめの設定が効果的です。
印刷資料用
推奨設定
- フォントサイズ:16pt〜20pt
- フォント:MS ゴシック、游ゴシック
- 色:黒または濃いグレー
- スタイル:標準(太字は印刷時に潰れる可能性)
理由
印刷時の解像度や用紙サイズを考慮した、読みやすさ重視の設定です。
ハンドアウト用
推奨設定
- フォントサイズ:18pt〜22pt
- フォント:見やすさ重視のゴシック体
- 色:黒
- スタイル:太字
理由
複数スライドが1ページに印刷されるため、やや大きめで視認性の高い設定が必要です。
Web配布用
推奨設定
- フォントサイズ:16pt〜20pt
- フォント:デバイス対応の標準フォント
- 色:ダークモード対応を考慮
- スタイル:シンプルで読みやすく
理由
様々なデバイスでの表示を想定し、汎用性の高い設定にします。
デザインとの調和
全体のデザインテーマとの統一
フォント選択の原則
本文と同じフォントファミリー:統一感を保つ 読みやすさ重視:装飾的すぎるフォントは避ける ブランドフォント:会社指定フォントがあれば使用
色の選択原則
背景色との対比:十分なコントラストを確保 アクセントカラーの活用:スライドテーマの色と調和 印刷時の視認性:カラー印刷とモノクロ印刷両方を考慮
レイアウトバランスの考慮
位置の最適化
他の要素との干渉回避:ロゴ、画像、テキストボックスとの重複を防ぐ 読み流しの自然さ:一般的には右下が最も自然 余白の確保:周囲に適度なスペースを確保
サイズの適切性
目立ちすぎない:メインコンテンツより控えめに 見落とされない:必要な情報として認識される大きさ 全体バランス:スライド全体のプロポーションと調和
高度なカスタマイズ方法

条件付き書式の活用
特定のスライドでの自動調整
例:タイトルスライドでは番号を非表示
内容スライドでは標準サイズ
最終スライドでは大きめサイズ
アニメーション効果の追加
ページ番号にも動きを
- フェードイン:スライド表示と同時にページ番号も表示
- 強調:重要なページで番号を点滅
- カラー変化:進行に応じて色が変わる
デザイン要素との組み合わせ
背景図形の追加
- 図形を挿入:円形や四角形でページ番号を囲む
- 透明度調整:背景が透けて見える程度に設定
- 色の統一:スライドテーマカラーと調和
装飾線の追加
- ページ番号の上下に線を引いてデザイン性向上
- 点線や波線などでアクセント
よくある問題と解決方法
Q:設定が一部のスライドにしか反映されない
原因:異なるレイアウトを使用しているスライドがある
解決方法:
- 全レイアウトを確認:スライドマスター表示で各レイアウトをチェック
- 同じ設定を適用:使用している全レイアウトで同様の調整を実施
- レイアウトの統一:可能であれば使用レイアウトを統一
Q:ページ番号が他の要素と重なってしまう
原因:ページ番号の位置やサイズが適切でない
解決方法:
- 位置の調整:ページ番号プレースホルダーを移動
- サイズの見直し:文字サイズを小さくする
- レイアウトの調整:他の要素の配置を変更
- 余白の確保:スライド下部に十分なスペースを確保
Q:印刷時にページ番号が切れてしまう
原因:印刷マージンの設定または位置の問題
解決方法:
- 印刷プレビューで確認:実際の印刷イメージをチェック
- 位置の内側移動:ページ番号をより内側に配置
- 印刷設定の調整:余白設定を確認
- プリンター設定の確認:フルページ印刷設定をチェック
Q:フォントが変わらない
原因:テーマフォントの設定や継承の問題
解決方法:
- フォント設定の確認:「ホーム」タブでフォント名を直接指定
- テーマの確認:「デザイン」タブでテーマフォントをチェック
- 手動設定:自動設定ではなく手動でフォントを指定
- マスター階層の確認:上位マスターの設定が影響していないか確認
実践的な活用例
ケース1:学会発表用スライド
要件:大きな会場での発表、後方からも見やすくしたい
設定:
- フォントサイズ:24pt
- フォント:游ゴシック Bold
- 色:濃紺(背景が白のため)
- 位置:右下、十分な余白確保
効果:後方座席からもページ番号が明確に視認可能
ケース2:社内研修資料
要件:印刷配布とスクリーン表示の両方で使用
設定:
- フォントサイズ:20pt
- フォント:MS ゴシック
- 色:黒
- スタイル:標準(太字なし)
効果:印刷時もスクリーン表示時も適切な視認性を確保
ケース3:顧客向けプレゼンテーション
要件:プロフェッショナルな印象、ブランドイメージとの統一
設定:
- フォントサイズ:18pt
- フォント:会社指定フォント
- 色:コーポレートカラー
- 背景:薄いグレーの円形背景
効果:ブランド統一感を保ちながら適切な視認性を実現
まとめ
PowerPointでページ番号の大きさを調整するには、スライドマスターを使った一括設定が最も効率的で統一感のある方法です。
重要なポイント
基本操作:
- 「表示」→「スライドマスター」で編集モードに入る
- ページ番号プレースホルダー「<#>」を選択
- 「ホーム」タブでフォントサイズやスタイルを調整
用途別最適化:
- プレゼン用:20pt〜24pt、太字推奨
- 印刷用:16pt〜20pt、標準スタイル
- Web配布用:16pt〜20pt、汎用性重視
デザインとの調和:
- 全体のフォントファミリーと統一
- 背景色とのコントラストを確保
- 他の要素との配置バランスを考慮
効果的な活用のコツ
事前計画:プレゼンテーションの用途と環境を事前に確認
統一性の維持:全スライドで一貫した設定を使用
視認性テスト:実際の環境(スクリーンサイズ、印刷サンプル)で確認
バックアップの作成:設定変更前に元ファイルを保存
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