MacとWindowsのフォーマット違い|互換性問題を完全解決ガイド

「MacでフォーマットしたUSBメモリが、Windowsで使えない…」
「Windowsの外付けハードディスクをMacに接続したら、読み取り専用になってる」

こんな経験、ありませんか?

MacとWindowsでは、データを保存する仕組み(ファイルシステム)が異なります。この違いを理解していないと、データのやり取りで困ることがあります。この記事では、MacとWindowsのフォーマットの違いと、両方で快適に使う方法を分かりやすく解説します。

外付けドライブを両方のOSで使いたい方は、必見です。


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  1. ファイルシステムとフォーマットの基礎知識
    1. ファイルシステムとは
    2. フォーマットとは
  2. Macの主なファイルシステム
    1. APFS(エーピーエフエス)
    2. Mac OS拡張(HFS+)
  3. Windowsの主なファイルシステム
    1. NTFS(エヌティーエフエス)
    2. FAT32(ファットサーティーツー)
    3. exFAT(エクスファット)
  4. フォーマットの互換性一覧表
    1. Windowsでの使用
    2. Macでの使用
    3. 両方で使える
  5. 目的別おすすめフォーマット
    1. MacとWindowsで共有する外付けドライブ
    2. Mac専用の外付けドライブ
    3. Windows専用の外付けドライブ
    4. ゲーム機やテレビで使う
  6. Macでドライブをフォーマットする方法
    1. ディスクユーティリティを使う
    2. 注意点
  7. Windowsでドライブをフォーマットする方法
    1. ディスクの管理を使う
    2. エクスプローラーから簡単にフォーマット
  8. 大容量ドライブをFAT32でフォーマットする方法
    1. コマンドプロンプトを使う
  9. MacでNTFSドライブに書き込む方法
    1. サードパーティ製ソフトを使う
    2. ターミナルコマンドで有効化(実験的)
  10. よくあるトラブルと解決方法
    1. 「フォーマットする必要があります」と表示される
    2. フォーマットが完了しない
    3. MacでexFATドライブがマウントされない
    4. Windowsで「このドライブは書き込み保護されています」
  11. データを安全にやり取りする方法
    1. クラウドストレージを使う
    2. ネットワーク共有
    3. ファイル転送サービス
  12. まとめ:フォーマット選びの基本

ファイルシステムとフォーマットの基礎知識

まず、基本的な用語を理解しましょう。

ファイルシステムとは

ファイルシステムとは、コンピューターがデータをハードディスクやUSBメモリに保存・管理する仕組みのことです。

例えるなら、図書館の本の整理方法のようなものです。どこに何があるか、どうやって探すか、そのルールがファイルシステムです。

フォーマットとは

フォーマットとは、ドライブをある特定のファイルシステムで初期化することです。

フォーマットすると、ドライブ内のすべてのデータが消去され、新しいファイルシステムで使えるようになります。新品のドライブを使う前や、別のOSで使えるようにする時に行います。


Macの主なファイルシステム

Macで使われる主なファイルシステムを見ていきましょう。

APFS(エーピーエフエス)

正式名称:Apple File System

APFSは、2017年から導入された、Appleの最新ファイルシステムです。

特徴

  • macOS 10.13(High Sierra)以降の標準フォーマット
  • SSDに最適化されている
  • 高速で効率的
  • スナップショット機能がある
  • 暗号化に対応
  • macOSでしか使えない

使用場面

Macの内蔵ストレージは、基本的にAPFSでフォーマットされています。Mac専用として使う外付けドライブにも適しています。

Mac OS拡張(HFS+)

正式名称:Hierarchical File System Plus

APFSが登場する前に使われていたファイルシステムです。

特徴

  • 2017年以前のMacの標準フォーマット
  • ハードディスクに適している
  • Time Machineのバックアップに対応
  • macOSでしか使えない

使用場面

古いバージョンのmacOSとの互換性が必要な場合や、Time Machineのバックアップ用ドライブに使われます。


Windowsの主なファイルシステム

次に、Windowsで使われるファイルシステムを見ていきましょう。

NTFS(エヌティーエフエス)

正式名称:New Technology File System

NTFSは、Windows NT以降で使われている標準ファイルシステムです。

特徴

  • Windows XP以降の標準フォーマット
  • 大容量ファイル(4GB以上)に対応
  • ファイルの圧縮や暗号化が可能
  • アクセス権限の細かい設定ができる
  • 安定性と信頼性が高い

Macでの扱い

Macは、NTFSドライブを読み取り専用で認識できます。つまり、ファイルは見られるけど、新しくファイルを保存したり、既存のファイルを編集したりはできません。

FAT32(ファットサーティーツー)

正式名称:File Allocation Table 32

古くから使われている、互換性の高いファイルシステムです。

特徴

  • Windows、Mac、Linux など、ほぼすべてのOSで読み書きできる
  • 1ファイル最大4GBまで
  • ドライブ全体で最大2TBまで
  • シンプルで軽量
  • 古いデバイスにも対応

使用場面

小容量のUSBメモリなど、様々なデバイスで使いたい場合に適しています。ただし、大きなファイルは扱えないという制限があります。

exFAT(エクスファット)

正式名称:Extended File Allocation Table

FAT32の制限を解消した、新しいファイルシステムです。

特徴

  • Windows、Mac の両方で読み書きできる
  • ファイルサイズの制限がほぼない(理論上16EB)
  • ドライブ容量の制限もほぼない
  • USBメモリや外付けドライブに最適
  • 比較的新しいOS(Windows XP SP2以降、macOS 10.6.5以降)が必要

使用場面

MacとWindowsの両方で使う外付けドライブに最適です。大きな動画ファイルなどを扱う場合に特に便利です。


フォーマットの互換性一覧表

各フォーマットの互換性を、分かりやすく表にまとめました。

Windowsでの使用

  • APFS:認識できない
  • Mac OS拡張(HFS+):認識できない(特別なソフトが必要)
  • NTFS:読み書きできる
  • FAT32:読み書きできる
  • exFAT:読み書きできる

Macでの使用

  • APFS:読み書きできる
  • Mac OS拡張(HFS+):読み書きできる
  • NTFS:読み取り専用(書き込みには特別なソフトが必要)
  • FAT32:読み書きできる
  • exFAT:読み書きできる

両方で使える

MacとWindowsの両方で問題なく読み書きできるのは:

  1. exFAT(最もおすすめ)
  2. FAT32(小容量の場合)

目的別おすすめフォーマット

用途に応じて、最適なフォーマットを選びましょう。

MacとWindowsで共有する外付けドライブ

おすすめ:exFAT

両方のOSで読み書きできて、大容量ファイルにも対応しています。

選択肢:FAT32

非常に古いデバイスとの互換性が必要な場合や、4GB以下の小さなファイルしか扱わない場合は、FAT32でも問題ありません。

Mac専用の外付けドライブ

おすすめ:APFS

最新のMacを使っているなら、APFSが最適です。高速で効率的に動作します。

選択肢:Mac OS拡張

Time Machineのバックアップ用や、古いmacOSとの互換性が必要な場合は、Mac OS拡張を選びます。

Windows専用の外付けドライブ

おすすめ:NTFS

Windowsでのみ使うなら、NTFSが最適です。安定性が高く、大容量ファイルにも対応しています。

ゲーム機やテレビで使う

おすすめ:確認してから選択

デバイスの取扱説明書で、対応しているファイルシステムを確認してください。

一般的には:

  • PlayStation:FAT32またはexFAT
  • Xbox:NTFS
  • テレビ(録画用):機種によって異なる

Macでドライブをフォーマットする方法

実際にMacでドライブをフォーマットする手順を説明します。

ディスクユーティリティを使う

ステップ1:ディスクユーティリティを起動

  1. 「アプリケーション」フォルダを開く
  2. 「ユーティリティ」フォルダを開く
  3. 「ディスクユーティリティ」をダブルクリック

またはSpotlight検索(Command + スペース)で「ディスクユーティリティ」と入力しても開けます。

ステップ2:ドライブを選択

左側のサイドバーから、フォーマットしたい外付けドライブを選択します。

注意:間違えて内蔵ドライブを選ばないように気をつけてください。

ステップ3:消去をクリック

上部のツールバーにある「消去」ボタンをクリックします。

ステップ4:フォーマット設定

消去の設定画面が表示されます。

名前:ドライブに付ける名前を入力(例:「共有ドライブ」)

フォーマット:用途に応じて選択

  • MacとWindows両方で使う → exFAT
  • Mac専用 → APFS
  • Time Machine用 → Mac OS拡張(ジャーナリング)

方式:通常は「GUIDパーティションマップ」を選択

ステップ5:消去を実行

設定を確認したら、「消去」ボタンをクリックします。

「このディスクを消去してもよろしいですか?」という確認メッセージが表示されるので、もう一度「消去」をクリックします。

ステップ6:完了

フォーマットが完了すると、「消去プロセスが完了しました」と表示されます。「完了」をクリックして終了です。

注意点

データは完全に消えます

フォーマットすると、ドライブ内のすべてのデータが削除されます。重要なファイルがある場合は、必ず事前にバックアップを取ってください。

時間がかかることがある

大容量のドライブの場合、フォーマットに数分から数十分かかることがあります。


Windowsでドライブをフォーマットする方法

次に、Windowsでフォーマットする手順を説明します。

ディスクの管理を使う

ステップ1:ディスクの管理を開く

  1. スタートボタンを右クリック
  2. 「ディスクの管理」をクリック

または「Windows + X」キーを押して、メニューから「ディスクの管理」を選択します。

ステップ2:ドライブを選択

ディスクの管理画面で、フォーマットしたいドライブを見つけます。

通常、外付けドライブは「ディスク1」「ディスク2」などと表示されます。容量を確認して、正しいドライブか確かめましょう。

ステップ3:右クリックでメニューを表示

フォーマットしたいドライブのパーティション部分を右クリックし、「フォーマット」を選択します。

ステップ4:フォーマット設定

フォーマットの設定画面が表示されます。

ボリュームラベル:ドライブの名前を入力

ファイルシステム:用途に応じて選択

  • MacとWindows両方で使う → exFAT
  • Windows専用 → NTFS
  • 古いデバイスとの互換性 → FAT32(32GB以下の場合のみ選択肢に表示)

アロケーションユニットサイズ:「既定」のまま

クイックフォーマット:チェックを入れたまま

ステップ5:フォーマットを実行

「OK」をクリックすると、警告メッセージが表示されます。

「このボリュームをフォーマットすると、すべてのデータが失われます」という内容を確認して、「OK」をクリックします。

ステップ6:完了

フォーマットが完了すると、ドライブが使える状態になります。

エクスプローラーから簡単にフォーマット

もっと簡単な方法もあります。

  1. エクスプローラーを開く
  2. 「PC」または「このPC」を表示
  3. フォーマットしたいドライブを右クリック
  4. 「フォーマット」を選択
  5. ファイルシステムを選んで「開始」をクリック

この方法では、FAT32の32GB制限があるので、大容量ドライブをFAT32でフォーマットする場合は「ディスクの管理」を使う必要があります。


大容量ドライブをFAT32でフォーマットする方法

WindowsではGUIから32GB以上のドライブをFAT32でフォーマットできませんが、コマンドプロンプトを使えば可能です。

コマンドプロンプトを使う

ステップ1:コマンドプロンプトを管理者として起動

  1. スタートメニューで「cmd」と検索
  2. 「コマンドプロンプト」を右クリック
  3. 「管理者として実行」を選択

ステップ2:ドライブレターを確認

エクスプローラーで、フォーマットしたいドライブのドライブレター(E:、F: など)を確認します。

ステップ3:フォーマットコマンドを実行

以下のコマンドを入力します(Eの部分は実際のドライブレターに置き換えてください):

format E: /FS:FAT32 /Q

Enterキーを押すと、確認メッセージが表示されます。「Y」を入力してEnterキーを押すと、フォーマットが開始されます。

注意

  • 間違ったドライブレターを指定すると、大切なデータが消えてしまいます
  • 大容量ドライブの場合、時間がかかることがあります
  • FAT32は4GBを超えるファイルを保存できません

MacでNTFSドライブに書き込む方法

MacはNTFSドライブを読み取り専用でしか認識しませんが、書き込みを可能にする方法があります。

サードパーティ製ソフトを使う

有料または無料のソフトウェアを使うことで、MacからNTFSドライブに書き込めるようになります。

有料ソフト

  • Paragon NTFS for Mac:安定していて高機能
  • Tuxera NTFS for Mac:高速で信頼性が高い

無料ソフト

  • NTFS-3G:オープンソースのドライバー(設定がやや複雑)

ターミナルコマンドで有効化(実験的)

macOSには実験的なNTFS書き込み機能が隠されていますが、Appleは正式にはサポートしていません。

この方法は不安定な場合があるので、重要なデータがあるドライブでは使わない方が安全です。


よくあるトラブルと解決方法

フォーマットに関する、よくある問題の対処法を紹介します。

「フォーマットする必要があります」と表示される

原因

ドライブが壊れているか、現在のOSで認識できないフォーマットになっています。

解決方法

  1. 別のパソコンで試してみる
  2. ディスクユーティリティ(Mac)またはディスクの管理(Windows)でエラーをチェック
  3. 必要なデータがあればデータ復旧ソフトを試す
  4. フォーマットし直す

フォーマットが完了しない

原因

ドライブに物理的な問題がある可能性があります。

解決方法

  1. 違うUSBポートに接続してみる
  2. 別のケーブルを使ってみる
  3. ディスクのエラーチェックを実行
  4. それでもダメなら、ドライブの寿命かもしれません

MacでexFATドライブがマウントされない

原因

macOSのバージョンが古い、またはドライブに問題があります。

解決方法

  1. macOSを最新版にアップデート(exFATは10.6.5以降で対応)
  2. ディスクユーティリティの「First Aid」を実行
  3. 別のMacで試してみる

Windowsで「このドライブは書き込み保護されています」

原因

ドライブに物理的な書き込み保護スイッチがあるか、システム設定で保護されています。

解決方法

  1. USBメモリの物理的なロックスイッチを確認
  2. ドライブのプロパティで「読み取り専用」のチェックを外す
  3. レジストリエディタで書き込み保護を解除(上級者向け)

データを安全にやり取りする方法

MacとWindowsでデータをやり取りする、その他の方法も紹介します。

クラウドストレージを使う

外付けドライブを使わなくても、クラウドサービスでファイルを共有できます。

主なサービス

  • iCloud Drive(Mac標準)
  • OneDrive(Windows標準)
  • Google Drive
  • Dropbox

これらは、どのOSからでもアクセスできます。

ネットワーク共有

同じネットワーク内にあるMacとWindowsは、ファイル共有機能でデータをやり取りできます。

大量のファイルを頻繁に移動する場合、外付けドライブよりも便利なことがあります。

ファイル転送サービス

一時的なファイルのやり取りなら、オンラインのファイル転送サービスも便利です。

  • WeTransfer
  • Firefox Send(サービス終了、代替サービスあり)
  • ギガファイル便

大容量ファイルでも、無料で送受信できます。


まとめ:フォーマット選びの基本

MacとWindowsのフォーマットの違いを理解すれば、互換性の問題を避けられます。

この記事のポイント

  • MacとWindowsでは標準のファイルシステムが異なる
  • 両方で使うならexFATが最適
  • Mac専用ならAPFS、Windows専用ならNTFS
  • FAT32は互換性が高いが、4GB以上のファイルは扱えない
  • フォーマットするとデータが消えるので注意
  • 用途に応じて適切なフォーマットを選ぶことが大切

外付けドライブを購入したら、まず自分の使い方に合ったフォーマットを選んで、適切にフォーマットしておきましょう。そうすれば、MacでもWindowsでも、ストレスなくデータのやり取りができます。

両方のOSを使っている方は、ぜひexFATでフォーマットすることをおすすめします。

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